もくじ
緑茶ってどんなお茶?
緑茶とは
お茶にはいくつかの分類の仕方があります。大きく分けると、緑色の「緑茶」、赤色・褐色の「紅茶」、茶色・黄色の「烏龍茶」の3つ。この分類は、お茶の製造方法によるもの。お茶の生葉に含まれる「酵素」をどれだけ働かせるかによって決まります。
「緑茶」は、摘んだ生葉を蒸す・炒るなどで加熱して酵素の働きを止めます。酵素とは動物や植物、微生物類など、すべての生物の体の中にあり、それらの体内で行われるさまざまな化学反応に関わる物資のことを指します。緑茶には、酵素の働きはありません。
緑茶の種類
日本で生産・製造されている緑茶の多くは生葉を蒸し加熱した「蒸し製緑茶」がほとんど。長崎や佐賀、静岡などの一部の地域では、「釜炒り製緑茶」も生産されています。
日本の「蒸し製緑茶」は種類が豊富。代表的なもので、私たちがよく見かけるのは「煎茶」、「玉露」、「番茶」、「ほうじ茶」、「玄米茶」、などがあります。
煎茶
「煎茶」は日本で最も多く生産され親しまれている緑茶。主にお茶の葉の部分でつくられ、甘味・旨味・苦味・渋味のバランスがとれた風味が特徴です。
煎茶は、新茶の収穫時期である4月と5月に摘まれた一番茶を中心に生産されます。最近は、スーパーやドラッグストアなどで二番茶を使った煎茶が、低価格で販売もされ見かける機会が多いかもしれません。
玉露
「玉露」は、煎茶と同じ製造方法ですがその栽培方法に違いがあります。
玉露は、収穫日の3週間ほど前から茶園に覆いをかけ、日光を遮って新芽を育てていきます。日光を遮ることで旨味成分の「テアニン」が増加。テアニンが渋味成分の「カテキン」に変化するのも防ぎます。
もともと葉に含まれていたカテキンが減少するため、旨味と甘味が引き立ち玉露特有の風味が生まれます。
番茶
「番茶」は、新芽を刈り取った後の茶葉や、大きく育って硬くなった茶葉などで作られるお茶の総称。
地方や銘柄によって茶葉を摘む時期や使用する部位が異なったり、焙煎の有無など加工方法に違いがありますが、普段使いのお茶として使われることが多いのが番茶。
静岡や東京では焙煎しない緑色の水色をした番茶が一般的、一方で、緑茶で有名な京都では大きく育った茶葉のカタチを残したまま強火で焙煎した茶色い水色の「京番茶」のことを番茶とを指します。
ほうじ茶
「ほうじ茶」は、製茶の工程で火にかけて焙煎したお茶です。焙じることからほうじ茶と呼ばれています。茶葉の色も、淹れた水色も茶色になります。
香ばしくさっぱりとした味わいで、カテキンやカフェイン含有量が少ないため飲みやすく、色々な食事にもよく合うことから人気です。
最近では、ほうじ茶の香ばしいフレーバーが注目されていることから、「ほうじ茶ラテ」や「ほうじ茶アイス」などスイーツ商品として起用されることも増えてきました。
玄米茶
緑茶の効果・効能
がん予防
カテキンの活性酸素消去作用、抗突然変異抑制作用などが関与していると考えられていますが、詳しい解明はされていません。
しかし、日本の人口動態統計によると、緑茶生産地である静岡県は、がん標準化死亡比が男女とも全国値と比較して著しく低いことが確認されています。静岡県の中でも緑茶生産地である中川根町では、胃がんを発症する男性の割合が全国平均の約5分の1という調査結果が得られています。
コレステロール低下
「緑茶を多く飲む人ほど血中コレステロール値が低い」という調査結果は、広く知られるようになっています。これは、緑茶に含まれるカテキンが、食事中のコレステロールの吸収を抑えるためだと考えられています。
また、血中コレステロールが高めの人が、約200mgのカテキンを含む飲料を1日2回摂取すると、摂取2ヵ月後から徐々に血中コレステロールが低下。しかもこの場合、悪玉といわれる「LDLコレステロール」だけが低下し、善玉といわれる「HDLコレステロール」には影響しないという、優れた特性をもっていることがある調査で分かったとされています。
ダイエット効果
カテキンは、食事とともに摂取すると、脂肪の吸収を穏やかにする特性をもつとされています。
