もくじ
梅ジュースの効能が凄い!
「梅」と聞いて私たち日本人が一番身近に感じるものは梅干しではないでしょうか。梅干しもおいしいのですが、おすすめなのが毎日飲める「梅ジュース」です。
ここからはおいしさだけでない、梅ジュースの驚くべき効能について解説していきます。
ビタミン・ミネラルの吸収を促す
梅の栄養素は食品の中でも大変優れており、タンパク質やビタミン、カルシウム、カリウム、リン、鉄などのミネラルも豊富に含まれています。
梅のミネラル含有量は、みかんやりんご、ぶどうよりも多くなっています。カルシウムにおいては、りんごの4倍、鉄はりんごの6倍も多く含まれています。その他、マグネシウムや亜鉛も梅の実のほうが多いのです。
ミネラルは体内に吸収されにくい栄養素といわれていますが、特にカルシウム、鉄、亜鉛などは不足しやすい栄養素です。
梅ジュースの酸味の成分「クエン酸」はビタミンやミネラルの吸収を促し、カルシウムが骨から持ち出されるのを防ぐ働きをします。
加齢とともに低下するカルシウム吸収率は、梅を毎日摂取すれば体内のカルシウム定着率も高まっていきます。また梅ジュースは、カルシウムが必要な成長期の子供や高齢者にも大人たちにもおすすめです。
食欲促進
梅干しのような酸味の高いものを想像したり口に入れたりすると、唾液が出てきますね。梅の酸味成分であるクエン酸は唾液の分泌を促進させ食欲を促進させるだけでなく、胃液などの消化駅や消化酵素の分泌を高めるので食欲吸収を助けてくれます。梅が出回る初夏に梅ジュースを作っておけば、次に訪れる夏シーズンで食欲が落ちたときに役に立ちますね。
梅に含まれるピクリン酸も腸を活性化し便秘などの改善も期待できます。
むくみ解消
無駄な水分や老廃物が皮膚の下にたまってしまうむくみ。むくみの原因には生活習慣も関わっていますが、その中でも原因のひとつに上げられるのが塩分の取りすぎです。梅ジュースに豊富に含まれるカリウムは、塩分を体の外に排出する働きをしてくれるので、むくみ対策として期待ができます。
他にも梅に含まれるクエン酸は、新陳代謝を促して老廃物の排出を促してくれます。
抗酸化作用による美肌効果・老化防止
梅に含まれるポリフェノールやビタミンEは、野菜や果物の中でも優れた含有量を誇ります。
ポリフェノールは強い抗酸化力を持つことでも有名で、体内の酸化を抑えてくれます。しみ・しわなどの老化の原因である活性酸素を抑制し美肌作りに役立ちます。
また梅ジュースに含まれているビタミンEも同じく抗酸化作用を持つ栄養素です。ビタミンEは体内の脂質の酸化を抑制し、細胞を守る役割を発揮してくれます。
肝機能を強化し血液サラサラ
梅に含まれるピルビン酸という成分は、肝機能の強化に有効とされています。また、梅を加工し加熱処理をした*梅ジャムなどでは、糖とクエン酸が結合しムメフラールという成分が作られます。ムメフラールは血流を改善する働きをしてくるので、血栓予防、動脈硬化などの生活習慣病の予防にも効果が期待できます。*梅ジャムの作り方は下記「残った梅の利用方法」でご紹介します。
血管にコレステロールが溜まるのを抑え、血液が体の隅々まで酸素や栄養分を供給してくれることで、老廃物の排出が促進され疲労回復にも役立ちます。新陳代謝が促進されることで老化防止にも繋がりますね。
疲労回復効果
梅の酸味成分であるクエン酸やリンゴ酸は、糖質の代謝を促進させてくれます。栄養素をスムーズにエネルギーに変えることができるので、エネルギー代謝をうまく稼働させることで疲れや肩こり、細胞の老化を防ぎます。
また梅ジュースに豊富に含まれるビタミンEは、うなぎにも多く含まれる疲労回復成分です。血行を改善し疲労物質を運び出し、筋肉や末梢神経に酸素と栄養分を運んでくれます。筋肉の疲れや血行不良からくる肩こりや腰痛を緩和してくれます。
梅ジュースは疲労回復だけでなく、疲れにくい体づくりにも効果が発揮されます。
失敗しない梅シロップの作り方
わたしは梅シロップを砂糖を使用せずにはちみつだけで作っています。はちみつのやさしい風味が好きなのですが、はちみつにはミネラルやビタミン、アミノ酸、酵素など優れた栄養素が豊富に含まれています。またはちみつに含まれるオリゴ糖やグルコン酸は、善玉菌を増やし悪玉菌の増殖を抑制して腸内環境を良くしてくれます。
まろやかな風味が楽しめるはちみつを使用した梅シロップづくりに是非チャレンジしてみてください。
材料
- 梅・・・・・1㎏
- はちみつ・・1㎏(甘さ控えめで作りたい方は700g~800g)
