【初心者から上級者まで】ヨガの基本は座り方!6種の座法と7つのポイントを徹底解説

ヨガのレッスンなどに行った時に、最初に教わるのは呼吸法ですが、その際にセットで教わることが「座法」です。座法は、要は座ることなので、エクササイズのような動きは全くありませんが、しかしヨガの中では非常に重視されています。ですから、ヨガを学びたいと思ったら、種々のポーズに合わせて座法も学びましょう。ここでは、ヨガの基本の6種の座法と、座法の7つのポイントを解説します。

ヨガの座り方=座法とは

「座法」という言葉を定義的に言えば、「座り方」全般のことです。たとえば礼儀作法の小笠原流にも「座法」はありますし、弓道などのような精神部分を重視したスポーツにも「座法」はあります。そしてヨガにも「座法」はあります。

ヨガではさまざまなポーズのことを「アーサナ」と言いますが、これは本来は「座法」を指していました。要はヨガの本質である瞑想をするための座り方をアーサナと言ったわけです。

それが発展して、さまざまなポーズのこともアーサナというようになりました。

ですから座法はヨガの根本中の根本と言ってもよいのです。

なぜヨガでは座り方が重要なのか

今の話と関連しますが、ヨガではなぜ座法を重視するのかを、その方法を学ぶ前に理解しておきましょう。その理由は主に3つあります。

ヨガの基本は心を統一することだから

「ヨガ」という言葉の意味は、「結びつけること」です。たとえば暴れ馬の首に縄をつけて気に縛り付けることを「ヨガ」と言います。

それと同様に、心が暴れ、乱れることをコントロールするのを「ヨガ」というのです。ですからヨガの本来の意味は、感覚の制御なのです。

その感覚の制御の方法が瞑想です。瞑想によって心を集中させ、一点に統一させることで、心が分散しないようにするのです。ヨガの本質はここにあります。

しかし、実は身体と精神と呼吸は、互いに相関関係にあります。

穏やかな心は身体と呼吸をリラックスさせ、逆に呼吸をゆったりさせると、身体と精神もリラックスします。同じように、身体を動かさない状態でリラックスしていると、心と呼吸が穏やかになるのです。

この最後のメカニズムの、ある意味のノウハウが「座法」なのです。

瞑想のための準備が座り方だから

このようにヨガ=瞑想という観点で、その内容が座法だけを示した時代は1,500年ほど続きました。ヨガの根本経典である「ヨーガ・スートラ」にも8種類の瞑想方法が示されています。

「ヨーガ・スートラ」において、座法は第3段階目で、4段階目が呼吸法、5段階目が感覚の制御、そして6~8段階目が瞑想です。つまり最終的に瞑想を行う準備段階、瞑想に至るステップとして座法という方法が位置付けられていたのです。

このようにヨガの根本である瞑想に至るためのステップなので、座法が重要なのです。

ヨガで座って瞑想することの効果は

またヨガにおいては座法に従って座り、瞑想をすることは、ヨガの修行者でなくても、様々な効果が得られます。

姿勢が心を左右する

上でも書いたように、身体と精神と呼吸は相互関係にあります。したがって、姿勢を正しくリラックスさせれば心もリラックスできるのです。

もしも毎日の仕事や家事で忙しく、イライラしたりソワソワする場合には、少しだけ立ち止まって、座法に従って座って瞑想をしてみましょう。必ず、イライラやソワソワが過ぎ去って、穏やかでリラックスした心を取り戻せるはずです。

心と身体が調和する

上の話と非常に関連しますが、ヨガの瞑想の効果は「心と身体が調和する」ことにあります。

具体的には自分の身体が疲れていて休憩を求めていても、気持ちがイライラして休憩できない、眠たいけれど寝られない、という場合があります。これは心と体が調和していない状態です。

逆に心と体が調和していると、疲れた時には心身ともに自然にその癒しに向かいますし、逆に頑張ろうという時には心身ともに力がみなぎるようになります。

瞑想で自分の内側が浄化される

他の肉体の部位よりも脳は10倍近い酸素量を必要としています。瞑想は深い呼吸を伴いますから、その脳に十分な酸素を供給してくれます。

脳の能力がアップすると、集中力が増し、感覚が研ぎ澄まされてきます。それは自分の身体の内側にあるさまざまな「澱」が浄化されることでもあります。

ヨガの基本的な6つの座り方

ではヨガの基本的な6つの座法をご紹介ししょう。

1 金剛座(ヴァジラ・アーサナ)

