もくじ
カロリーを摂っても炭水化物をカットすればダイエットできる?
では早速ですが、そのうれしいダイエット方法はどのようなものなのでしょうか。
そもそもカロリーとは
まずその前提として「カロリー」というものの復習です。
カロリーとは水1mlの温度を1℃上げる熱量のことです。食品におけるカロリーは、温度を上げるといっても体温を上げることではなく、人間が生きていくために必要なエネルギー量だと考えましょう。
このカロリーは食品のすべての栄養素に含まれるわけではありません。カロリーを有する栄養素は、糖質、タンパク質、脂質の三大栄養素だけです。
そして三大栄養素によってカロリーも異なります。栄養素1gあたりのカロリーは、糖質とタンパク質が4kcal、脂質が9kcalです。同じ量を食べても、食品が異なれば、中に含まれる栄養素のバランスが変わるので、カロリー量も異なります。
カロリーが高くても太るとは限らない
食事をとると、その食品を消化、吸収するカロリーが消費され、胃腸などの臓器が働きます。
したがって消化、吸収しやすい食品としにくい食品、噛まずに飲み込める食品と噛みごたえがあって何度もあごを動かす食品では、後者の方が消費カロリーが多く、太りにくいのです。
また1つの栄養素を消化、吸収するためのカロリーは糖質や脂質に対するよりも、タンパク質のほうが大きいです。したがって、たとえば同じ500kcalのカロリー量のステーキとケーキであれば、タンパク質の含有量が豊富なステーキのほうが、糖質や脂質メインのケーキより太りにくいのです。
さらに食物繊維が豊富な昆布などの海藻類は、食品に含有されるカロリーよりも、消化、吸収に使われるカロリーの方が大きいので「マイナスカロリー食品」と言い、理論的には食べるだけで痩せます。唐辛子などの香辛料も、体内の脂肪を燃焼しやすくするので「マイナスカロリー」です。
炭水化物カットをすれば痩せる?
以上を前提に、炭水化物をカットする方法でなぜダイエットができるかを解説しましょう。
炭水化物カットで体内の脂肪が燃える
炭水化物をカットするとダイエット効果が上がる理由は2つあります。
1つは炭水化物はエネルギー源のうちの1種類なので、炭水化物をカットすれば、身体は必要なエネルギー量を確保するために、炭水化物をの代わりに脂質を燃やすからです。
また脂質がエネルギー源として使われると、実は脂質は体内で自分の3倍の水分をくっつけて存在しているので、その水分も一緒に消費されます。したがって炭水化物をカットすると、脂質が燃えると同時に、水分が体内から減るので、水太りが改善されます。
もともと炭水化物は取り過ぎの傾向も
2つ目の理由は、もともと日本人は炭水化物を普段から摂りすぎているからです。
ヒトにとって、1日のうちで理想的な炭水化物の量は、1日に必要な総エネルギー摂取量の50~60%です。一般的な日本人女性の1日の消費カロリーは、1800kcal程度ですから、炭水化物の必要量は220~270gになります。
これはお米で言えば、お茶わん1膳半程度です。それに比べれば、多くの人はお米だけでも炭水化物を摂りすぎていると言えるでしょう。
ですから炭水化物をカットもしくは制限するだけで、理想的な炭水化物の摂取量になり、結果的に痩せていくのです。
炭水化物カットダイエットの方法は
では炭水化物をカットするだけ、というダイエット方法は具体的にどうしたらよいのでしょうか。
炭水化物カット=糖質カットのこと
炭水化物の内訳は、糖質と食物繊維です。このうちカロリーを持っているのは糖質だけなので、実は炭水化物をカットするということは、糖質をカットすることと同じです。
この糖質、すなわち炭水化物は、血糖値を上げる働きがあります。血糖値が上がると、インスリンという物質が分泌され、インスリンは血液内の糖質を脂肪として体内に蓄え、血糖値を下げます。したがって糖質を摂ると太るのです。
したがって糖質をカットすると、血糖値を下げるインスリンの分泌が抑えられるために、体内に糖質が脂肪として蓄積されることが減り、ダイエット効果が発揮されるわけです。
三大栄養素の炭水化物以外の外のタンパク質と脂質、および炭水化物で糖質以外の物質の食物繊維は血糖値を上げませんから、いくら食べても脂肪は増えません。したがって炭水化物のうちの糖質さえカットすれば、残りの栄養素の含有されている食品はしっかり食べてもよいのです。
炭水化物カットの9つの方法
炭水化物をカットする方法は主に9つあります。それは以下の方法です。
- 精白してあるパン、白米、麺類、菓子、白砂糖など、糖質を多く含む食品は食べない
- 代わりに魚、肉、豆腐、チーズなどのタンパク質や脂質を多く含む食品をしっかり食べる
- 精白していない玄米、全粒小麦などの穀物を加工した食品中心に食べる
- 1日の運動カロリー以下の糖質摂取に抑える
- 牛乳、果汁は飲まずに、成分無調整の豆乳、水、お茶を飲む
- 野菜、海藻、きのこ類を積極的に食べる
- 油はオリーブオイルにする
- お酒は焼酎、ウイスキー、ブランデーなどの蒸留酒にする。醸造酒のビール、日本酒、ワインなどは飲まない
- おやつやおつまみはチーズ、ナッツにする
いかがですが。できそうな気がするのではないでしょうか。
具体的なメニューの例は?