※氷砂糖やグラニュー糖でもはちみつと同量で作ることができます。
※氷砂糖やグラニュー糖は透き通ったきれいな梅シロップに仕上がりますが、サトウキビが原料なので「体を冷やす」食べ物になります。色が濃くなりますが「甜菜糖」を使用すると体を温めてくれます。甜菜糖が体を温めるといわれているのは、オリゴ糖が含まれているからです。梅シロップづくりで使用する糖分の材料については、お好みで使い分けてください。
必要な道具
- 漬け瓶(梅が1㎏なら3リットルのサイズ)
- キッチンペーパー
- 消毒用のアルコール(焼酎またはホワイトリカー)
- 竹串
- フリーザーバック
- ざる
- 梅シロップ保存用瓶
作り方
- 梅をつける瓶を洗って乾かす。焼酎で瓶の内側を拭いて消毒する。
- 梅を流水でひとつひとつ丁寧に水洗いし、ざるに上げ水を切る。
- 梅のヘタを竹串を使って取り除く。
- 梅をキッチンペーパーで拭き、水分を取る。
- フリーザーバックに梅を入れてしっかりと空気を抜いて封をし、冷凍庫で24時間以上凍らせる。(凍らせることで失敗せずに梅シロップを作ることができます。凍らせておけば長期保存できるので、四季問わずどのシーズンでも梅シロップを作ることが可能です。)
- 瓶に梅を入れる。(凍った梅で瓶を割らないように、慎重に入れましょう)
- 梅の上からはちみつを入れる。
- ふたをして、直射日光の当たらない冷暗所に置く。(凍った梅が解けて結露ができるので、下にタオルを敷いておきましょう。)
- 数日で果汁が出てきます。はちみつは下にたまりやすいので、1日1~2回は容器をゆすり、はちみつと梅を混ぜ合わせます。(梅をはちみつですみずみまで濡らすことにより、梅の表面が乾いて発酵するのをふせぎます。はちみつを梅全体に馴染ませることでエキスも早く出ます。ゆすらずに放置してしまうとカビが生えたり発酵を起こすことがあります。)
- 約10日間で出来上がり。(梅のエキスが十分に抽出されると、梅の実がシワしわになるので、飲み頃になっていることが分かります。)
- 梅の実をざるを使って取り出す。
- 別の保存用瓶を煮沸消毒し乾かしておく。梅シロップを保存用瓶に移し冷蔵庫で保管する。
※はちみつを使っている梅シロップは、1歳未満の乳児にはボツリヌス中毒の危険性があります。飲ませないようにご注意ください。
わたしはここまでの工程で梅シロップづくりを終了しますが、このあと加熱処理をする方法もあります。加熱処理をすると保存期間は約3ヶ月もちますが、熱を加えることで健康に良い酵素や梅の風味が失われます。加熱処理したい方は下記を参考にしてください。
12.鍋に梅シロップを移し、アクを取りながら80度で10分~15分間加熱殺菌する。(沸騰直前で弱火にし、沸騰させないようにかき混ぜながら煮ることで、80度を保つことができます。)濁りがある場合は、殺菌する前にガーゼでこしておく。
13.梅シロップが完全に冷めてから、保存用瓶に移し替えて冷蔵庫で冷やす。(消費期限は短くなりますが常温で保存しても構いません。)
梅シロップのおいしい飲み方と飲むタイミング
梅シロップが出来上がったら早速飲んでみましょう!自家製の梅シロップはワクワク楽しみですね!せっかくなのでおいしい梅ジュースを効率的に飲んで健康促進にも役立てたいところです。ここからはおすすめのおいしい飲み方、効果的な飲むタイミングをご紹介します。
梅シロップのおすすめの飲み方
代表的な飲み方は、冷水、炭酸水などで4~5倍に割る飲み方です。梅の風味を楽しみたいときは、冷水や炭酸水を少なめに梅シロップを多めにします。また炭酸ガスには、疲労回復や整腸作用、冷えの症状解消に効果があるといわれています。梅シロップと割ることでさらに美容や健康に良い飲み物になります。
梅シロップを牛乳を1対5の割合で作ると、ヨーグルトドリンクのような口当たりになります。梅シロップに含まれるクエン酸がカルシウムの吸収を上げてくれます。
梅シロップを原液のままかけて食べるかき氷もおすすめです。
効果的な飲むタイミング
朝食・昼食の食中・食後
梅ジュースの栄養・効果を引き出せるタイミングが、朝食・昼食の食中・食後です。栄養成分の吸収・消化が良くなり、美容や健康に効果を発揮してくれます。
夏バテ時
夏の食欲が出ない時には、食前に水で薄めた梅シロップを飲んで「食欲増進」「食欲の刺激」に繋げることができます。
運動の後
運動後は筋肉や様々な組織が壊れ、汗をかくことによってミネラルなどの栄養素も流れ出る状態になります。運動後に梅シロップを飲めばミネラル補給に加え、梅に含まれるクエン酸が疲労物質の乳酸を分解してくれるので、「疲労回復効果」が期待できます。
