もくじ
スリランカ・アーユルヴェーダ治療院(シャンティランカ・アーユルヴェーダ・センター)に10日間一人旅をしてきた筆者。
スリランカのアーユルヴェーダの体験談と、その魅力をお伝えしています。
第一弾では、施設を決めるまでの流れや、一日の内容など、アーユルヴェーダ旅行の基本情報について説明しています。
【スリランカアーユルヴェーダ施設体験記①】予約方法や費用。一日の流れや便利な持ち物とは?
第二弾では、アーユルヴェーダ治療院での「食」の内容についてお伝えしています。
【スリランカアーユルヴェーダ施設体験記②】食べ物は薬。施設での食事内容とは?
第三弾では、治療院で受けたトリートメントの内容や種類についてお伝えしています。
【スリランカアーユルヴェーダ施設体験記③】治療院で受けた極上のトリートメントとは?内容や種類について
今回の、第四弾では総括編として、旅行前後での心や体の変化についてまとめていきます!
アーユルヴェーダ治療院でトータルケア
一般的に、日本におけるアーユルヴェーダのトリートメントは、サロンなどに行って、マッサージを中心とした施術を受ける、というもの。
しかし、スリランカでアーユルヴェーダ施設に滞在すれば、仕事や社会・家庭生活のストレスと一時的に完全に離れて心も体も休養することができます。
さらに、外的な施術はもちろん、生活習慣、食事、薬の内服など、トータル的にケアができるので、トリートメントと相乗効果で回復(あるいは健康の増進)が速まります。
実際、筆者がトリートメントを受けた結果、どのような心身の変化を実感したのか、本記事にてお伝えします!
心と体の悩み
今回、私が改善したかったのは次の5つの症状です。
- 便秘
- むくみ
- 鼻づまり
- 月経不順
- 手湿疹
また、問診を通して、次の2つも改善したい事項に加わりました。
- 側弯症(背骨の弯曲)の改善
- 疲労の回復
これらの症状緩和のため、ドクターによってアレンジされたトリートメントと、その様子についてはこちらの記事でご紹介しています。
アーユルヴェーダ治療院滞在前後の変化
滞在前後で、上記の7つの悩みが、このように変化しました。
|
滞在前 |
滞在後 |
便秘 |
3日に1回くらいの頻度で排便あり |
排便の頻度が増える 以前より便が出やすくなった |
むくみ |
顔と脚がひどくむくむ |
少しすっきり |
鼻づまり |
左の鼻の中が炎症 |
炎症の改善 |
月経不順 |
無月経の期間あり、生理周期の乱れ、生理遅延 |
滞在後長期間経っていないので分からない。 滞在後すぐに生理が来た |
手湿疹 |
洗剤による湿疹 |
湿疹治らず |
側弯症 |
骨盤から上のゆがみ、背中の痛み |
若干の改善、背中の痛み軽減 |
疲労 |
元気がない、疲労、肩こり |
疲労回復、肩こり改善 |
それでは、詳しくみていきましょう。
側弯症
私の自覚症状のうち、「便秘」と「むくみ」は、背骨のゆがみによって起こっている可能性がある、との診断を受けました。
私は、小さい時から背骨が曲がっています。なので、首も傾いています。特発性側弯症というもので、原因は不明です。
写真撮影の時にはいつも首の位置を直されるし、ヨガのポーズのしやすさも、左右で顕著に違いがあります。理学療法士さんからは、今後腰痛や肩こりがひどくならないために、治らないまでも予防のための筋肉強化が必要だと言われていました。
歪んでいるけれど、今のところ、日常生活で支障はないから、まあいいか……と思っていましたが。
ドクターによれば、背骨の弯曲により、内臓の位置がずれていることが、便秘やむくみなどの一つの原因になっている可能性がある、とのこと。
だから、今回の施術では、便秘やむくみを一時的に解決するための療法(浣腸や下剤を飲むなど)ではなくて、問題の根本にある原因「背骨の弯曲」に焦点を当てた療法がなされました。
具体的には、背中へのオイルピチュと、プシュタバスティです。
↑長時間にわたり、背中にオイルの湿布を貼る「ピチュ」
↑背中にオイルを溜め、浸透させる「プシュタ・バスティ」
ねらいは、オイルをしみこませて、背骨を柔らかくすること。ただし、これだけでは側弯症は解決しません。
背中、背骨が柔らかくなった状態で、滞在中・滞在後も、理学療法士さんから勧められたストレッチやヨガを取り入れることによって、改善が見込まれる。
オイルの湿布は、長時間背中にあてがわれて、オイルがにじみ出てくるので、正直とてもしんどかったのですが、その結果として現れた変化がこちら(お恥ずかしいのですが……)↓↓
ちょっとだけ、顔が正常な位置にあると思いませんか?
