もくじ
そもそもGLP-1とは？
GLP-1受容体作動薬（以下、GLP-1）とは、正式名称は「グルカゴン様ペプチド-1」といい、食事した際に小腸から分泌されるホルモンです。
GLP-1には食べた物の排出を遅らせ、血糖値上昇を抑える効果が期待できることや空腹感を抑制する働きがあります。別名「痩せホルモン」と呼ばれ、特に食欲抑制効果により、過食や間食を減らし自然に痩せ体質になることが注目されているホルモンです。
個人差はありますが医師の指示の下でGLP-1を上手く活用すれば、激しい運動や無理な食事制限をすることなく、体重や体脂肪を減らせることが期待できます。しかし、治療薬を使用することから注意点もあるので、この記事を最後までご覧ください。
糖尿病リソースガイド「GLP-1受容体作動薬」
糖尿病サイト「GLP-1とは？」
GLP-1のダイエット効果と口コミ
GLP-1ダイエットの4つの効果と、実際にGLP-1ダイエットを実践した人の口コミを見ていきましょう！
1.ストレスが少ない
GLP-1ダイエットであれば、空腹感によるストレスが少なくなります。
ダイエットは空腹感を我慢することが辛さのひとつですよね。GLP-1ダイエットであれば、少しの食事でも満腹感を得られます。
このあと紹介する「激しい運動なし」や「食事制限なし」も含め、ダイエット挫折の理由上位に当てはまることを我慢しなくて済むのは、最大のメリットかもしれません。
2.太りにくい体質がつくれる
GLP-1ダイエットは「食べても太らない」のではなく、「太りにくい体質」を目指せる方法といわれています。その理由は、満腹感の持続や食欲抑制のほか、脂肪燃焼が促進されるからです。
太りにくい体質を作るには、基礎代謝の存在が欠かせません。基礎代謝とは、人々が生きるうえで必要な最低限のエネルギーのこと。何もせずに横になっているときや座っているときも私たちのエネルギーは消費されています。
脂肪燃焼が促進されると基礎代謝が高くなり、消費されるエネルギー量が増えるため「太りにくい体質」に近づけるのです。
3.激しい運動が必要なし
適度な有酸素運動はGLP-1ダイエットにも必要です。
「ダイエット＝激しい運動」というイメージが強いと思いますが、GLP-1ダイエットの場合は激しい運動でかえって血糖値の上昇が起きてしまいます。血糖値が上昇すると、人は酒食や甘い物をますます求めていきます。
ただし、全く運動しないと痩せるまでに時間がかかるため、軽いジョギングやウォーキング、階段歩行などの有酸素運動で適度に身体を動かしましょう。
これまで激しい運動や筋トレが続かなかった人は、一度病院やクリニックに受診してGLP-1ダイエットを検討してみてもいいかもしれません。
4.食事制限なしでできる
自然に無理のない範囲で食欲を抑えられるGLP-1ダイエットは、食事制限に固執しなくていいといわれています。これまでも解説したように、消化がゆるやかになり満腹感が得られやすいため、少量の食事でも満足できるからです。
だからと言って、甘いものや油ものを食べすぎてもいいわけではありません。GLP-1ダイエットは好きなものを食べて痩せられる方法ではなく、無理に食事制限をしなくても痩せ体質を目指せる方法です。
5.GLP-1ダイエットの口コミは？
具体的なメリットや効果の次は、実際に取り組んだ人の口コミが気になりますよね。GLP-1ダイエットに取り組んだ人の口コミをまとめてみました。
＜いい口コミ＞
今までのダイエットで一番痩せられました。とにかく食欲がなくなりますが、リバウンドもほとんどないです。金額が高いのがデメリットくらいです。
引用：ダイエットカフェ
個人差はあると思いますが、私は最初に吐き気などの副作用がありました。先生のアドバイスに従って最低継続すべき期間飲み続けたら、理想の体型になれました。
引用：ダイエットカフェ
痩せられたという口コミも、だいたいは金額や最初に感じる副作用はデメリットとしてあげている人が多いです。
一方で、このような声もありました。
＜あまりよくない口コミ＞
食欲は抑えられたけど、お腹がすいてなくてもストレス発散のために食べるタイプの私には合わなかった。
引用：ダイエットカフェ
高額だから「ちゃんと痩せないと」とプレッシャーになって辞めてしまった。
引用：ダイエットカフェ
