ニットの正しいお手入れや洗濯方法や保管方法をご紹介!意外と知らないニットの取り扱い方

ニットを着られる秋冬。ニットが好きな人は多いと思いますが、正しい扱い方を知っている人は案外少ないのでは?そこで今回は、ニットのお手入れや保管方法など、気になっているけどないがしろにしがちなことについてご紹介します。

意外と知らない、ニットの取り扱い方

秋冬になると、ニットを着られるのが嬉しいという人も多いのではないでしょうか。ふわふわとしたニットに包まれる幸福感は、秋冬限定の楽しみですよね。
しかしニットはお手入れが難しいのも事実。正しく取り扱わないと、お気に入りのものもすぐにダメになってしまいます。

「洗濯の仕方は?」「どうやって保管するのが正しいの?」
今回はこのようなお悩みにお答えし、詳しく解説していきます。これからの秋冬本番に向け、あらかじめ基本を押さえておきましょう。きっとニットの扱い方に差が生まれるはずです。それではみていきましょう!

日々のお手入れのポイント

長く愛用したいなら、日々のちょっとしたお手入れの積み重ねが大切になります。ここではどのように管理すればよいのか、ひとつずつみていきましょう。

着用後は軽くブラッシングする

コートやスーツにブラッシングすることはよく知られていますが、ニットにブラッシングをすることは意外と知らない人も多いのではないでしょうか。
ブラッシングをすることによって、まず汚れがしっかりと落ちます。洋服は着ていれば、髪の毛やホコリはもちろん、空気中の見えない物質等もたくさん付着しています。これらが溜まることによって、いつの間にか黄ばんだり黒ずんだりするのです。
しかしニットは、Tシャツのように頻繁にごしごしと洗濯をすることができません。そこでブラッシングによりこまめに汚れを取り除くことで、ニットを清潔に保ちやすくするのです。

またブラッシングをすることで、繊維の流れを整えることができます。ニットは着ているうちに、どうしても身体の形や動きによって繊維の流れがくずれてしまいます。そしてニットの毛同士が絡まりやすくなり、毛玉ができやすくなってしまうのです。
ブラッシングをすれば、繊維の流れが整うため見た目がきれいになるばかりでなく、毛玉予防にもなります。ブラッシングはニットの管理もしやすくする効果があるのですね。

ブラシには様々なものがありますが、ニットには馬毛(天然毛)がおすすめ。毛質が柔らかく、ニットにかけても傷みにくいですよ。

一度着たら、1日以上休ませる

ニットは一度着たら1日以上は間隔をあけて休ませることが理想です。ニットは繊細なので、一度着ると摩擦などにより繊維がダメージを受けてしまいます。連続して着ると、どんどん傷みが進んでしまうため、毛玉ができやすくなったり、よれてしまったりするのです。
そのためブラッシングをして1日以上休ませることで、繊維が摩擦などのダメージから回復しやすくなり、結果的に傷みにくくなります。ニットを長持ちさせるには必須の管理方法ですよ。

毛玉は小さなうちに取り除く

毛玉は放っておくと、どんどん増えて大きくなってしまいます。毛玉がひどくなるのを防ぐには、目立たないうちにこまめに取り除くことが一番効果的です。
手で引っ張って毛玉をとろうとするのは、まわりの生地まで傷めてしまうため絶対にやってはいけません。ほつれを招く原因にもなります。
毛玉をみつけたら、はさみで繊維の絡まっている部分からカットしましょう。眉毛はさみや糸切りはさみのような、小さく先端が細いものが扱いやすくておすすめです。周りの生地を切ってしまわないように、十分気を付けながら行いましょう。
もしはさみが不安であれば、専用の毛玉取りもあります。平たい場所に置きながら、優しく扱いましょう。

汚れがついてしまったときの対処法

外出先などで、思いがけず汚れがついてしまうことがありますよね。そのような際の応急処置を覚えておくと、とても便利です。

まず水溶性の汚れです。これにはコーヒーや醤油、血液などが当てはまります。このような汚れには、汚れついた部分の裏側に乾いたティッシュやタオルをあて、表側から水で湿らせたティッシュなどで押さえます。裏側の乾いたティッシュやタオルに汚れを押し出すイメージです。
こするのではなく、必ずトントンと押さえるようにあてましょう。こすると汚れが広がるだけでなく、ニットの生地自体も傷んでしまいます。
しばらくすると汚れが薄くなってきます。ある程度まで薄くなったら、表裏の両側から乾いたティッシュで押さえ、できるだけ水分をとっておきましょう。水分が残ったままだと、汚れの範囲が広がりやすくなってしまいます。

