ヨガの月礼拝とは?心身ともに鎮静させる、寝る前にぴったりのヒーリングプログラム!

ヨガに太陽礼拝という一連のプログラムがあることは多くの人が知っているでしょうが、月礼拝というものもあることをご存知ですか。ここではヨガの月礼拝の効果やポーズの流れについて解説します。

月礼拝とは太陽礼拝と対になるヨガプログラム

まず最初に月礼拝とはどのようなヨガなのでしょうか。

月礼拝とは

月礼拝は、しなやかで伸縮性のある女性らしい筋肉を作ることのできるヨガで、ポーズとしては横運動が多いの点が特徴です。

ヨガが発祥したころ、ヨガは修行僧である男性のためのプログラムでした。しかし時代の変化とともに、女性もヨガに取り組むようになり、その女性の心身に好影響を与えるために開発されたのが、月礼拝なのです。

ですから、月礼拝には毎月の生理や出産に効果のあるポーズが多く、生理、出産のつらさを緩和すると言われています。

月礼拝は肉体と精神の鎮静プログラム

月礼拝と対になるプログラムが太陽礼拝です。

太陽礼拝はアメリカで非常に盛んなプログラムですが、これはアメリカの競争社会で生き残るための肉体的、精神的エネルギーをヨガによって獲得しようとしているからだという見方もできます。つまり太陽礼拝は身体にエネルギーを充填し、筋肉を強化するプログラムなのです。

言ってみれば太陽礼拝は「高揚(発熱)プログラム」だと言えます。

 一方で月礼拝は、疲労やストレス、あるいは交感神経優位な興奮状態を鎮静化し、過剰に発生しているエネルギーのバランスを整えるプログラムです。その意味で月礼拝は「鎮静のプログラム」だと言えるでしょう。

「太陽礼拝」との違いとは?

また実際の身体の動かし方も、太陽礼拝と月礼拝は異なります。

身体を上下に大きく動かす太陽礼拝は、力強く「男性的」な動きだと言えるでしょう。胸郭を開き、呼吸を深めながら体を動かすことで、身体の細胞を目覚めさせる効果があります。同時に筋肉を使うため、代謝が上がり、ダイエット効果も生まれます。さらには脳がクリアになり、集中力がアップします。

その意味で、太陽礼拝は朝行うのにふさわしいプログラムだと言えるでしょう。

これに対して月礼拝は左右に大きくゆったりと身体を動かすもので、ゆるやかでやさしい「女性的」な動きだと言えます。あまり大きく体を動かさず、丁寧に身体を解放させていく月礼拝は、自分の身体や心の変化を受け止める柔軟な状態を導き、心身のバランスを改善させます。

特に月礼拝は興奮状態にある神経を鎮静化させ、上がりすぎたエネルギーを静かにさせますので、1日の締めくくりの夜、寝る前などの行うと、ゆったりと深い眠りを得ることができます。

月礼拝の効果とは?

では月礼拝をおこなうとどのような効果が得られるのでしょうか。

骨盤の位置を矯正する

月礼拝は骨盤の周辺部分を大きく動かすため、位置がずれて歪んでいる骨盤を、正常な位置へと矯正する効果を持っています。骨盤周辺のこわばった筋肉がをほぐれるために血行が改善し、むくみがとれ、生理痛が緩和する効果的があります。

身体のリズムを正常化させる

ご存知のように月の満ち欠けは28日間で、生理の周期と同じです。月という言葉に象徴されるように、月礼拝は毎日の肉体的精神的ストレスで狂ってしまった身体のリズムを正常化してくれます。

精神のリズムを安定化させることは、ホルモンバランスを整えることにもつながるので、妊活に効果的だともいえます。

副交感神経優位に

心身のリズムが整うと、身体も心もリラックスし、自律神経のうち副交感神経優位の状態になります。副交感神経が優位になると、血流がよくなり、心拍数が下がります。同時に胃腸の動きも改善され消化活動が活発化し、さらには脳の働きも血流の改善でクリアになります。

