ヨガの浄化法を毎日の習慣にして日々のパフォーマンスをアップしよう!おすすめ5選

ヨガのポーズが安定しない、集中できない時に皆さんはどうしていますか?日々の生活で気になることが頭に浮かんだり、呼吸がしにくかったり、私たちの体は常に変化をしています。そんな小さな自分の体の変化に気づくこともヨガを行なうにあたって大事なことです。ヨガをする前や朝起きたときにできる、ヨガ的な体のリセット方法をご紹介します。

体の内側を浄化できるヨガの技法「シャット・カルマ」とは? 

 ヨガの教典「ヨーガ・スートラ」で紹介されているヨガの八支則の一つ「ニヤマ」の中に、「シャウチャ」という言葉があります。清浄、浄化という意味ですが、ヨガを行なうにあたって自分自身や自分の身の回りを清潔に保つことを指します。そうすることで、心も浄化されてすっきりとした生活を過ごすことができます。

体の外側を清潔に保つことは、容易に想像することができます。お風呂に入って石鹸で体を洗う、洗濯した清潔な衣服を身に纏うなど、私たちが日々の中で習慣として行なっていることです。しかし、体の内側についてはどうでしょうか?体の外側とは異なり、内側は自分の目で確認することはできません。しかし、お腹が痛い、鼻水が出る、頭がボーッとするなど体に出る症状の変化で内側の状態を感じ取ることはできます。

ヨガの技法ではアーサナや呼吸法で体を、瞑想で心を浄化し、整えることができます。ヨガのさまざまな技法の中には、体の内側を整える方法があります。

それは「シャット・カルマ」という技法です。サンスクリット語でシャットは「6」、カルマは「行為、作法」という意味で、「6種の浄化法」がシャット・カルマです。6つの方法を行なうことで、体の内側を浄化し、エネルギーがスムーズに流れるようになり、アーサナや瞑想に集中することができるようになります。 

ヨガの浄化法「シャット・カルマ」

この「シャット・カルマ」は、アーサナやプラーナヤーマなどの技法のようにヨガスタジオで教えることができるヨガティーチャーは少なく、安易に行なうと体を傷つけてしまったり、具合が悪くなってしまうことがあります。この技法を行なう際は、信頼のおけるヨガマスターの指導のもとに実践するようにしましょう。

シャット・カルマ

  1. ダウティ:内臓の清掃
  2. バスティ:浣腸
  3. ネーティ:鼻の清掃
  4. トラータカ:眼の強化
  5. ナウリ:腹部の清掃
  6. カパーラバーティ:額の清掃

それぞれの部位を更に細かいところまで浄化するために、水や布、棒などの道具を使って行なうものもあります。また、中には行なうのが困難なものや実際には行われないものあります。

気になる不調を整えよう!今すぐできる浄化法オススメ3選

「シャット・カルマ」の注意点として、ヨガマスターの指導のもとに実践することをお伝えしましたが、その中でも実践のハードルが低く、今すぐできるものを3つ厳選してご紹介します。最近では、専用の器具が販売されているものもあるので、是非実践してみてください。

1. 鼻洗浄ですっきりと呼吸をしやすくする

シャット・カルマの中で「ネーティ(鼻の清掃)」にあたります。いくつか方法はあるのですが、今回はその中でも「ジャラ・ネーティ(水を使った鼻の清掃)」をご紹介します。

最近では、花粉症対策として鼻洗浄が一般的になっており、ドラッグストアでも鼻洗浄専用の商品が販売されているのを見たことがある人や実際に使っている人も多いのではないでしょうか。

ジャラ・ネーティの方法

  1. 人の体と同じ塩分濃度の食塩水をぬるま湯で作る(水250mlに対し、食塩小さじ半分程度)。
  2. 片方の鼻を押さえたまま、反対の鼻に食塩水を注ぎ込む。
  3. 食塩水を飲み込まないようにしながら、軽く息を止める。
  4. 押さえていた指を離して、その鼻から水が出るように体を傾ける。頭を少し前側に傾けると水が出やすくなる。
  5. 2〜4を反対の鼻から行なう。

ジャラ・ネーティは真水で行なうと鼻が痛くなるので、必ず食塩水で実践しましょう。体温と同程度のぬるま湯で行なうと、食塩も溶けやすく鼻に流し込むときも違和感なくスムーズです。終わったあとは鼻をかみすぎないようにしましょう。鼻腔内に水が残ったまま鼻をかむと中耳炎になる場合があります。また、鼻詰まりがひどいときや鼻・耳に疾患がある方は専門医に相談して実践するようにしましょう。

