高血圧にも中性脂肪にも血液サラサラにも。DHAとEPAは毎日摂取したい!必要摂取量と摂り方について

DHAとEPAという栄養素は昨今非常に注目されています。特にこの2つは、脳梗塞や心筋梗塞などを招く血液ドロドロ状態をサラサラにしてくれるということで、いろいろな方法で摂取する人が増えています。しかし、そもそもDHAとEPAとはどういうもので、血液サラサラのほかにどのような効果があるのかまで知っている人は少ないのではないでしょうか。そこでここでは、DHAとEPAの詳しく解説していきます。

そもそもDHAとEPAとはどういうもの?

まず最初にDHAとEPAとはどういうものなのかを解説します。

DHAとEPAは必須脂肪酸の一種

DHAとEPAは必須脂肪酸というものの一種です。必須脂肪酸とは油の中に含有されている栄養素で、人間の身体の細胞膜やホルモンの原料であり、したがって身体のほぼ全ての機能に関与しているために「必須」なのです。

その必須脂肪酸には「オメガ-6」と「オメガ-3」があります。

オメガ-6の代表的なものはリノール酸です。このオメガ-6からはガンマ・リノレン酸やアラキドン酸といったものが生成されます。一方でオメガ-3の脂肪酸の代表的なものであるアルファ・リノレン酸リノレン酸からはEPAやDHAが生成されます。

オメガ-3はオメガ-6を作れず、逆もできません。したがって、オメガ-3とオメガ-6はそれぞれをバランスよく摂取することが必要です。

必須脂肪酸が不足すると?

このオメガ-3とオメガ-6のうち、オメガ-6は普段の食生活で十分以上に摂取できていますが、オメガ-3は不足しがちです。

このオメガ-3が不足すると、皮膚トラブル、頭痛、慢性疲労、集中力不足、出血やむくみ、不妊、流産、腎不全などが起こるとされています。

特に砂糖、カフェイン、アルコールを過剰に摂取したり、食物、水、空気中の環境汚染物質が体内に取り込まれると、必須脂肪酸は不足します。

EPAとは

このDHAとEPAのうち、EPAは血栓の予防や高脂血症の改善をする効果がある必須脂肪酸で、その結果動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞を防いでくれます。

DHAに比べてEPAは研究が進んでいるので、EPAの純度がほぼ100%の医薬品も開発されています。

DHAとは

DHAは1980年代に脳に豊富に含まれている栄養素だと話題となって、その結果「頭をよくする栄養素」として有名になりました。しか実際には研究的には未解明の部分が多く、EPAのような医薬品は開発されていません。

EPAとDHAの違いは?

このEPAとDHAの違いは何なのでしょうか。

上で書いたようにEPAについては十分に研究され、DHAはまだ未解明な部分が多いというのが最大の相違点です。分かっているのは、EPAは赤血球を柔らかくし血液をサラサラにすることが実験で判明しているのに対し、DHAではEPAほどの血液サラサラ効果が得られなかったという点です。(※)

※参照元:ニッスイ

ただし、DHAが脳や神経に存在し、母乳にも含まれていることはわかっています。

ここから推測すると、EPAは成人が生活習慣病の予防のために摂取するのにより適しており、一方DHAは乳幼児に摂取に向いているということです。

DHAとEPAの効果とは?

ではDHAとEPAにはどのような効果があるのでしょうか。科学的には未解明であっても、一般的に言われている効果も含めてご紹介します。

DHAの効果とは?

まずDHAの効果は以下の通りです。

脳の働きの活性化

脳の働きは、主に神経伝達物質の過多に左右されます。DHAは脳内の神経伝達細胞であるシナプスの原料であり、同時に神経伝達細胞を活発化させるので、DHAを摂取すると脳の働きが活性化します。

中性脂肪の減少

人間の摂取した栄養素は体内で分解されてエネルギーになります。しかし、エネルギー消費が少ない場合、あるいは栄養が過剰な場合は、残った栄養素は肝臓で中性脂肪に変換され、体内に蓄積されます。

DHAは、肝臓での中性脂肪合成を防ぎ、同時に肝臓から血中に中性脂肪が分泌されることを抑制するので、血液中の中性脂肪を減少させます。

血液サラサラ効果

DHAは、ドロドロの血液の原因である中性脂肪や血中コレステロールを減少させます。またEPAほどではありませんが、赤血球を柔らかくするので、血液がサラサラになります。

動脈硬化による脳梗塞、心筋梗塞の予防

DHAは血液をサラサラにするので、血管内に血栓が発生することを防ぎます。血栓は、動脈硬化、高血圧、高脂血症、脳梗塞、心筋梗塞などの直接的な原因になるものなので、DHAはこれらの症状の発生を予防します

