もくじ
メールコミュニケーションの重要性
現在では、コロナ禍の影響で、テレワークを推奨する企業が増加しました。直接会って伝えることができない環境で働いている人が増えています。
「オフィスで働いていたときは、話しかけられるたびに作業を中断しなくてはいけなかった」という人もいる中で、テレワーク中のコミュニケーションの課題も浮き彫りになってきました。
「メールが送られてくるたびに、作業を中断しなくてはいけない」「1日中メールに振り回されている」「コミュニケーションを取りずらい」と感じている人も少なくないようです。
以下のデータに示されているように、テレワーク中のコミュニケーションに悩む人は数多くいます。
出典:paperlogic
アンケートでは、「あなたの勤務先では、リモートワーク・テレワークの課題はどのようなものがあると感じていますか?」と質問し、111人が回答しました。
アンケートの結果、「対面よりもコミュニケーションが難しい」と答えた人は、45.9%にのぼりました。
今後も、気軽に会って話せない環境、電話で話せない環境に直面することが増えるでしょう。そんなときに役立つのが、メールでのコミュニケーションです。
今回は、テレワークでもスムーズにコミュニケーションを取ることができる、「メールコミュニケーション術」をお届けします。テレワーク中のコミュニケーションについて悩みを抱えている人は、ご紹介するコツをぜひ実践してみてくださいね!
メールコミュニケーションのメリット・デメリット
どんなことにも2つの側面があるように、メールコミュニケーションにもメリットとデメリットの両方があります。
ここまで目を通してきて、メールのメリット・デメリットにお気づきの方もいるでしょう。次では、さらに考えられる項目をご紹介します。
両方の側面を知ることで、時と場合に応じてメールと他の手段を使い分けましょう。
メールのメリット
①離れた相手に添付ファイルを送れる
電子メールのメリットは、重要なドキュメント、メッセージ、プレゼンテーションなどの添付ファイルを送信できるところ。メールを使うことで、言葉では伝えにくい複雑な内容を簡単かつ迅速に共有することができます。
②整理整頓が楽
メールでコミュニケーションを取ることが増えると、資料などをパソコン内だけで完成させられます。大量の紙を保持せずに済み、整理整頓が楽になります。貴重な内容を持ち歩かずに済むのもメリットの1つです。
③輸送費を削減できる
インターネット接続の費用は別として、電子メールは無料です。お金を支払うことなく、メッセージ、ファイル、ビデオ、ドキュメント、およびプレゼンテーションを送信できます。会社の輸送費が大幅に削減され、時間も削減できるでしょう。
メールのデメリット
①セキュリティーの問題
電子メールを使用すると、ハッカーなどが機密情報やメッセージにアクセスしやすくなります。間違った電子メールアドレスに送信されて、他の誰かの受信トレイに届いたりする危険性もあります。
そのため、電子メールでの情報送信には注意を払う必要があります。 他人に見られたくない個人情報の場合、電子メール以外の方法(手紙や電話がベスト)を取ることも考慮に入れましょう。
②メールを見過ごされる
電話や口頭なら、その場で答えを受け取りやすいです。しかし、メールとなると見過ごされる可能性があって、なかなか返信をもらえないということも...。
そんなときは、丁寧な文章で相手に確認をしましょう。
「〇〇に関するメールをお送りしたのですが、ご覧いただきましたでしょうか。もし、届いていないようでしたら、お手数ですがご一報ください。」
メールを読んだか、返信をしたかを尋ねるのではなく、メールを送ったことを相手に認識させることで気を引きつけましょう。
仕事でメールを使っている人
ビジネスメール実態調査2020年では、仕事で使っている主なコミュニケーション手段の第1位に、メールがあがりました。現在のビジネスシーンでは、コミュニケーション手段としてメールを選ぶ会社が多いのがわかります。
このことは、メールでの良好なコミュニケーションのポイントを抑えることで、仕事も効率的に進めることができるということを示しています。
円滑なメールコミュニケーション術
以下では、円滑にメールでコミュニケーションを取るコツをご紹介します。
