もくじ
ヨガにはいろいろな健康面、精神面、美容面での効果がありますが、その中に「血行促進」というものがあることをご存知ですか。その効果があるために、ヨガをすることで、冷え性を始め多くの悩みが解決できるのです。
ここではおうちで簡単にできるヨガで血行を促進させる方法とその仕組みについてご紹介します。
ヨガの血行改善効果のメカニズムは
なぜヨガをすると血行が促進されるのでしょうか。またなぜそれによっていろいろな悩みが解消されるのでしょうか。まずその根本のメカニズムをご説明します。
ヨガは骨や関節の位置を直す
人間にはそれぞれ身体の動く癖があり、多くの人の骨格はそれによって本来あるべき位置からだんだんとずれていっています。猫背などがその1番の例です。それによって関節の各部分に負荷がかかって痛みが発生します。
またその骨格に守られ、骨格にぶら下がっている内蔵も、ほとんどの人の場合、その内臓の自分の重量によって本来あるべき場所から下がった位置にずれています。これによって消化不良やポッコリお腹などの現象が発生します。
しかしヨガは穏やかに身体をストレッチし、ゆっくりと伸ばしてきますから、骨格も内蔵も本来のあるべき位置に戻ります。
特に骨格が歪んでいたことによって停滞していた血流とリンパの流れが、骨の抵抗がなくなることでスムーズになります。
これがヨガによって血行が促進されるメカニズムの最も大きいものです。
筋肉の血液ポンプ機能がアップ
ヨガによる血行促進のメカニズムはそれだけではありません。
ヨガはアウターマッスルからインナーマッスルまで十分に動かすストレッチです。それによって筋肉が血液を受け入れ、そして次の筋肉に送るというポンプ機能が活性化するのです。
特にふくらはぎの筋肉は第2の心臓といわれるほどのポンプ機能を果たしている部位ですが、ヨガのポーズによってしっかりストレッチされるので、そのポンプ機能が強化されます。
以上のヨガの機能によっても、血行は促進されるのです。
血行が促進されると末端のむくみが減る
血行が停滞すると、血液の水分が血管外に漏れて細胞組織に浸透し、組織を膨らませることでむくみを引き起こします。
むくみの水分は末端冷え性の原因になります。そして同時に身体の老廃物の体外への排出も滞りますので、それはホルモンバランスの乱れももたらします。
血行が促進されると、そのような現象が改善するのです。
自律神経のバランス維持に効く
血行が停滞すると、血流の圧力がなくなるので血管は縮小してしまいます。すると血管の周囲の筋肉も堅くなって身体全体が緊張状態になります。
それは自律神経のうち、緊張状態や興奮状態の時に働く交感神経を優位の状態ににし、結果的に自律神経のバランスを乱してしまいます。
自律神経の乱れは、抑うつ感、イライラ、頭痛、ホルモンバランスの乱れ、睡眠の質の悪化などをもたらします。
ヨガによって血行が促進されると、自律神経のバランスが整って、今挙げたような悩みが緩和されます。
その中でもホットヨガの血行改善効果は
特に室温40℃前後のスタジオで行うホットヨガは、室温の暖かさによって血行をより促進させます。さらに筋肉も温度によって柔らかくなるためストレッチの動きが大きくなって、より血行が促進されます。
血行改善で緩和される悩みは
では上でも触れた、ヨガの血行促進効果によって改善される悩みについて、もう少し具体的にご紹介します
冷え症
ヨガによって血行が促進されると、末端の毛細血管までしっかり血液が流れるようになります。すると末端の細胞まで十分に酸素と栄養が供給されるので、新陳代謝が活発に行われます。
新陳代謝はエネルギーと熱を生み出しますから、その結果、末端の部位も温まって冷え症が改善されるのです。
疲労、倦怠感
血行不良は、筋肉や細胞の疲労回復にとって必要な酸素と栄養の供給不足を意味します。同時に細胞の動きの鈍化によっても新地代謝が不活発になって、老廃物、二酸化炭素は体外に排出されなくなります。
この2つによって倦怠感や疲労感が生まれます。
血行が促進されると、酸素と栄養が末端だけではなく全身の細胞に行きわたりますので、細胞自身が元気になり、新陳代謝も活発化して老廃物が排出されます。それによって疲労感や倦怠感が消えていくのです。
乾燥肌、皮膚のかゆみ
血行不良による新陳代謝の不活性化が皮膚で起こると、皮膚の新陳代謝であるターンオーバーも乱れます。
ターンオーバーの乱れは、正常であればきっちりとレンガのように並んでいるはずの角質細胞の配列を乱し、細胞同士の間に隙間がたくさん作ってしまいます。するとその隙間から水分がどんどん蒸発していき、肌が乾燥してしまうのです。
