もくじ
フローヨガとは?
フローヨガとは、流れるようにポーズからポーズへの移動をおこない、動きを止めずにおこなうヨガのことです。1つのポーズを数秒間キープするタイプのヨガとは異なります。
フローヨガは、テンポよくさまざまなポーズをおこない、呼吸も継続的にすることから、瞑想的な状態を生み出す効果があります。思考を手放し、「今、この瞬間」に集中することを促してくれます。
【動画】フローヨガ
フローヨガとヴィンヤサヨガの違いは?
フローヨガに近いヨガの種類に、ヴィンヤサヨガというものがあります。ヴィンヤサヨガとフローヨガはどちらも、流れのなかでポーズを形成するヨガのスタイルです。名前は異なりますが、大きな差異はないと言えるでしょう。
【同じ点】
スタミナ、呼吸法、筋肉強化、ストレッチ、瞑想に重点を置いたポーズの流れで構成されたヨガ。フローヨガもヴィンヤサヨガも、どちらも運動量が多く、音楽に合わせて体を動かします。
【違う点】
ヴィンヤサヨガには有名な指導者がいます。シヴァ・レイ(Shiva Rea)、ショーン・コーン(Seane Corn)、シンディー・リー(Cyndi Lee)、ジェイソン・クランデル(Jason Crandell)などが代表的な指導者です。
【動画】ヴィンヤサヨガの指導者、シヴァ・レイのヴィンヤサヨガ
フローヨガで得られる効果
フローヨガは、心臓血管の健康を促進するほかにも、ストレス解消、関節などの可動域を広げる、全身の筋肉を強化させるといった効果も期待できます。同じポーズをキープするヨガや、ゆっくりとおこなうヨガでは少し物足りないという人には、フローヨガをおすすめします。
フローヨガで得られる効果について、詳しくみていきましょう。
関節などの可動域を広げる
フローヨガは、流れにのせてさまざまな動きをおこないます。そのため、一連を通して全身を動かしている時間が長いです。通常は動かさない体もこのフローヨガで動かすことで、広い範囲にわたる筋肉の柔軟性を養うことができます。
柔軟性がついてくると、関節の可動域が広がり、さまざまな動きができるようになります。ヨガや筋トレで挑戦できるポーズや動きが増えるので、さらに高い効果を目指すことがでしょう。また関節の可動域を広げることは、繰り返す動きによって生じる痛みや怪我を防ぐのにも役立ちます。
心臓血管の健康を促進する
Journal of Yoga&Physical Therapyの2013年の研究発表によると、フローヨガの流れる動きは、心臓血管の健康を保つためのトレーニングの1つに取り入れることができるとのこと。
フローヨガは、1つのポーズをキープするヨガと比べて、ペースが速く、動きに流れがあります。呼吸をしながら動くことで、心拍数が上がり、熱が発生し、心臓に血液が戻る動きを促進することができます。さらにフローヨガは、心臓や血管に過度な負担をかけない運動でもあるため、安全に心臓血管の健康を促進させることができます。
バランスのとれた筋肉を構築
フローヨガでは、全身を使います。そのため、フローヨガを続けることで、全身の筋肉を構築することができます。
筋肉のバランスが整うだけではなく、バランス感覚が養われるのも嬉しいポイント。バランス感覚が養われることで、転倒リスクを下げることができます。
ストレス解消
フローヨガの一定な動きとリズミカルな動きは、心を静めるのに役立ち、心の内側に集中することをサポートします。フローヨガは体と心をつなぎ、神経系を落ち着かせ、ストレスや不安を和らげる効果があるのです。
フローヨガはこんな人におすすめ!