体重増加の理由がメンタル面の人や、メンタルが不安定の人は効果を感じる前に違う方法がいいと感じているようです。クリニック受診の際にも、受診歴や生活スタイルについて詳しくカウンセリングがあるといわれています。
これからダイエットを始める人は、その点の不安も含めて主治医に相談できるといいかもしれませんね！
GLP-1ダイエットが痩せない・怪しいといわれる理由
GLP-1ダイエットは体内にGLP-1を投与するため、用法・用量を守ることが大前提となります。ただし、用法・用量を守るだけでは痩せられません。そもそもGLP-1は怪しいと疑問視されているダイエット法でもあるのです。
ここでは、痩せない・怪しいといわれる理由と、それらの解決方法を解説していきます。GLP-1ダイエットを検討中の人は皆さん最後まで読んでくださいね。
痩せない理由①生活習慣がそのまま
食事制限なしだからといって、栄養のバランスが悪いもしくは食べすぎている場合、痩せるスピードが遅くなるのも当然でしょう。また、軽い運動も全くしない場合、脂肪燃焼効果が得られにくくなるため、思っていたよりも痩せるまでに時間がかかります。
そのほか飲酒も控える必要があります。過度な食事制限はないですが、健康な生活を意識する必要はあるのです。
多くのクリニックや病院では、GLP-1による薬物治療のほかに、食事療法やメンタルサポートなども同時並行で実施してます。用法・用量だけでなく、痩せるために最低限必要な生活習慣を守ることで効果が感じられるので、クリニックを選ぶ際は薬物治療以外のアプローチにも注目してみてください。
痩せない理由②実は体型の条件がある
日本は海外と比較すると知られていないですが、GLP-1投与に関して海外にはBMIの基準があります。
海外の基準はBMI30以上に該当する人がGLP-1を投与しているそうです。BMI30以上どのくらいかというと、日本肥満学会の「肥満症診療ガイドライン」でいうところの肥満（2度）となります。
肥満（1度）がBMI25以上の人ですが、厚生労働省「国民健康・栄養調査報告」によれば日本人でBMI25以上の割合は男性33%、女性23%なのです。もしかすると、自らを太っている感じている人も国の基準では肥満ではないからGLP-1投与では効果を感じられない可能性が否定できません。
ダイエット方法はGLP-1だけではないので、まずは医師に相談してみてもいいかもしれないですね。
一般社団法人 日本肥満学会
厚生労働省「令和元年 国民健康・栄養調査結果の概要」p18-19
怪しいといわれる理由①まだ知らない人も多いから
私たち人間は、未知のものに対する不安を少なからず持っているといわれています。
新しいことを「面白そう」と感じる人もいますが、経験がないものや知らないことを、不安や疑いなく挑戦する力は簡単に作れるものではありません。この記事をここまで読んでいる皆さんも「GLP-1って聞いたことがある」という人はいても、詳しく知っている人は少ないでしょう。
有酸素運動や置き換えダイエットと異なり、「GLP-1」はイメージがしにくいですよね。まずはGLP-1を知ること、そして疑問は解消していくことで自分に合っているダイエット法がわかっていくでしょう。
怪しいといわれる理由②メリットばかりが注目されているから
この記事でもメリットを4つほど紹介しましたが、まだ副作用には触れていません。
GLP-1ダイエットに限らず、デメリットや注意点が書いていない方法や商品は「本当に大丈夫か」と疑うのも無理もないでしょう。特に日本人は慎重な人が多いといわれていますし、損をしたくない心理も働きやすいです。
GLP-1だけでなく、あらゆるダイエットの効果とデメリットを調べ、比較検討すること。そして、自分なりの基準を定めておくことで怪しいものかどうか見極めていきましょう。
GLP-1の種類は？どれが効果ある？
GLP-1は注射と飲み薬の2種類があります。ここでは病院で処方されている注射と飲み薬、そしてそれぞれの特徴、効果が出るまでの期間などを紹介します。
注射と飲み薬の2種類
主な種類は以下の5つです。これらの治療薬以外にもございますが、日本のクリニックはこの5種類を処方している場合が多いといわれています。
| 種類 | 商品名 | 投薬頻度 | 特徴 |
| 注射 | サクセンダ | 1日1回 |
・日本では未承認の治療薬 |
| 注射 | ビクトーザ | 1日1回 |
・サクセンダと同様の成分 |
| 注射 | マンジャロ | 週1日 毎週同じ曜日 |
