もくじ
中華料理を食べに行って焼売や小籠包などの点心を頼むと段々に重ねられたせいろ(蒸籠)に載ってサーブされますね。
せいろというとなんとなく、中華料理店で出てくるから知ってる、というのが大まかな認識で、どこの家庭でも毎日使っているというものではないでしょう。
しかし、せいろは中華だけでなく、家庭でも実はとても使いやすく、人によってはメイン調理器具になるほどのポテンシャルを持っています。
今回はせいろについて、メリットやお手入れ方法、選び方、おすすめの商品について解説します。
せいろ(蒸籠)はどんな時・どんな料理に使える?
中華の点心のイメージが強いせいろですが、他にはどのような料理に使えるのでしょうか。
せいろはこんな料理に使える
せいろは主に「蒸し料理」 をするもの。下から鍋の湯気(蒸気)をあて、火を通します。
蒸し料理全般はせいろを使うという人もいるでしょう。また、電子レンジ代わりという使い方もできます。
- 焼売や肉まんなどの点心
- 蒸し野菜
- おこわやちまき
- 無水鍋
- カステラや蒸しパン
- 蒸しプリン
- 茶碗蒸し
- 肉・魚介類の蒸しもの
これらのものがせいろで簡単にできあがります。蒸すもの全般できるので、ほかにも活用方法はアイディア次第でバリエーション豊かに。
点心はまずはじめに使う人が多いと思われますが、蒸し野菜なども簡単でとても使いやすいですね。
温野菜をたっぷり食べたい時、副菜として何か欲しい時に、何でも冷蔵庫の野菜を切って放り込めば手軽に栄養満点な一品の完成です。
下に野菜をたくさん入れて豚バラや鶏ももなど好きなお肉を入れて無水の蒸し鍋をするのも簡単でおすすめ。
ダシ汁の中でお肉や野菜を煮る通常の鍋もとてもおいしくて魅力的ですが、蒸し鍋は味が素材にギュッと凝縮されるので、好みの調味料でいただくのもレパートリーが増えて楽しいものです。
たとえば塩とオリーブオイルやごま油・好みの自家製付けダレなど、普通の鍋より付けるものはバラエティ豊かに楽しめそう。
カステラや蒸しパン・蒸しプリンなどもしっとりふかふかに蒸されてとても簡単においしくできあがります。
また、えのきなどのきのこ類や、豆苗・かいわれ大根などさまざまな野菜を豚の薄切り肉で巻いて通常フライパン調理をする料理がありますが、それをせいろで蒸して何かタレを付けて食べるのもおすすめ。
油を使わず、調味料も少量で済むので健康管理に気をつけている人にもぴったりといえるでしょう。
電子レンジ代わりとして
電子レンジ代わりとして使う場合、たとえば冷凍(冷蔵)ごはんや冷凍肉まんなどはもちろん、固くなったパンなども水分が足されていい具合に蒸され、しっとりほかほかにできあがります。
パンなどはせいろで蒸すと、酵母の香りがしっかり立ちあがるといわれます。トースターで焼くのもとてもおいしいですが、せいろで蒸すのもまた違うおいしさが楽しめますね。
ブロッコリーやじゃがいもなど、時短と手軽さを考慮して電子レンジで熱を通すのは多くの家庭で行われているでしょうが、その代わりにせいろを使うこともできます。
ほかほかの湯気で蒸されて火が通るのですが、茹でる時のように栄養素が逃げることもなく、実際のところは分からずとも、電子レンジを使う時に電磁波で栄養がなくなるのではないか…と心配する必要もありません。
たっぷりの蒸気で蒸して温めるというのは昔ながらのアナログな方法ですが、水分でしっとりジューシー、香りと蒸気のたった蒸し上がりはとてもおいしそう。
せいろの種類
画像:https://kawashima-ya.jp/contents/?p=2914
せいろの素材には、杉・竹・ヒノキがあり、一番低価格で取り入れやすいのが杉、一番高級なのがヒノキです。
耐久性や強度も杉→竹→ヒノキの順で、杉と竹のものは30分以上の調理には向きません。ヒノキは90分ほどの長時間調理も可能。
まずせいろがどんなものなのなのか生活に取り入れてみたいという人は、杉か竹のものを購入するといいでしょう。
杉は香りがそれほどせず、ヒノキはヒノキの良い香りがしっかりと感じられます。
あまり香りが強くない方がいいという場合は杉か竹、白木を選ぶのがおすすめ。ヒノキは木目の美しさとほどよい香り・丈夫さが際立ちます。
物によるのですが、 杉や竹は数年で買い替える消耗品、ヒノキは丁寧に扱えば一生ものと一応頭にとめておくといいでしょう。
それでも傷まなければ、杉や竹のものでも10年以上使えているということも少なくありません。
せっかく高価なものを購入しても自分の生活スタイルと異なってあまり使わないのであればちょっともったいないですね。
出番が多そうだな、と思ったらその時点で次のせいろについて検討すればいいので、まず杉か竹でせいろライフを体験してみましょう。
また、せいろには中華料理店で出てくる中華せいろと和せいろがありますが、家庭で使うのは中華せいろが一般的です。
実はたくさんあるせいろのメリットとは
せいろにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
- 栄養素が流れにくく、素材の旨みがぎゅっと凝縮される
- 油や調味料の摂りすぎを控えられる
- 鍋の水分量だけ気にしておけば、ほっておけて、その間に違う料理に取りかかることができる
- だいたい10分程度で蒸し上がるものが多くて時短になる
- 蒸すのに調味料は使わないため、付けダレなどはバラエティ豊かに楽しめる
- せいろの素材の良い香りが食材にうつり、柔らかく優しくふんわり蒸し上がる
