孤独が生み出すメリットとは?自分の内側との繋がりを意識して力に変えよう

「孤独」というワードに対してどういった印象を思い浮かべるでしょうか。孤独に対してマイナスな印象を強く持っていると述べる方は多いですが、孤独に対する考え方や孤独との向き合い方を変えるだけでプラスに変えることができます。今回は、科学的に証明されている孤独のメリットと、上手に孤独と繋がりを使い分ける方法をご紹介いたします。

自分の心と対話して孤独を発つ

現在、新型コロナウイルス(COVID-19)の影響を踏まえ、1人で時間を過ごす人が多いことでしょう。コロナウイルス以前も、SNSの急速な普及により相手とつながっているにも関わらず孤独を感じる「つながり孤独」や、仕事が多忙で人とのコミュニケーションを楽しむ時間が減った例など、孤独を感じていた人は多いです。孤独を感じるシーンの増加に伴って、不安やストレスを抱えてる人も増えているのが事実です。

「人間は社会的動物である」と古代ギリシアの哲学者であるアリストテレスが言ったように、人間は古くから目標などを達成させるために人同士の共同体を築いてきました。そのため、多くの人が1人でいることに対してストレスに感じるのは自然な現象なのです。

不安や孤独感を持つ人が増えているこの状況の中で、私たちが自分の心と2人きりになって対話をし、心に平和を保つことは極めて重要です。自分の心と対話をすることで孤独と向き合うのです。実際に、この内側のつながりが失われてしまうと他の人とのつながりを持ったとしてもあなたは孤独を感じて空っぽになる可能性があります。人々がアルコール中毒・薬物中毒・SNS依存症などに陥る1つの原因は、この内側のつながりを軽視するためだと明らかにされています。

自分の感情を無視するのではなく自分の内側とつながることに焦点を当てると、1人でいることを楽しんでいるのに気づくかもしれません。社会的距離を保持しながらも、あなたの内面と精神的なつながりを1日中維持することで、孤独をポジティブに働かせることができます。以下では、自分の内側とつながる方法をご紹介します。

内側とのつながりを持つ方法!

嬉しいことに、内側とのつながりを持つのはいつでもどこでも実行することができます。内面とのつながりを今すぐに実行したいと思えばその場で行うことができるのです。

1. あなたの気持ちにフォーカスする

深呼吸をして、あなたの心に焦点を合わせます。緊張、孤独、不安、怒り、恥、悲しみなどを見つけ出し、深呼吸をしてこれらの気持ちに息を吹きかけてあげます。

これらの感情を無視するのではなく、子どもに話しかけるような感じで自分の感情とコミュニケーションをとってあげましょう。それらの感情はどこからきたのか、感情が自分をどのように扱っているのか、自分の感情と向き合うことをなぜ避けてきたのかを自問します。

2. 何があなたを愛してくれているかを尋ねる

感情について深く突き止めた後は、何があなたを愛してくれているかを心に尋ねてみましょう。この質問をすることは、あなたが1人でいることを愛するのにとても役立ちます。質問の答えはすぐには出ないかもしれません。しかしあなたが自分の気持ちに向き合い続けると、その答えは自然にあなたの中にやってきます。最終的にはあなたは自分1人では決してないということに気がつきます。

3. 感情の赴くままに行動する

何があなたを愛してくれているかがすぐに出ない人は、感情の赴くままに行動してみることをおすすめします。これは、何か創造的なことをするという言葉でも表すことができます。字を書く、絵を描く、何かを発明する、美しい音楽を聴く、それは自然の中を歩くことかもしれません。愛する人が困っている時に助けを差し伸べてあげることかもしれません。

創造的なことをして生きると、何があなたを愛してくれているかを知ることができます。あなたはすでに愛で満たされていると感じることができ、あなたの愛(情熱)を他の人と共有することで大きな喜びや共感を高めることができます。

孤独になることで得る利点もある!

孤独になることで得る利点を理解しておくのも、あなたが1人の時間を愛することにつながります。孤独を味方につけることでマイナスなことだと考えられている孤独もパワーに変えることができるのです。ピアニストのグレン・グールドは、他者とのつながりを持ったらそのX倍の時間を1人きりで過ごす必要があると言及しています。私たちは他者との繋がりよりもさらに多い時間を一人で過ごす必要があるのです。

メリーランド大学の発達心理学者であるケネス・ルービンは、人が孤独を自発的にとる場合はポジティブに働きますが、強制的に孤独が働く場合は有害になる可能性があると述べています。自分で孤独をコントロールしている感覚ではなく、孤独に個人がコントロールされていると感じる場合は、孤独がネガティブに働いてしまうのです。

孤独のメリットを知ることであなたは孤独を受け入れ、自分の能力を最大限に活かすことができるかもしれません。

創造的・独創的な考えが持てる

孤独になることで、創造的・独創的な考えを持つことができます。ミュージシャンや作家が孤独を好むのには理由があります。プライベートな空間で作業することで、独創性と生産性が高まることが証明されているからです。また、孤独になることで他の人の意見を気にすることなく新しい興味やアイデアを見つけられます。 アルバートアインシュタインやアイザックニュートンなどの偉人たちも孤独を好みほとんど1人で研究をしていたそうです。

他者との関係も親密になる

孤独な時間を持つと、他者への思いやりが深まることが研究で明らかにされています。ある研究では、10代の若者が1人でいるときは自意識過剰レベルが低いことが示されています。少し離れると、客観的な視点から相手に関する情報を振り返ることができるそうです。