・日本で承認済み ・ 症状にあわせた調整ができる ・毎日の投与が負担な人に向いている |
| 注射 | オゼンピック | 週1日 毎週同じ曜日 |
・注射針が細く、痛みを感じにくい ・日本で承認済み ・毎日の投与が負担な人に向いている |
| 飲み薬 | リベルサス | 1日1回 | ・注射嫌いの人に向いている ・日本で承認済み ・オゼンピックと成分は変わらない |
では、以下に詳細を紹介していきます。副作用は誰にでも出るものではないですが、あらかじめ確認しておくことでいざというとき医師に相談しやすくなりますよ。
注射：サクセンダ
肥満治療薬の1つであるサクセンダ（医薬品名：リラグルチド ）は、日本では未承認の治療薬です。デンマークを拠点とするノボノルディスクファーマ株式会社が開発し、世界的には肥満治療薬として使用されています。
未承認ですが、日本のクリニックで処方はできます。ただし、保険適用外の治療となり、医薬品被害救済制度も対象外です。世界では安全性の高さも評価されていますが、日本では制度が整っていないことは忘れないようにしましょう。
次に紹介するビクトーザはサクセンダと同様の成分を持っており、厚生労働省から承認も得ています。
インターネット等で購入した未承認医薬品等・健康食品（医薬品成分含む）の健康被害情報
注射：ビクトーザ
2型糖尿病治療薬の1つであるビクトーザ（医薬品名：リラグルチド）は、サクセンダと同成分ですが日本で承認されている薬です。1日1回の投与が必須であり、毎日セルフ注射するのが面倒な人には続きにくいかもしれません。
主な副作用：（5%以上）便秘、悪心／（1～5%未満）食欲減退、下痢、腹部不快感など
（0.2～1%未満）胃腸炎、貧血、頭痛、味覚異常、倦怠感など
重大な副作用（頻度不明）：低血糖、膵炎、腸閉塞など
※個人差があり、必ず副作用がでる訳ではありません。
KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : ビクトーザ」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「リラグルチド」
注射：マンジャロ
2型糖尿病治療薬の1つであるマンジャロ（医薬品名：チルゼパチド注射液）は、週1日、毎週同じ曜日の投与が必須の注射です。曜日が異なる場合は投与から3日以上あけることとなっていますが、医師の説明をよく聞いて投与してください。
主な副作用：（5%以上）悪心、下痢、便秘など
（1～5%未満）腹部膨満、疲労、胃食道逆流性疾患など
（0.2～1%未満）胆石症、心拍数増加、低血圧、過敏症など
重大な副作用（頻度不明）：低血糖、アナフィラキシーなど
そのほか0.1%で急性膵炎、胆管炎
※個人差があり、必ず副作用がでる訳ではありません。
KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : マンジャロ」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「チルゼパチド」
注射：オゼンピック
2型糖尿病治療薬の1つオゼンピック（医薬品名：セマグルチド）は、マンジャロ同様に週1日投与する注射です。同じ曜日に行うことが必須とされ、曜日が異なる場合は投与から3日以上あけることになっています。
主な副作用：（5%以上）食欲減退、悪心、便秘、下痢など
（1～5%未満）頭痛、腹部膨満、下腹部不快感など
（0.2～1%未満）胃腸炎、浮動性めまい、疲労、無力症など
重大な副作用（頻度不明）：低血糖、急性膵炎、胆管炎など
※個人差があり、必ず副作用がでる訳ではありません。
KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : オゼンピック」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「オゼンピック0.2mg/0.5mg/1.0mg」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「オゼンピック2mg」
飲み薬：リベルサス
GLP-1ではめずらしい飲み薬のリベルサス（医薬品名：セマグルチド）も2型糖尿病治療薬です。用法は1日1回、最初の食事または飲み物を飲む前に、空腹状態で120ml以下（コップの半分ほど）の水と共に服用します。
