もくじ
ワークライフバランスとは?
仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章では、①就労による経済的自立が可能な社会、② 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会、③ 多様な働き方・生き方が選択できる社会、を謳っています。
そして、ワークライフバランスの取れた社会を目指すには、国民が積極的に取り組むことはもちろん、国や地方自治体のそれぞれが支援することも大切だ、としています。
ワークライフバランスの悪化につながる一般的な理由には、次のようなものがあげられます。
- 長時間労働
- 職場での責任の増大
- 自宅での責任の増大
ワークライフバランスが整っていると、ストレスの軽減、*燃え尽き症候群のリスクの低下、幸福感の向上など、多くのプラスの効果があることがわかっています。
ワークライフバランスとは、1日の時間を仕事と私生活の間で均等に分割することではありません。仕事と私生活のどちらも楽しむための時間とエネルギーを持ちながら、物事を成し遂げる柔軟性を持つことです。
ここでは、仕事に喜びを、人生に楽しみを感じられるように、ワークライフバランスを保つための9つの方法を紹介します。
*燃え尽き症候群(バーンアウト):主に仕事において、今まで熱心に取り組んでいた人が、心身のエネルギーを消耗し尽くすこと。やる気や意欲が急になくなること。
ワークライフバランスを整える9つのヒント
1. タイムスケジュールを持つ
オフィスで仕事をしている場合でも、家で仕事をしている場合でも、いつ仕事をするか、いつ休憩を取るべきか、いつ仕事を切り上げるべきかを決めることが重要です。
タイムスケジュールを持つことで、仕事と生活のバランスを保つことができます。
それに、スケジュールを持つことで、1日の動きをイメージしながら効率的に仕事を進めることもできます。
2. 仕事とプライベートの境界線を設定する
オフィスを離れたあとは、仕事の確認や今後のプロジェクトについて考えたり、社員のメールに返信したりしないようにしましょう。
私生活で仕事のことを考えないために、仕事用のパソコンや電話を用意するのがおすすめです。それができない場合は、仕事用と個人用のアカウントや電子メールを使用しましょう。仕事と生活のモードを切り替えることが大切です。
3. 健康を優先させる
体と精神の健康に、関心を持つようにしましょう。
朝起きてなぜか体が重いと感じたら、ストレッチやヨガをしてみるのでもいいです。不安やうつ病に苦しんでいて、治療が必要だと思う場合は、早めに仕事を上がってセラピーを訪れるのでもいいです。積極的に自分の体と心に、耳を貸すことが重要です。
身体の不調を無視していると、それがいつか大きくなって、将来的に多くの休みを取ることにつながってしまいます。
自律神経、免疫、代謝、ホルモンのバランスが崩れると、全体的にエネルギーが低下し、疲れやすく、元気がなくなります。仕事と生活の両方に精を出したいのであれば、まずは身体の健康を重視するのが賢い判断なのです。あなたは以前よりも幸せを感じ、作業も生産的になるでしょう。
4. 自分に合った「働き方」を選ぶ
①テレワーク
柔軟な働き方がしやすい会社を選ぶのも1つのコツです。その中の1つの例として挙げられるのが「テレワーク」でしょう。在宅勤務・ノマドワーク・サテライトオフィスで働くことが可能なルールを導入する会社も増えてきています。
②子育て・介護の両立が可能な制度
育児・介護休業法、所定労働時間の短縮、育児給金の給付、などの制度を設けている会社を選ぶのも鍵です。
男性の家事・育児の参画は進んできていますが、いまだに女性のほうが育児と介護の分野で大きなウェイトを抱えています。現在でも、女性のほうが8割の家事を担当しているという結果があります。
子育て・介護の両立が可能な制度が定められた会社で働くことで、働く女性が持つ体力面・精神面への不安を少なからず緩和してくれるでしょう。
③フレックスタイム制の導入
フレックスタイム制とは、従業員が自ら、始業・終業時刻を決定して働く制度のこと。フレックスタイム制のメリットは、ワークライフバランスが整うことのほかに、効率性向上による残業の軽減、ストレス軽減などが挙げられます。
自分にあった「働き方」を選べる会社に就くことで、ワークライフバランスを図ることができます。
5. 趣味を楽しむ
ワークライフバランスを図るには、自分を幸せにしてくれる趣味や活動に積極的になるのが重要です。
マイナビの調査によると、趣味があると答えた人のほうが、趣味がないと答えた人よりも、仕事に対する充実感が高いことが明らかになりました。
