もくじ
左右開脚は多くのヨギー、ヨギーニにとって憧れ。
左右一直線に伸びた足、しっかりと立った骨盤、まっすぐな背中。
左右開脚できるようになるためには、どうすれば良いのでしょうか?
前回の【左右開脚のためのヨガ①】では、お尻の筋肉「中殿筋」を伸ばすヨガポーズを4つお伝えしました。
今回【左右開脚のためのヨガ②】で、中殿筋を縮めるヨガポーズを行うことで、さらに左右開脚に近づけます!
憧れの左右開脚ができるようになる方法・鍵は股関節にあり!
左右開脚には、股関節の柔らかさが重要です。
この記事では、股関節が硬い原因と、股関節を柔らかくするために効果的なヨガのポーズを紹介します。
その前に、見た目の華やかさを抜きにして、そもそも左右開脚ができる=股関節が柔らかいとどんなメリットがあるのかについて、見てみましょう。
股関節が柔らかいとこんなにメリットが!
左右開脚できなくたって、いいわよ。
と、開き直っているあなた……股関節が柔らかくなると次のような良い点があります。
血行が良くなり、基礎代謝がUP!
股関節は、上半身と下半身をつなぐジョイント部分です。その柔軟性を高めることで血行がよくなり、基礎代謝アップ、ひいてはダイエットにつながります。
むくみ、老廃物の蓄積がなくなる
血行だけでなくリンパの流れも良くするため、むくみや老廃物の蓄積が少なくなり、疲れにくい体、疲れても回復しやすい体をつくれます。
運動や日常生活でけがをしにくくなる
足が前後左右に開き、上がりやすくなるため、転倒防止などに効果的です。
姿勢の悪さ改善
股関節から生じたゆがみは、骨盤、背骨、肩、首、顔、頭蓋骨など、身体中に影響を及ぼします。股関節を整えてやることによって、身体全体のゆがみ、姿勢の悪さの改善につながります。
股関節はなぜ硬くなるのか
股関節が硬くなる要因は主に以下の3つが考えられます。
- 筋肉が硬い
- 筋膜が硬い
- 骨
1、2は、筋肉強化や筋膜リリースなどである程度改善できます。「1.筋肉が硬い」について、股関節を左右に開くための鍵となる筋肉は主に次の3つです。
- 中殿筋
- 内転筋群
- 腸腰筋
中殿筋の役割
中殿筋の働きは、主に股関節の外転(外側に開く)です。中殿筋が硬いと、大腿骨を股関節で大きく外旋するポーズにおいて制限を与えます。
内転筋群の役割
内転筋群は、大腿骨の内側にある筋肉5つ(大内転筋、恥骨筋、短内転筋、長内転筋、薄筋)の総称です。働きは、股関節の内転(内側に閉じる)です。これら内腿の筋肉が伸びることにより、股関節から上体がしっかりと起こせるようになります。
また、中殿筋の拮抗筋(主動筋が収縮すると弛緩する筋肉)であるため、内転筋群が柔軟でないと、中殿筋を収縮が制限されます。
腸腰筋の役割
腸腰筋は大腰筋と腸骨筋という二つの大きな筋肉の組み合わせで、骨盤を起こす役割があります。
この記事では、「中殿筋」を「鍛える・縮める」ために効果的なヨガのポーズを5つご紹介します。
左右開脚をする際、中殿筋は「収縮」しています。なので、縮めるのが得意だと、左右開脚しやすいのです。
また、筋肉は伸ばす、縮めるという相反する動きを交互に行うと効果的にゆるめることができるため、伸展させる動きも大事です。
中殿筋を「伸展」させるのにオススメなヨガのポーズは以下の記事から↓↓
【左右開脚のためのヨガ】お尻の筋肉「中殿筋」を伸ばすヨガポーズ4選
中殿筋とは
中殿筋は、大殿筋の前に位置する扇形の筋肉です。
筋肉の両端は骨に付着していて、体幹に近い方を起始部、遠い方を停止部といいます。中殿筋の場合は、腸骨外側面(腸骨は骨盤の主要な骨)が起始部、大転子(太ももの骨(大腿骨)上端の一部)が停止部です。起始部と停止部を引き離すことによりストレッチ効果が得られます。
中殿筋の働きは、主に股関節の外転(外側に開く)です。中殿筋が硬いと、大腿骨を股関節で大きく外旋するポーズにおいて制限を与えます。
お尻の筋肉・中殿筋を収縮させるヨガのポーズ5選
中殿筋を縮めるヨガのポーズを5つご紹介します!