主な副作用：（5%以上）悪心、下痢
（1～5%未満）頭痛、食欲減退、便秘、嘔吐など
（0.2～1%未満）浮動性めまい、味覚異常、疲労、無力症など
重大な副作用（頻度不明）：低血糖、胆管炎など
そのほか0.1%で急性膵炎など
※個人差があり、必ず副作用がでる訳ではありません。
KEGG MEDICUS「医療用医薬品 : リベルサス」
独立行政法人 医薬品医療機器総合機構「セマグルチド」
痩せやすいのはどれ？
「どのくらい続ければいいの？」「どれがいいの？」という疑問もありますよね。
GLP-1は医薬品のため、全員に万能な物ではなく一人ひとりの体質や症状、体重などを考慮して医師が処方します。そのため、全員にとって痩せやすいものはありません。一般的に効果が得られるのは、個人差はありますが処方から2週間程度といわれています。副作用や経過状況を医師やサポートスタッフにきちんと報告することで、効果的な方法でダイエットができるでしょう。
副作用のリスクが少なく効果が出やすいといわれているのはサクセンダですが、サクセンダは日本未承認であり、保険適用外なので高額になります。金額についても無理のない範囲をあらかじめ決めておくといいでしょう。
一人ひとりの体質に合わせる以外の判断だと、毎日注射することが億劫な人はオゼンピック、注射が苦手な人は飲み薬のリベルサスなど、生活スタイルや「続けられるか」を判断基準の1つとしてもいいですね。
GLP-1ダイエットをはじめるための注意点
GLP-1はメリットの多いダイエット法ですが、このメリットはただ投与しただけで得られるものではありません。適切な生活習慣の見直しも重要です。
その理由は、効果が半減するだけでなく、投与をやめた後に徐々に体重が戻るリスクがあるからです。GLP-1を投与しながら、痩せ体質になる生活習慣をつくる意識をしましょう。
また、腎機能や心機能、肝機能に低下がみられる人や甲状腺疾患、妊娠中・妊娠の可能性がある方も使用を禁止されています。治療中の病気や精神疾患がある人も、治療を行えない場合があるので、あらかじめ医師に相談してください。
日本糖尿病学会誌第60巻第9号「GLP-1 受容体作動薬の分類と作用機序，使用上の注意点」矢部大介
GLP-1ダイエットができるクリニック２選
ほかのダイエット法と違い、身体に医薬品を投与するGLP-1ダイエットはクリニック選びも重要です。ここではYOGAHACK厳選のクリニックを紹介します。
ファイヤークリニック
| クリニックの特徴 | ・医師と管理栄養士によるオーダーメイドで痩せる！ ・21日以内全額返金保証付き ・ただ痩せるのではない、体質改善ダイエット |
| 注射等の種類とその他の治療法 | ・サクセンダ ・脂肪溶解注射「カベリン」 ・医療用EMS ・その他の薬（メトホルミン、SGLT2阻害薬など） ・医師・管理栄養士監修の食事療法＆認知行動療法 |
| 期間と金額 | ・金額：月額6,800円～ ・期間：2ヶ月間 |
| クリニックの所在地 | 新宿院・渋谷院・銀座院・名古屋院 |
ミラクリニック
| クリニックの特徴 | ・最新医療技術を活用！次世代のダイエット法 ・一人ひとりに合わせたオーダーメイド処方 ・パーソナルジム提携オプションで骨盤矯正も可能！ |
| 注射等の種類とその他の治療法 | ・GLP-1注射薬 ・医療用EMS ・脂肪凍結機器 ・超音波レーザー ・その他の薬（メトホルミン、SGLT2阻害薬など） ・管理栄養士によるLINEを使った食事指導 ・プロトレーナーによる骨盤矯正 |
| 期間と金額 | ・金額：月額18,400円 ・期間：3ヶ月間 |
| クリニックの所在地 |
渋谷本院、ミラクリニック新宿、池袋院、横浜院 |
GLP-1は医師の指示のもとで、正しく使用しましょう！
GLP-1ダイエットは運動や食事制限が苦手な人にぴったりの方法。しかし、医師の指示をよく聞いて生活習慣をある程度気をつけないと効果は得られません。
GLP-1ダイエットに関心のある人は、本当に自分に合っているか含め、クリニックに受診して医師に相談してみてくださいね。
孤独でつらいダイエットではなく、専門家に協力してもらいながら痩せられるGLP-1ダイエット。理想の身体になるために、ダイエット法のことをよく知って身体も心もスッキリしちゃいましょう！