自由な時間が充実すると、気持ちがリフレッシュされ、仕事にも精を出せるようになります。趣味を通して達成感を感じたり、ありのままの自分を表現することができます。趣味を介して、人脈が広がるのも期待できます。
6. 短い休憩を取る
職場でも家庭でも、短い休憩を取るようにしましょう。短い休憩は生産性を向上させる鍵です。
人間は、エネルギー消費とエネルギー補給を、繰り返します。仕事や家事で消費した分のエネルギーは、人間の性質上、休憩を取ることで補給しなければならないのです。
メルボルン大学の調査では、休憩を取ったグループのほうが、生産性や集中力が高いことが明らかになりました。このように、休憩を取ることで、自分をコントロールすることができて作業も捗るのです。
ベストな休憩方法は、以下4つが挙げられます。
- 睡眠
- 20分程度の運動
- 水を飲む
- 自然に触れる
仕事終わりの軽い睡眠、仕事の合間の軽いストレッチ、水を飲む、自然に触れる、自然の写真を見るだけでも、人はエネルギーを取り戻します。
職場でも家庭でも、軽い休憩を合間に取ることを意識しましょう。
7. できないことを見極める
仕事や家事のシーンで「やればできる」と自分に声をかけたことがあるのではないでしょうか。一見ポジティブな言葉ですが、その言葉があなたを疲れさせている1つの原因かもしれません。
「やればできる」と自分を励ますうちに、ストレスが溜まっていき、仕事も生活もうまくいかなくなることがあります。これを防ぐには、できないことを見極めること!
「できないこと」が明確になれば、同時に「できること」が見えてきます。できないことを、どうやって埋め合わせるかを考えて、できることにエネルギーを注げるようになります。
できない自分を認めることは、少し辛いですが、努力するために「できないこと」を見極めるのだと思って、前向きに取り組んでいきましょう。
8. スケジュールを共有する
ワークライフバランスを考える上で、必ず話題に上がるのが「パートナーとの家事・育児のシェア」。家事・育児をパートナーとうまくシェアできれば、仕事でも生活でも充実感を感じられるようになります。
家事・育児を夫婦でシェアするには、パートナーとスケジュールを共有すること!事前に日程を確認できるので、相手も協力しやすくなるのです。
おすすめは、どこにいてもチェックできる「オンラインカレンダー」を利用して、スケジュールを共有すること。Googleカレンダーは無料で利用できて、使いやすいと好評です。
9. 家事・育児のバランスを取る
どのタスクが最も時間がかかり、どのタスクが苦手か、どのタスクが楽しいと思えるかを、パートナーと話し合いましょう。それを踏まえて、家事・育児のタスクを均等にわけるようにしましょう。
それぞれ「楽しいと思える仕事」は異なります。もしかしたらあなたは、洗濯をするのが楽しいと感じるかもしれません。その一方で、パートナーは台所の掃除が楽しいと感じるかもしれません。
ポイントは、役割を性別で分け与えるのではなく、自分の得意・不得意を踏まえて仕事をシェアし合うこと。誰が何をできるかを話し合いましょう。
得意な仕事と不得意な仕事の量を、パートナーと均等に分けて、ワークライフバランスを図りましょう。
ワークライフバランスを考える上で、大切にしたい考え
これまで「仕事と生活の調和」「仕事に喜びを、人生に楽しみを」などの言葉とともに、ワークライフバランスを図るコツを書いてきました。
ワークライフバランスを考えるうえで、重要なことがあります。それは、ワークバランスを図るのは、手段であり目的ではないということ。
ワークライフバランスを図ることが「目的」なのではなく、ワークライフバランスを図るのは「手段」なのです。
「ワークライフバランスが取れていない」状態に対して、あなたが困っていないのであれば、問題にはなりません。
しかし、その状態にあなたが満足していないのであれば、それは問題になります。どのような人生を求めているのかを明確にして、その目標を達成するためにワークライフバランスを図る必要があると感じるのであれば、仕事と生活のどちらも安定できる方法を実践しましょう。
ワークライフバランスを図るかを、自分なりに選択できる社会になればいいですね。
9つのヒントを実践して、ワークライフバランスを整えよう
いかがでしたか。ワークライフバランスを整えるコツをご紹介しました。
日本でも、仕事か家庭かどちらか選ぶのではなく、双方の充実を求める人が増えています。
人生の目標や人生の充実のために、ワークライフバランスを図ることが重要だと感じる人は、今回ご紹介した9つのコツを実践してみてくださいね!