フローヨガの内容と得られる効果を考えると、フローヨガは以下の項目に当てはまる方におすすめできます。
- バランスよく筋肉をつけたい
- 脂肪を燃焼させたい
- 集中力を高めたい
- ダンスなどを経験していて、流れに体を任せることが好き
- ゆっくりとおこなうヨガでは物足りなさを感じている人
- 音楽に合わせて体を動かすのが好き
朝ヨガの効果
今回のトピックは「朝のフローヨガ」なので、朝ヨガの効果も見ていきましょう。
朝をどのように過ごすかで、1日が大きく変化する可能性があります。朝をヨガで始めることで、その日のパフォーマンスが向上するだけではなく、その日1日のストレスレベルがさがります。さらに、一晩で固まった体をほぐし目覚めさせることや、睡眠リズムを調整できるなどの効果も期待されます。
以下では、朝ヨガの効果について詳しく見ていきましょう。
1日のパフォーマンスを向上する
ヨガを通して瞑想することで、心を清め、目覚めのプロセスをスタートさせることができます。この目覚めのプロセスが、1日のパフォーマンスを向上させるのに関わってきます。
バランスを必要とするヨガポーズをとることは、集中力を維持する必要があるため、脳を自然と目覚めさせてくれます。心を落ち着かせ集中する時間を朝に取ることで、その日の仕事に集中する準備をすることができます。
さらに、ヨガを通して深い呼吸をすることで、自律神経のバランスが整います。自律神経のバランスが整うことで、交感神経のスイッチが入りやすくなり、その日1日のやる気がアップします。
ストレスレベルをさげる
朝起きて、ヨガに30分〜1時間を費やすことで、神経系ははるかにリラックスした状態になります。
目を覚ますのに必要なブーストを与えるために、コルチゾール(ストレスホルモン)のレベルは、午前中にとても高くなっています。 この状態にストレスが加わると、コルチゾールのレベルは急速に増加し、ストレスを感じやすい1日を過ごすことになってしまいます。
毎朝のヨガを習慣にすることで、身体は交感神経のストレス反応をオフにする習慣を身につけることができ、よりストレスの少ない1日を過ごすことができるようになるのです。
免疫力がつく
病気とたたかう白血球は、私たちの血流とリンパ系が効率的に循環しているときに、しっかりと働いてくれます。朝にヨガをすることで、すべての体のシステムが目覚め、循環の流れを高めることができます。血流とリンパがしっかりと循環することで、免疫システムを活性化させることができるのです。
睡眠リズムを調整する
朝のヨガを習慣にすると、体は毎日同じ時間に起きることに慣れます。
習慣的な慣れだけではなく、朝にヨガをおこなうことで分泌されるホルモンが睡眠サイクルを調整してくれます。特定のヨガのポーズは、松果体(しょうかたい)を刺激してメラトニンホルモンを排出し、睡眠パターンを調節してくれます。
朝のフローヨガの代表的なポーズ
フローヨガと朝ヨガの利点を説明したあとは、朝フローヨガの代表的なポーズを紹介していきます。朝フローヨガに興味を持った方は、ぜひご紹介するポーズを朝のヨガメニューの中に組み込んでみてくださいね。
猫のポーズ
脊椎を温めるのに最適なポーズです。一晩ベッドで横になった体におすすめできるポーズです。首を伸ばしすぎると痛めてしまう恐れがあるため注意してください。
【手順】
- 腕を肩幅に開き、足は腰幅に開いて四つん這いになる
- 手のひらは肩の真下に置き、ひざは股関節の真下につく
- 息を吸いながら頭を下げて、胸を開いて背中をそらす
- ゆっくりと息を吐いて、背中を丸める
下向きの犬のポーズ
腹筋、ハムストリングスを鍛え、肩こりをも緩和する効果のあるポーズです。腰を上下に滑らせ、ひざを曲げた状態から始めて、尾/背骨を伸ばします。朝は体が少し硬いため、ハムストリングスの状態を確認してから、足を伸ばすことでケガを防ぐことができます。少なくとも5〜6回呼吸をして、ポーズをキープしましょう。
【手順】
- ひざをつき、上体を前に倒して背骨を伸ばす
- 腰を後ろに引きながら両手を前に歩かせる
- 腰を引き上げ、かかとをおろす
