ヨガポールの使い方8選!効果とは?自宅で簡単ストレッチ習慣で健康を増進しよう!

ヨガポールの基本の使い方8つを伝授します。ヨガポールの使い方を間違えてしまうと、筋肉にダメージを与えてしまいます。内出血を起こす危険性もあるのです。正しいヨガポールの使い方をマスターして、ストレッチによ効果を最大限に引き出しましょう!

ヨガポールとは?

【画像】ヨガポール(出典:nitori

ヨガポールとは、フォームローラーの一種です。柔軟性の向上、痛みの軽減、筋膜リリースなど、さまざまな理由で使用されますストレッチ用として使われることが多く、「ストレッチポール」とも呼ばれています。ジムやダンススタジオなどに、ストレッチ器具として置いてあることが多いです。

ヨガポールのサイズは、98cmのロングサイズのものもあれば、45cmのハーフサイズのものもあります。それぞれ長さが異なっているため、自分の体に合ったものを選んであげましょう。

ミドルストレッチロール(ブルー)

【画像】フォームローラー(出典:amazon

ヨガポールは、フォームローラーと間違えられることがありますが、両方の形状は異なっています。ヨガポールの形状は、凹凸が全くなく、肌にあてながら動いても、刺激が少ないつくりになっています。

一方でフォームローラーは、表面に凹凸がついているため、肌にあてて動くことで、より刺激を受けます。

ヨガポールやフォームローラーを使用したことがない方は、筋肉に程よい圧を加えることができるヨガポールから始めることで、安全にストレッチをおこなうことができます

KOOLSEN フォームローラー

ヨガポールの効果

可動域を広げる

ヨガポールを使う理由の1つは、筋膜を解放するためです(筋膜リリース)。

筋膜とは、全身を包みこむ厚い結合組織の膜のことを指します。この筋膜は、柔らかい組織であるためにくっつきやすいです。重い荷物を持ち続けたり、同じ姿勢を何時間も保つことで、筋膜はゆがんでいくのです。このゆがみを放置していると、筋膜は硬くくっつき、筋肉の柔軟性が損なわれてしまいます。

朝、目覚めると、体が硬い・重いと感じることはありませんか。これは、筋膜同士が癒着してしまい、筋肉の動きが阻害されているためです。

体の可動域を広げるためには、何らかの方法で筋膜を解放してあげる必要があります。その際に使われるのが、ヨガポールです。ヨガポールを使って、筋膜を柔らかくし滑りを良くする「筋膜リリース」をおこなうことで、可動域を広げ身体を軽くすることができます。

ヨガポールを使った筋膜リリースは、とくに筋膜が癒着している朝や、運動の前と後の両方おこなうことが理想的です。

血流を良くする

出典:aliveandwellfitness

ヨガポールを使って、筋肉や結合組織に力を加えることで、血液の流れがよくなります。

血液は、グリコーゲンなどの重要な栄養素や酸素を、筋肉に運ぶ働きをします。血液の流れが悪くなり、酸素や栄養素が行き届きにくくなってしまうと、筋肉疲労が進行してしまいます。運動で体内にたまった疲労物質を排出するには、血流の循環を良くすることが欠かせないのです。運動後に、ヨガポールを使ってストレッチすることで、筋肉疲労を取ることができます。

血流がよくなることで得られる効果は、筋肉疲労を止めることのほかにも、むくみや冷えから体を守る効果や、肩こりや腰痛や頭痛などの症状を和らげる効果が挙げられます。さらに、血流がよくなることで、老廃物を排出する機能が働き、便秘を解消する効果も期待できます

肩こり・腰痛を軽減する

出典:nabolin

ヨガポールを使って筋膜リリースをおこなうことで、肩こり・腰痛を和らげることができます。

デスクワークや長い時間同じ姿勢を続けることで、血管は圧迫され、血液の流れは滞りがちになってしまいます。血液の流れが滞ると、筋肉は緊張状態になって強張り、肩こりや腰痛を引き起こしてしまいます。デスクワークでとくにこりやすいと言われる、肩回り、肩甲骨、腰をストレッチして、肩こりと腰痛を軽減・予防しましょう。

ただし、肩や背中にヨガポールを使用する場合は注意が必要です。 肩や背中は、強くマッサージしてしまうと、筋肉に傷をつけやすい部分です。かえってこりを強くしてしまうことが考えられるため、「気持ちいい」と感じる程度に調節していきましょう。

ページの後半の「ヨガポールの使い方【基本編】」で、肩こりや腰痛に効く、安全なヨガポールの使い方をご紹介します。

リラックスできる

多くの人がヨガポールでマッサージをするとリラックスできると感じています。 筋肉の緊張をほぐすと、緊張が緩和され、心を落ち着かせることができます。緊張するシーンの前に、ヨガポールを使って精神を落ち着かせることで、緊張を解いて本番を迎えることができるでしょう。

