もくじ
長引く自粛生活で、いつもより料理に取り組んだ、新しいメニューに挑戦してみたという人は少なくないでしょう。
料理を専門的に行う人や趣味として極めている人は基本やセオリーが分かっていますが一般家庭などではもう少し手軽に、知識がなくても料理を楽しむことができます。
今回は、化学調味料を使わず素材の旨みだけで作る「知っておけば使える!」という味のモトのアイディアをご紹介します。
自宅でちょっと手の込んだ料理をしたい…。味のモトを手作りしよう
プロの料理人とまでいかなくても、家庭でいつもより手の込んだメニューを料理し、味わう時間は通常の食事よりもワクワクして楽しいものです。
さまざまなドレッシングや焼肉のタレ、麺つゆなど家庭ではとても便利で使いやすく、簡単でおいしくなるようにできています。
しかし、本当においしいお店などのレシピを見ると、中には調味料がこれだけ?とあまりにシンプルで驚くことが多々あります。
ちょっとしたひと手間をかけ、メソッドに沿っていればシンプルな調味料でも、自分自身の食の常識が変わるほどおいしいものが作れるかもしれません。
また、家庭で手軽に使うような調味料には添加物が含まれるものが多くあります。
なるべくナチュラルなものを取り入れたい人や、育児をしている人には添加物は特に気になるものでしょう。
ちょっと時間のある時に、化学調味料を使わないで済むような味のモトを作っておきましょう。
時間はそれなりにかかっても、ある程度放っておけるものばかりです。
たくさん作って冷凍しておけば通常の料理の際には時短でいつもよりおいしく、安心な食事ができますよ!
1.ソフリット
まずはソフリットといわれるものをご紹介します。
ソフリットはイタリア料理のベースとして使われる味のモトで、香味野菜をたっぷりのオリーブオイルでじっくり炒めたもの。
イタリア料理の場合はソフリットですが、スペイン料理であればソフレジと呼ばれ、フランス料理であればミルポワと呼ばれます。
使う野菜は人参・玉ねぎ・セロリの香味野菜が定番ですが、玉ねぎだけのソフリットなど、作るメニューによって使う野菜を選ぶシェフもいます。
基本的にじっくり1~2時間ほども炒めるので、手間がかかるのですが、ある程度炒めたら蓋をして蒸し焼き(蒸し煮)のようにしたり、オーブンに入れたりと作り方も自分の状況に合わせて楽に、簡単にすることが可能です。
じっくり熱が通された香味野菜は甘みがたっぷりで、コンソメなどの調味料を使う必要がなくなります。
ソフリット自体が料理のメインになることはありませんが、大さじ2程度(作るメニューにもよる)入れることでいつもよりおいしくなります。
ソフリットの作り方
【用意するもの】
- 人参
- 玉ねぎ
- セロリ
- オリーブオイル
- ローリエ
- 塩
作り方
- 香味野菜をそれぞれみじん切りにする。それぞれの分量は野菜それぞれ同量・多めのオリーブオイル。人参1本に対して100mlほど。
- 鍋にオイルと野菜を入れ、塩を少々ふり、中火で炒める。数箇所破ったローリエを入れる。
- 全体的に火が回ったら弱火にして蓋をする。焦げに気をつけて時々かき混ぜる(1時間半ほど)。
あとは小分けにして冷凍保存をすれば、料理の時に使いやすいです。
これはベーシックな作り方ですが、こんなに時間をかけられないという時は、ある程度火が回ったら蓋をしめて20分~30分ほど弱火で蒸し煮するのもOKです。
また、火が回ったら鍋ごとオーブンに入れ、1時間~2時間ほど熱を加えても大丈夫です。
使いやすい料理
- ボロネーゼ・魚介ラグーなどのパスタソース
- さまざまな煮込み料理
- カレー
- グリルしたお肉のソース(+ワイン・バルサミコ酢など)
2.セミドライトマト
次にご紹介するのはセミドライトマトです。トマトは生だとジューシーでフレッシュなおいしさを楽しめますが、ドライまたはセミドライにすると旨みが凝縮され、味にアクセントをつけてくれます。
また、煮込みなどある程度の時間火にかける料理だと生トマトが崩れてトマト煮になってしまいますが、ドライ・セミドライにしておけばくずれることなく、ソースの邪魔をしません。それでいて旨み凝縮です。
完全なドライトマトにするのは中々時間がかかるので、セミドライくらいだと気楽に作れるでしょう。
完全なドライであれば常温で保存できますが、セミドライだと水分が残るため常温保存できません。
セミドライにしたものをくっつかないようにジップロックに入れて冷凍保存、または保存容器にオリーブオイルとともに入れておけば、おいしいオイル漬けとなります。
使いやすい料理
- アクアパッツァ
- 刻んでチーズやバゲットにのせる(+オリーブオイル)
- バゲットサンドの具
- 煮込み料理
セミドライトマトの作り方
【用意するもの】
- ミニトマト
- 塩
作り方
- ミニトマトは横半分に切る。ヘタから下に切ると水分が均等に飛ばないため。
- トマトの切り口に塩を振る(水分を出す)。
- オーブンを90度~100度に余熱し、切り口の水分を拭き取る。
- 天板に切り口を上にしてトマトを並べ、90度~100度で2時間ほどオーブンにかける。途中での向きを変える。
- 水分量を見ながら、オーブンにかける時間を調節する。
冷凍する場合もオイル漬けにする場合も熱をさましてから保存工程へと移りましょう。
3.ブロード
最後にご紹介するのはブロードというスープです。固形コンソメがわりになり、とても優しく深い味わいになります。
スープやリゾットなど、洋風出汁として幅広く利用できるので、たくさん作っておいて冷凍しておくのがおすすめです。
使いやすい料理
- リゾット
- ミネストローネをはじめとするスープ
- ポトフ
- パスタソース(+クリーム・トマトなど)
野菜だけのスープ・鶏肉と野菜からとるスープなど素材で異なりますが、今回は利用しやすい鶏肉と野菜からとるブロードをご紹介します。
ブロードの作り方
【用意するもの】
- 鶏肉の手羽元 …8本~10本
- 人参(皮付き) …1本
- 玉ねぎ(茶色の部分も〇)…1個
- セロリ(葉も入れる)…10センチほど
- ミニトマト(ヘタも)…2~3個
- ローリエ(数箇所破る)…1枚
- クローブ …1個
- パセリの茎 …2~3本
- 塩 …適宜
- 水 …3000cc
作り方
- 野菜をザクザクと大まかに切る。
- 大鍋に水と鶏手羽を入れて火にかけ、アクをとる。
- 塩・野菜・ハーブやスパイス類を入れ、アクをとりながら40分ほど火にかける。
弱火にし過ぎず、常に小さめの泡がぶくぶくしている状態がポイントとなります。
味のモトがあればほとんど調味料いらず!
今回ご紹介したような自然の味のモトを利用すると、それまで当たり前のように使っていたさまざまな調味料を使わずに済むことに気づきます。
素材の持つ旨み、良質なオイル、塩とこれらの味のモトだけで充分においしく、それまでよりも深い味わいを感じられることでしょう。
ぜひ時間のある時にストックしておき、日常の食卓に使ってみてください。