- 両脇を引き上げて胸を開き、足指のつけ根と手のひらで床を押す
一本足の下向き犬のポーズ
このポーズは、下向きの犬のポーズから大きく片足を曲げるポーズです。右足を後ろに浮かせて、足の裏まで伸ばします。背中や腕、太ももが伸び、体幹を鍛えることで姿勢を整えます。ハムストリングの調子がいいときは、左かかとを伸ばしてあげましょう。呼吸を数回した後、脚をまっすぐにして腰を下げ、下向きの犬のポーズに戻ります。
【手順】
- 下向きの犬のポーズをとる
- 右足を引き上げ、ひざをお尻の方へ曲げる
三日月のポーズ
股関節を前後に開き、両手を頭上に伸ばすポーズです。上体を無理にそらすのではなく、背骨を伸ばすようにして、胸からお腹、太もものつけ根までストレッチします。5〜6回呼吸をして、ポーズをキープしましょう。股関節と肩関節を柔軟にし、脚を引き締める効果があります。
【手順】
- 両手と両ひざを床につける
- 手は肩の下に置き、ひざは骨盤の下に置く
- 右足を大きく前に踏み出し、かかとをひざの真下に置く
- 上体を起こし、両腕を上に伸ばしながら胸を開く
- 尾骨を下ろして下腹部に力を入れる
体側を伸ばすポーズ
このポーズは前脚全体に大きな負担のかかるポーズで、下半身を強く鍛えることができます。後ろの足で強く床を踏みしめてバランスをとります。後ろの脚から下半身を一直線に保って、体側を伸ばしましょう。首の状態がよい場合は、上げている手の方に目を向けます。
【手順】
- 両手と両足を横に大きく広げ、右足は外側へ開く
- 右ひざを曲げる
- 右足の外側に右手を置いて、上体を倒す
- 左手を遠くに伸ばしながら左の足裏で床を踏みしめて、体側を伸ばす
椅子のポーズ
椅子のポーズは、足首を強くし、脚の筋肉をバランスよく鍛えることができるポーズです。ポーズを取るときにぐらぐらする場合は、両脚を真ん中に寄せ合って、足裏で床を踏みしめると安定します。下半身を引き締めるだけではなく、肩こりの緩和、腹筋、背筋を鍛える効果があります。
【手順】
- あごを引いて肩の力を抜き、脚の裏全体でバランスをとりながら立つ
- 両もものつけ根を後ろに引きながらひざを曲げる
- さらに腰をおろしながら、両手を頭上に上げて背中をまっすぐにする
- 尾骨を下ろし、下腹部を引き締める
フローヨガの呼吸法は?
フローヨガの呼吸法は、ポーズに移るタイミングで、吸ったり吐いたりしてあげます。ポーズに夢中になって、呼吸を忘れるということがないように注意してあげましょう。
呼吸のペースとしては、1動作に3回の呼吸を心がけてみましょう。慣れてきたら1動作に1回のペースで呼吸をしてテンポを上げていきます。
朝のフローヨガをおこなうときの注意
無理に体を動かして、痛めることがないように注意しましょう。朝の体は、寝姿勢により固まっています。とくに、腰や背中などの筋肉がこわばりやすいので、朝のフローヨガでは注意してゆっくりと動かしましょう。体が慣れてきたと感じる頃に、少しずつテンポを上げるよう調節してあげてください。
また、朝のフローヨガは、朝ごはんを食べる前におこないましょう。朝ヨガに限らず、ヨガをおこなうときは空腹が前提となっています。ヨガを終えたあとに美味しいご飯を食べましょう。
朝のフローヨガで気持ちのよい1日をスタートさせましょう!
朝のフローヨガは、その日を気持ちよくスタートさせるのに最適です。エネルギッシュに1日をスタートさせるだけではなく、やる気を上げてくれたり、ストレスレベルをさげる役割も果たしてくれます。
流れるようにポーズをとっていくフローヨガは、関節などの可動域を広げるだけでなく、心臓血管の健康促進、全身の筋肉を強化、ストレスを解消してくれます。さらに、朝にフローヨガをおこなうことで、パフォーマンスと免疫力の向上が期待できることや、睡眠リズムまで整えられるという嬉しいメリットがあります。朝のフローヨガから得られるメリットは、たくさんあるというのをわかっていただけたかと思います。
朝起きて固まっている体を、ゆっくりと動かしながらほぐして、気持ちのよい1日をスタートさせましょうね!