もくじ
なぜ幼少期から英語を学ぶのがいいの?
これからの日本では、英語のスキルがますます欠かせないものになります。
大人になってから始める英語学習は、キャリアステップにつながることや自己の成長につながることを期待できます。しかし、同時に英語学習は多大なる時間と費用を必要とするため、英語学習を継続できなくなってしまう人も多いです。大人になってから英語学習を続けるとなると、本人の強い意志と努力が必要になってきます。
幼少期から英語を学ぶことで、英語を学んでいるをという感覚をもたないことが多いです。心から英語を楽しむことができるのです。
また、英語の聞き取りと発音で圧倒的な効果が出るのも幼少期です。日本語の癖がないため、日本語にはない音を素直に聞き取ることができます。日本語にはない口の動きも素直に覚えられます。他の言語を1つの音として認識できるため、外国語を聞き取りやすく発音もしやすいのです。
外国語を早い時期に教えると母国語がおろそかになる?
日本語もままならないで外国語を学ぶと、日本語がおろそかになってしまうのではないかと心配する声もあります。では、海外の語学教育はどうなっているのでしょうか。
ヨーロッパなど他国と国境を接する国々では、自国の言葉はもちろん、隣国の言葉まで話せるという子どもが数多くいます。例えばフィンランドでは、フィンランド語に加えてスウェーデン語を幼い頃から話す子どもがいます。さらに、子どもたちは外国語の学習として英語やフランス語、ドイツ語などを学校で学びます。
このように、外国語が必須とされている社会では、子どもたちの外国語の学習が母国語に与える影響について心配する声は少ないです。
子どもが外国語を学習するのにベストなタイミングは?
子どもが外国語を学習するのにベストなタイミングは、0歳から5歳といわれています。0〜5歳は、母国語に固まらずに、聞いた言語に近い発音を認識することができると言われています。
5歳になる間から外国語に触れてきた子どもと、5歳以降に外国語に触れ始めた子どもとでは聞き取り能力に差が出ます。しかし、だからといって5歳を過ぎてからじゃもう遅いというわけではありません。
5歳を過ぎてからでも学校が始まる前に外国語に触れることで、外国語を楽しんでできるようになります。義務教育の過程で語学を学ばなければならなくなると「語学=勉強」になってしまい、語学を楽しめなくなる可能性があります。苦手意識を感じてしまうと、その後の語学学習でも苦手意識を感じつづける可能性さえ考えられます。
子どもたちに英語を教えていた筆者の意見ですが、学校が始まってから英語学習を始めた子であっても、英語に触れる機会が増えることで、今後の英語学習で積極的になれる子もいます。また、周りよりも英語に触れる機会が多いと「英語なら誰にも負けない」「英語が好き」と自信を持つことができるようになります。さらに、英語をいかして何かを乗り越えた経験のある子は、成功を体験することで自己肯定感が高まる傾向があります。
語学を学ぶメリット
広い視野で物事を判断できる
語学を学ぶということは、その言語が話されている文化や習慣についても学ぶことにつながります。多様な文化や習慣に触れることでさまざまな選択肢が生まれます。選択肢が増えるということは、あらゆる角度から物事を見て分析し判断することができるようになるということ。
幼少期から語学に触れることで、日本文化と海外の文化の両方に触れるため、異文化を理解して多様性を認めることができるようになります。このスキルは学校や社会でも活かすことができます。
学校や社会に出ると、自分と異なる性格や文化を持っている人はいます。語学に触れて多様性を受け入れる心が身につくと、自分とは異なる人たちと関わっていく方法を身につけることができるでしょう。
語学を習得する以外でのメリット
2ヶ国語を話す人の脳は、1ヶ国語を話す人の脳と比較すると、複数の作業を同時に並行しておこなう能力や優先順位をつける能力に優れています。加齢による脳の衰えにも強くなることがわかっています。さらに、問題解決能力や発想力にも優れていることも明らかになっています。
意思をはっきりと伝える訓練になる
英語では主語がとても大切です。
例えば、
I like autumn(秋が好きです)
I am happy(幸せです)
I am hungry(お腹すいた)
というように、英語では I(私)という主語が入ります。「私」を意識しながら伝えるのを繰り返すことで、自分の意見を伝える訓練になるのではなります。
さらに、語学学習はディベートやグループワークのようなアクティブラーニング(生徒が能動的に学ぶことができるような学習方法)で授業が進められることが多いです。語学を学ぶことでディベートやグループワークの機会が増加し、自分の意見を伝える力が身につきやすくなります。
自宅でできる!子どもに英語を教える5つのコツ