アレルギー症状の緩和

DHAは、ロイコトリエンというアレルギー関連物質の発生を抑えるので、アレルギー症状を緩和させます。

視力の改善

DHAは、脳の細胞のほか、網膜や視神経などの原料にもなります。したがって、DHAを摂取すると視覚からの情報が脳にスムーズに伝わるため、視力が改善すると言われています。

ガン予防効果も注目の的

DHAは血管細胞の増殖を抑制させるため、ガン細胞の増殖や発生、さらにはガン細胞の成長や転移も予防すると言われています。

EPAの効果は動脈硬化の予防

一方でEPAには以下のような効果があります。

血液がサラサラに

1つはEPAは血中コレステロールを低下させ、同時に赤血球を柔らかくするので、その結果血液がサラサラになるという効果です。

動脈の弾力も維持

EPAは赤血球の膜を柔らかくするだけではなく、動脈の細胞膜も柔らかくします。したがって動脈の弾力性を保つ効果もあります。

DHAとEPAはどのようにして摂取したらいいの?

ではDHAとEPAはどのように摂取したらよいのでしょうか。

必要摂取量は?

まずDHAとEPAは1日にどれだけ摂取することが必要なのでしょうか。

厚生労働省の発表した「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、オメガ-3の1日の摂取目安量は、成人男性の場合2.0g~2.4g、成人女性で1.6g~2.0gとされています。

日本人の食事摂取基準(2015年版)

オメガ-3の中にはα-リノレン酸、EPA、DHAなどが含まれますが、このうちDHAとEPAの明確な必要摂取量は提示されていません。しかしおおよそで言えば、それぞれの合計で1日1gの摂取を目指すのがよいでしょう。

食事で摂るなら魚を選択

DHAとEPAを効率的に摂取するためには何といっても魚を食べることがおすすめです。

たとえば、サバであれば可食部100gあたりDHAは970mg、EPAが690mg含まれています。イワシであればDHA870mg EPA780mgです。

これに対して、牛モモ肉ではDHAはわずか1mg、EPAは4mgしか含まれていません。

ですから、血液サラサラのためには魚を食べることがベストなのです。

ただし調理をするとDHAとEPAは減少してしまう

ただしDHAとEPAは加熱すると減少してしまうという特性があります。生魚のDHA量を100とすると、焼いてしまうとそのDHAの量は80、揚げると50になります。EPAの傾向も同じです。

したがって、DHAとEPAをより効率的に摂取するためには、刺身など生の魚で食べることがおすすめです。

ただし、毎回生魚を食べるわけにもいきません。その場合は、蒸し魚や、魚の煮物にするとよいでしょう。なぜなら、蒸したり煮たりした時の、煮汁や脂の中にDHAとEPAが含まれているからです。したがって、できるだけ煮汁なども一緒に食べれば、DHAとEPAを逃さず摂取できます。

さらにDHAとEPAは酸化しやすい

またDHAとEPAには酸化しやすいという欠点もあります。酸化とは細胞が錆びることなので、本来のDHAとEPAの機能が発揮できなくなります。

それを防ぐためには、魚と一緒に抗酸化物質の含まれている食品を食べましょう。抗酸化物質の代表的なものはビタミンA、ビタミンC、ビタミンEです。

ですから、ビタミンAであれば春菊、大根、ホウレン草などの野菜、ビタミンCであればレモン、ビタミンEであればフレンチドレッシングやピクルスなどの酢で調理されたものを一緒に摂るとよいでしょう。

調理油を亜麻仁油やえごま油に変えてもOK

また調理油を亜麻仁油やえごま油にしてもよいでしょう。これらの油には、DHAとEPAは含まれていませんが、体内でDHAとEPAに変換される、α-リノレン酸が豊富に含まれています。

たとえば亜麻仁油であれば、100gのうちα-リノレン酸は56.1gが含まれています。えごま油では62.4gです。

同じく身体によいとされているオリーブ油にはオメガ-6は豊富に含まれていますが、DHA、EPA、α-リノレン酸と言ったオメガ-3はほとんど含まれていません。

サプリメントで補うのも1つの方法

しかし中には魚が苦手な人もいるでしょう。そのような人であれば、DHAとEPAを配合したサプリメントを1日の適正量だけ摂取するということもおすすめです。

まとめ

いかがでしたか。

DHAとEPAは、血液をサラサラにし、怖い生活習慣病である心筋梗塞や脳梗塞を防いでくれます。そのDHAとEPAが1番多く含まれている食品は魚なので、気になる人はできるだけ魚を食べるようにしましょう。それも可能であれば刺身やサラダなどの生魚の状態で食べることがおすすめです。

ぜひDHAとEPAを意識的に摂取して、健康維持を実現しましょう。

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旅、蕎麦と酒(全ジャンル)、落語、そして猫をこよなく愛する大阪在住ライターです。
最近は肩こりがさらにひどくなり、デスクでPCに向かいながら上半身ヨガで何とかしのいでいる日々。
しかしそのおかげで左半身のだるさが取れました!