もくじ
現代人が気をつけたいスマホ首
生活に欠かせない存在となったスマートフォンやパソコンなどを含む電子機器。私たちの生活を便利にしてくれている電子機器ですが、健康を脅かす要因にもなっています。なかでも、スマホやパソコンを長時間同じ姿勢で使用することで起こる「スマホ首」が問題となっています。
スマホ首とは
出典:japa.org
【写真】左:ストレートネック 右:健康な首の骨
スマホ首とはストレートネックとも呼ばれていて、本来「く」の字に前弯(ぜんわん)している正常な首の骨に対し、首の骨がまっすぐになっている状態を指します。
スマートフォンの使用や、パソコンを使用したデスクワークにより同じ姿勢を長時間つづけることで、首から肩周辺の筋肉が凝り固って、正常な首の骨のまがりが真っ直ぐになってしまいます。
スマホ首になってしまうと、頭痛、目まい、肩こり、吐き気といったさまざまな症状を起こしてしまいます。さらに悪化すると、頸椎ヘルニアやうつ病の発症率が高まることも考えられます。
スマホ首 チェックリスト
- 猫背である
- 1日3時間以上デスクワークをしている
- 普段からパソコンを使用している
- 首をうしろに倒して上を向くと、違和感や痛みを感じる
- 首こりや肩こりがある
- 首を前後左右に動かすと、以前よりも動かせる範囲が狭まったと感じる
- かべに肩・お尻・かかとをつけたとき、後頭部がかべにつかない
この中のうち4つ以上該当する場合は、スマホ首の可能性が高いです。
首・肩こりを予防&解消するヨガ
スマホ首は、ヨガで予防・改善することができます。「デスクワークのあとに首・肩こりを感じる」「スマホをみるときに首を曲げている」といった方は必見ですよ!
朝寝起きの体が慣れてきたころや眠る前、デスクワーク中の休憩5分間で、ぜひご紹介するポーズをとってみてくださいね。
1. 猫のポーズ
ヨガのウォーミングアップとしてもおこなわれる猫のポーズは、肩こりをほぐす効果や、腹筋や背筋を鍛える効果が期待できます。寝起きにおこなうと、気持ちよく目覚めることができるためおすすめです。
【手順】
- 手と両ひざを床につけて四つん這いになる
- 両手・両足を肩幅に広げる
- 息をはきながら背中をまるくして、おなかをのぞき込む
- この姿勢で30秒キープ
- 息をすいながら、状態をそらせる
- 上をみながら深呼吸する
2. 橋のポーズ
橋のポーズは、肩こりを緩和させるほか、下半身強化、バストアップなども期待できます。背中から足にかけて鍛えられるポーズです。
【手順】
- あお向けに寝て、両ひざを立てる
- 足は肩幅くらいに開く
- 息をすいながら、腰をゆっくりと持ち上げる
- お尻の下で握りこぶしを作る
3. ウサギのポーズ
首筋から肩をほぐす効果のあるウサギのポーズ。頭の血流をよくするため、集中力がアップすることや目の疲れを解消する効果も期待できます。デスクワークが多い方におすすめのポーズです。
【手順】
- 正座の姿勢で頭頂部を床につける
- 後ろで握りこぶしをつくる
- 息をはきながらお尻をゆっくりと持ち上げる
- 状態を前に倒し、軽くあごを引く
- 手を天井へ引き上げる
4. 魚のポーズ
あお向けで上半身を後屈させるポーズです。胸を大きく開くため、呼吸機能の改善が期待でき、深呼吸できるようになります。気持ちが安定することやリラックス効果があります。もちろん首のトラブル解消にも効果的!