次に油性の汚れです。例えばドレッシングやチョコレート、口紅などがあります。このような汚れの場合は、まずついてしまった固形物があればそっと取り除きましょう。そして乾いたティッシュで、取り除ける分の油分はあらかじめしっかりと除いておきます。
ティッシュを湿らせ、洗面所などにある石鹸を少量含ませましょう。ニットの裏側から乾いたティッシュをあて、表から石鹼を含んだティッシュでトントンと押さえます。次第に汚れが薄くなってきたら、石鹸を含まない、湿らせたティッシュで押さえて石鹸成分を落としましょう。そして表裏の両側から乾いたティッシュで押さえ、水分をできるだけとっておきます。

このように応急処置をしておくだけで、帰ってからのシミ対処がずいぶんと楽になります。ニットだけでなく、他の素材の服にも応用できるため、覚えておいて損はないですよ。

正しい洗濯の仕方

ここからは正しい洗濯方法についてみていきます。洗濯は悩む方も多いのではないでしょうか。基本を押さえ、ニットの生地を傷ませにくいやり方を習得しましょう。

頻繁な洗濯はニットを傷ませる

まずそもそも、ニットは頻繁に洗濯してはいけません。ニットの生地自体が繊細なため、水分や摩擦にはとても弱いのです。そのため、基本的にはここまで示してきた日々のお手入れだけで十分でしょう。汚れが気にならなければ、シーズンが終わるころに一度洗濯すれば大丈夫ですよ。
もし汗をかいたり汚れが気になる場合は、その部分だけ以下に示す方法で優しく洗濯しましょう。

洗う際は水温がポイント

まずニットを洗う前に、洗濯表示を確認しましょう。なかには「洗濯不可」となっているものもあるため、注意が必要です。
また色落ちの確認も大切。全体をつけて洗う前に、目立たない袖口などに洗剤を少量つけ、5分くらいおいてから白い布で軽く押さえます。色がついてこなければOKですが、もし色がつくようであれば、クリーニング店などに相談した方がよいでしょう。

洗濯可能なものは、基本的に手洗いがよいとされています。
ここで注意したいのが、お湯の温度。絶対に熱いお湯で洗ってはいけません。「熱い方が汚れが落ちるのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、熱いお湯では生地が傷んで縮んだり、色落ちしたりしてしまいます。
逆に冷たい水でもよくありません。汚れが落ちないうえに、生地が固くなりやすくなります。

適温は30℃以下のぬるま湯です。温度の確認方法としては、軽く肘をつけてみて、熱いとも冷たいとも感じないくらいなら30℃以下のぬるま湯といえます。「温かくて気持ちいい」と感じた場合は、30℃を越えている可能性があるため、少し水を足しましょう。

基本は手洗い、洗濯機ならネットに入れてコース選択

洗濯する場合、まずは手洗いを検討してください。生地に対し、一番優しく洗濯することができますよ。
洗剤は必ず、中性洗剤を使用しましょう。おしゃれ着用と書いてあるものも、ほとんどが中性となっています。
弱アルカリ性の洗剤もあり、これは洗浄力が中性洗剤よりも高いことがメリットです。しかしニットには成分的に強すぎて、生地を傷めてしまいます。中性洗剤は、洗浄力は弱アルカリ性に劣るものの、生地には優しいとされています。中性と弱アルカリ性を混ぜたものもありますが、ニットには中性がベストです。

まず汚れが気になる部分は、直接洗剤を少量つけ、叩き洗いしましょう。数十回トントンと叩くと、汚れが押し出されやすくなります。揉み洗いすると生地が傷むため、必ず叩き洗いです。
そして洗面器などにぬるま湯をはり、洗剤を入れて溶かし、ニットを30秒ほどつけます。すると洗剤がニットに浸透してくるため、押し洗いして汚れを落としていきます
数十回押し洗いしたら新しいぬるま湯に変え、また押し洗いして洗剤をすすいでいきます。1~2回ほどぬるま湯を変えて、しっかりと洗剤が落ちたら脱水します。
脱水には洗濯機の脱水機能が一番便利です。20~30秒ほどの脱水を2セットすると、かなり水分がとれるので手軽でおすすめ。時間が長いと生地が伸びるため注意です。
もし洗濯機を使うことが不安であれば、タオルドライという方法もあります。上下から厚手のタオルではさみ、しわにならないよう押さえましょう。

手洗いは面倒、時間がないという方は、洗濯機で洗うことも可能です。その場合は洗濯ネットを使用します。ニットをたたんでネットに入れますが、このときネットのサイズを、たたんだニットより少し小さめのものにすると効果的。中で動かないため、型崩れを防ぐことができます。
水温は示したとおり、30℃以下のぬるま湯になるようにします。コース選択では、ドライコースやおしゃれ着用のコースにしましょう。洗濯機によって異なるため、しっかりと説明書を読んだうえで衣類に優しいコースを選択してください。