ドクターやシャンティランカのスタッフたちも「まっすぐになってる!」と大喜び。
いきなり筋トレやヨガをするのではなく、オイルで骨まで柔軟にしてから、体の位置を正す……そんな治療の方法があるなんて、この滞在を通して、一番の驚きでした!
便秘
上記の通り、私に必要なのは、便秘を一時的に解決することではなく、便秘の根本的な問題となっている側弯を改善することでした。
とはいえ、3日も便が出ないと、体が重いし、お腹もすかない。ドクターからは、食欲増進の飲み薬や、お腹の張りのケアのための薬も処方されていました。
しかし、どうしても便が出なかったので、一回だけ、下剤を飲みました。するとその朝、腹痛が起こり、数えきれないほどトイレに行く羽目に……
「全然、止まりません~」と、オーナーさんに泣きつき、すぐにドクターから下痢止めの薬が処方される。すると、「ピタッ」と止まるから、不思議~。結局、この下剤により私の体重はマイナス2キロ……
いえ、宿便が出ていっただけなので、宿便が2キロ分あったということですね。。それからというもの、いつもに増して、温かいお湯をこまめに、たくさん飲むことを心がけるようにしました。
便通の周期によっては、人によって違うので、あまり便意がないからといって、心配しすぎないように、とも言われました。
今では自分の便通の周期を認めて、なるべく自然に便意が起こるように食事から水の量やら、前にもまして気をつけています。
自覚があるのは、朝、ヨガをすると、朝食後に便意を催しやすいということです。やっぱり、ヨガっていいんだな!
このように、改善のきざしがあるので、今後もよくなればいいな、と思いながら、ヨガをしています。
むくみ
立ち仕事なので、足のむくみはいつもお悩み。顔もむくんでいて、もう嫌~。
でも、毎日アビヤンガ(オイルの塗布)を受け、スチームバスで汗を流しているうちに、気になっていた顔のむくみが、日に日にとれていくのが分かりました。
足のむくみも良くなって、帰国後、立ち仕事をしても、足の疲労感が少ないんです。これはいいな!と思いました。
アビヤンガは自分でもできるけれど、毎日は難しいので、お風呂で足をマッサージするようにしています♪
特に足裏は、マルマポイント(中医学でいうところのツボ)がたくさんあるので、よく揉んであげるといいのだとか。
鼻づまり
ネティ・ナスヤ(鼻にオイルを垂らし、吸い込む)によって、鼻の炎症は治まりました。
いつも、左右どちらかの鼻がブロックされている状態なのですが、回を追うごとにそれも少なくなっていきます。
日本の冬は、寒くて乾燥するので、鼻うがいだけでもしっかりできると良いですね。
月経不順
これも、根深いお悩み……私は、心や体のストレス、環境の変化で、無月経になることが多いです。それは、昔から。
そして、今年2018年の前半も、やはり無月経で悩んでいました。産婦人科に行くと、ホルモンの数値に異常はなく、先生からはピルを処方されました。
生理は来るものの、かなり周期が長い。私はドクターに「便秘やからだの冷えが原因と思いますか?」と尋ねました。
ドクターの見解は、その通りではなく、やはりホルモンバランスを整えることが大事、とのこと。それには、ネティナスヤやシロダーラが効くのだとか。
私は、身も心もすっかりドクターやセラピストさんたちに委ねて、リラックスしていたので、スリランカで生理のことを思って不安になることがありませんでした。
驚いたことに、スリランカから日本に向かう飛行機の中で、月経がはじまりました。つい、2~3週間前に終えたばかりなのに?不思議です。
シロダーラなどのトリートメントが効いたのか。アビヤンガなどを通して体が柔軟で温まったからなのか。ただ単に環境の変化に体が驚いたのか。
上記のどれも当てはまりそう。
でも、私がなんとなく思うのは、心身ともに休めて、リラックスすることを楽しんだことが、結果的に脳にいい影響を与えたのではないか……ということです。
疲労
「顔色が悪い」「元気がない」「変に落ち着いちゃってる」
日本にいる時は、人からさんざんこんなことを言われてきました。
失礼だな。でも、本当にそうでした。みなさんもそうではないでしょうか?