- フライパンやトースターを使うのが当たり前の料理でも、それとは別の新しい食べ方ができる
- せいろごと食卓に出すと食卓が華やかになる。パーティーなどでもおすすめ
- 肉や魚はジューシーで旨みたっぷりに仕上がる
- 手入れが大変そうなイメージがあるが、実はとても簡単
ざっとあげただけでも、これほど多くのメリットがあることが分かります。
栄養が逃げず、油いらず・調味料削減の調理ができるのは健康に気を使っている人にとって高ポイントですね。
さまざまなものがふんわりジューシーに仕上がることや旨みが閉じ込められて凝縮されること、適度にせいろの素材の香りが移ることなどは、シンプルで奥深い味わいが好きな人にとって魅力的です。
電子レンジは解凍でもあたためでもとても便利なのですが、食材の水分が抜けやすいことや熱の通りが均一でないことがあります。
しかしせいろ蒸しにはそのようなことがありません。蒸気で蒸すため、水分は充分で熱の通りも均一。
固くなってしまった食材もふんわり再生できるのです。
せいろを使ったことがなければ使い方など思いつきにくく、手に入れるまでいかないのでしょうが、とても簡単に、身体に優しくおいしいさまざまな調理ができるのです。
せいろの使い方・お手入れとおすすめのサイズ
それでは具体的なせいろの使い方やお手入れ方法、使いやすいサイズ、せいろを使う時にあると便利なものをご紹介します。
せいろを手に入れたら何をするべき?
画像:https://www.kagoya-onlinestore.jp/smartphone/page6.html
せいろを手に入れたら、強度を高めるため、まずお水にせいろを漬け、その後布巾で水分を拭き取り、一日日陰で干して乾燥させます。
お水に漬ける時間はせいろの素材によって異なり、杉はサッとくぐらす程度、ヒノキは15分ほど。
香りの強い素材であれば、空蒸しをします。せいろを濡らし、鍋にお湯を沸騰させたらその上にせいろを置き、15分ほど火にかけます。
こうすることでせいろの耐久性が高まるほか、せいろ自体の強い香りを飛ばし、一旦水分をせいろに染み込ませることで食材の香りが移りにくくなるというメリットがあります。
せいろの使い方と毎回のお手入れ方法
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せいろの使い方手順
- せいろをしっかり濡らす
- 蒸す食材をせいろにセットする
- 鍋にお湯を沸騰させる
- 沸騰したら鍋の上にせいろを置き、蒸気が充分上がる火加減に調節する
- 竹串を使って蒸しあがったか確かめる
これが一連のせいろの使い方です。とても簡単ですね。
せいろを使う時に気をつけたいポイント
- 洗剤・食洗機は使わない
- 匂いが残らないよう、蒸しあがったら食材を取り出し、固くしぼった布巾で水分をしっかり拭う
- 風通しの良い日陰に干したり置いておく
- 油汚れが気になる時は流水で洗い流し、しっかり水分を拭って干す
せいろの大敵といえば、使用していない時の水分。カビの原因となります。
しっかり拭ってもまだ水分がせいろに含まれているため、風通しの良い場所に置いていても台などに接触している部分がカビてしまうことがあります。
しっかり水分をぬぐったら変形しないように直射日光を避け、フックなどを使用して空中で干すのが一番いいでしょう。
水分が残ること・カビには注意が必要ですが、それ以外のお手入れはそれほど大変なことではありません。
せいろだけでなく、鋳鉄鍋や鉄鍋(鉄瓶)、おひつなど、その道具を使うだけで味の仕上がりが数段あがるといわれるものは、だいたい洗剤は使用しないで、と表記などで伝えられます。
すぐれた調理器具はさまざまな成分を吸収してしまい、それが良質なものであればいいですがそうではない場合、調理の際に食材に良くないものが移ってしまうのでしょう。
初せいろにおすすめのサイズ
画像:https://kawashima-ya.jp/contents/?p=2914
せいろにはさまざまなサイズがあります。選び方としては使用用途と人数を気にかけておけば間違いありません。
18cm | 21cm | 24cm | 27cm | 30cm | |
肉まん | 2個 | 3個 | 4個 | 5個 | 6個 |
焼売 | 15個 | 20個 | 30個 | 33個 | 40個 |
おこわ | 2合 | 3合 | 4合 |
参考:https://search.yahoo.co.jp/amp/s/kpayas.exblog.jp/amp/29059046/%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D
家庭用で人気なのは18cm~21cmのもの。一人暮らしや二人暮らしで、日常的な調理に使いたい場合はこのサイズでいいでしょう。
また、せいろは3段まで重ねてもムラなく蒸されるので、同サイズを2~3個用意しておけば同時調理ができて便利。
茶碗蒸しや肉まんなどを蒸したい時は高さのあるものが必要です。
せいろのサイズで一番人気は21cmと24cm。おこわであれば、24cmは2合、27cmは3合、30cmであれば4合炊くことができます。
4人以上の家族であれば24cm以上を選びましょう。お皿を入れて調理する場合も27cm以上あると便利です。
まずはじめは家族構成に合わせて18か21を2段で購入し、せいろに慣れたら27や30の大容量を選ぶ人が多いようです。
せいろを使う時にあると良いものとは?