1. 目的をしっかりと認識する
なぜこのメールを交わす必要があるのかを理解しましょう。目的を認識することで、相手に内容をしっかりと理解してもらいやすくなります。
メールを使う目的は、連絡を取る、フィードバックする、営業、頼み事をする、などさまざまあります。
- こちらから時間がある日を提示して、ミーティング日程を調整する
- この間の資料のフィードバックを、上司から受け取る
- サービス内容を伝えて、登録してもらう
- やってほしいことを伝えて、期日までに提出してもらう
このように、メールを送る目的をしっかりと認識することで、相手に具体的な内容を伝えることができます。
2. 曖昧な表現は使わない
コミュニケーションの行き違いを減らすためには、言葉の解釈の違いを減らす努力から始めましょう。曖昧な表現を避け、具体的な内容を伝えることで、互いの考えをしっかりと認識できます。
「私が帰ってくるまでに仕上げておいてください」「明日の営業はいつもより頑張ってください」のような曖昧な表現を使うと、指示を出された相手は困ってしまいます。
この曖昧な表現をすることによって、指示を頼んだほうも困ります。こなしてほしかったタスクの出来上がりが、思ったよりも低くなってしまう可能性が考えられます。その後のフォローアップ作業が増えるでしょう。
時間・日づけなどの数字、こなしてほしい課題はとくに具体的に伝えることで、仕事をスムーズにこなすことができます。
3. メールに多くの時間を使わない
メールに多くの時間が取られてしまい、仕事が進まない問題を抱える人がいます。原因として考えられるのが、「メールを作成するのに時間がかかっている」こと。
メール作業に費やす時間の割合が多いのが、主に文章を考えるときです。メールを速く完成させるには、まずは基本のテンプレートを押さえるのがポイントです。
【冒頭の挨拶(社内メールの基本フレーズ)】
- お疲れ様です
- お忙しいところ、失礼いたします
- お仕事中に、失礼いたします
【冒頭の挨拶(社外メールの基本フレーズ)】
- お世話になっております
- ご無沙汰しております
- 突然のご連絡、失礼いたします
- 先日は貴重なお時間を頂戴しまして、ありがとうございました。
冒頭の挨拶のほかにも、メールの基本の型や結びのあいさつを覚えることで、メール作成の時間を短縮することができます。
4. クッション言葉を使う
人と直接会うときは、ボディーランゲージ、声のトーン、表情を使って、相手の気持ちを察することができます。しかし、電子メールはそうはいきません。受け取る情報が究極に少ないため、しばしば相手の気持ちを誤解することが起こります。
2つの文を比べてみましょう。
お疲れ様です。山田太郎です。 午後4時までに資料の提出をお願いします。 |
お疲れ様です。山田太郎です。 お忙しい中とは存じますが、午後4時までに資料の提出をお願いいたします。 |
2つ目のほうは、本題の前にクッション言葉を使用しています。クッション言葉を使うことで、相手に柔らかい印象を与えることができます。
シーン別クッション言葉
【依頼をするとき】
- お手数をおかけします(が)/ お手数ですが
- もし、よろしければ / 可能であれば
- 突然のお願いで恐縮ですが
- こちらの都合で申し訳ございませんが
- 念のため、確認させていただきますが
- 厳しい状況ではございますが
【質問をするとき】
- 失礼ですが、〜についてお伺いしてもよろしいでしょうか
- 差し支えなければ
- お尋ねしたいのですが
【指摘をするとき】
- こちらの勘違いでしたら申し訳ございませんが
- お言葉を返すようで大変恐縮ですが
- おっしゃる通りかと存じますが
メールを交わす相手との関係性や状況を見極めて、クッション言葉を使いこなしましょう。
5. シンプルで見やすく工夫する
メールはシンプルにすることで、見やすくなり、相手の誤解が減ります。送信側もメールを打ちやすくなるため、メールに使う時間を減らせるメリットが考えられます。
まずは、一文は50文字に収めるようにしましょう。50文字は、人がパッと見ても理解できる範囲だと言われています。仕事中は、時間を取らずにさっと読めるメールが求められるため、できるだけ短く伝わりやすい文章を心がけましょう。
