月経血コントロールとは?メリットとやり方を紹介!ナプキン要らずで身体に優しい暮らし。

ナプキンが日本の市場に出回る以前の女性は月経を自分のコントロールしていました。生理用品が充実している現代と昔の女性の違いの一つは「骨盤底筋」の強さ。骨盤底筋を鍛えることで月経を自分でコントロールする「月経血コントロール」に導いてくれます。

「月経血コントロール」とは

生理用品が要らない?月経血コントロールとは

「月経血コントロール」とは、自分自身で月経の経血をコントロールすること。もう少し詳しく言うと、経血をトイレで排泄することです。

「生理用ナプキン」が日本に登場したのは、第二次世界大戦が終戦してから16年後の1961年に発売された「アンネナプキン」が最初。つまり生理用ナプキンが世の中に出回るまでの女性は、タンポンにもナプキンにも頼っていなかったということ。和紙や脱脂綿を利用しながらも月経血コントロールをして生理期間中を乗り切っていたとそう。

骨盤底筋を知ろう

月経血コントロールをする上で知っておきたいのが「骨盤底筋」です。骨盤の底(恥骨、尾骨および坐骨の間)に位置する筋肉の総称のことをそう呼びます。

骨盤底筋は、骨盤内にある膀胱や子宮、直腸などの臓器を正しい位置に保ったり、尿道を締めて尿漏れを防ぐ重要な役割を担っています。そして、月経血コントロールの際はこの骨盤底筋が働くことによって、経血を膣の中に溜めることができるんです。

妊娠や出産、加齢によって女性は骨盤底筋が衰えやすい他、昔の女性に比べて歩く機会や力仕事が少ないことも骨盤底筋を緩める原因にもなっています。

月経の悩みを解消できる?メリットとは?

月経と言えば、女性にとっては憂鬱なものの一つとして挙げられるかもしれません。自律神経が乱れイライラしたり悲しくなったり、生理痛で身動きが取れずに苦しんだり、心身以外にも、「漏れていない?」、「臭いは大丈夫?」などと悩みや不安を抱えている女性が多くいます。

上記のような悩みが解消されるのが「月経血コントロール」です。月経血コントロールには様々なメリットが期待できるんですよ。

1. 月経痛が軽くなる

月経血コントロールをできるようになると、女性の多くが抱えている「月経痛」の軽減が期待できます。月経痛の原因には、冷えやストレスなどが挙げられますが、その他にも女性ホルモンのバランスが崩れていることが挙げられます。

エストロゲンとプロゲステロンという2つの種類の女性ホルモンは脳の司令によって、卵巣から分泌されます。骨盤底筋が緩み骨盤の位置がズレることによって、骨盤底筋の中にある卵巣の位置がズレることが考えられています。卵巣がズレることによって、女性ホルモンの分泌に支障が生まれ辛い生理痛に繋がることも。

2. 膣内に経血を溜めるので臭いや漏れが気にならない

生理用ナプキンを利用すると臭いや漏れが気になるという方も多くいます。特に月経1日目〜2日目などの多い日は、何度も何度も変える必要が負担も大きいですよね。

月経血コントロールは、タンポンや経血カップのように膣内(体内)に経血を溜めておくため、臭いが気になりません。

月経血コントロールをスタートした初期の頃はコツが掴めず漏れることもありますが、自分でコントロールできるようになると漏れも気になりませんよ。

3. 姿勢改善

月経血コントロールを実践できているということは、骨盤底筋が上手に使えているということ。つまり骨盤が正常な位置のため、猫背や反り腰など歪んだ姿勢を改善することができます。

4. 尿もれ防止

出産を経験した女性や加齢によって尿もれに悩むという方も多くいますよね。尿もれの原因として考えられる代表的なものとして、骨盤底筋が緩んでいるということが考えられます。

5. ゴミの削減で地球にもお財布にもエコ

使い捨てナプキンやタンポンに頼らないで、自分で月経血をコントロールできるようになると地球にエコロジー(環境的)で、お財布にエコノミー(経済的)です。個人差はありますが、1回の月経で使用する生理用ナプキンの数は平均で20枚〜22枚と言うデータがあります。

閉経に向けて加齢とともに経血量は減少しますが、毎月20枚前後の生理用ナプキンを毎月使っては捨てるということを繰り返す女性が一人でも多ければ多いほど、ゴミの削減に繋がりますよね。また生理用品にかける出費も当然ながら押さえられるため家計に優しいです。

月経血コントロールのやり方

準備するもの

価格12,000円(税込)

メイドインアース オーガニックコットン 布ナプキン 基本8点セット

普段、ナプキンやタンポンなどの生理用品を利用している方が「月経血コントロール」を実践しても、いきなり完璧にはできません。月普段の日常生活で意識して使っていない方も多い「骨盤底筋」を使うコツを掴むまでに個人差があります。経血コントロールをマスターするには、3ヶ月から6ヶ月程度かかる方が大半。

慣れない内は「布ナプキン」を用意して下さい。

肌や健康のために良いことはもちろんのこと、最近の使い捨て生理用ナプキンは吸水性に優れているので汚れても快適なものも多くあります。より自然に近いものの方が、「月経血コントロール」の感覚を早く掴むのにおすすめです。

