もくじ
尿漏れってなぜ起きるの?
あっと思ったときには少し漏れてしまっている、くしゃみやジャンプした拍子に漏れるなど、尿漏れは普段の生活と深く関係しています。ちょっとした刺激で尿漏れが起きるようになると、自身の動きにも制限がかかってしまい、快適に過ごせなくなるでしょう。では、尿漏れはなぜ起きるのでしょうか?原因を知って、正しく対処してみましょう。
骨盤底筋が弱ることで起こりやすい
尿漏れの主な原因は、骨盤底筋が弱ることです。股間にある骨盤底筋は、骨盤の中にある臓器を支えたり、排泄のコントロールを行なう役目も持っています。内臓をしっかり支えて正しい位置にし、排泄の際には筋肉を緩める作用があります。
しかし、この骨盤底筋が弱ることで筋肉が思うように動かなくなり、尿漏れをはじめとした様々なトラブルに悩まされることがあるのです。骨盤底筋が弱る原因としては、以下の点が挙げられます。
- 妊娠や出産
- 加齢
- 肥満
- 運動不足
- 筋力不足
当てはまる項目があるという女性も、少なくないでしょう。年齢や生活習慣によって変わっていく身体の状態によって、尿漏れを招くことがあるのです。尿漏れだけでなく頻尿に悩まされるケースもあるので、骨盤底筋に注目してしっかり対策を行なっていきたいです。
トイレの習慣によって悪化する場合もある
変わっていく生活や身体の影響で起こりうる尿漏れ、普段のトイレの習慣によって悪化させてしまうこともあるので注意が必要です。こんなトイレの習慣があると尿漏れになる恐れがあるので、自身の習慣を振り返ってみましょう。
- 排尿のとき、お腹に力を入れて勢いよく絞り出している
- 尿意を感じていないのに何度もトイレに行ってしまう
- 排尿し終わったあとも、力を入れて尿が残っていないか確認している
- 便秘気味で毎日トイレに座っていきむ
このように、力を入れて勢いよく排尿しようとすることが尿漏れの原因となってしまうため気を付けましょう。力を抜いてリラックスした状態で排尿することを心がけるだけでも、尿漏れ予防につながります。
尿漏れにはタイプがある
尿漏れの原因をチェックしたところで、次は自身の尿漏れがどのタイプに当てはまるのか調べてみましょう。尿漏れにもタイプがあり、それを知ることでよりしっかりと改善するために尿漏れと向き合えるようになります。
腹圧性尿失禁
一つ目に紹介する尿漏れのタイプが、「腹圧性尿失禁」です。尿意がないのに、日常生活のちょっとした動きが刺激となって尿漏れを起こしてしまうというものです。くしゃみをしたときや急に走ったとき、飛び跳ねるようなしぐさをしたときなどに感じる尿漏れを指します。
女性に見られる尿漏れのなかではもっとも多く、年齢関係なく感じやすいというのが特徴でもあります。誰にとっても起こりやすい尿漏れのタイプといえるでしょう。
切迫性尿失禁
二つ目のタイプが、「切迫性尿失禁」です。こちらは、加齢とともに感じやすくなる尿漏れの種類です。尿意を感じて急いでトイレに駆け込むものの間に合わずに漏れてしまうというケースが多いです。
今尿漏れで悩んでいる人は、自身の年齢やどんなときに漏れてしまったと感じるのかを振り返り、どちらのタイプに当てはまるのか考えてみましょう。
簡単に実践できる尿漏れ体操を始めてみよう!
