もくじ
血圧が高い人にもヨガは効果がある!その理由3つ!
欧米化の食事、ストレスの多い現代社会。血圧が高いことでお悩みの人は多いことでしょう。
食生活や毎日の運動習慣、中にはお薬によって血圧コントロールをしている人もいらっしゃるかもしれませんね。
ですが、ヨガが血圧コントロールに力を発揮することをご存知の方は意外と少なかったりするのです。
「どうしてヨガが血圧に作用するの?」
「ヨガを始めれば血圧が下がるの?」
今回は血圧が高いかたにヨガをオススメする理由をご紹介します。
血圧と自律神経の関係
まず、血圧は自律神経によってコントロールされています。
自律神経のひとつである交感神経は、ストレスを受けてしまうと活発に働きます。
そうすることでアドレナリン(興奮作用のある神経物質)が大量に分泌され、血液の流れが多くなり、心臓の負担が増えた結果、血圧が上がってしまうのです。
つまり、血圧を上げる原因の一つはストレス。
興奮を司る交感神経が高まりすぎて、リラックス効果を司る副交感神経の働きが弱まることで血圧が上がってしまうのです。
それではなぜヨガが血圧の高い人におすすめなのでしょうか?3つの理由から探っていきましょう。
1、ストレス解消ができるので血圧を下げてくれる
まず、ヨガのポーズにはゆったりとした呼吸がつきもの。
このゆったりとした呼吸は副交感神経を優位にするスイッチの役割を果たしています。
リラックス状態になった身体は血流がよくなる傾向に。身体の隅々まで新鮮な酸素が行き届き、脳も活性化される効果があります。
結果、ストレスが洗い流され、続けることによってだんだんストレスに強い身体を作っていくことができるのです。
2、深いリラックス効果から質の良い眠りを手に入れられる
副交感神経が優位にならなければ眠りにつくことができません。
活動していた身体が布団に入ってリラックスすると、交感神経がどんどんオフになっていき、副交感神経が脳に「休もう」と命令します。そこではじめて人は眠りにつくことができるのです。
このような自律神経の切り替えがスムーズに行われるようになると、身も心もリラックス状態にはいり、質の良い眠り(レム睡眠)に入るのですが、それがうまくいかないと質の悪い眠り(ノンレム睡眠)に入ってしまうことになります。
睡眠状態の名称 | レム睡眠 | ノンレム睡眠 |
どのような状態か |
・浅い眠り。 ・身体だけを休める眠り |
・深い眠り ・身体だけではなく、脳も休める眠り |
シュチュエーション | 目を閉じてもなかなか寝付けない。夢ばかり見てしまう。 | 朝起きたときにすっきりとした気持ち。夢をみない。 |
ヨガはポーズの中で「交感神経と副交感神経を切り替える」ことを繰り返し練習します。
ヨガを続けることで自ずと、スムーズに副交感神経に移り変わることができるようになるのです。
3、呼吸法が血圧安定に効果大
ヨガの呼吸法は腹式呼吸を軸としたもの。
腹式呼吸はリラックス効果があり、リラックス効果は血圧安定を助けてくれます。
ヨガには大きく分けて4つの呼吸法があります。
・腹式呼吸……息を吸いながらお腹を膨らませ、吐くと同時にへこませる。(副交感神経を優位にする)
・胸式呼吸……お腹だけでなく肺の上の方でだけ呼吸する。(交感神経を優位にする)
・片鼻呼吸……左鼻だけ、右鼻だけで呼吸する方法。(左鼻から吸うと身体を冷やす効果が、右鼻から吸うと身体をあたためる効果がある)
・ウジャイ呼吸……強い呼吸。血流を上げて血液循環を促す。(血液循環を促す効果がある)
・カパラバディ呼吸……腹筋を鍛えてすっきりする効果。(高血圧の人はNG)
・シータリー呼吸……口呼吸。(体温を下げたり、眠気覚ましになる)
簡単ですが、このような形。
自律神経をスイッチさせる行動を繰り返しているのがわかりますね。
医学的にもヨガにはストレス軽減効果があり、血圧を下げるという報告がされているのです。
高血圧の人におすすめしたいヨガポーズ3つ
高血圧の人におすすめできるポーズを2つご紹介しましょう。
1、亡骸のポーズ
このポーズは亡骸を表してます。
全ての力を抜き、そして身体だけの状態になるのがこのポーズの目的。意識して力を抜いていくので、舌や目など、知らず知らずに力が入っていた場所がよく自覚できるようになります。
効果としては、疲労回復と穏やかな平穏な気持ちによるリラックス効果です。
【やり方】
1.仰向けに転がる。
2.そのまま両手は手のひらを上むきにして目を閉じる。両方のかかとは揃える形で、あとは脱力する。
3.深い呼吸をしてそのままに任せる。
2、合蹠(がっせき)のポーズ
血行を促し、深い呼吸でリラックス効果を得られるポーズです。覚えれば日常のちょっとした時間に自分と向き合えるヨガポーズですよ。
【やり方】
1.足を伸ばして座る。
2.そのまま両足を曲げて足裏を合わせる。
3.息を吐きながらゆっくり上体を前へ倒し、倒れる限界まで倒れて深い呼吸を繰り返す。
4.元の姿勢に戻る。
3、ワニのポーズ(片足ねじりのポーズ)
背中を気持ちよく伸ばし、捻ることでストレス改善をすることができます。寝ながらするポーズは背中がリラックスし、呼吸がしやすいのでオススメです。
【やり方】
1.仰向けの山のポーズから、手の平を下にして両手を左右の横に広げます。
2.息を吸いながら両ひざを揃えて90度に曲げて、すねが床と平行になるところまで上げます。かかとは押し出し、つま先は天井へ向けます。
3.息を吐きながら脚を左側の床に倒します。膝は揃えたままにしましょう。目線は天井のまま、脚は床につけないようにします。
4.息を吸いながら両脚を真ん中に戻して、最初の仰向けの山のポーズに戻ります。同じようにして反対側も行います。
片鼻呼吸法が高血圧に効果絶大!
片鼻呼吸は左右の鼻を順番に押さえながら片方の鼻で息をするヨガの呼吸法です。
片鼻呼吸をすることで、脳の中で交感神経と副交感神経のスイッチをスムーズにする働きが活発になり、自律神経のバランスを整えることができます。
高血圧の人は、興奮を司る交感神経が活発になっているので、うまく切り替える練習をすれば、日常生活でもリラックス状態に入りやすくなりますよ。
【禁忌】高血圧の人がやってはいけないポーズとは
高血圧の人がやってはいけないポーズは逆立ちのポーズと深い前屈(ウッターナサナ)です。
頭が胴体より下になることで、普段血が巡らない頭の血流がよくなり脳も活性化するため、健康な人には良いのですが、高血圧の人には禁忌のポーズ。
持病が悪化してしまう可能性があるので気をつけましょう。
高血圧の人のヨガは「その日の体調に応じて」が鉄則
ヨガが高血圧に良いからといってやりすぎるのは禁物。何事も無理をせず、その日の体調によってポーズや時間を決めるのが大切です。
毎日継続できなくても大丈夫。あなたもぜひヨガで高血圧の管理をやってみてくださいね。
ヨガは普段使わない筋肉を動かして和らげることで身体の痛みからも解き放たれるので、日常生活が楽しくなることうけあいですよ。
▷辛い首こりはヨガでラクになる?首こりに効果的なヨガポーズをご紹介