また、ヨガポールを使うことで胸が開き、酸素を取り込みやすくなります。深い呼吸により、自律神経の1つである副交感神経が活発化するため、緊張がほぐれ、心身はリラックスした状態へと導かれます。

ヨガポールの使い方【基本編】

1. ITバンド・ストレッチ

ITバンドとは腸脛靭帯(ちょうけいじんたい)のこと。ランナー膝とも呼ばれていて、腰からひざまで太ももの外側に沿ってあります。このエリアをヨガポールでストレッチさせることで、筋肉をゆるめ、痛みの発生を抑えることができます。

【手順】

  1. 手を使って体をささえながら横になる
  2. 片方の上肢を曲げて床につけ、バランスを取る
  3. 右脚のひざを曲げ、左足の前におく
  4. 左の太ももにヨガポールを置く
  5. 腰からひざまで転がす(30秒続ける)
やり方のポイント:脚だけで転がすというよりは、腕と上半身を使ってヨガポールを転がします。そうすることで、程よく脚に圧をかけることができます。

2. ヒップリリース 

座りすぎなどによって凝り固まるお尻の筋肉。お尻の筋肉の部分にヨガポールをあてて転がすことで、筋肉をほぐしていきましょう。足の冷えを防ぐ効果・猫背解消・腰の負担が減少する効果があります。

【手順】

  1. ヨガポールの上にお尻を乗せる
  2. 左脚の足首を、右脚のひざにかける
  3. 右手は左の足首を持つ
  4. 左手は床に置いて、バランスを取る
  5. ヨガポールをゆっくり前後に転がす
やり方のポイント:骨の部分に転がすのではなく、柔らかい部分を見つけて転がしましょう。身体を左右に動かして、体重のかけ方を調節してください。

3. クワッドマッサージ

長時間のデスクワークによって起こる股関節のつまりを取り除きましょう。大腿四頭筋を伸ばして血液を流し、ヨガポールを使用して筋肉を動かし続けます。ひざの負担を減らす効果が期待できます。

【手順】

  1. うつ伏せになり、ひじを曲げて両腕を床につける
  2. ヨガポールを大腿四頭筋の下に置く
  3. 腰からひざのすぐ上にくるまで、ヨガポールを転がす(30秒)

両脚をヨガポールに乗せて転がすときに、脚に圧がかかりすぎていると感じる人は、片方の脚を床につけてバランスをとりながら、ヨガポールを転がしてください。

やり方のポイント:上半身と体幹で体を支えましょう。ヨガポールを当てる部分を一箇所に絞るのではなく、少しずつ変えみてください。

4. 首のマッサージ

首の緊張などで激しい頭痛がするときは、ヨガポールを使ってほぐしてあげることで、痛みを和らげることができます。ヨガポールは、程よい力加減で首の筋肉の緊張をほぐすことができます。

【手順】

  1. 首をヨガポールに置く
  2. 頭をゆっくりと右にむけ、きつさを感じるところまで動かす(30秒)
  3. 息を吐いて頭を左に向ける
やり方のポイント:ケガをしやすいので、首を左右に動かすときはゆっくりと小さくおこないましょう。脚でしっかりと身体を支えることが大切です。

5. 脇のマッサージ

脇の下は、リンパの流れが滞りやすいことで知られています。脇から背中にかけて広がる大きな広背筋を、まんべんなくほぐしてあげることで、肩の動きのパフォーマンスを向上できます。手先の冷えを改善する効果や、自律神経を整える効果があります。

【手順】

  1. 45度の角度で仰向けになる
  2. 左手をお腹の手前の床につけて、バランスを取る
  3. 右脇の下から背中の中央部分まで、ヨガポールをゆっくりと転がす(30秒)
やり方のポイント:体を上下しながら、細かい動きでほぐしてあげます。天井を見たり床を見て、ちょうどいい圧に調節しましょう。

6. ふくらはぎのマッサージ

ふくらはぎの筋肉は、重力で下半身にたまった血液を心臓に戻すポンプの役割を果たすため、「第2の心臓」と呼ばれています。ふくらはぎをストレッチさせることで、血液循環がよくなり、むくみや冷えを解消できます。

【手順】

  1. 両脚を伸ばした状態で床に座る
  2. ヨガポールをふくらはぎの下に置く
  3. 右脚のひざを曲げ、地面に右足を立てる
  4. 体重がヨガポールにかかるように、体を持ち上げる
  5. 両手を体の後ろに持っていき、地面につけてバランスを取る
  6. 両腕を使って体を前後に動かす(30秒)
やり方のポイント:つま先の方向を変えて、ヨガポールのあたり方を調節しましょう。圧が足りないと感じる人は、反対側の脚を、片方の脚の上に重ねて転がしてみてください。