1. 英語のDVDやテレビ
日常生活では、英語のDVDやテレビを流しておくことで、自然な環境づくりをしましょう。
子どもが英語を習得するうえで重要なのは、自然な環境づくりです。「家の近くに図書館があって、本が好きになる」というようなことと同じで、正しい環境をセットすることで、子どもたちは「学んでいる」という意識を持つことなく学習を楽しむことができます。
少し慣れてきたら、ご両親も一緒になって子ども向けの英語テレビやDVDを楽しみましょう。最初は15分程度の短いものを頻繁に観るようにしましょう。英語に触れるルーティーンをつくることで、自分で単語を思い出したりフレーズをつくれたりする確率が高まります。
楽しみながら英語に慣れる環境をつくるには、英語のテレビやDVDを流すのが効果的です。
【おすすめのテレビやDVD】
- えいごであそぼ with Orton
- おさるのジョージ
- GO!GO!チャギントン
- 童話名作集
2. 英語絵本の読み聞かせ
英語に慣れてきたら、次は英語の絵本を通してアルファベットに触れましょう。英語絵本のいいところは、子どもたちのペースでアルファベットに触れられるところです。
絵本の読み聞かせをする場合は、子どもに声をかけながら読み進めることをおすすめします。「犬はどこに行っちゃった?」「あれはなんだろう?」というように声をかけてあげることで、子どもは楽しみながら英語に触れることができます。慣れてきた子どもは、親御さんが尋ねることで英語を使って発言することがあります。
英語が苦手なご両親は、英語のネイティブスピーカーによる朗読のCDがついている絵本を利用してみましょう。
お腹の赤ちゃんのために、お母さんが絵本を使って英語を声に出すこともいいですね。子どもはお母さんのお腹の中にいるときから、音を聞いているといわれています。周囲の音は聞こえないですが、お母さんの声だけは聞こえるという研究結果が出ています。子どもが英語の音に慣れるだけではなく、声にだして読むお母さんも絵本のストーリーに触れることでリラックスできるかもしれませんね!
普段の会話で話しにくいトピック(例えば、環境問題についてなど)を絵本で取り上げるのもおすすめです。子どもが幼少期に受けた知識は、今後の成長に大きく関わってきます。会話で伝えるのは難しいが知っておく必要のある内容は、絵本を利用して伝えるのはいかがでしょうか。
大切なのは、「英語を覚えさせなきゃ」と思うのではなく、楽しむのを優先させること。楽しみながらアルファベットに触れられる、おすすめの絵本の紹介はページの後半でご紹介します。
【絵本探しの参考サイト】
3. 英語の単語カード
出典:Amazon
英語はご両親も一緒になって楽しむことで、子どものモチベーションが上がります。
カードゲームは、大人が子どもの英語教育に携われる環境を与えてくれます。さらに、子どもが英語を楽しめる環境を演出するのに適しています。
First Words Flash Card
出典:Amazon
基本的な動物や食べ物などのイラストと英単語が書かれている単語カードです。カルタのように、読み上げた単語のカードを探す遊びなどができます。幼児から小学校低学年におすすめ。
4. YouTubeで楽しく英語レッスン
動画共有サービス「YouTube」では、お金をかけずに英語を学ぶことができます。さらに、子どもにあった学習方法で勉強を進めていくことが可能です。
YouTubeに投稿されている子ども向けの英語レッスン動画は、ほとんどが3分〜10分弱と、子どもの集中力に適した長さになっています。さまざまなコンテンツにも溢れているので、子どもの性格にあった動画を見つけることができるでしょう。
子どもは、机に向かって勉強するよりも、映像を通して学ぶほうが楽しめる傾向に強いです。YouTube動画を通して英語に触れることで、「英語=楽しい」と思えるようになるでしょう。
おすすめなのが、歌に合わせて体を動かす動画。体を動かすことで脳が刺激されて、英語を覚えやすいという効果があります。
動画を使いながら英語をアウトプットをすることで、楽しみながら言語を覚えていきましょう。
【おすすめのYouTubeチャンネル】
ABC Kid TV(ABCキッズTV)
学習のスタートにおすすめする動画。色、数字、形などの基本的な単語が学べます。字幕で英語の歌詞が表示されるため、親子で一緒に歌いながら覚えることができます。聞き流し学習にもおすすめ。
ELF Kids Videos(エルフキッズビデオ)
日本人向けのレッスン動画です。テンポがよくフレーズが何度もリピートされるため、子どもたちにとって英語が覚えやすい動画になっています。声、手、足を使いながら楽しく単語を学べます。
Super Simple Songs