キープ時間はあくまで目安です。ご自身の身体の状態や、ヨガの練習に当てられる時間によって、調整して下さい。
練習頻度は、できれば毎日行った方が良いですが、週2~3回、あるいは一回など、最初は継続しやす頻度で行い、徐々に増やしていくと良いでしょう。
シャラヴァ―サナ(バッタのポーズ)
股関節の伸展のために、殿部の筋肉が働きます。
キープ時間目安: 10呼吸
- 床にうつぶせになり、おでこを床につける。両手は体側にのばし、手の平を床につける。足は腰幅に開き、足の甲を床につける。
- 吸う息が来たら、両手と両足を床から離し、頭と胸を起こす。目線は少し斜め前へ。
- ここで10呼吸キープする。胸と足の高さがだいたい同じくらいになるようにする。肩から指先を後ろに伸ばし、胸の中心を前方に伸ばす。お尻が固くなりすぎないように注意。
- 吐く息とともに両手足、頭、胸を床にゆっくりとおろす。
ダニュラーサナ(弓のポーズ)
股関節の伸展のために、殿部の筋肉が働きます。
キープ時間目安: 10呼吸
- 床にうつぶせになり、おでこを床につける。両手は体側にのばし、手の平を床につける。足は腰幅に開き、足の甲を床につける。
- 両ひざを負け、両手で両足首を内側からつかむ。
- 息を吸いながら両足を持ち上げ、頭と胸を起こす。両足で後ろの壁を蹴るようなイメージで行うと、胸がさらに持ち上がる。ここで10呼吸。
- キープしている間、目線は少し斜め上にし、両ひざが開かないように注意する。
- 吐きながら手足を解放させ、頭、胸、足、手を床におろし、1に戻る。
セツバンダーサナ(橋のポーズ)
股関節の伸展および大腿部の内旋のために、殿部の筋肉が働きます。
キープ時間目安:10呼吸
- 両ひざを立てたまま、マットの上で仰向けになり、両膝の真下にかかとをおく。セットする。両手は体側に置き、できるだけ体に近づける。目線は天井。
- 吐く息でお腹に力を入れ、尾骨を足の方に押し流す意識をし、一度背中とマットの間の空間をつぶす。次の吸う息で、両手と足の裏で強く床を押し、お尻、お腹、胸の順にゆっくりと体を斜め後ろの方へ引き上げる。ここで10呼吸。
- いける人は、両手全体を自分の体の真下へじりじりと移動させ、指を組んでこぶしにし、こぶしの小指側でさらに強く床を押して、骨盤を引き上げる。両膝が左右に開きやすいので、腰幅に保つよう気を付ける。お尻は固くしすぎないようリラックス。
- こぶしを作っている人はこぶしほどき、両手を体の下から体側に戻して、胸、お腹、お尻の順にゆっくりと体をマットにおろす。
ヴリクシャーサナ(木のポーズ)
骨盤の左右のバランスを取るために、中殿筋が働きます。
キープ時間目安:5呼吸(片方)
- 両足の親指の付け根をそろえて立ち、母指球(足の親指の付け根)と小指球(足の小指の付け根)、かかとの3点でしっかり床を押す。
- 両手をこしにそえ、右のつま先を立てる。
- 右足の付け根から、股関節を外側へ90度開く。
- 右の足裏を左の腿の内側につける。左右の骨盤の高さが床と平行になるように気を付ける。
- 息を吸いながら両手を天井へ上げる。このまま5呼吸キープする。曲げている足の裏と軸足の太ももで押し合うようにすると下半身が安定する。肩がすくまないように力を抜いて、耳との距離を遠ざける意識をする。
- 両手を下ろし、山のポーズに戻る。
アルダチャンドラーサナ(半月のポーズ)
中殿筋および小殿筋が脚を持ち上げ、床と平行にする働きをします。
キープ時間目安:5呼吸(片方)
- 両手を広げ、両手の首の真下に足首がくるよう両足を広げる。
- 両手を腰に当て、右の足の付け根から右足を90度外側に開く。左足は少し内側に向ける。
- 右手で遠くのものをとるように、上半身を右側へスライドさせ、もうこれ以上伸びないというところまできたら、右手を右足首に沿える。
- 右ひざをまげ、右足に体重をのせながら、右肩の真下に手首がくるように右手の指先を床につく。息を吸いながら左足を上げる。
- 足を床と水平に上げてバランスが取れたら、左手を天井へ上げる。目線は左の指先。この姿勢で3呼吸キープする。
- キープしている間、左のかかとを押し出し、頭頂とひっぱり合う。
- 上げている手を腰、目線を床に戻し、足を床におろす。右手を床から離し腰に当て、上体を起こす。反対側も同様に行う。
いかがでしたか?
左右開脚に必要な中殿筋の柔軟性。この記事では、中殿筋を「縮める」ポーズをお伝えしました。
体はすぐには柔らかくなりませんが、練習すれば確実に柔らかくなります!
焦らずに、伸びているところ、縮んでいるところを意識しながら一つ一つのポーズをしっかりと行いましょう。
体の感覚を常に意識すると、変化に気付きやすいですよ。変化に気付くとモチベーションも上がります!
憧れの左右開脚を目指して、頑張りましょう!