もくじ
ルーシーダットンとは、何のこと?
ヨガスタジオでも、クラスの一つとして見かけるようになってきた「ルーシーダットン」。まず最初にルーシーダットンとは何かという解説です。
ルーシーダットンとは英語のスペルでは「Rusie Dutton」と書きます。タイで長らく伝わる健康法の一種で、現在の体系の原型を作ったのは、2500年以上前の、釈迦の主治医の「シヴァカ・ゴーマラバット」だとされています。
ルーシーダットンの意味は、
- ルーシー:仙人、修行僧、哲人
- ダッ:正しい状態に戻す
- トン:自分自身
なので、つなげると「修行者が身体を伸縮させることで、身体の位置を正しい状態に戻す」ということになります。この名前が示すものが、まさにルーシーダットンの根本です。
ルーシーダットンは具体的にどのようなことをするの?
では具体的にルーシーダットンとはどのようなことを行うのでしょうか。
ルーシーダットンの基本について
ルーシーダットンの基本は独自の深い呼吸法と簡単で実践しやすいポーズの組み合わせです。ですから身体の柔軟性や筋力がない人でも安全に取り組めます。
また古い時代のルーシーダットンでは瞑想も重視されていましたが、現在スタジオなどで行われているルーシーダットンでは瞑想や精神統一などはあまり重視されていません。その点でもエクササイズのつもりで気軽に実践できるでしょう。
ヨガやピラティスとどこが違うの?
ルーシーダットンと似たようなものにヨガやピラティスがありますが、ルーシーダットンとの違いは何なのでしょうか。
ヨガとの違いは?特徴は呼吸!
そもそもヨガとは非常に幅広い健康法や修行法を包括したものです。実はルーシーダットンも「タイ式ヨガ」なので、広い意味でのヨガの一種なのです。
ただし現在「ヨガ」と聞いて思い起こされるもののほとんどは「インド式ヨガ」なので、そのインド式ヨガとルーシーダットンではいくつか違いがあります。
インド式ヨガの目的は精神を集中させ、瞑想をすることです。瞑想のために様々なポーズをとることがインド式ヨガの根本です。
一方でルーシーダットンではインド式ヨガよりも身体の動きが重視されます。
またインド式ヨガでは呼吸法が重視されますが、ルーシーダットンでもそれについては同様です。しかしその呼吸法は、両者で少し異なります。
インド式ヨガの基本は常に呼吸を深くゆっくりとすることですが、ルーシーダットンの場合は身体を伸ばす時に5秒かけで息を吸い、ポーズを取ったら3秒呼吸を止め、5秒かけて元に戻りながら息を吐くのが基本です。
ピラティスとの違いは?
ピラティスとルーシーダットンの違いはどうなのでしょうか。
まず両者はそもそも開発された目的が異なります。ルーシーダットンの目的は先ほど書いたように修行者の健康法ですが、ピラティスの目的は負傷した兵士たちのリハビリテーションです。
ですから身体をリラックスさせることで身体のメンテナンスを行うルーシーダットンに対して、傷ついた人たちが痛みをコントロールするためのものがピラティスなのです。
また具体的な身体の動かし方も異なります。
ルーシーダットンでは簡単な動きをとったり、身体をさすったりすることで血行を改善し身体をほぐすことがメインです。一方、ピラティスの場合は身体の中の筋肉に正しい動きを覚えさせることを目指しているので、ルーシーダットンと比較すると身体の動かし方にやや厳格な規範があります。
ルーシーダットンの効果は?どんな人におすすめ?
ではルーシーダットンにはどのようか効果があり、どのような人が実践したらよいのでしょうか。
ルーシーダットンの主な効果とは?
ルーシーダットンには以下のような効果が期待できます。
血行の改善
ルーシーダットンでは呼吸法が特徴的です。ルーシーダットンの呼吸法によって停滞していた血流が改善します。血流が改善すると、肩こりも緩和され、冷え性も楽になります。
リンパの滞りの改善
タイの伝統的な医学では、身体にはSEN(セン)という血管やリンパ管が集まっている場所があるとされています。ルーシーダットンはこのSENを刺激してリンパの流れを改善させます。リンパの流れが改善すれば、むくみがとれ、小顔になれます。
ダイエット効果
ルーシーダットンのポーズは身体の歪みを矯正する上でも効果的です。その結果、新陳代謝が活発になり、脂肪の燃焼が促進されるためダイエット効果が期待できます。
自律神経のバランスの整え
ルーシーダットンの呼吸法は自律神経を整える上でも効果があります。自律神経が整って副交感神経が働くようになれば、心身共にリラックスできます。
こんな人はルーシーダットンをやってみよう
ルーシーダットンには以上のような効果があるので、以下のような悩みを抱えている人はぜひ実践してみるとよいでしょう。
- すぐに風邪をひく
- 常に倦怠感がある
- よくイライラする
- 運動不足を自覚している
- 慢性的に肩こりがあり頭痛もする
- 足がむくんでいる
- 十分に寝ても疲れがとれない
- 冷え性だ
- ダイエットをしてもなかなか痩せない
ルーシーダットンの主なポーズのご紹介
ルーシーダットンにもインド式ヨガのような様々なポーズがありますが、ここではその代表的なものをご紹介します。
太陽に祈りを捧げる仙人のポーズ
太陽に祈りを捧げる仙人のポーズを行うと、ずれている骨盤の位置が矯正され、腰痛の改善、ウエストやヒップの引き締めなどが期待できます。ポーズの流れは以下の通りです。
- 床に膝立ちし、かかとの上にお尻を乗せる。つま先はそろえる
- 手のひらを合わせ、両手の親指を顎の下に当てる
- 5秒かけて息を吸いながら、上半身を右にひねる
- 斜め上の天井を見るつもりであごを親指で押し上げる
- 首の筋が伸びていることを感じながら3秒間キープし、その間は息を止める
- 5秒かけて息を吐きながら元に戻る
- 左右を3回ずつ行う
合掌しながら体操する仙人のポーズ
合掌しながら体操する仙人のポーズを行うと、姿勢が矯正され、肩こりが解消されます。また二の腕のシェイプアップ効果も期待できます。ポーズの流れは以下の通りです。
- あぐらをかいて床に座り、背筋を伸ばす
- 5秒かけて息を吸いながら両手を天井に突き上げ、合掌する
- 息を吐きながら手首下げ、頭につける
- 息を吸いながら、ひじを横に、左右の肩甲骨が寄っていることを感じる
- 息を吐きながら元に戻る
果物を運ぶ仙人のポーズ
果物を運ぶ仙人のポーズを行うと、血行が促進されむくみの解消が期待できます。ポーズの流れは以下の通りです。
- 左足1本で立ち、右足の甲を左手で掴んで、足のつけ根まで引き上げる
- 引き上げた右足の膝の上に右ひじをつける
- 5秒かけて息を吸いながらひじで膝を押し、立っている左足の膝を曲げて腰を落とす
- 顔を左斜め上の天井に向けて首筋が伸びているのを感じる
- 息を止めて3秒キープする
- 5秒かけて息を吐きながら、元に戻る
- 左右を入れ替えて3回ずつ行う
まとめ
いかがですか。
ルーシーダットン、インド式ヨガ、ピラティス、どれにも特徴があり、優劣はつけがたいです。しかし、身体のリラックスを簡単に行いたい、インド式ヨガのポーズは少し自分には難しい、という場合は以上の解説を参考にぜひルーシーダットンに挑戦してみましょう。
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