丁寧な暮らしのプロにおすすめのオーガニックワインを聞きました!
チーズや海藻など世界中のオーガニック商品の輸入会社代表をしている「オーガニック情報通」のmaimiさん。ご自身の生活も、環境に配慮し、心が豊かになる丁寧な暮らしを送られています。そんなmaimiさんに、おすすめのオーガニックワインをお伺いしました。オーガニックの種類は服などの素材や食材だけにとどまらず、アルコール類にも広がっています。オーガニックワインは、有機栽培したブドウのみを使用し、品質を保持するための添加物を極力使わないようにして作ったワインのこと。ブドウ本来の味や香りが最大限に引き出されています。
オーガニックのプロ、maimiさんが選ぶオーガニックワイン7選!
1、Domaine Chapelle(ドメーヌ シャペル)
Domaine Chapelle(ドメーヌ シャペル)は、フランスのブルゴーニュ地方に1890年代より続いているワインブランドです。オーガニック栽培は2004年にスタートしました。可能な限り人が手を貸さず、自然の力で育ったブドウを使ってワインを作っています。ブドウを作る土も、土壌を汚さないために除草剤および化学肥料は不使用。ブドウの成長を促進させるような薬剤も使用していません。ブドウの栽培から瓶詰めまでを一貫して取り組む生産者です。maimiさんは以前このワイナリーを訪れたことがあるそうで、風土はじめ素晴らしいワインを作る環境が整っていることが納得できる場所だと教えてくれました。
ドメーヌ シャペルが手掛けるワインの中で注目してほしいのが、「シャサーニュモンラッシェ プルミエクリュ モルジョー(赤)」です。このワインはフランスのオーガニックワイン展示会ミレジムビオで金賞を受賞しました。口に含むとブドウのフレッシュな味とコクを感じます。樽の中でブドウが持つ酵母がゆっくりと発酵することで、飲んだ後でも奥深い余韻を長く感じられるワインです。
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2、Domaine de la Vieille Julienne(ドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌ)
Domaine de la Vieille Julienne(ドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌ)はフランスで1905年設立されたワイン醸造所です。オーストリアの自然科学者かつ哲学者である、ルドルフ・シュタイナーの考え方を基にした「ビオディナミ農法」と言われる方法を取り入れてブドウ栽培を行なっています。ブドウの品種はスペインが由来のグルナッシュの古木。使用するのは天然酵母のみ、通常ワイン作りにある工程の清澄(にごりのない澄み切ったワインにすること)やフィルター(ろ過)を行なわないことなど、昔ながらの農法でワイン作りを行なうワイナリーです。
ドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌのワインは繊細で上品な口当たりが特徴です。ワイナリーのある場所は暑さが厳しいところですが、その暑さを感じさせないようなフレッシュな果実の風味も感じます。2000年、このワイナリーで作られたワインが、世界的に有名なワイン評論家のロバート・パーカーJr.によって満点を獲得します。このことでワイナリーの知名度がアップしますが、当主のジャン・ポール氏はさらなる向上を目指しワイン作りと向き合っています。maimiさんは南フランスのワイン展示会でここのワインに出会った時、上品さと個性のある味わいに惚れたそうです。
Domaine de la Vieille Julienne 公式HP
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3、MIGUEL TORRES CHILE(ミゲル・トーレス・チリ)
MIGUEL TORRES (ミゲル・トーレス)は、スペインのバルセロナに近い場所で140年以上ワイン作りをしているワイナリーです。スペインだけではなく世界でも知られていて、世界中のワイン愛好家に支持されています。そのミゲル・トーレスがヨーロッパのワインメーカーでは初めて南米チリに進出しMIGUEL TORRES CHILE(ミゲル・トーレス・チリ)を設立しました。乾燥した気候と冬の集中的な雨、昼夜の温度差などワイン作りに適した風土を持っています。
ミゲル・トーレス・チリのオーガニックワインはリーズナブルな価格で手に取りやすいのがポイントです。ブドウはスイスのIMO(オーガニック国際認定機関)が認定した有機栽培のものを使用。スペインで140年以上という長い歴史のあるワイナリーの血統を受け継いだワインは、赤は力強い果実味やタンニンが魅力のカベルネ・ソーヴィニヨンが、フルボディのワインが好きな方におすすめです。
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4、Le Carline(レ・カルリーネ)
