もくじ
DHAには細胞膜を柔らかくする効能が
人間は何十兆個もの細胞から成り立っていますが、その1つ1つの細胞はすべて細胞膜という膜で覆われています。DHAにはその細胞膜を柔らかくする効果があり、そこからさまざまな効能が生まれています。
DHAで細胞膜が柔らかく
DHA、EPAは「細胞膜の流動性を高める」と言われています(※)。細胞膜の流動性とは簡単にいえば「柔らかさ」です。細胞膜が柔らかくなるということは、すなわち細胞自体が柔らかくなるということです。
※参照元:精神神経学雑誌
細胞膜が柔らかくなるとどのようないいことがある?
細胞膜が柔らかくなると以下のように身体にとってさまざまな良いことが発生します。
頭の回転が速くなる
DHAが脳の細胞を柔らかくすると、情報の伝達性がアップし、さらに脳の神経を活性化させます。脳の神経が活性化すると、学習機能がアップするので、頭の回転が速くなったり、記憶力が向上したり、集中力が上がったり、さらには判断力が研ぎ澄まされたりします。
DHAが最初に注目されたのは「頭がよくなる栄養素」ということでしたが、この効果は以上のようなメカニズムからもたらされていたのです。
特に実験で証明されているわけではありませんが、欧米では「日本人の子供の知能指数が高いのはDHAを含んだ魚を食べているから」と言われています。
血液がサラサラに
血液の赤血球の細胞の膜が柔らかくなると、血液自体の粘度が下がり、サラサラになります。サラサラになった血液は固まりにくいので、多くの病気をもたらす血栓の発生が防げます。
中性脂肪が減少する
人間が食品を通じて体内に入れた栄養は、通常であれば分解されて、生きるためのエネルギーになります。
しかしその栄養の量が過剰な場合、あるいは運動量が少なくてエネルギー消費自体が少ない場合は、摂取した栄養は余ってしまい、余った栄養は肝臓で中性脂肪に変換され、体内に蓄積されます。これが肥満です。
これに対してDHAには肝臓での中性脂肪合成を抑制し、さらに肝臓で生成された中性脂肪が血液中に分泌されことを抑えるため、血液中の中性脂肪が減少します。また脂肪の蓄積が減るので肥満も解消されます。
動脈も柔らかく
DHAは赤血球の細胞膜を柔らかくすると同時に、血液が流れる動脈自体の細胞膜も柔らかくします。したがって動脈の弾力性が保たれ、動脈硬化を防いでくれます。
血圧が下がり、脳梗塞の心配も減る
血液の粘度が下がり、中性脂肪も減って血液がサラサラになり、さらに動脈も柔らかくなると、血行が良くなるため血圧が下がります。また血液も固まりにくくなるため、血栓の発生が抑制され、血栓が原因となる脳梗塞や心筋梗塞も予防できます。
血行が良くなってシミが薄くなる
血行が良くなると、新陳代謝も活発になります。肌に新陳代謝の活性化がもたらされれば、肌表面に沈着したシミが分解されて、肌の外へ排出されることを促進するので、シミが薄くなります。
さらに古い皮膚細胞が剥がれ落ち、新しい細胞が生まれるターンオーバーも正常化するので、ニキビやくすみも解消されます。つまりDHAは美肌をもたらす効能もあるのです。
視力がよくなる
DHAは脳の細胞だけではなく視神経の原料でもあります。DHAを摂取して視神経の量が増えると、視覚情報が速く、そして明確に脳まで伝達されるので、視力がアップし、目のかすみなどが防げます。
DHAには大腸がんを予防する効能が実験で証明
またDHAは大腸がんを予防するということも実験で分かってきています。
米国ハーバード大学が行った研究発表では、DHAを含んだオメガ-3を中心にした食生活を送ることで、大腸がん患者の寿命が延びる可能性があるとされました(※)。
その実験とは、51,529名の40歳から75歳の男性医療従事者を対象にした大規模なもので、2年ごとの病歴や生活習慣を詳細なアンケートで取ったというのがその方法です。
その結果、オメガ-3を含む食事を摂っている頻度が高い人ほど大腸がんによる死亡の割合が低いことが判明したのです。
具体的には、1日のオメガ-3の摂取量が0.1g以下の人に対して、最低でも0.3g以上を摂取しているた人の方が、大腸がんによる死亡リスクは41%低かったというものです。つまりDHAを摂取することで大腸がんの発症リスクが下げられるということです。
※参照元:FRONTEOヘルスケア
DHAでアレルギー緩和を証明する実験も
またDHAには花粉症などのアレルギーを緩和する効能もあるとされていますが、これも実験で証明されました。
その実験とは、東京大学の嶋中特任教授など、多くの大学教授や講師が参加したものを2017年に国立研究開発法人日本医療研究開発機構が発表した内容です(※)。
この実験は人間ではなくマウスを使ったもので、オメガ-3を摂取したマウスは、摂取していないマウスに比べて、アレルギー反応を抑制するマスト細胞の働きを活性化させるという結果でした。
つまりDHAなどのオメガ-3を摂取すれば、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状が緩和されるということが分かったのです。
※参照元:国立研究開発法人日本医療研究開発機構
まとめ
いかがですか。
今まで知らなかったDHAの効能が実は非常に多岐にわたっているということがわかって、驚かれたのではないでしょうか。
また、EPAに比べてDHAは実験で証明されていないという記事もよく見かけますが、実際には最新の医療情報ではそのようなことはなく、どんどんDHAの効能が明らかになっているということもお分かりいただけたでしょう。
DHAはそれでもまだまだ解明途上の栄養素ですが、人間の健康や美肌に対する幅広い効能を持ったものであることは明らかです。ですから、青魚やアマニ油、あるいはサプリメントなどで積極的に摂取して、健やかな日々が送れるようにしましょう。
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