シンプルで覚えやすい曲とフレーズが動画で使われています。英語圏で馴染みのある曲が多いのが特徴。赤ちゃんから小学生まで楽しんで覚えることができる動画になっています。
5. 海外のイベントを楽しもう
海外のイベントを体験することで、異なった文化や信仰を持っている世界中の人々を尊重することの大切さを学ぶことができます。また、異なる文化や価値観に触れる楽しさを覚えた子どもたちは、今後の語学学習にモチベーションを感じる傾向があります。
海外のイベントを体験することで、多様性を尊重する姿勢を育み、語学学習へのモチベーションも向上させましょう。
イースター
日本語では「復活祭」と呼ばれるイースター。イースターはイエス・キリストの復活を祝うお祭りです。イースターは具体的な日にちが決まっているわけではなく、春分の日の後の最初の満月から数えて初めの日曜日と定められています。
イースターでは、シンボルの「卵」を使った遊びをします。隠した卵を見つける「エッグハント」、スプーンに乗せた卵を落とさずにゴールまで運ぶ「エッグレース」、卵を染めたり絵を描いたりするなどして楽しみましょう。
ハロウィーン
日本でもおなじみの10月31日におこなわれるハロウィーン。古代ケルト民族のドゥルイド教でおこなわれていたお祭りが起源だと言われています。秋の収穫をお祝いし、先祖の霊をお迎えするとともに悪霊などを追い払う宗教的なお祭りです。日本でいえば、お盆にあたるイベントです。
コスチュームづくりや仮装をしたり、ジャックオランタンを作ったりしてハロウィンを楽しみましょう。
クリスマス
クリスマスとは、イエス・キリストの降誕祭です。イエス・キリストが生まれてきたことをお祝いする日です。日本のクリスマスは恋人と時間を過ごすことが多いですが、欧州や欧米などでは家族と過ごすのが一般的。
クリスマスツリーやクリスマスカードの制作をしたり、クリスマスクッキーを作ったりして楽しみましょう。
おすすめの英語絵本の紹介
アルファベットを学ぶのに適したおすすめの絵本をご紹介します!
Dr.Seuss's ABC
出典:Amazon
Dr.Seussの絵本は、世界中の言語に翻訳されており世界中の子どもたちから愛されています。
ページをめくるたびに、アルファベットに関連する動物・人が登場します。Dr. Seussの絵本の魅力はなんといっても、可愛い絵とユーモアのある文章ではないでしょうか。大人も一緒になって楽しめる絵本です。
HAND, HAND, FINGERS, THUMB
出典:Amazon
心地よいリズムで書かれた文章なため英語が覚えやすいと思います。ページをめくるたびにお猿さんがだんだん増えていくストーリーは子どもたちの好奇心をかき立てます。何を伝えたいのかが絵からだいたい予想がつくので、1〜3歳くらいの子どもたちも理解できる内容になっています。
YouTubeで読み聞かせしている動画があるので、英語が苦手なご両親も動画の音を流しながら、子どもと一緒に英語絵本の時間を楽しむことができます。ご両親が動画を利用して練習し、実際に子どもに読み聞かせをすることもいいですね!
Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?
出典:Amazon
この絵本では、基本的な動物の名前や色、先生や子どもたちを英語で表現できるようになります。文章にはリズムがあって、まるで歌を歌うかのように絵本が進みます。何度も絵本を読み聞かせすることで、リズムで英語を覚えられるでしょう。
赤・青・緑などカラフルな色が使われている明るい絵が特徴の絵本です。前のページの動物が、次のページでは何をみているかを予想する楽しさが盛り込まれています。「何をみているのかな?」と子どもに質問してあげましょう。
むしむしアルファベット
出典:Amazon
紹介した絵本の3つは文章が英語で書かれていますが、この絵本は日本語の文章になっています。
この絵本は、アルファベット学習の入門におすすめする「しかけ絵本」です。虫たちがアルファベットそのものになったり、アルファベットに関連する食べ物に変身したりします。見る・触る・聞くことを通してアルファベットをインプットできます。
「英語は楽しい」と思わせる工夫が大事!
いかがでしたか。自宅でできる子どもに英語を教える5つのコツをご紹介しました。
子どもの語学学習では、何よりも「語学学習=楽しい」と感じさせることが大切になってきます。早い段階から語学学習に楽しい気持ちを持つことで、今後の学習へのモチベーションにも影響してきます。
そのため、英語を話すシーンなどで子どもが言い間違えたとしても、無理に正すことはしないようにしましょう。それよりも「子どもが英語を楽しめる環境づくり」にフォーカスしてあげるのが大事です。
過度にプレッシャーを与えずに、小さな進歩と頑張りを褒めてあげるて「好きこそものの上手なれ」の姿勢を育成させましょう。