この秋読みたいおすすめ本11選
この秋におすすめの本を、ジャンルごとに分けてみました。読書初心者さんにとっても手に取りやすい、有名かつ楽しめる本も選んでみたので、書店や通販でチェックしてみてください。
ミステリー編
先が気になり本の世界に入り込んでしまうミステリー、秋に読むことでよりスリル感も得られるでしょう。人気のミステリー小説を4つ、厳選しました。
そして誰もいなくなった
タイトルからして内容が気になる「そして誰もいなくなった」、アガサクリスティによる長編の推理小説です。イギリスでは、テレビドラマ化もされた人気のミステリー小説となっています。
U・N・オーエンと名乗る人物から、職業や年齢など様々な10人の人物が、ある孤島に向かいます。島にある邸宅に着きもてなしを受けますが、各部屋にある額物の中に収められている羊皮紙には気になる子守唄が書かれていました。子守唄によると、10人のインディアンが一人ずつ命を落とし、最後は誰もいなくなったということです。その後、次々に子守唄の通りに命を落としていくというあらすじになっています。10人それぞれが罪を抱えており、法律では裁くことができなかったため、オーエンが島に呼び寄せて死を与えたというわけです。
ドキドキするような展開が待っているので、読み始めたら止まらないでしょう。ミステリーということでハラハラする瞬間もありますが、読書にふけりたいというときにはぴったりの一冊です。
九年目の魔法
主人公は19歳の女子大生ポーリイ、ある日15歳より前の記憶が二重になっていることに気づきます。そして、自分の部屋にかかっている写真を見ているうちに、10歳の頃のハロウィーンを思い出します。いろいろな出来事のつじつまが合わなくなり、ポーリイは記憶を取り戻そうとします。
両親から捨てられたポーリイをそばで支えてくれたトーマスは、彼女にとってとても大切な存在でした。しかし、友人や祖母と話していると嚙み合わないことばかり。
さらに、トーマスが離婚した相手ローレルは妖精の女王で、90年に一度新しい命を得るために若い女性を犠牲にしてきました。そして、ローレルの夫となるモートンは9年ごとに命を得る必要があります。トーマスは、命を移し替えるために必要な存在となります。そんななかポーリイが介在することでローレル自身にも魔法が降りかかるようになり、ポーリイ自身は記憶を取り戻すことができます。そして、命の移し替えの危機にさらされているトーマスを救いに向かうという話です。
あらすじを説明するのが難しいほど、この本は複雑な内容になっています。何度か読み返して、内容が理解できるということもあるでしょう。しかし、吸い込まれるようなミステリー感が魅力的な作品です。
十角館の殺人
推理小説研究会の学生メンバーは、旅行で角島にある十角館に訪れます。十角形の形をした奇妙な建物で、中にある家具などあらゆるものが十角形をしています。楽しい旅行のはずが、メンバーの一人が亡くなることで不安を抱くようになります。その後も、一人また一人と仲間が殺されていきます。
犯人が誰なのか疑心暗鬼に陥りながらも、対話をして犯人を探そうとします。何の前触れもなく人が死んでいく、途中ある人物による衝撃の一言がすべてを変えてしまう・・・など、気になる要素が盛りだくさんです。
あっと驚くような展開を求めている人、本格的なミステリーを読み込みたい人におすすめしたい一冊です。
ナミヤ雑貨店の奇蹟
ミステリー作家として有名な東野圭吾によって書かれた小説です。児童養護施設出身の3人の少年が強盗に入り車を盗み逃走します。逃走の途中に動かなくなってしまった車を置き、近くにあったナミヤ雑貨店に逃げ込みます。何年も前に店じまいしたような雑貨店でしたが、そこは過去とつながっている場所でした。郵便受けに届く悩みを3人の少年が、彼らなりに解決しようとします。
その後様々な悩み相談を受けながら、最後は少年らが強盗に入った家の女社長からの手紙を受け取ります。良くない噂があった女社長ですが、本当は児童養護施設を守るためにお金を貯めてきていました。その後、少年らは自主します。1つの児童養護施設が、人々をつないでいたという結末が待っています。
過去と現在とを手紙がつないでいる、いわゆる不良少年たちが人の悩みについて真剣に考え自身の行ないを見直すといった、読み終わったときには本当に良かったと思えるストーリーになっています。映画化もされたので、まずは原作をしっかり読んで、映画もぜひチェックしてみてください。
ファンタジー編
続いて、何歳になっても楽しめるファンタジー小説のご紹介です。現実とは違う世界に入り込み、読書を満喫してみましょう。一人で読むのはもちろん、親子で読むこともできます。
モモ
世界中で愛されている児童書「モモ」は、モモという浮浪少女を主人公にストーリーが進んでいきます。すっかり廃墟と化してしまった円形劇場に住み着いていたモモは、髪はぼさぼさ、服はつぎはぎだらけといった格好の少女でした。住民たちがみんなでモモの面倒を見ようということになり、モモは人の話を聞く天才であることがわかります。モモに話を聞いてもらうと、みんな良いアイデアが浮かぶのです。
しかし、ある日灰色の男たちが現れ、時間を銀行に貯めることで命が倍になるという言葉によって、町の人たちは時間を奪われてしまいます。この奪われた時間を取り戻そうと、モモが立ち向かっていきます。