方法

  1. 両足を曲げて、足の甲を床につけて、正座をする
  2. 足は重ねずに、両足が肛門のわきにくるようにする
  3. 手は太ももの上にのせ、軽く開く

効果

  • 背骨の調整
  • 気持ちの安定

2 英雄座(ヴィーラ・アーサナ)

方法

  1. 膝立ちの状態になる
  2. ふくらはぎに手を当て、腰を降ろす
  3. お尻左右のかかとの間にがくるようにする(=骨盤を立てる)
  4. 手の平は上向きにして、太ももの上に置く

効果

  • 骨盤調整
  • 気持ちの安定化
  • 消化器官の活性化
  • 股関節の柔軟性アップ

3 吉祥座(スヴァスティカ・アーサナ)

方法

  1. 両脚を曲げて座りる
  2. 両足のつま先を反対側の足のひざの裏にはさむ
  3. 右足の裏が上になるようにする
  4. 手は親指と人差し指で輪を作り、残りの3本は自然に開く(チン・ムドラーの印)

効果

  • 集中力アップ
  • 気持ちの安定化

4 安楽座(スカ・アーサナ)

方法

  1. 骨盤を立てて床に座る
  2. 左右の座骨に均等に力がのるようにする
  3. 手のひらはももの上に置き、天井に向けるか、チン・ムドラーを結ぶ

効果

  • 姿勢の矯正
  • 気持ちの安定化
  • ストレスの解消
  • 集中力アップ

5 蓮華座(パドマ・アーサナ)

方法

  1. 両足を曲げて、右足を太ももの上にのせる
  2. 左足をその上から、右の太ももにのせる
  3. 両足のかかとを足の付け根に近づける
  4. 手はチン・ムドラーを結ぶ

効果

  • 股関節の柔軟化
  • 気持ちの安定化

6 達人座(シッダ・アーサナ)

方法

  1. 両足を曲げて、右足のカかとを陰部と肛門の間に置いて、腰を下ろします。
  2. 左のかかとを右太ももの上にのせる
  3. 手はチン・ムドラーを結ぶ

効果

  • 会陰部(陰部と肛門の間)を刺激
  • 活力のアップ
  • 気持ちの安定化

ヨガの正しい座り方の7つのポイント

以上の6つの座法すべてに共通するポイントが7つあります。

1 脊椎を伸ばす

昔から脊椎は矢の形のようにすべきだと言われています。頭の頂点からお尻まで1本の棒が通っているような意識をし、脊椎を伸ばしましょう。

2 座り方

座法が難しいようであれば、無理に行わずに最初は瞑想用クッションを使用するとよいでしょう。ソファークッションや枕でも代用できますが、ちょうどよい高さに調節するのはなかなか難しいです。

ですから定期的にヨガをし、瞑想するのであれば、専用クッションを用意することがおススメです。

3 手の位置

手の位置の基本はももの上です。これによって伸ばした脊椎が支えられます。この姿勢は、身体中にエネルギーが流れて、活力がみなぎると同時に、リラックスもできるのです。

もう1つの方法は、右手を左手の上にして親指同士を少し触れさせ、、おへそ前に置くスタイルです。これは上の方法以上に、身体にエネルギーを作り出します。

4 肩の力を抜く

肩の力を抜いて、その状態で肩を少し後ろに下げることで、胸郭が開きながら、背中が伸びます。これはリラックスしやすい姿勢です。

5 あごを引く

あごを少し引きましょう。その方が瞑想状態に入りやすいからです。

6 あごを開く

あごを開くとは、顔の筋肉をリラックスさせて、あごが自然に垂れ下がって開いた状態のことです。そして舌を上あごに付けると、ゆったりとした呼吸ができるようになります。

7 視線の位置

視線は約60〜120cm前の床を半眼の状態で眺めます。そこにあるものの形が「見えて」いても、形が「認識できない」状態が瞑想に最も近づいています。

~まとめ~たかが座り方、されど座り方

いかがですか。

私たちは毎日何気なく座っていますが、ヨガにおいてはその座り方が重要な技法なのです。

毎日ヨガのほかのポーズは忙しくて取れなくても、気に入った座法で、1日10分だけでも瞑想してみましょう。心身ともにリラックスし、同時に頭の中がすっきりしますので、ぜひおススメです。

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旅、蕎麦と酒(全ジャンル)、落語、そして猫をこよなく愛する大阪在住ライターです。
最近は肩こりがさらにひどくなり、デスクでPCに向かいながら上半身ヨガで何とかしのいでいる日々。
しかしそのおかげで左半身のだるさが取れました!