オンラインヨガ提供のための周辺機器
オンラインヨガを提供する際に求められる配信環境は、「きれいな画質」「クリアな音声」「明るい照明」です。いくらレッスンの内容が良くても、画質や音声が悪いと、受講者はレッスンに集中できず続ける意欲も削がれてしまいます。
楽しくてリピートしたくなくなるレッスンを提供するためにも、パソコンや照明、マイク、そしてインターネット環境などオンライン配信に適した周辺機器を準備しておきましょう。
パソコン
動画配信するにはそれなりに高性能なPCを選んだほうが良いでしょう。特に注目すべきパーツは
- CPU
- メモリ
- GPU
の3点です。
1.CPU
最も重要なのがCPUです。性能が高いほど価格が上がりますが、CPUの性能が高いほど沢山の処理を行えますので、可能な限りCPUの値が高いもの選びましょう!配信用PCのCPUの場合、Core i7、Ryzen 7以上、推奨はCore i9、Ryzen 9です。
2.メモリ
CPU同様にメモリも配信において重要ポイントとなります。配信用PCなら、メモリは8GB以上で出来れば16GBは欲しいところです。
3.GPU
GPUを搭載しているPCは、配信における動画処理も行ってくれるのでカクつきなどを起こさず、滑らかな配信ができます。映像が見にくかったり、映像がカクついたりするレッスンは、ポーズが分かりにくく受講者にとってはストレスです。配信用のPCを選ぶ際は、GPU搭載のPCがおすすめです。
照明
照明がない配信は、映像も表情も暗くなり、良い印象を与えられなくなります。照明の明かりをコントロールすれば、映像のクオリティが上がるばかりでなく、肌を美しく見せることができ、明るくはつらつとした印象を与えることができます。照明を選ぶ際のおすすめはLEDライトです。暖色系と寒色系で切り替えられるものもあります。形状はクリップ式とスタンド式がありますが、オンラインレッスンのような広い室内での配信にはスタンド式がおすすめです。
WEBカメラ
オンライン配信のレッスンには高画質なWEBカメラがおすすめです。パソコン内蔵のカメラは画角が狭くカメラとの距離を取らないと全身が映りません。WEBカメラで配信すると、インストラクターの動きをより正確に映し出せます。パソコンのカメラより美しく配信するには高画質なカメラを選びましょう。WEBカメラを選ぶ際のポイントは、画素数と広角(画面の広さ)です。
画素数
webカメラのにおいて一番違いが見られるのは、画素数や解像度です。高画質な配信にするには、200万画素以上必要です。おすすめは300万画素以上の2Kや4Kに対応した高画質WEBカメラです。画素数が高いとネットワーク上で送信するデータ量も多くなります。パソコンのスペックも考慮しましょう。
画面の広さ
ヨガレッスンで全身を映すためには広角モデルを選ぶといいでしょう。一般的なWEBカメラは75度前後ですが、110~120°の画角があるものがおすすめです。
フレームレート
フレームレートの数値が大きいほど、カクつきを少なく、画像を滑らかに映すことができます。15fps以上のものでも十分ですが、できれば30fps以上あるWebカメラであれば細かい部分まで滑らかで動きを見せるヨガにはおすすめです。
マイク
オンラインヨガ配信において、マイクはWEBカメラやパソコンに内蔵されているものを使用する人も多いでしょう。動きのあるヨガレッスンを行うときにおすすめなのがクリップ型のピンマイクです。マイクをウエアにつけて使うので、インストラクターの音声を拾いやすいのが特徴です。
インターネット環境
オンラインレッスン講師のネットが遅いと、映像や音声がズレる、遅くなる、止まる、飛び飛びになる、などのトラブルがおこりスムーズなレッスン進行ができません。何より受講者側のストレスにつながります。自宅で配信するなら選ぶべきは光回線です!データ送信速度と安定性が1番!
