もくじ
岩手県の伝統工芸品である南部鉄器。お湯を沸かす鉄瓶が一番人気で、白湯がまろやかになり、とてもおいしくできあがります。
まず手に入れたいのは鉄瓶という人が多いでしょうが、鉄瓶の他にもさまざまな調理器具が作られており、とてもおいしく調理できるといわれます。
南部鉄器のとりこになると色々揃えていきたくなります。
しかし、どんなものを購入したらいいか分からない・お手入れや重さが気になって購入に至らないという人も少なくありません。
今回は、南部鉄器のおすすめ商品やお手入れ方法、どのようなアイテムがあるのかをご紹介します。
南部鉄器にはどんなアイテムがあるの?
画像:https://shop.oigen.jp/?pid=141738961
南部鉄器にはどのようなアイテムがあるのか早速ご紹介します。
調理器具
- 鉄鍋(炊飯用・すき焼き用など)大鍋/小鍋
- 鉄瓶・急須
- フライパン
- スキレット
- グリルパン
- アップルパイ/ホットサンド/ワッフル/たい焼き・たこ焼きメーカー
- 鉄玉子(茄子・アマビエ・ドラえもんなど形はさまざま)
調理器具以外
- 蚊やり
- 風鈴
- 香炉
- 鍋敷き
- 茶托
- プレート
調理器具はさまざまなサイズのものがあり、蓋なし/蓋あり、魚焼きグリルに入れられるサイズのもの、オーブンに入れてそのままお皿として使えるものなど希望用途に沿って選ぶことができます。
大きいものはそれなりに重さがあるので躊躇するという人は、小さなものから揃えていくのがおすすめです。
アップルパイメーカーやたこ焼き器など、形がその用途そのもので作られているものは中に入れるものを変えるというアレンジがほとんどなので、よく使う人にはおすすめ。
スキレットやフライパン、鍋類はどのような料理に使いたいか、どんなシチュエーションで使いたいかという希望に沿って選べるほどバリエーションが多いため、自分仕様のものを見つけられるといえます。
カラーはマットなブラックがほとんどなので複数揃えても統一性があり、近年ではシンプルかつモダン、それでいて温かみのあるデザインのものが多くおしゃれ。
煮込みから揚げ物までカバーできる蓋付きの大鍋、一人分ずつ調理からサーブまでできるココット、ちょっとしたおつまみや少人数の朝食用のスキレットなど見映えもおしゃれでとても使いやすいですね。
調理器具以外では鍋敷きや茶托などもモダンでおしゃれ。南部鉄器の風鈴はとても綺麗ないい音がします。
南部鉄器を使うことのメリット
南部鉄器を使うメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
実際使用している人の声でよく聞かれるものには以下のようなことがあります。
とにかくおいしくできあがる(白湯でも料理でも炊飯でも)
南部鉄瓶で沸かした白湯を初めて飲んだ人は、ケトルなどで沸かしたものに比べて随分と味がまろやかでとろんとしていることにすぐ気づくでしょう。
白湯はシンプルなので本当に違いが顕著に分かりますが、料理でもその力がしっかり発揮されます。
共通していえるのは、食材そのものの味わいがより感じられ、おいしさが凝縮するということ。
炊飯用鍋でも、こびり付くことがほとんどなく、粒のたったおいしいごはんを簡単に炊きあげることができます。
鉄分がとれる
内側がホーロー加工されているものは鉄分が溶け出ることはないですが、鉄瓶や鉄鍋などホーロー加工されていないものであれば、自然に鉄分補給できるのが魅力といわれています。
丈夫で一生モノとして使える
南部鉄器は卓越した技術をもった造り手によってひとつずつ手作業で造られています。
サビには気をつかう必要がありますが、大事に育てていけば白湯や料理のできあがりがよりまろやかになっていくといわれます。
良い調理器具は料理のできあがりを格段にランクアップさせてくれます。
南部鉄器は安いものではありませんが、実際に使ってその魅力をダイレクトに感じるとお手入れしながら日常的によく使わずにいられなくなります。