7. ハムストリングスのストレッチ

身体の中でも大きい筋肉であるハムストリングスも、しっかりとヨガポールでほぐしていく必要があります。ハムストリングスは、肉離れなどの損傷が起こりやすい部分です。ハムストリングスの柔軟性が足りないために、転倒してケガをするケースも考えられます。ヨガポールでしっかりとほぐしてあげることで、ケガを予防しましょう。

【手順】

  1. 脚を伸ばして床に座る
  2. ハムストリングスの下にヨガポールを置く
  3. 両手を体の後ろに持っていき地面につけ、バランスを取る
  4. 体重がヨガポールにかかるように、体を持ち上げる
  5. 両腕を使って体を前後に動かす(30秒)
やり方のポイント:つま先の方向を変えて、当てる部分を調節します。圧が足りない場合は、反対側の脚を、片方の脚の上に重ねて転がしてみてください。

8. 肩・腰のストレッチ

デスクワークで肩こりや腰痛を抱えている方に、ぜひ試していただきたいのが、ヨガポールを使った肩・腰のストレッチ。デスクワークによって凝り固まった筋肉をほぐしながら、心身ともにリラックスさせていきましょう。

【手順(肩)】

  1. 仰向けになって、ヨガポールを背中の上部に置く
  2. 両ひざを曲げて、床に足を立てる
  3. 腕は横に倒すか、両手をおへそに当てる
  4. 首の下部から背中の中央部分の間で、ヨガポールを動かす(30秒)

【手順(腰)】

  1. 仰向けになって、ヨガポールを脊椎に沿って立てる
  2. 右脚のひざを曲げて、右足を床に立てる
  3. 腕は横に倒すか、両手をおへそに当てる
  4. ヨガポールを脊椎に沿った状態で、ゆっくりと左右に回転させる(30秒)
やり方のポイント:ヨガポールを転がすときは、体と頭は一直線になるようにしましょう。頭だけを起こさないように注意します。

ヨガポールを使用する上での注意点

ヨガポールの使い方を間違えてしまうと、圧迫しすぎて筋肉にダメージを与えてしまったり、内出血を起こしてしまったりします。また、強すぎる圧を加えて過剰に刺激を与えてしまうと、組織は硬くなってしまいます。ヨガポールは、使い方によっては危険なものになってしまうのです。

【正しく使うためのポイント】

  • 1つの部位にかける時間は30秒から50秒間
  • 「気持ちいい」と感じる強さで圧をかける

ヨガポールの効果は、圧をかけて血流とリンパの流れを一旦止め、その後に圧を解放することで、血流とリンパの流れを良くすることで得られます。

この効果を高めるためには、1つの部位にかける時間は30秒から50秒間がベストだと言われています。ヨガポールでのストレッチを始めて間もない場合は、転がす時間を短くするのをお勧めします。慣れてきた頃に、徐々に時間を長くしていくのが最適です。

ヨガポールを使用しておこなうストレッチは、痛みを我慢しながら進めてしまうと、力が入り、逆に筋肉が硬くなってしまいます。「気持ちいい」と感じる程度に圧を加えるようにしましょう。

ヨガポールで筋膜リリースをおこなった後は、ストレッチやエクササイズをするのをおすすめします。そうすることで、筋膜リリースの効果を高めることができるのです。

筋膜リリースをしたことで、血液やリンパの流れが良くなって、筋肉がほぐれた状態なのに、そのまま放置してしまうのはもったいないです。効果を高めるためには、ストレッチやエクササイズをしましょう。

ヨガポールを使ってストレッチしよう

ヨガポールを使用してストレッチをすることで、血流やリンパ液の流れをよくし、筋肉をやわらげることができます。動きの可動域を広げるほか、肩こり・腰痛・筋肉痛の軽減など、体の健康を整える効果をもたらします。体だけではなく、リラックス効果が与えられるなど、精神面も整えてくれます。

ヨガポールを使用したストレッチは、テレビを見ながらでも簡単にできるのが魅力です。スキマ時間を効率的に使えるので、忙しい人でもストレッチの習慣をつくりやすいのではないでしょうか。

ヨガポールを使用したストレッチ・マッサージを習慣にして、健康増進に努めましょう!

Z世代、ハワイアンダンス、ヨガ、国際コミュニケーション学部専攻(卒)元オーストラリア留学生。「誰もが生きやすい世界」をコンセプトに世界各地のカルチャー、社会問題×ライフスタイル、メンタルヘルス×ヨガなどを中心にお届けします!
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