また、長文を書いていると、一体何を伝えたいのかがはっきりとしなくなってしまうことが心配されます。伝えたい情報こそ、シンプルで短く書くように工夫を凝らしましょう。
シンプルに短く書こうとすると直面する問題が、「です」などの語尾が繰り返し使われること。「ました」「でしょう」など語尾を変化させることで、リズムをつくることができます。
さらに、メールのレイアウトにも工夫を凝らすことが大事です。■●の記号や数字を使って箇条書きを使うことで、必要なところだけを読めるようになります。
6. 肯定的な表現を使う
人は、否定されると落ち込んだり気分を害したりします。メールでは、否定形の文章をポジティブな表現に変える工夫をしましょう。
①「明日までに資料を提出することは難しいです」
②「ご依頼いただいた資料は、明後日であれば提出が可能です」
①は、否定形を使った文章です。②は、肯定形を使った文章です。このように、同じ内容でも、表現の仕方によって受け取る側に与える印象は大きく変わります。
良好なコミュニケーション取るためには、肯定的な表現に言い換えることを意識しましょう。
7. 件名を具体的にする
件名は、メールを受け取って1番最初に目に入ります。件名を書くことで、受信者に電子メールの内容を伝えましょう。件名が空白になっている場合「スパム」として見落とされる可能性が高まります。
件名は簡潔にわかりやすく書くことが大切です。件名の長さは、できる限り15〜20文字以内におさめましょう。肝心なキーワードは、先頭である左に持ってくるようにしましょう。
メールに振り回されないためには?
メールに時間を取られてしまうと述べる人が多いです。ビジネスメール実態調査2020年によると、「メールに費やしている時間は毎日2時間29分」が平均であることがわかりました。
1日にメールを送信する数は、平均14.06通、受信する数は50.12通であることも明らかにされています。これらのデータを見ると、いかにメールに時間が取られているかがわかりますね。
メールに振り回されて、仕事が思い通りに進まないのは本末転倒ですよね。仕事を効率的に進めるには、メールに振り回されない方法を身につけることが大切です。
デスクトップ通知をオフにする
まずは、デスクトップ通知をオフにして、本来やるべきことに集中しましょう。
デスクトップ通知をオンにしていると、上司からの催促のメールや広告メールなど、仕事に不要なメールも届くようになります。
「メールにすぐに返事をしなくてはいけない」と思い返信することで、今やっている作業に身が入らなくなるどころか、急いで返すことでミスをする可能性が高まります。「メールを読んでから、放置したままだった」ということも起こり得るでしょう。
仕事の効率を上げたいのであれば、デスクトップ通知をオフにして、今やっている作業だけに集中しましょう。
メールは勤務時間内に返す
メールは、パソコンを含めスマートフォンやタブレットからも使えるため、いつでも送受信できます。そのため、メールを処理する時間を定めて、メールに振り回されないように工夫をすることが大切です。
勤務時間が終わってから、メールを処理するのにはリスクが伴います。メールを受け取る相手から、「お酒を飲んでから返信しているのか」と思われてしまうことや、いつでもメールに対応してくれる相手としてみなされ、ワークライフバランスを保つことが難しくなるケースが考えられます。
メールに振り回されないために、「メールは勤務時間内に」というルールをもうけながら、仕事を進めていきましょう。いつメールを処理すればいいのかわからない人は、上司に相談してみることをおすすめします。
コツを掴んで円滑なメールコミュニケーションを!
メールでのコミュニケーションを円滑にする7つのコツをご紹介してきました。とくに意識したいのが「自分がどういうメールをもらったら嬉しいか」を考えることです。
自分の立場に置き換えて考えることで、メールを作成するときの悩みや迷いが減り、より効果的なメールを送ることができるようになります。
コロナ禍で対面でのコミュニケーションが減少し、業務に支障をきたす問題が懸念されています。コミュニケーション方法の変化に伴い、新しいコミュニケーションスキルを身につけることが求められています。
今回ご紹介したコツを掴んで、より円滑なコミュニケーションをとりましょうね!