仕事は楽しいけれど、頑張り過ぎちゃうし、プライベートも勉強も頑張るほど疲れて、休んでいない。休んでいると思っていても、休むのが下手で休めていない。
「覇気がないと言われます。エネルギーが出ません。どうしたらいいですか?」
半分人生相談のように、オーナーさんとドクターにこぼしていた私。
けれど、施術で毒素を追い出して、シャンティランカのみなさんとドクターの、高いエネルギーに触れているうちに、だんだん元気になってきました。
新しいアイディアも、やる気も、いったん心と身体から余計な物を追い出さないと、出てこないんです。
実際、滞在数日目頃から、私は日本での仕事に関する、新しいアイディアとやる気が落ちてきて、慌ててメモをとりました。
帰国してからも、エネルギーがみなぎっていて、でも、爆発するようなみなぎり方ではなく、どこか冷静に自分を見つめながら、物事を動かしていくというエネルギーの働き方でした。
長旅を終えたのに、どうしてこんなに元気になったんだろう?
旅行が終わると、疲れて帰ってくるのが普通ですよね。
なのに、その逆。スリランカを出発する前、
「10日間も、ほとんど仕事しないで、ただ施術を受けたり、のんびりしていることなんて、私にできるのかな」
と不安に思ったほどなのに、現地では、不思議なほどのんびりしている余裕な自分がいて、
「私、リラックスできるんだ!」
そんなことに気付いたのが、実は、地味に大きな今回の発見と、治療だった気がします。
疾患だけでなく個人に焦点を当てる
アーユルヴェーダは、病気を見ていない。患者を見ている。全体を通して、本当にそう思いました。
アーユルヴェーダは、個人の体質に着目します。
同じ疾患でも、何が原因かは、人によって異なるし、治し方も、その人にあったものにしなければならない。
ドクターやセラピストたちが、疾患ではなく、私自身に焦点を当ててくれたことによって、いくつもの症状が緩和されました。
アーユルヴェーダ施設にどのくらいの頻度で通えばいいの?
「どのくらいのペースでアーユルヴェーダ施設に通うとよいのか」
これについては、「必要な時に、必要な頻度」で構いません。
理想としては、パンチャカルマ(浄化法)は季節の変わり目に行うと良いとされています。日本では、秋と冬が最適な時期です。
ただし、施術を行う時に体を冷やさないことがポイントです。
(ただスリランカは一年を通して温暖)
自分の生活ペースを乱さない頻度で、必要に応じて滞在しましょう。
心の変化
アーユルヴェーダ施設滞在を経て、心の変化もありました。毎日の、きめ細やかな問診と、セラピストさんたちの献身的な施術と気配り、そして笑顔。
ああ、こんな風に生きたい!そんな尊敬を抱いたし、とっても感動したし、変な言いかたですが「愛」を感じられました。
それは、帰国後の日本での生活の中で、自分の態度や姿勢に影響していると思います。
アーユルヴェーダ施設で感じた純粋さ、温かさ、尊敬の感情が、今回私を変えた「薬」になりました。
関連記事
冒頭でもお伝えしましたが、スリランカアーユルヴェーダ施設については以下の記事でも詳しく紹介しています。
第一弾では、施設を決めるまでの流れや、一日の内容など、アーユルヴェーダ旅行の基本情報について説明しています。
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