通信速度としては、上り速度が30Mbps以上あると安心です。なお参加人数が多くなればなるほど、インターネットの回線速度が必要となります。
インターネット回線速度は、「Fast.com」で調べることができます。
部屋の空間づくり
オンラインヨガを配信する際、スタジオから配信するインストラクターもいますが、大抵の場合、自分の部屋から配信しています。生活感のあるものは映らないようにしつつ、演出をプラスしヨガレッスンの雰囲気作りをしましょう。
見せない配置
背景に映る物はできる限り移動しましょう。背景に物がないことで、インストラクターの動きや言葉のみに集中しやすくなります。映り込みを避けたくても動かすことができない物の場合は、布やつい立てを利用し隠す方法もあります。
演出
間接照明、観葉植物、キャンドルなどの工夫を加えるのもよいでしょう。朝のレッスンは快活に一日をスタートできるよう切り替えたいので、白色系の照明や次に紹介する太陽光を入れるのがおすすめです。一方、夜のレッスンは一日の疲れを癒し心地よい睡眠に導入していけるよう、トーンを抑えた暖色系の照明を選んだりキャンドルの揺らぎを利用するなど、副交感神経に働きかけるあかりの使い方をするといいですね。観葉植物は大きめのものを画面のサイドに置いておくと、緑のリラックスカラーがヨガの演出に一役かってくれます。その他にもステッカーや鏡など演出アイテムはいろいろありますが、凝りすぎてと逆にごちゃごちゃとしてしまわないように気を付けましょう。
自然光の入れ方
天気のいい日に窓から自然光が差し込むのはすがすがしいですね。けれど、逆光でインストラクターのポーズが真っ暗でよくわからない?!なんてことも。場合によってはカーテンが必要なこともあります。光を有効活用するにはカメラに取り込む角度や色に注意しましょう。
インストラクターの身だしなみ
配信場所が自宅ということから、インストラクター自身がリラックスしてしまい、身だしなみがおろそかになっていませんか?メイクをし髪の毛が長い方は邪魔にならないようにまとめましょう。受講者が画面の動きに集中してレッスンに参加するオンラインでは、髪をかき上げる動作ひとつとっても、ポーズの混乱につながることもあります。
ウエアの選び方
オンラインレッスンでは、画面に映る色が肉眼で識別するものと変化することもあります。ウエアを選ぶ際に気をつけたいのが、黒色のレギンス着用しないことです。スタジオレッスンと違い、レッスンを受信画面で平面でみた際に、黒色のレギンスは、左右どちらの脚を踏み出しているかなど、横向きのポーズの際に判分かりにくいです。同じように、ゆったりしすぎるウエアもインストラクターの細かい体の動きが伝わりにくいので、ある程度体にフィットしたものを選びましょう。またマットとウエアの色、背景とウエアの色といった組み合わせにおいて、肉眼では、同系色であっても色の違いが分かるのに、パソコンやスマホの画面上では同じ色に同化して見えてしまうことがあります。そうなれば受講者は、レッスン中インストラクターがどちらの脚を前に出しているのかわからず、反対動きをしてしまう可能性もあります。オンラインレッスンでは、ウエアのスタイルや色が画面に映るインストラクターの動きの見え方を大きく左右します。部屋の雰囲気や季節、レッスン内容に合わせつつも、ポーズが判別しやすくなるように、ウエアの色や形を選びましょう。
オンラインヨガ向けのレッスンの進め方とは?
オンラインレッスンでは、インストラクターは受講者に対し動きをすべて鏡で進行していきます。スタジオレッスンでは、2回目以降の同じ流れの際にインストラクターが受講者のもとへアジャストにまわることもありますが、オンラインレッスンでは口頭でのアジャストになります。受講者は常にインストラクターの動きに注目しているのでできるだけインストラクターはポーズから離れないようにしましょう。
注意すべきは、同じ流れを逆の脚で行うときに、画面に対してインストラクターと受講者が互いに背を向けた状態になるときです。背中越しの動きが続くと受講者はストレスを感じます。そうしたストレスを回避するためのオンラインレッスンで効果的なレッスンの進め方、3パターンをご紹介します。
1.必ず1回目の流れを対面で行うこと(1回目に背中越しになるポーズの流れを入れない)
2.シークエンスは、2回目の流れに入る前にマットの反対側に立ち、再スタートする
3.1回目と2回目の流れの間に、マットの端に対して、体の向きを左右変えるポーズをシークエンスの中間に入れる
※インストラクターからのコールが左右逆にならないように、気を付けましょう!