肥満者からやや太り気味の人が約200mgのカテキンを含む緑茶飲料を朝・夕食とともに1日2回飲むことを12週間続けると、徐々に体重が低下し始め、カテキンを含まない飲料を摂取した場合と比較して、約1kgの体重の差が認められたという調査結果が伊藤園の中央研究所の調査にて得られているそうです。
疲労感を和らげる
お茶に含まれるカフェインは中枢神経を刺激して思考力を高めたり、心臓や腎臓の機能を活発にして利尿作用が期待できます。
カフェインはすぐに体内に吸収されて30分~1時間で効果が得られるほど即効性があります。眠気を覚ましたい朝はもちろん、ついぼんやりしてしまう、疲れていてヤル気が出ない時などもリセットのにも効果的。
美肌効果
緑茶が美肌作りに効果的な理由は、ビタミンが多く含まれているからと考えられます。
ビタミンAには、皮膚細胞や粘膜細胞を健康な状態に保つ働きを持っています。ビタミンAが不足すると、肌はかさついて潤いがなくなり、粘膜も弱まるため風邪をひきやすくなったりします。お茶には、ビタミンAと同じ働きをするカロテンがたっぷり含まれています。
緑茶にはビタミンCも多く含まれています。ビタミンCは、肌の白さを保つ効果が期待できる成分。シミやソバカスの原因であるメラニン色素の皮膚への沈着を防いでくれるのです。
免疫力アップ
「緑茶にはポリフェノールの一種であるカテキンが何種類も含まれていますが、 なかでもエピガロカテキンガレート(EGCG)には、インフルエンザウイルスなど"抗ウイルス作用"が期待できるとされています 。
EGCGは低温よりも、80℃くらいの湯温で最も抽出されやすいのが特徴。沸騰したお湯をすぐに注ぐのではなく、少し時間をおいてからがおすすめです。
飲みすぎには注意しよう!
緑茶の主な成分
緑茶に含まれる薬効成分はここ最近、様々な研究が進んています。古くは嗜好品として親しまれてきましたが、機能性飲料へと大きく様変わりしようとしています。ただし、ペットボトル飲料のお茶の場合は、人工的にビタミンCやカテキンを添加したり、お茶本来に含まれる自然の成分と極端に異なるものがあるため注意が必要。
緑茶に含まれる主な成分は以下の通りです。
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飲みすぎ注意の成分
上記で挙げたように、緑茶にはさまざまな成分が含まれており、体に良いとされているものばかりです。しかし、過剰に摂取することで体に影響を与える恐れのある成分もあるため注意するようにしましょう。
カテキン
緑茶の渋み成分である「カテキン」。ポリフェノールの一種で、緑茶に最も多く含まれている成分。今、緑茶が注目されている理由もこのカテキンの効果効能が認められてるから。抗酸化作用、抗菌・殺菌作用、虫歯・口臭予防、高血圧・肥満予防といった効果があるとされます。
カテキンを摂り過ぎが、まれに便秘を引き起こすことがあるため、便通の悪い方は注意が必要。
その他にも、カテキンは鉄分の吸収を妨げることが分かっています。重度の鉄欠乏症でなければそれほど気にする必要はありませんが覚えておくと良いかもしれません。
カフェイン
緑茶の苦味成分「カフェイン」。疲労感や眠気を取り除いたり、集中力を高めたりする効果があります。その他にも、代謝や胃液の分泌を促進する効果も期待できます。
ただし、カフェインは過剰に摂取すると中枢神経系が刺激されることが分かっています。心拍数の増加、興奮する作用があるため、飲む時間帯は気をつけるようにしましょう。
WHO(世界保健機関)の定めでは、1日のカフェイン摂取量は300mgを限度とされています。
緑茶の種類とカフェインの含有量(100mlのあたり)
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シュウ酸
「シュウ酸」は尿路結石の原因となる物質。緑茶や紅茶に多く含まれており、過剰に摂取することで尿路結石のリスクが高まると言われています。
