もくじ
フローヨガとは?
フローヨガとは、流れるようにポーズからポーズへの移動をおこない、動きを止めずにおこなうヨガのことです。1つのポーズを数秒間キープするタイプのヨガとは異なります。
フローヨガは、テンポよくさまざまなポーズをおこない、呼吸も継続的にすることから、瞑想的な状態を生み出す効果があります。
フローヨガの効果
関節などの可動域を広げる
フローヨガは、流れにのせてさまざまな動きをおこないます。そのため、一連を通して全身を動かしている時間が長いです。通常は動かさない体もフローヨガで動かすことで、広範囲にわたる筋肉の柔軟性を養うことができます。
柔軟性がついてくると、関節の可動域が広がり、さまざまな動きができるようになります。ヨガや筋トレで挑戦できるポーズや動きが増えるので、さらに高い効果を目指すことがでしょう。
また関節の可動域を広げることは、繰り返す動きによって生じる痛みや怪我を防ぐのにも役立ちます。
心臓血管の健康を促進する
Journal of Yoga&Physical Therapyの2013年の研究発表によると、フローヨガの流れる動きは、心臓血管の健康を保つためのトレーニングの1つに取り入れることができるそう。
フローヨガは、1つのポーズをキープするヨガと比べて、ペースが速く、動きに流れがあります。呼吸をしながら動くことで、心拍数が上がり、熱が発生し、心臓に血液が戻る動きを促進することができます。
さらにフローヨガは、心臓や血管に過度な負担をかけない運動でもあるため、安全に心臓血管の健康を促進できます。
バランスのとれた筋肉を構築
フローヨガでは、全身を使います。そのため、フローヨガを続けることで、全身の筋肉を構築することができます。
筋肉のバランスが整うだけではなく、バランス感覚を養うこともできます。バランス感覚が養われることで、転倒リスクを下げることが期待できます。
ストレス解消
フローヨガの一定な動きとリズミカルな動きは、心を静めるのに役立ち、心の内側に集中することをサポートします。フローヨガは体と心をつなぎ、神経系を落ち着かせ、ストレスや不安を和らげる効果があります。
代謝をあげる
フローヨガのリズミカルな動きは筋肉量を増やします。インナーマッスルの筋肉量が増えると、基礎代謝が上がります。基礎代謝が上がることで、効率的に脂肪を燃焼することができるため、痩せやすくなることが期待できます。
フローヨガは、以下の項目に当てはまる方に特におすすめです。
- バランスよく筋肉をつけたい
- 脂肪を燃焼させたい
- 集中力を高めたい
- ダンスなどを経験していて、流れに体を任せることが好き
- ゆっくりとおこなうヨガでは物足りなさを感じている人
- 音楽に合わせて体を動かすのが好き
フローヨガのポーズ9つ
以下では、フローヨガのポーズを紹介します。ご紹介するポーズの順に沿って、ヨガをおこなってみてください。
1. 猫のポーズ
まずはヨガのウォーミングアップとしてもおこなわれる猫のポーズから。猫のポーズでは、肩こりをほぐす効果や腹筋と背筋を鍛える効果が期待できます。
【手順】
- 手と両ひざを床につけて四つん這いになる
- 両手・両足を肩幅に広げる
- 息をはきながら背中をまるくして、おなかをのぞき込む
- この姿勢で30秒キープ
- 息をすいながら、状態をそらせる
- 上をみながら深呼吸する
2. チャイルドポーズ
猫のポーズの次はチャイルドポーズに移ります。チャイルドポーズは、正座を崩し、床におでこをつけて全身の力を抜くリラックスポーズ。ヨガの小休憩によく取り入れられます。気持ちを落ち着かせるほか、肩こりや腰痛を和らげます。
【手順】
- 正座になって、両ひざを腰幅よりも広めに開く
- 上体を前に倒し、額を床につける
- 腕を脚の横に置く
両腕を前方にへ伸ばすのもOK!1番体がリラックスできる方法を選びましょう。
3. 下向きの犬のポーズ
腹筋、ハムストリングスを鍛え、肩こりの緩和も期待できる下向きの犬のポーズ。腰を上下に滑らせ、ひざを曲げた状態から始めて、尾/背骨を伸ばします。
逆転のポーズの1つである下向きの犬のポーズは、脳の血の巡りをよくし、酸素や栄養を補給します。
【手順】
- ひざをつき、上体を前に倒して背骨を伸ばす