モチベーションをあげる声掛けポイント
受講者からみても、オンラインレッスンは自宅で受けられ、ビデオオフ参加も可能なところが手軽であったりします。自宅でひとりで続けるには、モチベーションをあげることや強い意志を持ち続けることが鍵となります。インストラクターの声掛けがそういった面で重要なポイントです。
名前を呼んでいいところを褒めよう
ただ単にレッスンに参加して終わってしまうだけだと、YouTubeやDVDの動画を見て行うことと変わりません。オンラインレッスンが動画とは違うというところは、インストラクターが受講者のポーズをみてくれているという安心感です。名前を呼ばれて褒められると誰だって嬉しいです。「頑張ろう!」という意欲が出てきます。褒めるときは、具体的にどこが良いのかを伝えましょう。
ビデオオフの受講者も一緒に参加している感覚を!
ビデオオフで参加している受講者が、蚊帳の外感覚にならないように気を配りましょう。ビデオオフの参加者が少人数の時はできるだけ名前を呼びたいところです。大人数の時には「ビデオオフの方も~」と一言加えましょう。それぞれの部屋から参加していても、レッスン中は一人だけじゃない!という一体感も生まれオンラインレッスンに参加する楽しさにもつながります。
声によるアジャスト
最近では、新型コロナウイルスの流行により、スタジオレッスンでも体に触れるアジャストを禁止しているところも出てきましたが、オンラインレッスンでは、アジャストは口頭オンリーです。左右、角度、重心、目線など、具体的に指示出ししましょう。
・全体に向けて
ビデオオフの受講者にもわかりやすいようにインストラクターが「良い例」「悪い例」というように動いてポーズを見せながら言葉で誘導するのもわかりやすくなります。
突然名指しで修正ポイント指導すると、「できなかった」という印象を残してしまう可能性があります。まず最初に全体に向けて声掛けし、受講者がポーズの修正が出来たら、次に名前を呼んで褒めるという流れの方が、参加してる方も「できた!」という感覚も味わえて楽しさに繋がります。
・個人に向けて
全体に向けてアジャストを発しても修正できない場合や気づかない場合もあります。そういう時は名前を呼んでアジャストをしますがいきなり修正点だけを伝えないようにしたいところです。いきなり注意するのではなく、最初によくできていることろ、頑張れているところを伝えたうえで、「さらにここをこうするとよくなります。」と伝えましょう。また伝えっぱなしにせず、修正できたことを伝えて完了です。
長く続けている受講者の進化に気づきましょう
ヨガを続けていると、少しづつ心身が変化していきます。ボディラインであったり、ポーズの深まり方であったり、様々な変化は本人では気が付かない場合もあります。長期にわたってレッスンに参加されている受講者の変化に気が付くこと、伝えることが大事です。その進化こそヨガを続けてきたことによって得られた喜びのひとつであり、モチベーションに繋がっていきます。
軽減方を伝え、無理をさせない声掛け
オンラインレッスンは、年齢もヨガ歴も様々な方が参加しますし、ビデオオフの方もいます。怪我防止のために、ヨガポーズの軽減方やチャレンジポーズの場合も2~3パターン用意し、レッスン中に決して無理をしないようにと声をかけましょう。ポーズを追求することばかりに固執したら疲れてしまいます。自分のペースで継続すること・楽しむが大切であることを都度伝えましょう。
画面の見せ方
オンラインレッスンは、画面に映るポーズが、平面、かつ1方向からです。効果的な画面の見せ方を工夫しましょう。
- ワニのポーズなど、寝ポーズの場合は、真上から見下ろしたポーズをイメージし、立ち上がってポーズをとる
- 鳩のポーズなど、真横からの角度だけでなく、正面からの骨盤の位置や高さを調整する場合が必要なポーズは、カメラに対して正面に向きを変えてポーズを見せる
- 体のパーツの小さい部分の動きがある場合は、カメラに近づき対象個所を大きく画面に映す
まとめ
ここまで、オンラインレッスン配信のポイントをお伝えしてきました。時代の流れに合わせて、ヨガレッスンの提供形態も変化していきます。その時その時のニーズに合わせ柔軟に対応することで、活動する場も増えていきます。もちろん新しいことを始める際は、最初はハードルが高く感じることもあるかもしれません。しかし選択肢を増やすことは、新しい出会いや発見にもつながります。何より自分のモチベーションを保ちながら、楽しめる方法でインストラクターを続けていきましょう。