緑茶の種類とシュウ酸の含有量(100mlのあたり)
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シュウ酸は、水分やカルシウムを摂取することで体外に排出されやすくなります。バランスのよい食生活や生活習慣を心がけることが大切です。
こんな人は注意が必要
体に良いからと緑茶をたくさん飲みすぎるのはおすすめできません。中庸を心がけましょう。また貧血持ちの方や妊娠中の女性には注意が必要。
貧血などの症状がある場合
貧血は、血液中のヘモグロビンが減少することによって起こり、めまいや立ちくらみ、倦怠感、動悸・息切れなどの症状を引き起こします。
緑茶に含まれるカテキンが鉄分と結合しやすいため、鉄分の吸収を阻害すると研究では指摘されてきましたが、最近の研究ではカテキンが貧血に与える影響はわずかであるとの報告もあります。詳細な因果関係については、まだ明らかにはなっていませんが、常識的な範囲で摂取するように心がけましょう。
妊娠中は特に注意が必要
妊娠中の女性はカフェインとカテキン摂取には気をつけた方が良いでしょう。
お茶が飲みたいと感じたときは、ノンカフェインのお茶やハーブティーなどがおすすめ!ただしハーブティーにはさまざまな効果があるので、飲む前に医師に相談するようにしましょう。
おすすめの緑茶
煎茶:「鑑定力9段の高級茶「まれもの」
価格・2,000円(税込み)
宮崎県のトップクラスを走る高い技術と熱い想いで向き合っている生産者のお茶。抽出後の茶葉も、浅蒸しの輝き磨かれた一葉一葉を感じられるの特徴。圧倒的な香気と日本茶の本質を味わうことができます。
宮崎県のお茶メーカー「新緑園」が誇る最高級の茶葉。特別な日や贈り物にもおすすめです!
玉露:「一保堂茶舗 玉露 甘露」
https://www.ippodo-tea.co.jp/index.html
価格・2,160円(税込み)
「甘露」は名前の通り、とろんとした甘い一滴が楽しめるお茶。ふわりと香るやわらかな香り。本格的な味わいは、玉露好きの方にもおすすめです。
じっくり湯冷ましして、うまみを引き出すのがおすすめ。うまみ・甘みが際立つ「水出し」もおすすめです。
番茶:「一保堂茶舗 若柳」
すっきり上品な味わいが魅力の「若柳」。熱湯でそのまま気軽に淹れて楽しめる番茶類の一つです。番茶類の中でも若柳は、柳類の仲間。煎茶の大きく成長した葉を使っているため、煎茶よりも茶葉そのものは大きくヨリも粗めなのが特徴。さっぱり感を存分に味わえる渋みが若柳の特徴です。
爽快な香りとほのかな甘みが上品な印象を与える味わいで、ごはんやおやつとも相性がよいのがおすすめポイント!
ほうじ茶:「香味自慢ほうじ茶」
価格・1,944円(税込み)
京都・宇治田原の宇治茶専門店・西出製茶場が製造販売する「香味自慢ほうじ茶」。
主原料には宇治田原産の茶葉を使用しており、さっぱりとした飲みごたえと香ばしさが味わえるほうじ茶。
焙じ立てにも拘りを持っており、香りを引き立たせるために遠赤外線効果の砂炒り製法による焙じ加工が施されています。急須で淹れることがおすすめです。
玄米茶:「大井川茶園 茶工場のまかない 香り立つ宇治抹茶入玄米茶 」
https://www.ooigawachaen.co.jp/
価格・399円(税込み)
大井川茶園 茶工場のまかない 香り立つ宇治抹茶入玄米茶 320g
大井川茶園の、茶工場のまかない香り立つ宇治抹茶入り玄米茶。茶葉の産地はお茶は静岡県。抹茶が入っているので、玄米の香りと抹茶のうま味を味わいたい方におすすめ。
緑茶でヘルシーライフ
緑茶は、日本人にはとても馴染みのある飲み物で種類が豊富で、比較的高価なものでも手に入れやすいですよね。筆者も朝はコーヒー派でしたが、祖母の好きだった緑茶を飲むようになってからは断然緑茶派になりました。アレルギーで喉鼻に違和感がある時などにたくさん飲むと症状が和らぐため、手放せません。
たくさんの効果効能が期待できる緑茶で、ヘルシーな生活を送ってみてはいかがでしょうか。