子供から大人にまでおすすめのファンタジーで、読み終わる頃には時間の大切さについても考えさせられるでしょう。
煌夜祭
恒星のように並ぶ18の島では、冬至の夜に煌夜祭が開かれます。これは漂泊した語り部たちが語り合う場であり、死なない体を持ち人を食べるといわれている魔物たちにまつわる物語が語られます。切なくも美しい物語であり、魔物は人間を食べたいと思っているわけではなく、ある日突然魔物として生まれてきてしまう、そんな運命が描かれています。大切な人を食べてしまうかと思うと生きているのがつらい、そう感じる魔物は、魔物に食べられたときにだけ死ぬことができるのです。魔物という存在について、深く知ることができる一冊です。
切なさやはかなさのなかに美しさがある物語で、不思議な世界観に入り込むことができるでしょう。
裏庭
「西の魔女が死んだ」で有名な梨木果歩の本です。時が流れるとともに荒れ放題になってしまった洋館は高い塀に囲まれた場所で、近所の子供たちの遊び場でした。裏庭と現実2つの世界に分けられており、照美という少女は裏庭から異世界に入り込みます。裏庭と呼ばれる世界は崩壊の危機に直面しており、照美は元の世界に戻るため竜の骨を集める旅に出るというストーリーです。
旅をするなかで、照美は過去の辛い記憶や傷、痛みと向き合っていきます。裏庭の世界も傷によって呪われた世界になっており、照美はいろいろなことを考えながら骨集めを続けます。様々な傷と向き合い、人間の表と裏の部分を知ることができる、そんな物語です。
ファンタジー要素のなかに人間ならではの闇の部分がみられる、奥の深い作品です。照美は無事に現実世界に戻ることができるのか、先が気になり、どんどん読み進められるでしょう。
はてしない物語
本好きの少年が一冊の本「はてしない物語」を見つけ、お話の中の不思議な世界ファンタ―ジェンへ導かれるという内容です。ファンタ―ジェンの滅亡の危機を救った少年は、望みを何でも叶えることができる力を手に入れます。しかし、その引き換えに現実世界での記憶の一つを失うというものでした。
その後少年は現実世界に戻る気を失っていき、ファンタ―ジェンを治めようとします。現実世界より快適に過ごせる、何もかもが自分の思い通りになると思い始めるのでしょう。一方、元の世界に戻ろうと思ったら、いくつかの望みが必要になります。その望みを見つけられないまま記憶を失ったらもう二度と現実世界に戻ってこれない・・・そこで少年はどうやって帰れば良いのかを考え始めます。少年が最後に見つける望みにも注目してみてください。
恋愛編
しんみりとした秋にぴったりな、恋愛小説もピックアップしました。気になるタイトルがあったら、ぜひ手に取ってみてください。
僕は何度でも、きみに初めての恋をする。
表紙のイラストに惹かれて本を手に取る、そんな人も多いこちらの一冊、主人公である高校生のセイという女の子は両親の不仲に悩まされていました。そんなある日、カメラを持った不思議な少年ハナと出会います。その後少しずつ二人の距離が縮まり、いつしか恋心も抱くように。セイが両親のことで悩む一方、ハナは病気のせいで大切なものをなくすことはしたくないと考えています。それぞれの抱える想いに対して、どのような結末が待っているのかも気になるところです。
純粋な恋心と二人の恋がこの先どうなるのか、感動ややさしさも感じられる、素敵なストーリーです。
制服のころ、君に恋した。
主人公は、医大を卒業した28歳の間宮奈帆という女性です。本来は家の病院を継ぐことになっていましたが、高校生のときにサーフィンで亡くした、当時奈帆が付き合っていた彼氏のことで、病院には近づかなくなっていました。奈帆は病院ではなく自身の母校である高校で、養護教諭として働き始めます。
そんななか、保健室に飛び込んできた少年がサーフィンで亡くした少年そっくりでした。高校生だった頃を思い出させる彼の存在に、失ったものを取り戻そうとします。10年前に奈帆が抱いていた想いと真実に向き合っていきます。青春かつ感動ものであると、多くの人が涙した作品です。
チョコレート・コンフュージョン
仕事に疲れ切る毎日を過ごしている主人公の千紗は、お気に入りの靴のヒールまでもが折れてしまい、うんざりしていました。そんなとき助けてくれたのが、社内で殺し屋と呼ばれている龍生でした。千紗は、助けてくれたお礼にと龍生に義理チョコを渡すのですが、彼が勘違いをし告白されてしまいます。断ったら殺されるのではと思った千紗は、偽の恋人になることにします。そんななか、龍生が提案してきたのが交換日記でした。
2人の偽の恋が本物の恋になるのか、なぜ交換日記なのか、気になる部分がたくさんあるあらすじとなっています。ラブコメディに分類されるので、気軽に読み進めることができますよ。読書に慣れていない、サクッと読める本を探しているという人におすすめです。
お気に入りの本を見つけて、しっとりと過ごしてみて
読書の秋にぴったりな本を、ジャンルごとにご紹介しました。好きなジャンル、まだ読んだことのないジャンルなどに目を向け、読書を楽しんでみましょう。自宅やカフェ、ときには秋の景色を楽しみながら公園で、お気に入りの本と一緒に過ごしてみてください。本の世界に入り込む楽しさ、読み終わったときの達成感などを得られるでしょう。