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2. 目の浄化で視界をクリアにする

シャット・カルマの中で「トラータカ(目の強化)」にあたります。凝視するという意味を持つトラータカでは、一点を凝視することで目を強化します。

方法としては、ローソクの炎を見つめるのが一般的です。ローソクの炎を視線の的として見つめ、視線を動かしたり、瞬きをしたりしないようにします。涙が出てきますが、それでもじっと我慢をするのがトラータカです。目が痛くなってきたら、そっと目を閉じてその痛みや流れる涙、浮かんでくる残像を感じます。ローソクが用意できない場合でも、立てた親指の指先や眉間、鼻先に視線を向ける方法もあります。

トラータカのあとに瞑想を行なう「トラータカ瞑想」というものもあります。通常の瞑想よりも集中力が高まり、深い瞑想に入ることができます。

3. 呼吸法で頭をスッキリさせる

シャット・カルマの中で「カパーラバーティ(額の清掃)」にあたります。サンスクリット語でカパーラは「額」、バーティは「輝く」という意味を持ちます。鼻呼吸をすばやく出し入れする方法が一般的で、呼吸法として取り入れているヨガクラスもあるので体験したことがある人もいらっしゃるかもしれません。

カパーラバーティの方法

  1. あぐらや正座など自分の好きな座り方で座る。
  2. 目を閉じて、背筋を真っ直ぐに伸ばし、全身の余計な力を抜いてリラックスする。
  3. 深く息を吸って、両鼻ですばやく息を吐く。
  4. この呼吸を20回繰り返す。

ポイントは、鼻頭に羽がついているイメージでその羽を鼻息で吹き飛ばすようにすることと、お腹をへこませて、鼻息を吐くことです。20回が楽にできるようになったら、30回、40回と回数を増やしていき、最終的には50回までできるようになるとよいでしょう。

放っておくと体の不調にもつながる?アーユルヴェーダの浄化法で毒素を排出しよう

 アーユルヴェーダとは、インドで伝承されてきた東洋医学です。ヨガも同じく古代インドで発祥したもので、目的は同じく生命をよりよくする方法として伝えられています。そのため、ヨガをしている人でアーユルヴェーダの考え方や食事方法などを生活に取り入れている人も少なくありません。アーユルヴェーダ的な生活は、心地よいヨガにつながることでもありますので、自分のライフスタイルにあわせて実践することをオススメします。

アーユルヴェーダでは、疲労感や倦怠感、消化不良などの不調は「アーマ」という毒素の蓄積によって引き起こされるという考えがあります。このアーマを定期的に排出し、体の調子を整えるアーユルヴェータ式の浄化法をご紹介します。 

舌磨きで口内環境を整える

毒素排出というと、汗を出したり、便秘を改善したりすることがイメージされますが、意外なところに毒素が溜まっていることをご存知でしょうか。鏡で自分の舌を見て、舌が白くなっていたら、要注意です。

それは「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる細菌や食べかすが溜まったもの。この舌苔を放置しておくと、口臭や虫歯の原因になるといわれています。アーユルヴェーダでは、舌苔はアーマとして捉えられており、毒素なので取り除く習慣をつけることを推奨しています。

舌苔を取り除く方法として使うのが「タングスクレーパー」という舌磨き専用の道具です。

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商品名:銅製タングスクレーパー(舌みがき)
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歯ブラシなどでゴシゴシ取り除いてしまうと舌を傷つけてしまうので、タングスクレーパーで優しく取り除くようにしましょう。舌磨きは朝起きてすぐ、水や白湯を飲む前に行ないましょう。水分を取る場合は、舌磨きが済んだあとにします。

毒素排出に効果的なのは水より白湯?

朝寝起きに飲むのは、水ですか?それとも白湯ですか?アーユルヴェーダの食事法では、体温より低い食べ物や飲み物は避けるようにします。そして、寝起きの一杯でオススメするのは、白湯です。

アーユルヴェーダ式に作られた白湯は、毒素排出にも効果的。寝起きだけでなく、食事のときなどにあわせて飲むこともオススメです。先ほどご紹介した舌磨きのあとに白湯を飲むと、いつもと違って白湯そのものの甘みを感じることができますよ。

体を浄化してフラットな心身を保つ習慣を

ヨガを行なうにあたっても、健康な心身を保つためにも、常に正常な体を維持することが大切です。自分の体を浄化し、労わることはバランスの取れた心身を手に入れるための一歩です。今回ご紹介した浄化法は、今すぐ実践できるものばかりです。習慣的に行なうことで、穏やかで安定した心身を保つことができると思いますので、是非実践してみてください。

フリープランナー兼エディター。
2020年3月にインド政府公認校認定ヨガ指導者養成講座ヨガ哲学コース修了。ヨガ哲学に魅せられて、日々カルマヨガに専念しています。
「ヨーガ・スートラ」や「バガヴァッド・ギーター」を参考に、哲学や瞑想の視点から毎日の生活が楽しくなるヒントを伝えていきます。
マイブームはスパイスカレー作りとジャパ瞑想。
note: https://note.com/hurrytomo
twitter: https://twitter.com/tomokick_yogini