ダイエット効果も期待

副交感神経が優位になると、身体の筋肉が緩み、筋肉によって押さえつけられていた血管が解放されるので、血流がよくなります。すると代謝が活発になり、蓄積された脂肪が燃焼しやすくなるので、ダイエットの効果も生まれます。

さらに胃腸の動きも改善するため、腸内環境がよくなり、便秘も解消し、この点でもダイエット効果が期待できます。

月礼拝の具体的なポーズや一連の動きについて

では月礼拝はどのように行ったらよいのでしょうか。具体的に1つ1つのポーズを流れを追って解説します。

1. 山のポーズ

まっすぐに直立し、両足裏に均等に体重をかけます。肩の筋肉をリラックスさせ、胸の前で手のひらを合わせ、目を閉じてゆっくり腹式呼吸を行います。

2. 立位の三日月のポーズ

息を吸いながら、両手を天井に回しながら上げ、頭の上で手を合わせます。次に息を吐きながら腰を支点に身体を右側へ倒します。体側をゆっくり伸ばした後、身体をもとに戻し、反対側も行います。

3. 女神のポーズ

右足を大きく横に1歩広げ、両方のつま先を斜め45度外側に開きます。息を吐きながら、ひじと膝を直角に曲げます。膝をしっかりと曲げることで、腰が深く沈むはずです。

4. 三角のポーズ

息を吸いながらひじと膝をゆっくり伸ばし、両腕は真横に床と平行に伸ばします。右のつま先は90度外側、左のつま先は45度内側です、息を吐きながら、上体を右側に動かし、真横にゆっくりと倒します。視線は左の指先です。この時身体の左側の体側がしっかりと伸びているはずです。

5. 脇腹を強く伸ばすポーズ

息を吐くスピードに合わせて左手を降ろし、両手を腰にあてます。おへそを右ももに向けるつもりで身体をねじります。骨盤の位置が床と平行になるようにしましょう。

6. 三日月のポーズ

両膝を曲げて両手を床につけます。左足を大きく後ろに伸ばし、左足の甲と膝を寝かせます。右足はかかとの上に膝がくるように曲げます。息を吸いながら両手と上体を床から持ち上げ、視線は斜め上に向けます。左足の付け根が伸びていればOKです。

7. サイドランジ(深い伸脚)

 

両手を下げ、身体を左に向けます。右のかかとをマットにつけます。左足を真横に伸ばします。指先は軽く床につき、左の内もものが伸びていること、背筋が伸びていることを確認します。

8. 花輪のポーズ

つま先と両膝を斜め45度外側に向けます。腰を落とて胸の前で手を合わせ、膝の内側を両ひじで押します。息を吐きながら肩の筋肉をリラックスさせ、背筋と首筋を伸ばします。

9~15 繰り返し

ここまでが1クールで、以降はここまでのポーズを繰り返します。ただし、右足を伸ばしたポーズをとっていたら、今度は左足を伸ばすというように、左右を逆転させて行います。ポーズの順序は以下の通りです。

    • サイドランジ(深い伸脚)
    • 三日月のポーズ
    • 脇腹を強く伸ばすポーズ
    • 三角のポーズ
    • 女神のポーズ
    • 立位の三日月のポーズ
    • 山のポーズ

動画でも月礼拝をチェック

こちらの動画から、全体の月礼拝の流れをご確認いただけます。しなやかで女性的な流れる動きは思わずため息が出てしまいます。

まとめ

いかがですか。

頭と身体がしゃきっとして1日を過ごすパワーを心身に満たす太陽礼拝に対して、月礼拝は1日の活動で疲れた心身を、元の状態にリセットしてくれるプログラムです。ですから、寝る前などに行って、1日の心身のストレスをしっかり解放してあげるために、月礼拝を取り入れてみましょう。

旅、蕎麦と酒(全ジャンル)、落語、そして猫をこよなく愛する大阪在住ライターです。
最近は肩こりがさらにひどくなり、デスクでPCに向かいながら上半身ヨガで何とかしのいでいる日々。
しかしそのおかげで左半身のだるさが取れました!