やり方

  1. 布ナプキンをセットし実生活をする
  2. 経血が来るなと思ったら、尾骨をたくし込みお尻をキュッと締めて骨盤底筋をアクティブにする
  3. トイレに行って排泄をする

押さえておきたいポイント

骨盤底筋を使っている時は、全身に力を入れるのではなくむしろリラックスした状態が理想的です。はじめは1時間や2時間と時間を決めてトイレに行き、溜まった経血を腹圧をかけながら尿を出します。

骨盤底筋を鍛えて月経血コントロールを目指そう

骨盤底筋とヨガ

ヨガの世界では骨盤底筋を使うことを、「ムーラバンダ」と呼びます。「ムーラ」は根っこ、「バンダ」は締めるという意味を持つサンスクリット語です。

バンダの種類はムーラバンダ以外にも9つの種類があり、特定の身体の部位を締め付けることで、生命エネルギー(プラーナ)を外に逃さないように体内にとどめ、循環・コントロールしながら、よりエネルギーを高めていくテクニックです。

ムーラバンダ(骨盤底筋を使うこと)をすることによって、ヨガのアサナ(ポーズ)が安定し、ポーズの効果をより期待できるようにもなります。

骨盤底筋が鍛えられるヨガのポーズ 

山のポーズ

立位の基本中の基本ポーズである「山のポーズ」。ただ立っているように見えますが、細かいところに意識を向けることで、だらんと力が抜けやすいお腹周りにもアプローチできます。

山のポーズで特に意識を向けたいのが骨盤底筋と腹横筋です。尾骨を恥骨に近づけてたくし込みお尻をきゅっと締めるようにすると骨盤底筋が使えています。腹横筋は、肋周りにコルセットをまいているようにおへそを背中に近づけることでアクティブになっています。

山のポーズはポーズとしてでだけでなく、普段の生活の中でも実践できるポーズです。

戦士のポーズ2

「戦士のポーズ2」で骨盤底筋を使うことによって、ポーズの安定性が生まれます。逆に骨盤底筋を使えていないと、バランスを取ることができなかったり、背筋が伸びずに最悪の場合腰痛を引き起こしてしまうことも。

戦士のポーズ2のポーズをとったら、おへそを背中に引き寄せます。骨盤底筋がしっかり使えていないとお尻が出てしまい、上半身が前かがみ気味になります。お尻をしっかりとしまい込むイメージでポーズを取るのがポイントです。

戦いをやめた戦士のポーズ(リバース・ウォーリアー)

戦士のポーズ2同様に骨盤底筋を使うことによって、下半身が安定し、上半身が気持ち良く伸ばすことができるのが「戦いをやめた戦士のポーズ(リバース・ウォーリアー)」。

戦士のポーズ2同様に、お尻をしまい込むように意識することがポイント。お尻をキュッと引き締めて、どっしりとした土台を安定させて上半身を気持ちよく伸ばしていきましょう。

三角のポーズ

「三角のポーズ」でも骨盤底筋を使います。安定性がまし、股関節周りが気持よく伸び腰痛改善などに繋がります。

上記の戦士のポーズ同様に、骨盤底筋が使えていないとお尻が出やすいのでお尻をしまい込むように意識して下さい。背中側に壁があることをイメージして、その背中に方とお尻をピッタリつけるようにするのが骨盤底筋がしっかり使えている完成形の三角のポーズです。

女神のポーズ

「女神のポーズ」では、楽な姿勢を取ろうとしてお尻が出っ尻になりやすい方が多いですが、これはNG。骨盤底筋がしっかりと使えていない上に、腰痛の原因になりかねません。尾骨をたくし込んでお尻をしまい込んで下さい。お腹まわりや太もも周り(特に内転筋)がキツいと感じるかもしれませんが、身体の筋肉を均等にしっかりと使えている証拠です。

花輪のポーズ

「花輪のポーズ」では尾骨をたくし込んで骨盤底筋を使うことよって、股関節周りが気持ちよく伸びストレッチを感じることができます。逆に骨盤底筋が使えていないと、股関節のストレッチも感じずポーズを保持することも難しく感じます。

月経血コントロールで地球にも自分に優しい月経ライフを送ろう!

現代の女性は、昔の女性に比べて月経の回数が増えたと言われています。もちろんそれは個人差があることではありますが、月経回数が増えたと言うことは、多くの女性がその分負担や不快と感じる機会が増えていると言うことではないでしょうか。

たかが数日ではありますが、それでも毎月のお付き合いである月経。我慢せずに、面倒くさいと感じることもなく、快適に過ごしたいですよね。

シンガポール在住8年フリーランスライター・ヨガインストラクター (全米ヨガアライアンスRYT200保持)。
WEBメディアを中心にライフスタイル、トラベル、ヘルスケア、エコについての執筆を手掛けながら、トレンドを取り入れつつそれぞれのニーズに合ったヨガクラスを当地で開催。
東洋と西洋の文化が集まるシンガポールからヨガや健康、ロハスなライフスタイルなど海外のトレンドをお届けします。
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