梅シロップを避けたいタイミング
・食前や空腹時
空腹時は、梅シロップのクエン酸が胃に負担をかけてしまう可能性があります。梅シロップのクエン酸は食欲増進に効果があるので、食前に飲むことで食べ過ぎてしまうことも。特にダイエットしている方は食前に飲むのを避けましょう。
・就寝前
梅シロップは酸が強いので、就寝前に飲んでしまうと歯が溶けやすくなる可能性があります。特に睡眠中は、唾液の減少により酸が口内に残りやすくなります。朝食時や昼食時は、唾液や飲み物などで酸が流されますが、夕食時に飲んだ場合はしっかりとうがいをし、口内の酸を流しましょう。就寝前に梅シロップを飲んだら、30分ほどしてから歯磨きをしてしっかりと口の中をきれいにしましょう。口の中が酸性の状態になるとエナメル質が柔らかく溶けやすいので、歯ブラシの摩擦からの影響を考えて30分程時間を空けると良いです。
残った梅の利用方法
梅シロップ作りで余った梅は、そのまま食べることができます。酸っぱい梅干しとは違った、ほんのり甘さを感じるまろやかな風味を楽しめます。
その他梅ジャムを作って、パンにつけたりヨーグルトに混ぜたりする以外に、お料理に使って楽しむこともできます。エキスが出た後の青梅でも甘酸っぱいジャムができ、とてもおいしくいただけます。
梅ジャム
材料(梅1㎏分)
- 梅シロップの残りの梅(種を取った状態)・・400g
- 砂糖(果肉の重さの半分)・・・・・・・・・200g
必要な道具
- 鍋(おすすめはステンレスかホーロ鍋)
- へら
- まな板と包丁(ミキサーやフードプロセッサーでもOK)
- ジャム保存用の瓶
作り方
- 梅の実を取り出す。(エキスを出した梅はシワシワです。)
- 梅の実を包丁でそぎ落とし、種を取る。
- 梅の実を包丁で細かく刻む。(ミキサーやフードプロセッサーを使用するとなめらかなジャムになります。)
- 鍋に梅の果肉を入れ、ひたひたの水を加える。(雪平鍋などのアルミニウム鍋は梅の酸に弱く傷んでしまいます。)
- 焦がさないようによく混ぜながら弱火で煮る。
- 浮いてきたアクをおたまですくって取り除く。
- 砂糖を全量加え、絶えずかき混ぜながらペースト状になるまで煮詰める。目安は20分~30分。冷めると固くなるため少し緩いくらいで火を止める。
- 瓶を煮沸消毒する。
- ジャムを瓶に詰める。(ジャムと瓶が熱いうちに詰めます。)
- ジャムが冷めたら冷蔵庫で保存する。消費期限は2~3週間が目安。
保存方法
完成した梅シロップを入れる瓶や蓋は、しっかりと煮沸消毒しましょう。
瓶の消毒方法
- たっぷりの水を鍋に入れて瓶だけでなく、蓋やパッキンなども火にかけます。(割れるのを避けるために水の状態から瓶を入れておきましょう。)
- 15分程煮沸させ続けます。
- やけどしないようにトングなどを使って取り出し、網の上で瓶や蓋、パッキンをしっかりと乾かします。
常温で保存する場合
梅シロップは浸かるまでは常温保存(約10日間)です。梅シロップが完成したら、冷蔵庫にスペースがない場合は常温でも保存可能です。1ヶ月を目安に飲み切りましょう。
冷蔵庫で保存する場合
梅シロップは常温でも保存可能ですが、冷蔵庫で保存した場合10ヶ月ほど日持ちします。できるだけ冷蔵庫に入れるほうがいいですね。
冷凍庫で保存する場合
冷凍保存可能な容器を使用します。シロップが凍ると膨張するので、梅シロップは容器の8分目まで入れて冷凍庫で凍らせましょう。飲むときは冷凍庫から出して自然解凍させます。解凍後は早めに飲み切ってしまいましょう。
おすすめは製氷皿です。製氷皿に梅シロップを注いで、凍ったらジッパー付きのフリーザーバックに入れて保存します。飲みたいときに、梅シロップ氷を出してグラスで解凍させて飲むことができるので便利です!
梅パワーで美肌を手に入れ、疲れも吹き飛ばそう!
筆者は、梅ジュースが大好きでたくさん飲みたい一心で梅シロップ作りを始めました。作ってみるとその工程のひとつひとつが楽しく、完全にはまってしまいました。梅が咲くシーズンになると、初夏の梅が出回る時期が待ち遠しくなります。
おいしさや楽しさだけでなく、美容や健康にもよい効果を発揮してくれる梅シロップですが、自分で作ってみると瓶の中で揺れる梅の実がかわいく見えてきます。アレンジもいろいろあるので飽きが来ず、余すことなく梅を楽しめますし、冷凍すれば一年中梅シロップを作れます。
自家製梅シロップで健康ライフを手に入れてみませんか。