もくじ
毎日おいしいものがたくさん食べられる現代生活。日本にいながら、世界中のグルメが楽しめるのはとても魅力です。
しかし、その一方で気になるのが栄養。多くの人が健康状態を気づかっていますが、意外と栄養素に偏りが生まれているものです。
今回は人間に必要な6大栄養素の役割と摂りづらい栄養素を補うための保存できるレシピをご紹介します。
体は食べたもので作られる
日本のかつての食事は現代からすると本当に質素なものです。
現代では食生活が非常に豊かになりましたが、欧米食がかなり浸透し、それによって炭水化物や脂質に比重のよりがちな食事内容になっています。
人の身体は食べるもので作られます。赤ちゃんの頃には綺麗な身体なのが、日々の食事や有害物質・添加物などによって少しずつ変化していきます。
若いうちはそれほど気にしないのですが、年齢を重ねるにつれてだんだん健康や身体の状態が気になってきます。
「まごわやさしい」を意識したり、野菜や魚を中心にしている、という人は少なくないでしょうが、きちんと日々の食事を記録していくと、気をつけていてもこれほど栄養素に偏りがあるのかと気づくでしょう。
栄養素は足りている?食事管理アプリで栄養素をチェックしよう
健康に気をつかっていても、栄養素まではそれほど考えていなかったという人は多いのではないでしょうか。
そう思った人は、ぜひ一度食事管理アプリを使ってみてください。
おすすめの食事管理アプリ
あすけん
ダイエット・食事管理アプリとしてとても有名な「あすけん」。
レコーディングダイエット目的でインストールする人が多く、毎食の食事やおやつ・アルコール内容などを入力すると、未来(みき)さんという女性がアドバイスをくれます。
運動も入力し、何をどれくらいの時間行ったかで、大体のカロリーを計算してくれ、ヘルスケアアプリとも連動できます。
1日の3食の食事を入力するとアドバイスがもらえるのですが、そこに炭水化物や脂質・たんぱく質など項目ごとに表示され、何が過剰で何が足りないのかがぱっと分かるのです。
無料版と有料版があり、有料版だとミネラルやカリウムなどの項目が増え、メニューレシピも入力できるのでおすすめですが、無料版でも充分利用価値の高いアプリです。
Lorraine(ロレイン)
もうひとつのおすすめアプリはロレインという栄養計算アプリ。こちらはダイエットというよりも栄養計算に比重のよったアプリです。
食事内容を入力するとそれぞれの栄養素を計算してくれ、あすけんよりも細かい成分表となっており、栄養士の勉強をしている人も多数使用していると多くのレビューが見られます。
6大栄養素だけでなく、もっと細かく栄養管理をしたい人にはとてもおすすめです。
ダイエットをするなら知っておきたいPFSバランス
PFSバランスとは、P(たんぱく質)・F(脂肪)・S(炭水化物)のバランスのことで、ダイエットや生活習慣病の予防のために食事内容を考える時に、栄養に偏りがでず健康的に体調管理するための考え方です。
ダイエットするためには、単純に摂取カロリーより消費カロリーを増やす・食べないというのが早いのかもしれませんが、それでは身体のバランスをおかしくしてしまいます。
そのような方法でのダイエットだと、筋肉が落ちてますます代謝が悪くなるため、適度にカロリーを摂り筋肉量を維持しながら痩せることが推奨されます。
生活習慣病予防のための適正と考えられるPFSバランスはたんぱく質・13~20%脂質20%・炭水化物50~65%とされます。
参考:https://melos.media/wellness/23200/
1日に必要な6大栄養素、役割と摂取量
それでは6大栄養素の役割と1日に必要な摂取量について解説します。
6大栄養素とは、炭水化物・脂質・たんぱく質という3大栄養素、ビタミン類・ミネラル・食物繊維です。
炭水化物の役割
炭水化物(糖質)は身体・脳にエネルギーを与える役割があります。
果糖・ブドウ糖などの単糖からできており、摂取するとするエネルギーとなってくれます。
血液中のブドウ糖が減ってくると、体内の筋肉や肝臓に少しだけあるグリコーゲンを使いますが、量が多くないのですぐ不足となり、とても疲れやすくなります。
炭水化物とは糖質なので、近年カロリーよりも糖質がダイエットには鍵!と過度な糖質制限を行う人もいますが、長期的だと身体に負担がかかります。
脳にもダイレクトに影響し、不足すると注意力が散漫になり、疲れて元気がなくなります。
必要な摂取量
炭水化物の1日に必要な摂取量は、1日に必要なカロリーの50%~65%ほど。
カロリーの総摂取量が1500カロリーであれば、750~975カロリーが必要です。1gで炭水化物は4カロリーなので、187.5g~243gの炭水化物という計算になります。
多く含まれる食品
- とうもろこし
- パン・米・麺類などの主食
- レーズン
- はるさめ
- 砂糖類
- 柿
