★陰ヨガとはどんなヨガ?
「陰と陽」とは、中国の易学でこの世に存在する全ての物事は相反する事で成り立つという意味があります。例えば太陽と月、昼と夜、明と暗、動と静、男と女、右と左、前と後等があります。ヨガにも「陽ヨガ」と「陰ヨガ」があり、陽ヨガとしてはアシュタンガヨガ・パワーヨガ・ヴィンヤサヨガ等アクティブな動きと高い運動量のものが値します。(一般的に陽ヨガと表現される事はありません)一方で陰ヨガはポーズをゆっくりとホールドするスタイルであり、心身をじっくりと解放に導きます。それによってご自身の内面も観察することに繋がります。又過度な動きが伴わない為、初心者や運動が苦手な方でも入り易いタイプのヨガと思われます。
「陰」の部分を取入れる事は「陽」が効果的に発揮し易くなり、広い視点で物事が見れるようになります。又日常「陽」を連続的に繰り返す事で心や体に歪みが生じバランスを崩す可能性があります。ご自身にあえて「陰」の部分を意識する意味でも「陰ヨガ」を活用してみて下さい。
★陰ヨガはこんな方に向いている
陰ヨガは年齢に関係なくどのような方でも行い易いヨガです。特に以下の方にお勧めします。
①日常ご多忙で交換神経が優位になり過ぎて、自立神経のバランスが偏っている方
②運動不足で身体に負担のないものから運動を始めたい方
③身体の柔軟性高めたい方
④腰痛・膝関節痛を緩和されたい方(シニアの方も大丈夫です)
又夜間はアクティブな陽ヨガを行った後に陰ヨガで締める事で神経の高まりが抑えられ良い眠りに繋がる可能性があります
★陰ヨガのメリット
陰ヨガは、体を静止状態で深い呼吸に導きます。それによってリラックス効果が高まり、精神的にも穏やかで落ち着きが得られます。更に集中力アップも期待する事が出来ます。又陽ヨガと取入れる事で陽ヨガから得られる筋力と、陰ヨガから得ら柔軟性が併せて高まります。陽ヨガとの組み合わせは、強くしなやかな身体づくりや怪我なくヨガが楽しめスキルアップにも繋がります。陰ヨガは陽ヨガにも良い影響をもたらし、バランス維持に良好な結果になる事と考えます。
陰ヨガ | ハタヨガ(初心者編) | アシュタンガヨガ | |
運動量 | ★☆☆☆☆ | ★★☆☆☆ | ★★★★★ |
難易度 | ☆☆☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★★★ |
スピリチュアル度 | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ | ★★★☆☆ |
リラックス度 | ★★★★☆ | ★★☆☆☆ | ★☆☆☆☆ |
★陰ヨガとリストラクティブヨガの違い
2000年代に入りヨガ人口が増える中で、よりご自身にマッチしたヨガを求める方が増えようになりました。それによって様々なスタイルのヨガが考案されています。その中で陰ヨガは他のヨガと何処が異なるのかご案内します。
近似タイプ・リストラクティブヨガとの比較
陰ヨガ | リストラクティブヨガ | |
目的と効果 | 経路の活性化による心身回復 (気の回復・滋養・蓄積) |
筋肉の休息による心身の回復 |
ターゲット | 関節周りの複合組織 (骨・靭帯・腱・筋膜) |
筋肉 |
ポーズ | 自重によって深めれる | プロップスを活用し安定させる (ブロック・ブルスター等) |
ポーズのスタイル | 座位・仰向け・うつ伏せ | 座位・仰向け・うつ伏せ |
ポーズのホールド | 3~5分程度 | 10分以上 |
★陰ヨガの特徴
1.ポーズについて
陰ヨガでは座位・仰向け・うつ伏せポーズが主体で、腰回りや股関節にアプローチし1つのポーズが3~5分ほどの長いホールドになります。又筋肉ではなく関節がターゲットになり、身体を脱力し緩める事が有効になります。これによって関節の結合組織(骨・靭帯・腱・筋膜)の柔軟性が高まり活動し易い身体に導く事は勿論、怪我のリスクも減少します。以下は一般的に用いられている陰ヨガのポーズを一部ご紹介させて戴きます。
2.呼吸について
インストラクターによってはウジャイ呼吸を推奨する場合もありますが、ゆっくりとした柔らかい自然呼吸であればウジャイ呼吸に拘らなくともと考える場合もあります。いずれにしろゆっくりとした柔らかく深い呼吸は副交感神経が活性化されます。副交感神経は、休息・回復の神経です。
★陰ヨガのポーズのやり方
シューレース(股関節へのアプローチ)
①右膝を曲げ左足をまたぎ左腰横に足裏を付けます。左膝も曲げ右腰に足を寄せます。その際両方の坐骨(座った時に感じる2か所のお尻の骨)が床についている状態が望ましいのですが、片側が浮いた場合逆側に高さを出す為にブランケット等を引くと坐骨2か所がしっかりと床につきます。
②息を吐きながら上半身を前に倒しますが、座骨が浮かないところで10呼吸ほどゆっくり脱力しキープします。(反対の足も同様におこなってください)
ハッピーベイビー(股関節へのアプローチ)
①仰向けになり、両膝曲げた状態で足を天井へ上げます。両手の平を床につけて身体の横へ置きます。
②足を左右に開いて両ひざを胸の方に近づけ、両手を内腿から土踏まずを掴みます。
③手の重さを足の裏にかけ、足の重みで膝を下へ近づけます。手・腕・足の重みを感じながらゆっくり10呼吸程度キープします。
スフィンクス(背骨へのアプローチ)
①うつ伏せになり、足は腰幅に開き足の甲を床につけます。
②肩の下に肘をつき、肘から手の平まで床につけます。
③胸を広げながら上体を起こし、顎は軽きひきゆっくり10呼吸程度キープしましす。
スリーピングスワン(股関節へのアプローチ)
①四つん這いになり右膝を曲げ右足を手と手の間に置きます。この時右膝から足先がマットと平行に出来れば平行へ、厳しい方は膝~足先は前から後ろに向かう位置でも構いません。やり易い方向で行いましょう。
②左足は後ろに伸ばし足の甲が床に付くようにします。その体制で上半身を床に倒し、手の上に顔を乗せゆっくりと10呼吸程度行います。
(左足も同様に行います)
★最後に
「陰ヨガ」は「ハタヨガ」と比較して行っているスタジオは少ないと思われますが、ポーズは初心者でも優しく、ご自宅で行いやすいヨガでもあります。リラックスする音楽とお好きなアロマオイルの香りに包まれ、ハーブティーで喉を潤しながらなどご自身のリラックスタイムをつくってみませんか?
「陰」を取入れ「陽」の部分を更に伸ばし、心穏やかな時間を過ごされる事を願っています。