ヘビロテしてもヘタれることもなく、ずっと現役として使い続けることができるのは大きな魅力ですね。
実はそれほどお手入れに気を使わなくても大丈夫
日々使ったあとにお手入れする必要がある、というのは南部鉄器を使うにあたってできるかな?と思うひとつのことではあります。
しかし、南部鉄器でなくても鉄フライパンなど使用したことがある人は分かると思いますが、基本的に水分を飛ばしておくだけで大丈夫です。
毎回シーズニングという作業をする人もいると思いますが、全然してないという人もたくさんいます。
結構荒っぽくガシガシ使用してもしっかり対応してくれます。心配するほどの大変さはありません。
お手入れについては次の項でご紹介します。
南部鉄器のお手入れ方法とは
それでは実際の南部鉄器のお手入れ方法をご紹介します。
調理鍋なのか鉄瓶なのかでも変わります。
購入して商品が届いたらお手入れ方法が記載された案内が付いてくることが多いので、目を通しましょう。
鍋(フライパン)・鉄瓶が届いたら最初にすること
鍋(フライパン)の場合
- キャベツなどの葉野菜を適当に切っておく
- 鉄鍋をすすぎ、軽くホコリなどをとる
- 弱火~中火にかけて水分をしっかり飛ばす
- 底を覆うくらいのオイルを入れ、弱火で火にかけて野菜を入れてしんなりするまで炒める
- 野菜を取り出し、鍋をタワシ(金属はNG)で洗う
- 弱火~中火にかけ、水分をしっかり飛ばす
鉄瓶の場合
- 本体を軽くすすぐ
- 水を8分目まで入れ、中火にかけて沸騰させる
- 沸騰したらお湯を捨てる
- 1~3を2~3回繰り返す
やってはいけないNGポイント
- 洗剤を使う
- 金属タワシを使う
- 強火
- 空焚き
は南部鉄器ではNGのポイントです。
亀の子タワシなどを用意し、水かお湯だけで洗います。強火の空焚きにも気をつけましょう。
鉄瓶に至っては、中をタワシで洗う必要もありません。使用したら別の容器に注ぎ、すぐに乾燥させておきます。
炊飯鍋などでも初めて使う時はシーズニングを行います。そうすることで鍋に油が馴染み、こびり付きや焦げつきが全然なくなります。
定期的に揚げ物や炒め物などをしてシーズニングがわりにするのもいいでしょう。その後の炊飯時に匂いは特にありません。
日常的なお手入れ
日常的なお手入れは以下の通りです。
鉄鍋(フライパン)
- 使用したら鍋の中に調理済みのものを残さず、速やかに亀の子タワシで洗う(洗剤はもちろんNG)
- 弱火~中火で水分を飛ばす
- 蓋はキッチンペーパーや繊維の残りにくい布巾などでぽんぽんと水気を取る
鉄瓶
- お湯を別の容器にうつし、中を乾燥させる
- 蓋はキッチンペーパーなどで水分を拭う
筆者は弱火で数秒火にかけて水分を飛ばし、注ぎ口内部はキッチンペーパーを細くねじったもので水分を拭っています。
しかし火にかけなくとも、蓋を開けてしばらく置いておけば鉄瓶の熱で水分が飛ぶという声も多数あります。
南部鉄器おすすめのアイテム
それでは一家に一台あるとすごく重宝する!という優秀な南部鉄器のおすすめ商品をご紹介します。
1…鉄瓶
まずは南部鉄器といえば…!の鉄瓶です。
鉄瓶とひとことで言ってもさまざまな窯元があり、それぞれデザインが異なるので、本当は現地に訪れてお気に入りのものを探したいですね。
価格も1万円以下で購入できるものもあれば、4万円前後のもの、10万円近いものなどさまざまで、黒ではなくいぶし銅のような素敵なものもあります。
サイズもさまざまです。
一つ目で、1~2人用サイズで低価格で南部鉄瓶を生活に取り入れてみたいという人であれば、岩鋳(いわちゅう)というメーカーから出ている急須兼鉄瓶(ホーロー加工なし・650ml・税込¥9,350)のものが使いやすくおすすめです。
海外で大人気となったカラー急須はとてもおしゃれでかわいくて素敵ですが、鉄分補給はできないため、間違えないように気をつけてください。
2…炊飯鍋(別用途でも使いやすい!)