参考:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tansuikabutsu.html
脂質の役割
脂質も炭水化物同様身体のエネルギーとなります。臓器を守り、細胞膜・核膜・ホルモンを構成し、寒さから守ってくれます。
ビタミンA・E・D・Kの吸収を促す役割もあります。
脂肪には「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」があり、飽和脂肪酸はバターやラードなどの動物性脂、不飽和脂肪酸はオリーブオイルや魚の脂などに含まれます。
脂質はDHAなど魚の脂やオリーブオイル・亜麻仁オイルなど良質な脂で摂りましょう。
飽和脂肪酸は摂りすぎに注意です。
必要な摂取量
脂質はカロリー総摂取量の20%~30%以内(飽和脂肪酸はそのうち7%以下)が1日に必要な摂取量です。
欧米食や外食が多い人は脂質の摂取量が自動的に多くなると考えられます。
オリーブオイルならいいかと思いそうですが、摂りすぎはよくありません。また、肥満傾向にある人も摂りすぎに注意が必要です。
多く含まれる食品
- さんまやいわしなどの青魚
- くるみなどのナッツ類
- 脂身つきの肉類
- バター
- オリーブオイルやえごま油
参考:https://www.orthomolecular.jp/nutrition/lipid/
たんぱく質の役割
たんぱく質もとても重要な栄養素で、身体の水分を除くほとんどのものがたんぱく質で作られています。
臓器や髪の毛や皮膚・爪・筋肉・骨を健康に保つためにはたんぱく質が必要で、男性の身体の16~18%・女性の身体の14~16%はたんぱく質でできています。
たんぱく質は一度にまとめて摂っても健康維持のために有効に使われないので、1日3食に分けて都度摂取するのがいいとされます。
不足とすると抵抗力が弱まり病気になりやすくなります。
参考:https://www.meiji.co.jp/meiji-shokuiku/know/know_milk/02/
必要な摂取量
たんぱく質の1日の摂取量は必要カロリー総摂取量の13%~20%とされており、成人男性は60g・成人女性は50gとなっています。
必須アミノ酸は体内で作り出せないので、9種類の必須アミノ酸がバランスよく摂れる良質なたんぱく質を摂りましょう。
多く含まれる食品
- 鶏のささみ
- 豚の赤身
- 牛肉の赤身
- かつおぶし
- うるめいわし
- しらす
- パルメザンチーズ
- 油揚げ
- たまご
参考:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/eiyouso/tanpaku-amino.html
ビタミン
ビタミン類は身体自体を直接作る栄養素ではありませんが、それぞれの栄養素が上手く働くようにする役割があります。
体内で作り出すことができないため、食品から摂取する必要があります。
ビタミンには水に溶ける水溶性ビタミンと脂に溶ける脂溶性ビタミンがあり、水溶性ビタミンは尿として排出されやすく、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されるという特徴があります。
水溶性ビタミンは日に何度か分けて摂取し、脂溶性ビタミンは脂と摂ると吸収が促されます。
ビタミン類は13種類もあり、それぞれで役割が異なり、摂取限度量や多く含まれる食品も変わります。
少量で体内の機能を潤滑にしてくれるものなので、バランスよく摂りたいものです。
参考:https://jp.glico.com/navi/dic/dic_14.html
ミネラル
ミネラルもビタミン類同様に、身体のバランスや機能を助けてくれる役割があります。
カルシウムや亜鉛・鉄・リン・ナトリウム・マグネシウム・銅・マンガンなどがミネラルに当たります。
ビタミン同様、少量で身体のバランスを補います。
参考:https://jp.glico.com/navi/dic/dic_05.html
食物繊維
炭水化物・脂質・たんぱく質が3大栄養素としてくくられ、それにビタミンとミネラルが入って5大栄養素といわれますが、食物繊維も身体の機能を維持するための必要な栄養素として、6大栄養素といわれます。
食物繊維には整腸作用やコレステロール濃度を下げる役割・生活習慣病の予防の効果があるとされます。
食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があり、水溶性食物繊維は水分を保つ時間が長く、不溶性食物繊維は蠕動運動を促進します。
便秘には食物繊維!といって不溶性食物繊維をたくさん摂ると硬くなったりコロコロの便を促進させるケースもあります。
必要な摂取量
成人男性の食物繊維の摂取量は20g以上、女性は18g以上とされていますが、近年不足している人が多く、摂りづらい栄養素といえます。
多く含まれる食品
- 玄米
- 蕎麦