1人の時間をつくって問題について冷静に考えることで、関係を改善させるためにとるべき最善の行動が思い浮かびます。さらに、1人の時間をつくることでお互いに相手に望むものについて冷静になって考えられるようになります。互いのコミュニケーションが活発化し、問題解決に向かって歩むことができます。

もしパートナーとの距離を縮めたいのであれば、状況に応じて距離を取ってみるのも1つの方法でしょう。

自己理解が深まる

1人でいることを選択することで、自分の心と対話をする機会を持つことができます。他者による評価なしに自分の感情に対して素直になる時間を持つことは、本当のあなたがどういった人なのかや自分が抱いている本心はどういったものなのかを理解するのに役立ちます。自分のことを知ることで、自分の情熱や価値観を共有する人を見つけやすくなり、共感を高めることもできます。

私たちは孤独が少ない生活を送っている

私たちは、他者の思考のインプットに注意を取られて、自分の思考に向き合うことが少ない状態にあります。読書や会話、メディアに触れることも思考のインプットに入るため、ほぼ1日を通して何らかの情報を取り入れ続けていることになります。

最後にボーっと座って自分の心と向き合ったのはいつですか?きっと多くの人が他者とのコミュニケーションや電子機器などから思考のインプットを行う方が多いと答えるでしょう。現代の生活環境のなかで暮らす私たちは、メンタルヘルスのためにも自発的に自分の思考と向き合う時間を作らなくてはならないのです。

孤独と繋がりを上手く使い分ける方法

孤独のメリットを述べてきましたが、孤独のみだけではなく同時に他者との繋がりも状況に応じて使い分けることが私たちのメンタルヘルスにとっては最適です。

先に紹介した偉人であるアルバートアインシュタインやアイザックニュートンは、常に孤独をキープしていたのではなく他の研究者が書いた文献や本などを読んで上手に他者とのつながりと孤独を使い分けていました。必要に応じて「孤独」と「つながり」を使い分けることで、孤独からの利益をもたらすことができるのです。

しかし、孤独と他者とのつながりを上手に使い分けるにはどうすれば良いのでしょうか。以下にアイデアをご紹介します。

人と繋がる時間を決める

電子機器の発展により多くの人がプライベートな時間にも誰かしらとつながっている状況にあります。スマホでのつながりは確かに表面上は誰かとつながっている状態ですが、このスマホを通してのつながりは時に人に孤独を与えます。

サンフランシスコでは大学の135人の学生を対象にした研究が行われ、電子機器に依存している人は依存していない学生よりも孤独を感じやすいのが証明されました。これは直接相手の表情を見ながら会話をする時間が、スマホの使用時間に変えられたためであると示されています。

スマホを介して人と繋がっている時間が多いと感じる人は、相手と連絡を取る時間を決めると良いでしょう。例えば、相手に午後の19時からはいつでも連絡を受け取るのを伝えることで、相手は緊急でない限り設定した時間以降に連絡をくれるようになるでしょう。そうすることで、やみくもにスマホを見ることもなくなり、集中力や生産性が高まるのと同時に孤独感を減らすのことが期待できます。

アクロヨガにトライしてみる

アクロヨガは、一般的なヨガとは異なり2人または3人で行うアクロバットなヨガを指します。アクロヨガをすることで得られるメリットは、もちろん身体的な健康もありますが、自分の体を相手に委ねることで信頼感も生まれます。

ヨガを通して自分の心と向き合いながら、相手ともコミュニケーションをとることのできるアクロヨガは「孤独」と「繋がり」をうまく使い分けられるヨガなのです。

 

コワーキングスペースを利用する(リモートワークをする方におすすめ)

現在、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で在宅ワークをされている方も多いと思いますが、コロナウイルスが終息した後の世界では在宅ワークが一層増えてくると予想されています。

すでにフィンランドなどでは柔軟な働き方を推進し、2020年からは新しい法律により労働時間の半分をいつどこで働くかを自分で決めることができるようになりました。この柔軟な働き方は家族との時間を多くとるを促進することや、生産性を上げること、精神的な病気の減少が期待できます。

フリーランスとして働く人やリモートワークをしている人はこうしたメリットに加えて、孤独という感情を抱くことも多いようです。リモートワークをしながら程よい人との交流を持つことができると人気なのが「コワーキングスペース」です。コワーキングスペースとは、異なる職業や会社に属する人が1つのオフィス施設を利用して仕事を行いながらも交流をするサービスです。

コワーキングスペースの利用は世界で盛んに行われており、日本国内でも各地にコワーキングスペースが増えてきました。お互いに働いている会社や作業内容は異なっていても、同じく共通している「リモートワーク」という働き方から仲を深めていく人が多いそうです。最終的には、そこで出会った様々な背景を持った人たちと事業を始める人もいるのだとか。個人で作業する時間がほとんどですが、同じ働き方をしている相手と程よく繋がることのできるコワーキングスペースは、リモートワークをする方にはおすすめのサービスです。

マインドセット・リセットで孤独を力に変えよう

孤独に対するあなたの考えを変えるマインドセット・リセットを行うことで孤独はマイナスからプラスに変わります。自分の内面と向き合う時間を持つことで得るメリットや、孤独によって上がる生産性・創造性、自己理解と他者への配慮ができるようになるなど、多くの利点を持つ孤独を上手に使いこなしてより良い生活を築きましょう。また、孤独と人とのつながりを状況によって使いこなすことでメリットを最大限に活かしていきましょう。

Z世代、ハワイアンダンス、ヨガ、国際コミュニケーション学部専攻(卒)元オーストラリア留学生。「誰もが生きやすい世界」をコンセプトに世界各地のカルチャー、社会問題×ライフスタイル、メンタルヘルス×ヨガなどを中心にお届けします!
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