もくじ
便秘とヨガの関わり
内臓周りの筋肉を鍛え胃や腸を刺激する
ヨガのポーズをとることで胃や大腸が刺激され、スムーズに動くようになり便秘が改善されます。ガスの排出も促し、お腹の張りも解消されるでしょう。また、内臓周りの筋肉も鍛えられ、ウエストの引き締め効果も期待できます。
深い呼吸により副交感神経に作用する
ヨガは深い呼吸をしながら身体を動かすため、副交感神経を優位に働かせます。
自律神経には、日中や、緊張・ストレスを感じる時に働く交感神経と、夜間やリラックスした状態の時に働く副交感神経の2種類があります。
これらがバランス良く作用することにより腸もスムーズに働きます。
ストレスが多い現代社会では自立神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になりがちで、便秘になりやすいのです。
ヨガは副交感神経に働きかけて排泄運動を活性化し、自律神経のバランスを整えて便秘を改善へと導きます。
便秘に効くヨガのポーズ5選 やり方とポイント
ここでは、便秘に効くヨガのポーズを5つ紹介します。
注意点
- 可能であればヨガマットを使用しましょう。
- 内臓に負担がかかるため、食後2.3時間は避け空腹時に行います。
- 肩甲骨や股関節まわりを柔らかくするウォーミングアップや、太陽礼拝などで身体をあたためてから取り組みましょう。
- コップ一杯のお水を飲んでから取り組むと更に効果アップが期待できます。
★の数は難易度を、※はポイント・注意点を表します。
ポーズは全て左右両方共行いましょう。
①戦士のポーズ2(ヴィラバドラーサナⅡ)★
便秘に効く理由
お腹の力を使うことで、胃腸が刺激される。内臓まわりの筋肉が鍛えられ、排泄運動の働きを高める。
STEP1
- マットの真ん中に立ち、両手を肩の高さに広げ、手首の下に足首がくるぐらいまで両足を広げる。
- 両手を腰のゴリゴリした骨、腰骨に添える。左足を45度ほど内側に、右足を太ももの付け根から外側に開く。
※腰骨の高さを床と水平に揃える。
※へそから上の上半身は正面に向ける。
STEP2
- 吸って背筋を伸ばして、吐く息で右膝を90度に踏み込む。
※かかとの上に膝が来るようにし、膝とつま先の向きを揃える。
STEP3
- 吸う息で両手を肩の高さに左右に広げる。目線は右手先のほうに向ける。
- 3呼吸ほどキープする。
STEP4
- 目線を正面に向け、吸う息で膝をのばす。両手を腰に添えて、足を閉じる。
- 左足も同様に行う。
ポイント・注意点
- 左足の小指側、かかとでもマットを押し、膝を伸ばす。
- おへそを背中に近づけるようにして力を入れる。
- 肩の力を抜いて耳と肩を遠ざける。
禁忌
膝の故障.鼠蹊部(太ももの付け根)の怪我
②三角のポーズ(ウッティタトリコナーサナ)★
STEP1
- 戦士のポーズ2のSTEP1と同じ。
- マットの真ん中に立ち、両手を肩の高さに広げ、手首の下に足首がくるぐらいまで両足を広げる。
- 両手を腰のゴリゴリした骨、腰骨に添える。左足を45度ほど内側に、右足を太ももの付け根から外側に開く。
※腰骨の高さを床と水平に揃える。
※へそから上の上半身は正面に向ける。
STEP2
- 吸って右手を横に伸ばし、吐く息で右脚の太ももの付け根を引き込むようにして上半身を右側に倒す。右手を右脚の足首に軽く添える。
※足首に手が届かない場合は、ブロックなどをおき、届く高さに調整し手を添えても良い。
STEP3
- 胸を開き、左手を上に持ち上げる。
- 首が痛くなければ目線を天井に向ける。
- 3呼吸ほどキープする。
※胸が閉じてしまう場合は、左手は腰のままでも良い。
STEP4
- 目線を正面に向け、吸う息で身体をおこす。両手を腰に添えて、足を閉じる。
- 左足も同様に行う。
ポイント・注意点
- 右脇腹(下側の脇腹)が縮まないように、左脇(上側の脇腹)と均等に伸ばす。頭の向こう側に背筋を伸ばすイメージ。
- 右側(下側)の肋骨を天井に向かって回しあげ、左肩を後ろに引くようにして胸を開く。
- 腰が反らないように肋骨をしまう。
禁忌
背骨・背中の怪我.首の怪我、妊娠中
③体側をのばすポーズ(ウッティタパールシュバコナーサナ)★★
STEP1
- 戦士のポーズ2のSTEP1と同じ。
- マットの真ん中に立ち、両手を肩の高さに広げ、手首の下に足首がくるぐらいまで両足を広げる。
- 両手を腰のゴリゴリした骨、腰骨に添える。左足を45度ほど内側に、右足を太ももの付け根から外側に開く。
※腰骨の高さを床と水平に揃える
※へそから上の上半身は正面に向ける。
STEP2
- 吸って右手を横に伸ばし、吐く息で上半身を太ももの付け根から右側に倒す。右ひじを右脚のふとももの上に軽くのせる。