いきなりやってきてしまう尿漏れは、外出しているときなんかには焦ってしまいます。近くにトイレがないとなると、ますます慌ててしまうでしょう。そこで、少しでも尿漏れの回数を減らせるよう、簡単にできる体操をご紹介します。排尿のコントロールを行なう骨盤底筋を鍛える体操です。
骨盤底筋を鍛えるエクササイズ
特に必要な道具もなく、自宅で手軽に始められる骨盤底筋エクササイズがこちらです。手をナプキン代わりにするようなイメージでやってみましょう。スペースがなくてもすぐにできるエクササイズなので、さっそくやってみてください。骨盤底筋群の後ろ側を鍛えることができます。
- あぐらをかいた状態で、手のひらを股下に入れ、手でナプキンの代わりのようにする
- おならを我慢するような、ティッシュペーパーをお尻の穴で引き出すようなイメージで手のひらが吸い付くような状態にする
- そのまま10秒間キープし、これを3回繰り返す
- 慣れてきたら、10秒ではなく1分間キープを目標にしてみる
いろいろなシーンで実践できる骨盤底筋エクササイズ
続いてこちらの骨盤底筋エクササイズは、基本姿勢をもとにいろいろなシーンで実践できるのが特徴です。立っているとき以外に、椅子に座った状態や机を手についた状態でもできるため、日常生活のちょっとしたシーンで始めやすいでしょう。まずは、基本の立った状態からやり方を押さえましょう。
~基本のやり方~
- 足は肩幅くらいに開いて立ち、両手は腰に当てておく
- お尻の穴と膣を身体の中にきゅーっと絞り込んでいくように縮めていき、そのまま5秒キープ
- 全身の力を抜いて、5秒以上休む
この基本の体操を、座っているときや仰向けになっているときなどにやってみましょう。思い出したときに道具も必要なくできるエクササイズなので、続けやすいのがポイントです。
仰向けでできる骨盤底筋体操
続いて、自宅でリラックスしているときにおすすめの尿漏れ体操をご紹介します。一日の終わりやお風呂上りなどに、ゆっくりと行なってみましょう。骨盤底筋の体操が初めての人にとっても始めやすい内容なので安心です。時間を意識しながら、ゆっくりと取り組んでみましょう。
- 仰向けになり、足を肩幅くらいに開いたら両膝を軽く曲げて立て、身体の力を抜く
- そのままの姿勢で、1分間に12~14秒を目安に骨盤底筋を締めていく(お尻の穴や尿道、膣などをキュッと引き締めて上に引き上げていくイメージ)このとき、足や腰に力を入れないようにすることが大切
- 1分間の残りの時間は身体から力を抜いていく
- ここまでを10回、合計10分間行なう
タオルを使ってできる尿漏れ体操
どこの家にもあるタオルを使った尿漏れ体操もあります。骨盤底筋と股関節内転筋を鍛えられる体操です。バスタオルを用意して、さっそく始めてみましょう。バスタオルは、くるくると巻いて丸めておきます。しっかりと丸めて、紐やゴムなどで固定しておくとより安心です。
- 椅子に座り、バスタオルを両足で挟む
- 深呼吸をしながら、骨盤を起こしていく
- バスタオルをしっかり挟んだまま、背筋を伸ばしていく
- そのままの姿勢でお尻の穴を締めながら深呼吸する(背中が丸まらないように意識すること)
- 1日10回を目安に行なう
テニスボールを使った尿漏れ体操
テニスボールを使った尿漏れ体操もあります。テニスボールが1つあればできる体操なので、いつでも簡単に取り組めるのがポイントです。
- 横向きに寝転び、股にテニスボールを挟む
- 両足でしっかりとボールを挟み込み、骨盤底筋を刺激していく(このとき、両足はできるだけ遠くに伸ばすようにイメージする)
- この姿勢で5秒間キープする
- ここまでを5セット行なう
足を床から離して行なうと、よりしっかりと骨盤底筋を鍛えることができます。下半身に効いている感覚も感じられるため、下半身痩せや運動不足解消にもおすすめです。デスクワークのときにも両足に挟むなどして、簡単な運動ができます。テニスボールは他のストレッチやエクササイズにも活用できるので、持っておくと便利ですよ。
簡単に始められる尿漏れ体操で毎日アクティブに過ごせるようになろう!
尿漏れは決して他人事ではなく、ふとしたときに感じるようになるものです。特に女性の場合は、妊娠や出産、加齢などに伴い尿漏れが起こりやすいです。原因やタイプを知り、手軽に始められる尿漏れ体操を取り入れてみましょう。呼吸を意識しながら行なう体操もあるので、心身ともにリフレッシュもできます。毎日の尿漏れ体操を日課にして、毎日アクティブに過ごせるようになりましょう。