せいろを使う時に必要なものは以下の通りです。
- 鍋
- せいろに敷くもの
蒸し板
鍋はせいろより小さければその上に載せられますが、大きなものでは使えません。
同じ直径だとせいろがぐらついて焦げる心配があります。
小さければつかえるのですが、せいろと鍋が直接触れているとせいろが焦げてしまうことがあります。
そのため、蒸し板というものがあればとても便利。
せいろより小さな鍋でも大きな鍋でも蒸し板を置くことでサイズは関係なく使えるようになり、さらに焦げる心配もありません。
IKESHO 蒸し板(税込¥2,230)の商品ページはこちら
敷くもの
画像:https://search.yahoo.co.jp/amp/s/mi-journey.jp/foodie/43827/amp/%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D
油や水分が多い食材を蒸す時は直接食材を載せるのではなく、クッキングシートや白菜・レタスなどの葉物野菜・ 専用の蒸し布や布巾などを敷いて蒸します。
お皿を直接せいろに入れ、その上に食材を載せる方法もあります。
葉物野菜であればそのまま食べられますね。専用の蒸し布を使用することも。
おこわなどは蒸し布でくるんで調理するため、大きめの蒸し布を用意します。それ以外の時はせいろよりちょっと大きめの布でいいでしょう。
その他、蒸しあがりが熱いため、食材をお皿に移す時はトングや菜箸、お皿ごと移す場合はミトンがあれば扱いやすいです。
おすすめのせいろ
人気の高いせいろにはどのようなものがあるのでしょうか。おすすめ商品をご紹介します。
1・中華街 照宝(しょうほう)
画像:https://search.yahoo.co.jp/amp/s/mi-journey.jp/foodie/43827/amp/%3Fusqp%3Dmq331AQIKAGwASCAAgM%253D
横浜中華街にある照宝というお店のせいろは愛用者の多いとても人気の商品で天然素材で手作りされています。
杉・杉の上・竹・白木・ヒノキのせいろがあり、耐久性は杉→杉の上→竹→ヒノキとなっています。
杉は通常の商品より1cm深さがあるため、高さのあるものの調理に便利。杉の上は杉より丈夫に作られています。
竹や白木は香りがほとんどないため、食材の香りを堪能したい人にはおすすめ。
ヒノキは巻きもよく耐久性も抜群、美しい見た目で一生ものにできるもの。日本国内で1つずつ手作りされています。
照宝のせいろ・21cmの各素材の価格は以下の通りです。
本体(税込) | 蓋(税込) | |
杉21cm | ¥978 | ¥978 |
杉上21cm | ¥1,686 | ¥1,686 |
竹21cm | ¥2,255 | ¥2,255 |
白木21cm | ¥2,288 | ¥2,288 |
ヒノキ21cm | ¥6,220 | ¥6,220 |
同じ21cmでも、杉とヒノキでは大きな価格差があることが分かります。
せいろは特に本体と蓋がどちらも必要なため、杉の本体+蓋は税込¥2,000内に収まるのに比べ、ヒノキは税込¥12,000以上となってしまいます。
一生ものは欲しいですが、毎日使い回すのは心配…という人は低価格帯のものを購入して様子をみましょう。
2・かごや
画像:https://www.kagoya-onlinestore.jp/smartphone/page6.html
中国に自社の工房を持ち、杉や竹を使いせいろを手作りしています。
杉・竹・ヒノキの中華せいろも和せいろも扱っています。
鍋とせいろがセットになった商品が売られているので、蒸し板などがない時でも商品が届いたらすぐ使えるのが魅力。
かごや せいろ(15.5cm・税込¥3,960)の商品ページはこちら
せいろを使って日々の食事を楽しもう
せいろについて知れば知るほど日常的に使ってみたくなりますね。
蒸し料理というと、決まったレパートリーのメニューしか思いつかないという人は少なくないと思いますが、せいろを使うことによってその便利さ・新しい使い方に目覚めることがあるかもしれません。
食卓にそのまま出しても華やかに演出できますし、お手入れも意外に簡単なことが分かりました。
ぜひこの記事を参考にせいろを選び、より楽しく豊かな食生活を送ってみてください。