- しらたき
- ライ麦パン
- かぼちゃ
- さつまいも
- 切り干し大根
- たけのこ
- ごぼう
- セロリ
参考:https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-001.html
摂りづらい栄養素を補うおすすめの保存食レシピ
栄養素をきちんとバランスよく摂りたいと思っていても、毎日充分に摂るためにあれこれと用意しなくてはいけない…料理の手間もかかるし…。
そんな時、摂りづらい栄養素を補充するための保存できるおすすめメニューをご紹介します。
一度に作っておけば、足りない時に補うことができてとても便利です。
たんぱく質
レンズ豆と鶏のささみのマリネ
【用意するもの】
- レンズ豆 …200g
- 鶏のささみ …1パック
- 玉ねぎ …半分
- セロリ …1/3ほど
- 白ワインビネガー …大1~2
- レモン汁 …少1
- オリーブオイル(E.V.)…大3
- 塩コショウ …適宜
作り方
- レンズ豆は軽く洗って汚れを落とし、沸騰した湯に入れて茹でる。
- ささみは耐熱皿に入れ、お酒(分量外)をふりかけラップをして、2分~3分ほどレンジにかける(火が通るまで)。
- 玉ねぎとセロリはみじん切りにする。
- 茹で上がったレンズ豆は水で冷ます。
- 水分をよくきったレンズ豆・ささみ・野菜にビネガー・オイル・レモン汁を入れてよく混ぜる。
- 冷蔵庫で2時間ほど休ませる。
残った分は冷凍しておきましょう。
鉄分
大豆の味噌煮
【用意するもの】
- 乾燥大豆 …200g
- 味噌 …大1~
- すり胡麻 …大1~
- しょうゆ …適宜
- みりん …適宜(しょうゆ:みりん→1:2)
- ごま油 …適宜
- 大豆の茹で汁 …適宜
作り方
- 大豆は一晩たっぷりの水に漬けておく。
- 漬け汁ごと火にかけ、アクを取りながら柔らかくなるまで茹でる。
- 茹で上がった大豆の水をきり、茹で汁はとっておく。
- 鍋にごま油をいれ、大豆を炒める。
- しょうゆとみりんを1:2になるように入れ、茹で汁をひたひたになるくらい入れ、煮る。
- 水分が減ってきたら味噌とすり胡麻を味をみながら入れる。弱火で。
ビタミンA
目の粘膜や皮膚を保護する働きのあるビタミンA。鶏レバーにはビタミンAが豊富に含まれますが、一かけで1日の必要摂取量をカバーしてくれます。
大量に食べず、1かけ分ずつ毎日食べましょう。一度作れば冷蔵庫で1週間は持ちます。
鶏レバーのワイン煮
【用意するもの】
- 鶏レバー …250gほど
- 生姜 …80gほど
- 赤ワイン …200cc
- にんにく …1片
- はちみつ …大1
- しょうゆ …大1.5~2
- 塩 …少々
作り方
- レバーを下処理する。ハツ部分と分けて適度な大きさに切り筋や血を除く。水をはったボウルの中にレバーを入れ、同じ方向にかき回し血の塊を出す(何度か繰り返す)。臭みが気になる人は牛乳に漬けて、10分ほどたったら水で流し、水気をふく。
- 鍋にレバーを入れ、しょうがをその上にしき、赤ワイン・にんにく・はちみつ・しょうゆ・塩を入れて火にかける。
- 沸騰したら中火で、アクを取りながら水分をある程度飛ばす。20分ほど、水分が少し残るくらい。
ビタミンB1
糖質からエネルギーを生産し、粘膜や皮膚を保護する役割のビタミン B1。
効率的に摂取するには豚肉の赤身(ヒレ)が特におすすめです。
豚ヒレ肉の味噌漬け
【用意するもの】
- 豚ヒレ肉 …適量
- 味噌 …適量
- みりん …適量
作り方
- 味噌をみりんでのばし、適度なゆるさ(胡麻しゃぶのタレくらい)にする。
- 豚ヒレ肉に1をぬり、ラップをする。
- 使わないものは冷凍保存にする。
- 30分ほど冷蔵庫で置いたら、ホイルにのせ、きのこや野菜など好きなものをのせ、ホイルを閉じて弱火で焼く(途中で一度ひっくり返す)。
食物繊維
きのことごぼうのオイル漬け
【用意するもの】
- きのこ類(好きなもの)…作りやすい量
- ごぼう …1~1.5本
- オリーブオイル …保存容器に合わせる
- 塩 …適宜
- にんにく …半かけ
- ローリエ …1枚
作り方
- きのこに塩をふり、オイル(分量外)で炒めてしんなりさせる。
- ごぼうは食べやすい大きさにカットし、火が通るまでオイル(分量外)で炒める。
- 粗熱がとれたら、容器にきのことごぼうを入れ、オリーブオイルを浸かるくらい入れる。
- にんにくをスライスし、ローリエとともに入れる。
栄養素バランスをよくすると排便の質も変わる
アプリなどで栄養素が適正になるように管理をし、その生活を日常的に続けていると、排便の様子も変化があることを実感するでしょう。
必要な栄養素をきちんと摂ることで、変化を一番感じられるのはもしかしたら排便かもしれません。
毎日きちんと管理するのはそれなりに大変かもしれませんが、身体が正直に応えてくれることはモチベーションへと繋がります。