【手順】
- あお向けになり両足をそろえる
- 手のひらを、体の横またはお尻の下に置く
- 頭頂を床につけたまま、手とお尻で床を押しながら、上体を引き上げる
5. 上向きの犬のポーズ
太陽礼拝の中でおこなわれる、うつ伏せの状態から上半身を起こして、体の前面をストレッチさせるポーズです。勢いをつけて上体を起こすのではなく、ゆっくりと手で床を押し、体を起こします。
【手順】
- 手の平を胸の横に置いて、うつ伏せになる
- 両手で床を押しながら、上半身を起こす
- 息を吸いながらゆっくりと両ひじを伸ばす
- ひざと太ももを持ち上げて、手と足の甲で体を支える
- 目線は、斜め上の天井へ向ける
6. ラクダのポーズ
上半身を後屈させて、胸を開くポーズです。姿勢を整えバストアップにも効果があります。腰や首に負担がかかるポーズでもあるので、くれぐれも無理はしないようにしましょう。
【手順】
- 両ひざは腰幅に開いて、ひざ立ちになる
- 両腕を外側に回し、肩甲骨を寄せて胸を開く
- 顔は斜め上に向ける
- 右手で右のかかとに触れ、左手で左のかかとに触れる
- 胸とお腹を引き上げて、目線は上に向ける
7. 上向きの弓のポーズ
体を後屈させて全身でアーチをつくる難易度の高いポーズです。姿勢改善に効果があります。全身を伸ばすポーズなので、気持ちを前向きにし自律神経のバランスを整えることができます。
高血圧、腰のトラブル、手首のトラブル、妊娠中の人は、このポーズをとるのは控えましょう。
【手順】
- 両足を腰幅に開き、ひざを立ててあお向けになる
- 両腕を体の横に置く
- 息を吸いながら、頭頂を床につけて腰を持ち上げる
- 両手を耳の横につき、ひじを後方へ向ける
- 手のひらをしっかりと押しながら胸を前に出して、頭頂部を床につける
- 息を吐きながら、両足で床を踏みしめて、頭を持ち上げて腕と足を伸ばす
8. 下向きの犬のポーズ
腹筋、ハムストリングスを鍛え、肩こりの緩和も期待できるポーズです。腰を上下に滑らせ、ひざを曲げた状態から始めて、尾/背骨を伸ばします。逆転のポーズの1つである下向きの犬のポーズは、脳の血の巡りをよくし、酸素や栄養を補給します。1日の疲れを癒すのに最適なポーズですよ!
【手順】
- ひざをつき、上体を前に倒して背骨を伸ばす
- 腰を後ろに引きながら両手を前に歩かせる
- 腰を引き上げ、かかとをおろす
- 両脇を引き上げて胸を開き、足指のつけ根と手のひらで床を押す
9. 前屈のポーズ
心臓より頭が下にくる前屈のポーズは、日中の活動の間に重力で下がった血液を脳に届けます。脚のむくみを解消する効果もあります。
内臓の調子を整えるといった効果も期待できることから、便秘に悩む方におすすめするポーズです。
【手順】
- 顎をひいて肩の力を抜き、足を揃えて立つ
- 息を吐きながら上体を前に倒す
- 両手は足の外側につける
10. チャイルドポーズ
正座を崩し、床におでこをつけて全身の力を抜くリラックスポーズ。上半身の筋肉をほぐしていきます。気持ちを落ち着かせるほか、肩こりや腰痛を和らげる効果があります。
【手順】
- 正座になって、両ひざを腰幅よりも広めに開く
- 上体を前に倒し、額を床につける
- 腕を脚の横に置く
腕は前の方に伸ばしてもOKです。やりやすいポーズをとりましょう。
ヨガをする際の注意
ヨガをする際には、無理やりポーズはとらずに、自分のできる範囲でポーズを取るようにしましょう。無理に体を動かして、痛めることがないように注意してください。
とくに、ヨガの前に長時間同じ姿勢を維持していた場合は、筋肉が固まっています。できないポーズは無理に取ろうとせずに、体が慣れてきたと感じる頃に、少しずつ可動域を広げるよう調節してあげてください。
首や肩こりがひどい場合は、ポーズをとるのを控えるようにしましょう。
ヨガで首・肩こりを解消しよう!
筆者もデスクワーク中心で働いていて、スマホ首になりかけていました。首をうしろに倒すと少し痛みを感じたため、今回みなさんにもご紹介したヨガポーズを、毎朝・夜眠る前の10分間とるようにしています。知らぬ間に首の痛みが取れているだけではなく、腰の痛みまで取れるため続けています。顔の血行もよくなり、肌のトーンアップやむくみ予防・解消になったと感じます。
みなさんもぜひ、今回ご紹介したポーズをとって、スマホ首を予防・改善してくださいね!