イタリアにあるワイナリー、Le Carline(レ・カルリーネ)。ワイナリーがある場所は古くからワイン作りが盛んな地域です。ワイン畑の土壌は石灰石とその上に粘土質の土が重なりミネラルが豊富。その土の性質が豊富なアロマを感じるワインに仕上げます。
レ・カルリーネのオーガニックワインは、ICEAオーガニック認証を受けています。ミネラルを多く含む土壌を守りブドウを栽培。ワイン作りの工程の中で卵の殻を使う場合がありますが、レ・カルリーネでは使用しないため、ヴィーガンからも好評です。美しいピンク色が印象的なロゼ・スパークリングワインはお花見シーズンのお供にぴったりです。
5、Frog's Leap Winery(フロッグス・リープワイナリー)
アメリカで高級ワインを生み出すことでも有名な生産地のナパバレー、その中でオーガニックワイン作りを行なっているのがFrog's Leap Winery(フロッグス・リープワイナリー)です。なぜ「Frog(カエル)」なのかというのは、ワイナリーがあるセントヘレナのすぐ北側にカエル養殖場があり、その歴史に敬意を表して自身のワイナリーにFrogの言葉を入れ、ワインのエチケットにもカエルのデザインを施したそうです。
フロッグス・リープワイナリーのオーガニックワインの中で、「ソーヴィニョン・ブラン」。この白ワインは低アルコールで酸度が高く、爽快な飲み心地が特徴です。他にもカベルネやメルローといった赤ワインも作っていて、赤は華やかな香りと深みのある味。ナパバレーに行く際にはフロッグス・リープワイナリーのオーガニックワインにも注目してみてください。
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6、LOU DUMONT(ルー・デュモン)
LOU DUMONT(ルー・デュモン)は日本人醸造家の仲田晃司氏がフランスで設立したワイン醸造所です。彼がフランスでワインを作っている様子は日本のドキュメンタリー番組で放送されたことがあるので知っているという方もいるかもしれません。仲田氏がワインと出会ったのは大学生時代で、いつか自分でワインを作りたいという夢を持って1995年に単身渡仏。フランス各地の醸造家で修業しながら2000年に自身のワイナリーを、2003年には醸造所を設立しました。
ルー・デュモンのオーガニックワインには、QUALITE FRANCEのオーガニック認証を受けたブドウを使用しています。そのワインは、ブルゴーニュらしさと日本らしさの両方を持ち合わせる唯一無二の存在。ブルゴーニュの神様と呼ばれ、他人のワインの評価を滅多にしないことで知られるアンリ・ジャイエ氏も評価する味です。ワインの中にはラベルに女性の絵が描かれているものがありますが、それは仲田氏の長女、レアちゃんが学校で描いたお母さん(ジェ・ファさん)だそうです。
7、Familie Stritzinger(シュトリッツィンガー家)
Familie Stritzinger(シュトリッツィンガー家)はブドウ栽培の北限地帯とされるドイツでワイン作りをしている醸造所です。1985年からオーガニック農法をスタートして、1990年にEUのオーガニック認証を獲得しました。ブドウ畑は機械が入らない段々畑で栽培していて、太陽の力を存分に吸収できます。
畑で収穫したブドウは農場にある醸造所で熟成しワインとなります。熟成を補助する薬剤やできるだけ避けてワインを作っているほか、環境保全型という自然に任せた農法でブドウを育てているため、ブドウの収穫量やワインの生産量は低めで1000本限定です。品質のよいオーガニックワインを飲みたいという場合はシュトリッツィンガー家のワインを味わってみてください。maimiさんが特におすすめなのが、リースリングという品種のブドウを使ったワイン。甘めのワインが好みという人に人気だそうです。
Familie Stritzinger(シュトリッツィンガー一家)
Familie Stritzinger 通販サイト(マヴィ・オンライン)
maimiさんが選ぶベスト3ブランドは?
今回ご紹介した7選の中でも、特にmaimiさんのお気に入りブランドについて伺いました。
- LOU DUMONT(ルー・デュモン)
フランスで奮闘する日本人醸造家の作り手によるワインであることに魅力を感じられて愛飲されているそうです! - MIGUEL TORRES CHILE(ミゲル・トーレス・チリ)
日常使いできるコストパフォーマンスが魅力とのこと。 - Domaine de la Vieille Julienne(ドメーヌ・ド・ラ・ヴィエイユ・ジュリアンヌ)
南フランスの実力派ビオディナミワインに惹かれたそうです。
まとめ
7つ、オーガニックワインを紹介しましたがいかがでしょうか?ワインの品質にこだわりたい、そういう方はぜひオーガニックワインを手に取ってみてください。オーガニックワインは実は種類がとても豊富。作られている地方によっても異なる味や香りのワインが楽しめます。いくつかのオーガニックワインを飲み比べするのも楽しいかもしれませんね。
監修
古屋 真衣
オーガニック海藻 Irish Organic Seaweed 代表
GnR オーガニックチーズ 代表
ロシア横断はじめ世界を旅するトラベラーな一面も。2児の母。
https://www.facebook.com/organicseaweed/