画像:https://shop.oigen.jp/?pid=145618614
おすすめの2つ目は炊飯鍋。さまざまな南部鉄器のメーカーから販売されているので、サイズやデザインを確認して好み・用途で選びましょう。
南部鉄器で炊くごはんはとてもおいしいです。冷えてもおいしいです。
炊き方は
- お米を洗い、浸水させる(15分~一晩)
- 炊飯鍋にお米と同量の水を入れ、蓋をして中火で沸騰させる
- 蓋のわきから湯気がしっかりたってきたら弱火で10分~15分
- 火を止めて10分蓋をしたまま蒸らす
洗い方・浸水時間や温度・沸騰後の弱火の時間は好みです。
沸騰までは時間を見ておく必要がありますが、慣れれば大体時間が把握できますし、あとはタイマーだけかけておけばほとんど放っておいて大丈夫なので簡単です。
いい加減に炊いても、しっかりおいしく炊きあがります。
また、炊飯だけでなく揚げ物や煮物、普通の炒め物などでも使用でき、それなりの大きさもあるのでさまざまに活用できるのも魅力。
盛栄堂 5合炊き ご飯釜(税込¥11,000)の商品ページはこちら
3…焼き焼きグリル
画像:https://shop.oigen.jp/?pid=135209936
魚焼きグリルに入れられるサイズでさまざまなものを焼ける及源(おいげん)の焼き焼きグリルは、大鍋のような重さもなく、日常的に使いやすいのが魅力。
スリム型2個セット(税込¥6,600)や深型(税込¥6,600)があり、魚はもちろん、厚揚げやグリル野菜、お餅、焼きおにぎり、お肉でも何でも使えます。
南部鉄器は蓄熱性が高いためひっくり返す必要もありません。
2人分のおかずをスリム型にそれぞれセットしてグリルしてそのままお皿としてサーブすることもできるのが便利です。
軽くて取り出しやすくてコンロで別の料理をしていても魚焼きグリルで使用でき、ひっくり返す必要もなく、お皿にもなって洗剤いらずで洗えるなんてとても魅力的。
しかもおいしくできあがります。
4…鉄玉子
画像:http://www.kodawariyasan.com/mizusawa/tamago.htm
鉄玉子とは、小さな玉子型のアイテムで、鉄鍋までは敷居が高いな…という場合でもそれを鍋に入れるだけで鉄分補給できるといわれる商品です。
前述しましたが玉子型だけでなく、茄子の形をしたものや、ドラえもんやアマビエ、キティちゃん、スヌーピーなど、さまざまな形があり集めたくなるかわいさです。
もちろん鉄なので、水分を拭き取る必要がありますが、煮物や味噌汁などなんでも手軽に調理鍋に放り込めば、鉄分補給の助けになるので鉄剤やサプリが苦手な人にはおすすめです。
鉄玉子は南部鉄器のロングセラー商品ですが、鉄分補給だけでなく、茄子の色出しや黒豆の艶出し、貝の砂出し、花瓶に入れて花を長持ちさせるためにも使えるとのことです。
5…スキレット
画像:https://shop.oigen.jp/?pid=135209952
スキレットとは鋳鉄の小型フライパンのことで、蓄熱性にすぐれており、分厚いのが特徴です。
南部鉄器にもスキレットがあり、家庭だけでなくアウトドアでも使用でき、サイズが大きすぎないため小回りがきいて使いやすいのが魅力です。
朝食用のソーセージやベーコン・ハムのグリルと卵料理など、ひとつのパンでそのまま食卓に運んでプレートにもなります。
ちょっとしたおつまみにも大活躍。アヒージョやアサリなどのワイン蒸しなど、ちょっと火にかけて手軽にできるさまざまなおつまみをそのまま食卓に運んでもずっとアツアツで食べられるのも魅力です。
南部鉄器は重さが気になる…という人にはこのスキレットや焼き焼きグリルなどであれば軽くて使い回ししやすく、扱いが楽なので特におすすめです。
及源 ミニフライパン15cm(税込¥2,560)の商品ページはこちら
大事に育てれば一生もの。南部鉄器を生活に取り入れてみよう
ストウブやル・クルーゼなどの鋳鉄鍋、南部鉄器はおいしくできると聞いても重さが不安で手を出さないという人が一定数いると思います。
しかし、同じ工程で調理しているのにあまりにも簡単においしくできるため、その重さがあっても使いたくなるという人も少なくありません。
同程度の大きさであれば、ストウブなどよりは南部鉄器の方が使用感としては軽いといえます。
重い鍋であっても、実際その重さを抱えて調理することはありません。
南部鉄器の重さが気になる人は軽くて小さめのものから試してみてください。良い逸品であることは変わりません。
扱いはいくつかのことに気をつける必要があるだけで、負担というほどでもありません。
ぜひ南部鉄器の気になったものを手に入れ、おいしさを実感し、大事に育ててみてください。