乾かすときは平干しで

洗濯が終わったら、ニットを乾燥させます。乾かす際は陰で平干しをしましょう。
直射日光に当たると、日焼けしたり変色したりする可能性があります。ニットを傷めないために、風通りのよい陰で干すのがベストです。
平干しは、型崩れや生地が伸びることを防ぎます。ニットを干すための専用アイテムもありますが、溝のあるお風呂の蓋やピンチハンガーの上でも代用可能。通気性がよく、ニットが落ちずに置けるものであればOKです。ハンガーはニットが伸びる原因になるため避けましょう。水を含んだニットは相当重く、簡単に重力で伸びてしまいます。

ニットの保管方法

ここでは日々の保管方法からシーズンオフ時の保管方法まで、ニットを快適に着るための保管についてご紹介します。保管の仕方でニットの傷み具合が変わってくるため、要チェックですよ。

押しつぶさないように、防虫剤を使用して

ニットはハンガーではなく、基本的に引き出しにしまいましょう。ハンガーだと重みで伸びてしまう可能性があります。ふんわりとたたんで押しつぶさないように重ねてもよいですが、くるくると巻いて重ならないように立ててしまうのも取り出しやすくておすすめですよ。引き出しに詰め込みすぎると、たたみジワができてしまうため、スペースには余裕をもってしまってください。

ニットは虫食いも気になるところ。そんなときは防虫剤を使用しましょう。今は形や匂いも様々なタイプが出ています。自分の好みに合わせて、最適なものを選んでみてくださいね。
使用する際は、防虫剤の成分が空気よりも重いため、必ずニットの上部に置きましょう。成分が下へしっかりと浸透します。

 ハンガーにかける場合に注意すること

どうしてもハンガーにかけてしまいたい場合は、型崩れしたりや伸びたりしないようにするのがポイントです。ハンガーはしっかりとした作りのものを用意しましょう。
以下に推奨されているかけ方をご紹介します。

https://www.uniqlo.com/jp/ja/news/topics/2017122801/

①まず、ニットを縦半分に折る。
②上下ほぼ反対になるように回転し、胴の部分と伸ばした袖の部分でVの字になるように置く。
③脇の部分にハンガーのフックがくるように置く。
④袖の部分を折り返してハンガーに重ねる。
⑤胴の部分を折り返してハンガーに重ねて完成。

これなら、普通にハンガーに通すと伸びやすい首の部分や肩の部分も、全く影響を受けません。あまり厚手のニットはかけるのが難しいかもしれませんが、基本的には多くのニットがこの方法でかけられるはずです。

シーズンオフは預かり業者に依頼するのも手

シーズンオフのときの基本的な保管方法は、洗濯して風通しのよいところで休ませたあと、衣装ケースにふんわりとしまうというものです。防虫剤も忘れず上部に入れましょう。

しかしとても気に入っているニットの場合、自分での保管はなんとなく不安という方もいるでしょう。どれだけ気を付けていても、家庭での保管には湿度やしわ対策など限界があります。
最近ではシーズンオフになるとき、クリーニングと保管をセットで行ってくれる「宅配クリーニング」というサービスなどもあります。自宅まで回収しに来てくれて、そのままクリーニング・保管までしてくれるため全く手間がかかりません。収納スペースがない、部屋自体が狭いなどの理由で保管場所に困っている方も嬉しいですね。
専門業者なので、保管は最適な温度・湿度で行い、虫に食われることもありません。もちろんしわにならないように保管してくれます。
また翌年のシーズンになったら、配達申し込みをするだけで自宅まで届けてくれるため、たくさん預けてもすぐに全て手元に揃いますよ。
これまで保管に悩んでいた方は、一度業者依頼を検討してみてはいかがでしょうか。

お気に入りのニットを長く愛そう

今回はニットの基本的な取り扱い方をご紹介しました。これらの基本を押さえれば、今シーズン以降、役に立つこと間違いなしです。
ニットは人気が高いものですが、正しく取り扱わないとワンシーズンで使えなくなってしまいます。毛玉がついていたり、汚れが浮いていたりするニットを誰も着たくはありませんよね。
お気に入りのものを長くいい状態で保つことができるよう、日々のちょっとしたお手入れを心がけましょう。大切にお手入れしたニットは、さらに愛着が湧くはずです。ニットシーズン、ぜひ楽しみましょう!

1993年生まれ、看護師資格保有。ライターとして活動中。趣味でホットヨガ歴5年以上。
夜勤で浮腫む身体をなんとかしたいと思い、ホットヨガ教室に通い始めたらどっぷりとハマりました。
ホットヨガのおかげでしなやかな身体を手に入れ、冷え性改善も実感しています。
医療者経験を活かし、健康とヨガをつなげた情報をみなさまにお伝えします。
https://note.com/igaguri_harry