ボディーポジティブの先駆者アシュリーグラハムとは?プラスサイズモデルに学ぶ体型の多様性

「痩せた体型=キレイ」という従来の美の定義から外れ、プラスサイズの体をありのままに愛そうという運動「ボディポジティブ」。アメリカでは、ボディポジティブの先駆者として影響力のあるアシュリーグラハムをご紹介。彼女の人気の秘密を知ると、「痩せている=美しい」と思いがちな価値観が一転するかもしれません。

ボディポジティブを提唱するアシュリーグラハム

そもそも「ボディポジティブ」とは

女性、男性と性別限らず「太っている=美しくない」と言うイメージを持っている人は少なくありません。得に華奢で痩せ型の芸能人やモデルを見かけることの多い日本では、「痩せている=美しい」と思っている人は多いのではないでしょうか。

ボディポジティブとは、英語のBody Positiveがそのまま日本語として使われている言葉で、従来の「痩せ型体型=美しい」と言う概念からは外れて、プラスサイズの体「も」美しいと言う概念を支持し、ありのままの自分の体型を愛そうと言う運動です。

ボディポジティブの歴史は実はとても長く、その起源は1967年までさかのぼります。ラジオホストであるスティーブ・ポストがNYのセントラルパークで肥満体型に対する差別への抗議として「ファットイン」というイベントを開催したことが始まりと言われています。

ここ最近では、バービー人形を手掛けるマテル社が2016年にプラスサイズのバービー人形も発売し日本では一部の間ではとても話題となりました。

プラスサイズモデルの活躍

「プラスサイズモデル」とは、いわゆる「ぽっちゃりとした女性」「大きめサイズのモデル」のことを指します。従来のモデルは、華奢で痩せ型であることが一般的ではありましたが、このボディポジティブの運動とともに注目を集めているのがプラスサイズモデルの活躍です。

最近では、プラスサイズモデルと言う言葉で区別をつけること自体に疑問を抱いている人も少なくありませんが彼女たちの活躍があってこそこのボディーポジティブという運動が世の中に浸透してきたと言っても良いでしょう。

そしてボディポジティブの運動が盛んな米国そして、世界でたくさんの女性に支持されているのが10代の頃からプラスサイズモデルとして活躍し、ボディポジティブ活動家として活動を続けているアシュリー・グラハムです。

アシュリーグラハムって誰?

ボディポジティブの運動が盛んな米国で先駆者として高い支持を集めているのが、アシュリー・グラハム。

13歳の時にスカウトされて、モデルとしてデビューしたアシュリー。その後さまざまなファッション誌やブランドのミューズとして活躍します。

スポーツ週刊誌『スポーツ・イラストレイテッド』の2016年2月に発売された号で恒例の人気企画「水着特集号」で、アシュリーはプラスサイズモデルとして初めて表紙を飾ったことをきっかけに、世間から注目を集めるようになります。

彼女が多くの人から支持されている理由の一つは、飾らぬありのままの美しさを自信を持って世の中に知らしめている生き様です。

アシュリーグラハムの魅力

 ありのままの自分を認める

体型のせいで、学生時代にいじめを受けていたアシュリー。プロのモデルとして活躍していた頃も、体型を非難されることは絶えませんでした。しかし、こうした辛い経験こそがアシュリーの原動力となり「体型の多様性」を訴える活動に熱心に取り組み始めるきっかけとなります。

アシュリーはSNSを通じて「どんな体型であっても劣等感を抱く必要はない。自信を持って!」と世の中に訴えています。

多くのトップモデルが自分の写真をフォトショップで修正加工する中、アシュリーは自らのセルライトを露わにした写真をSNSに投稿することも。

運動もする、食事にも気配りをする。けれど、決してセルライトやはみ出た贅肉を恥じることなく、ありのままの自分を認め、ありのままの自分を愛することを教えてくれます。

健康維持のために運動はする

度々、SNSにワークアウトの様子をアップするアシュリー。時にはアンチから思いもよらぬ悪意のあるメッセージを受けることも。けれどアシュリーは、運動は健康維持、気分を良くするため、時差ボケの解消、気分転換、カーヴィ体型の女性たちも運動できるところを見せるために続けていると公言。自分の体、そして自分自身が大好きだからこそ、心身の健康を大切にしています。

 ママからの支持層を獲得中

2020年1月18日に待望の第一子を出産したアシュリー。出産から半年経った現在まで、母親になった現実と苦悩や、妊娠前と出産後の体の変化、そして体の回復にまつわる心境などを赤裸々にシェアしています。

出産後、骨盤が歪む、開くなどで「尿もれ」トラブルを抱える女性も少なくありません。アシュリーもその一人。アシュリーは、SNSで出産後に「使い捨て下着」がお気に入りのファッションアイテムと告白しています。出産後、出産前と変わらず美しい体型を維持しランウェイやファッション誌を飾るモデルは多く「本当にママ?」と驚かされることは多いですが、セレブリティーだって人間。アシュリーは出産した体は長い時間をかけて回復しなければならない、現実をシェアしてくれています。

その他にも、多くのママの隠したい妊娠線についてもシェアしています。アシュリーの「Same me. Few new stories. (私は私のまま。ストーリーが増えただけ)」と言うコメントを添えた投稿はたくさんのママに勇気を与えてくれました。 

日本でもボディーポジティブ!

日本でもコメディアンでデザイナーの渡辺直美さんを筆頭にプラスサイズモデルがボディポジティブの運動を広げています。また最近、注目を集めているのがハリウッドで女優・コメディアン・プラスサイズモデルとして活躍している藤井美穂さん。

藤井美穂さん自身も学生時代に体型を理由に心無い言葉を浴びせられたりしたことで不登校になり、最終的に学校を転校するまでに。

その後、女優を目指し演劇を学びましたがここでも体型や容姿を理由に辛いを思いをしたそう。日本では「見た目」で判断されることが多く、内面を見てもらうことが難しいと判断した藤井さんは英語が喋れないまま渡米し現在の成功へ至ります。

体型の多様性を認めよう

藤井さんの話からも分かるように日本ではまだまだ体型や容姿を理由に苦しむ機会が多くあります。

「太っていること」、「痩せていること」、どちらかが正しいわけではありません。まだまだ世の中には人種や宗教、性など様々な差別や偏見が残っていますが、体型に関しても同じ。体型の多様性を認めあえる社会が日本でも近い将来浸透していくことを願っています。

シンガポール在住8年フリーランスライター・ヨガインストラクター (全米ヨガアライアンスRYT200保持)。
WEBメディアを中心にライフスタイル、トラベル、ヘルスケア、エコについての執筆を手掛けながら、トレンドを取り入れつつそれぞれのニーズに合ったヨガクラスを当地で開催。
東洋と西洋の文化が集まるシンガポールからヨガや健康、ロハスなライフスタイルなど海外のトレンドをお届けします。
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