以上の9つの方法を、1日のメニューに置き換えると、朝食または昼食のどちらかと、夕食で炭水化物の多い食品をカットすることが1番実行しやすいでしょう。
具体的な3食のイメージは、
- 朝食はパンを止めて豆乳と野菜サラダ、チーズにする
- 昼食は普通に食べる。ただし、白米や白いパンではなく、玄米や全粒粉パンにする
- 夕食はお米を食べないで、肉や魚のおかずだけ満足するまで食べる。お酒は焼酎の水割りにする
というような感じです。
これを実行すると、多くの人場合、1日の糖質の摂取量は70~100gになります。それは従来摂取していた糖質量の約半分なので、ダイエットができるようになります。
この方法が多くの人が成果を上げている炭水化物カットダイエットなのです。
炭水化物カットダイエットに欠点も
ただし炭水化物カットダイエットには欠点もありますから、その点に注意しましょう。
便秘になって返って腸内環境の悪化も
炭水化物を多く含む食品は、糖質が多いと同時に、水分や食物繊維を豊富に含んでいる場合が多いです。したがって、炭水化物をカットして、その分食物繊維を補充しないと、食物繊維の摂取量が足りなくなります。
食物繊維の不足は便秘をもたらし、腸内環境の悪化の原因となります。便秘はぽっこりお腹になるだけではなく、ニキビや肌荒れの原意になったり、自律神経のバランスを乱したり、免疫力の低下させたりする怖い現象です。
その点も考慮して、炭水化物カットダイエットを行うのであれば、同時に食物繊維をしっかり補うようにしましょう。
炭水化物カットは継続しにくい?
炭水化物カットダイエットのもう1つの欠点は、長期間継続させることが難しい点です。
炭水化物は意外に多くの食品や飲料に含まれているので、記念日や職場の飲み会など、食事の内容を自分でコントロールできない場に出た場合、よほどの意思がない限り、炭水化物カットを続けることができません。
炭水化物カットをしている間は痩せますが、たとえば宴会で出たサンドイッチを少し食べただけでも、今まで炭水化物をカットしてた反動の分、いきなり体重は増加してしまいます。それにがっかりして、炭水化物カットをあきらめる人も多いのです。
ですので、そのような自分でメニューを選べない局面にぶつかっても、何も食べないでも炭水化物カットを続けるんだ、という強い意思と、その代わりに何を上手に食べれば大丈夫かという知識が、炭水化物カットダイエットを成功させるためには必要です。
脂肪カットの方が効果があるという説も
炭水化物カットダイエットで効果が出たという体験談や、その効果を立証する研究がある一方で、炭水化物をカットするよりも脂肪をカットしたほうがダイエットには効果があるという説を主張する研究者や医師もいます。
しかしその点を立証しようとする実験もあるものの、ほとんど実験は1年間の推移を見ているだけで、5年後、10年後と言った、本当の効果はどうなのか、という点までは明らかにしていません。
ですから、炭水化物カット、脂肪カットのどちらの方法にも、それなりの理論がついているので、どちらがよいとまではまだ誰にも言えないのです。
まとめ
いかがですか。
たとえば夜のお米と日本酒を止めて、その分しっかり肉を食べてもダイエットができる、という点が炭水化物カットダイエットの取り組みやすさです。ただししっかり実行すれば効果が出ますが、社会生活をしていると続けにくいという欠点もあります。
その場合の対処の方法を事前によく考えたうえで、炭水化物カットダイエットを実行すれば、理想のボディラインを獲得することが可能でしょう。
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