- 腰を後ろに引きながら両手を前に歩かせる
- 腰を引き上げ、かかとをおろす
- 両脇を引き上げて胸を開き、足指のつけ根と手のひらで床を押す
4. 一本足の下向き犬のポーズ
このポーズは、下向きの犬のポーズから大きく片足を曲げるポーズです。右足を後ろに浮かせて、足の裏まで伸ばします。背中や腕、太ももが伸び、体幹を鍛えることで姿勢を整えます。
ハムストリングの調子がいいときは、左かかとを伸ばしてあげましょう。呼吸を数回した後、脚をまっすぐにして腰を下げ、下向きの犬のポーズに戻ります。
【手順】
- 下向きの犬のポーズをとる
- 右足を引き上げ、ひざをお尻の方へ曲げる
5. 三日月のポーズ
股関節を前後に開き、両手を頭上に伸ばすポーズです。上体を無理にそらすのではなく、背骨を伸ばすようにして、胸からお腹、太もものつけ根までストレッチします。
5〜6回呼吸をして、ポーズをキープしましょう。股関節と肩関節を柔軟にし、脚を引き締める効果があります。
【手順】
- 両手と両ひざを床につける
- 手は肩の下に置き、ひざは骨盤の下に置く
- 右足を大きく前に踏み出し、かかとをひざの真下に置く
- 上体を起こし、両腕を上に伸ばしながら胸を開く
- 尾骨を下ろして下腹部に力を入れる
6. 体側を伸ばすポーズ
このポーズは前脚全体に大きな負担のかかるポーズで、下半身を強く鍛えることができます。後ろの足で強く床を踏みしめてバランスをとります。
後ろの脚から下半身を一直線に保って、体側を伸ばしましょう。首の状態がよい場合は、上げている手の方に目を向けます。
【手順】
- 両手と両足を横に大きく広げ、右足は外側へ開く
- 右ひざを曲げる
- 右足の外側に右手を置いて、上体を倒す
- 左手を遠くに伸ばしながら左の足裏で床を踏みしめて、体側を伸ばす
7. 椅子のポーズ
椅子のポーズは、足首を強くし、脚の筋肉をバランスよく鍛えることができるポーズです。
ポーズを取るときにぐらぐらする場合は、両脚を真ん中に寄せ合って、足裏で床を踏みしめると安定します。下半身を引き締めるだけではなく、肩こりの緩和、腹筋、背筋を鍛える効果があります。
【手順】
- あごを引いて肩の力を抜き、脚の裏全体でバランスをとりながら立つ
- 両もものつけ根を後ろに引きながらひざを曲げる
- さらに腰をおろしながら、両手を頭上に上げて背中をまっすぐにする
- 尾骨を下ろし、下腹部を引き締める
8. 前屈のポーズ
上半身を深く前に倒して、膝・太ももの裏などの体の背面全体を伸ばす、ヨガの基本の前屈ポーズ。
心臓より頭が下にくる逆転ポーズは、脳に新鮮な血液が行き渡ります。精神を落ち着かせる、内臓の調子を整えるといった効果も期待できます。
【手順】
- 顎をひいて肩の力を抜き、足を揃えて立つ
- 息を吐きながら上体を前に倒す
- 両手は足の外側につける
ひざを伸ばすのが辛い人は、足を曲げて手をつけましょう。もも裏へのストレッチ感を得られる程度がちょうどいいです。
9. 伸びた三角のポーズ
最後は、ハムストリングスや内転筋群を伸ばす、ヨガの基本ポーズ。軸足で体を支えながら、後ろへ伸ばした脚の筋肉も働かせてポーズを安定させましょう。
下半身を引き締める、集中力を高める、姿勢を整える、内臓の動きを良くする効果が期待できます。
【手順】
- 両手を広げ、大きく両足を開き、右足は外側へ開く
- 上半身を右に倒し、右手を脚の後ろにつける
- 左手を上へ伸ばして胸を開く
- 目線は、左の指先に向ける
ヨガをする際の注意
ヨガをする際には、無理やりポーズはとらずに、自分のできる範囲でポーズを取るようにしましょう。無理に体を動かして、痛めることがないように注意してください。
とくに、寝起きや長時間のデスクワーク後など、ヨガの前に長時間同じ姿勢を維持していた場合は、筋肉が固まっています。できないポーズは無理に取ろうとせずに、体が慣れてきたと感じる頃に、少しずつ可動域を広げるよう調節してあげてください。
フローヨガで心身の健康を整えよう!
フローヨガは、その日を気持ちよくスタートさせるのに最適です。また、疲労回復にも役立ちます。「なんだか最近やる気がでない」「眠っても疲れがとれない」と悩む方は、ぜひフローヨガをお試しくださいね!