さらに、肌が乾燥すると、外部の刺激から皮膚の内部を守るバリア機能が十分に働かなくなるため、異物が皮膚内部に入り込み、その拒否反応としてかゆみやひりひり感が発生します。
血行が促進されると、ターンオーバーは改善し、皮膚の角質細胞が隙間なく均一に並んで水分を逃さなくなるため、乾燥肌が改善します。
さらにバリア機能の回復によって異物が皮膚内部に入らなくなるため、かゆみやひりひり感が解消されます。
便秘、食欲不振
腸の血行が悪くなると、腸の筋肉の動きが悪くなるため、栄養分の消化が悪くなります。そして同時に腸の蠕動(ぜんどう)運動が衰え、栄養が吸収された後の便が腸の中に停滞してしまいます。これが便秘の状態です。
便秘になると、胃腸から脳にSOSのサインが送られ、脳はこれ以上栄養を摂らないように食欲を抑制します。これが食欲不振です。
血行が促進されると、まず腸の蠕動運動がしっかり行われて、便は自然に排出されていき便秘が解消します。それによって空になった腸は脳にその状態をフィードバックし、脳はまた栄養を摂るために食欲を復活させます。
肩や腰、関節の痛み
血行不良によって新陳代謝が衰えると、筋肉を動かした残骸の疲労物質である乳酸が筋肉にいつまでも残ってしまいます。その結果、筋肉は炎症を起こし、あるいは緊張したままの状態になります。
すると、肩や腰の筋肉はこわばって痛みを生じ、同時に筋肉が緊張するので関節の歪みにもつながって、ここでも痛みが発生してしまいます。
血行が促進されると、新陳代謝が活発になり、乳酸などが体外に排出されますので、筋肉は常にリフレッシュした柔軟な状態に戻ります。その結果、肩や腰の筋肉の痛みも、それに伴って発生していた関節の痛みも解消されるのです。
頭痛
肩や首の筋肉は頭の筋肉とつながっています。ですから血行不良によって肩や首の筋肉が凝り固まると、頭の筋肉も影響を受けて、同じように凝り固まり、頭痛を発症します。
したがって血行が促進され、肩や首の筋肉が柔軟さを取り戻すと、頭の筋肉の凝りもとれ、頭痛が解消します。
むくみ
上でも書いたように、血流が停滞すると水分が血管から周囲の細胞ににじみ出て、細胞は膨れ上がりむくんでしまいます。血流が改善すると、水分はにじみ出なくなるのでむくみも解消されます。
以上のようにヨガの血行促進効果によって、身体の各部位のトラブルが解消されるのです。
血行改善に効果的なポーズは
牛のポーズ
ヨガには多くのポーズがありますが、ここでは3つのポーズをご紹介します。最初はその中で最も血行促進に効果のある「牛のポーズ」です。
- 足を伸ばして座ってから、両足を右に流して横座りの状態になる
- 左足を内側に曲げ、かかとをお尻の横にくるようにする
- 右足も曲げ、左膝の上に右膝が乗るようにする
- 足の甲は床につけ、お尻が床から浮かないようにする
- 背筋を伸ばして、右手を上から背中に回し、下から左手を回して、背中側で手をつなぐ
- 息をゆっくり吸いながら背筋をのばす
- 息をゆっくり吐きながら身体を反らし、限界の場所で30秒、呼吸をしながら姿勢をキープする
- 息を吸いながら体勢を元に戻す
- 逆を行う
かなり難しいポーズですが、できるところからしていっても効果は得られますので頑張ってみましょう。
三角のポーズ
- 両足を広めに開いて立ち、左足のつま先を正面に、右足は90度著核に向けます。
- 両方の腕を肩の高さに上げ、左右へ伸ばします。そして手のひらを下に向けてゆっくり肩甲骨を開きましょう。いてゆきます。
- 息をゆっくり吐きながら上体を右に倒します。
- 左手を天井に向けて伸ばして静止。目線は左手の先に向けます。
- ゆっくり元に戻り、反対側で行います。
コブラのポーズ
- 両足を腰の幅に開いてしてうつ伏せになり、胸の横に手のひらを置きます。
- 息を吸いながら手でマットを押し、胸郭を広げながら上体を持ち上げます。
- 静止して5回深呼吸し、ゆっくりと上体を元の位置へと戻します。
まとめ
いかがですか。
ヨガには多種多様な効果がありますが、血行1つとってもこれだけの改善効果があり、その結果、いろいろな身体的、精神的な悩みが緩和されるのです。
上で書いたような悩みを持っている人は、ぜひ1日1回「牛のポーズ」を実践してみましょう。
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