STEP3
- 吸う息で左手を持ち上げて耳の方に引き寄せる。首が痛くなければ目線は天井へ向ける。
- ゆとりがあれば吐く息で右手を右足の前に下ろす。
- 3呼吸ほどキープする。
※胸が閉じて呼吸が止まったり、股関節に痛みや違和感を感じる場合は、右ひじは太ももの上のままでも良い。
STEP4
- 目線を正面に向け、吸う息で身体をおこす。両手を腰に添えて、足を閉じる。
- 左足も同様に行なう。
ポイント・注意点
- 左足の小指側・かかとでマットを押し、左足と左手でひっぱり合うようにして、体側(身体の左側)を伸ばす。
- 右膝を外側に開く。
禁忌
膝の故障.鼠蹊部(太ももの付け根)の怪我
④半分の魚の王様のポーズ(アルダマツェンドラーサナ)★★
STEP1
- マット(縦向き)に座り、両脚を揃えて前にのばす。お尻の肉を両手で外側に逃がして、ゴリゴリした骨、坐骨をだす。左右の坐骨で均等に体重をのせ、骨盤を床と垂直に立てる。
STEP2
- 右膝を立て右足裏を左足の外側に置く。左足の膝を曲げて、右のお尻の方にかかとをひきよせる。
※膝や股関節に違和感や痛みがある方は左足は伸ばしたままでも良い。
STEP3
- 左ひじを曲げて右膝の外側にかける。
- 右手をお尻の後ろに添える。
※難しければ左手で右膝を抱える。
STEP4
- 吸って背筋を伸ばして、吐く息でおへそのあたりから上半身を右側にねじる。吸う息でもう一つ背筋をのばし、吐く息で右肩を後ろに引くようにして更にねじりを深める。
- 首が痛くなければ目線も後ろに向ける。
- 3呼吸ほどキープする。
STEP5
- 吸う息で上半身を正面に戻す。手と足を解放する。
- 左足も同様に行う。
ポイント・注意点
- 吸う息で背筋をのばし、吐く息でおへそ、みぞおちの順に捻りを深める。
- 骨盤が立ちにくい場合は、ブランケットなどをお尻の下に敷く。
- 左右の坐骨で均等にマットを押し、骨盤を立てる。
禁忌
膝の故障、足首の怪我、生理中、妊娠中
⑤ねじった三角のポーズ(パリヴリッタトリコナーサナ)★★★
STEP1
- マット(立て向き)の前方に立ち両手を腰にそえる。左足を大きく一歩後ろに引いて、少し外側にひらく。
※右足(前脚)のかかとと左足(後脚)のかかとが一直線上になるようにする。バランスがとりにくい場合は、左足(後脚)を一足分外側にずらす。この方が土台が安定する。
STEP2
- 吸って左手を持ち上げて、吐く息で左手が遠くを通るようにして上半身を右側に捻り、左手を右足の外側に添える。
※左手がマットに届かない場合は、ブロックなどを置いて届く高さに調整し、手を添えても良い。
STEP3
- ゆとりがあれば右手を天井にもちあげる。首が痛くなければ目線も天井へ向ける。
- 3呼吸ほとキープする。
※胸が閉じてしまう場合は、右手は腰のままでも良い。
STEP4
- 目線を正面に向け、吸う息で右手を腰に添えて身体をおこす。左手を腰に添えて、後足を前足に揃える。
- 左足も同様に行う。
ポイント・注意点
- 左足のかかとでもマットを押す。
- 左脚(後脚)の太もものつけ根を前に押し出すようにして、骨盤を真っ直ぐ正面にむける。
- 吐く息でおへそみぞおちの順に捻りを深める。
禁忌
椎間板の怪我、生理中、妊娠
更に効果を引き出すには
深い呼吸をする
肩の力を抜いて胸を開き、吸う息と吐く息が同じ長さになるように、深く呼吸をします。
無理をしない
頑張りすぎると、筋肉が緊張して呼吸がとまり、ヨガの効果が得られません。
軽減法をとっても構わないので、お腹まわりの筋肉を使っている意識をもち、深い呼吸が出来る範囲で取り組みます。
難易度が低いポーズから取り組む
⑤のパリヴリッタトリコナーサナは少し難易度が高いポーズなので、難しい方は①~④までのポーズだけでも大丈夫です。
週に3回くらいから、自分のペースで取り組み、慣れてきたら回数を増やしていきましょう。毎日行えば便秘解消効果も更に期待できます!
まとめ
今回紹介したヨガのポーズは胃腸を刺激したり、副交感神経を優位に働かせることで排泄運動を高め、便秘解消・改善に非常に効果的です。
更に、お腹まわりの筋肉が鍛えられ、ウエストの引き締め効果も期待できます。
便秘でお悩みの方は薬を使わずお金もかからず、お家でできるヨガのポーズを取り入れてみてはいかがでしょうか。
排便がスムーズになり腸内環境が整うと、老廃物が排出され、栄養が身体にしっかり吸収されて肌の調子が良くなったり、新陳代謝が活発になり冷えやむくみが改善されたりと美容にも健康にも良いこと尽くしです。
ヨガでお腹すっきり、身体の内側から健康に美しくなりましょう!