骨盤底筋とは?
骨盤底筋とは、骨盤の底から内臓を支える筋肉を表します。さらに骨盤底筋の奥にある深層筋は骨盤内の臓器(子宮や腸、膀胱)を支え、また肛門や尿道、膣を閉める働きがあります。
骨盤底筋が弱ると、尿漏れや尿失禁の原因になります。また、骨盤内の臓器の位置がだんだん下がってしまい、骨盤内の臓器が膣などから飛び出すなどの骨盤臓器脱になる可能性があります。骨盤底筋の衰えは、加齢や出産、立ち仕事が多いなどの生活習慣から起きることが多いようです。
また骨盤底筋が弱ると、SEXの時に痛みや出血が起きる可能性があります。膣も緩むので、パートナーとのSEX時に「膣を締めて」と何度も注意されている方はとくに意識してみてください。
お互いにSEXが満足できなくなると、マンネリ化やセックスレスに繋がる可能性もあります。SEXライフをより充実させるためにも、骨盤底筋を鍛えることは大切です。
あなたの骨盤底筋は弱っている?筋力チェックリスト
次に、骨盤底筋が弱っているかどうかをチェックできるリストを紹介します。チェックが多い方は、骨盤底筋が緩んでいる可能性があります。
- 笑う、くしゃみ、咳で尿漏れをしてしまう
- 便秘
- 立ち仕事が多い
- 自分の力で、尿をコントロールして止められない
- 尿の我慢をするのがきつくなった
- 重い物を持ち上げる機会が多い、荷物を運ぶ仕事をしている
- お風呂あがりに、膣から水が出てくる
- SEX時に、パートナーから膣を締めてと何度も言われる
- 難産の経験がある
とくに、骨盤底筋は尿を止める時に使う筋肉なので、尿を自分で止めることができない場合は注意が必要です。膣を自分の意志で締められない時も、骨盤底筋が緩んでいる可能性があります。
骨盤底筋アップに効果的なヨガポーズ
骨盤底筋に効果的なヨガポーズを行うことで、骨盤底筋を整えることができます。骨盤底筋を整えるには、尿道、膣、肛門を締めるムーラバンダを意識することが大切です。
骨盤底筋を締める「ムーラバンダ」とは?
ヨガでは、骨盤底筋を締めることを「ムーラバンダ」と呼びます。サンスクリット語で「ムーラ」は根っこ、「バンダ」は「ロック」「締める」「縛る」という意味があります。
主なトレーニングは、尿道、膣、肛門を締めるという動きを3つ同時に行い、呼吸やヨガの生命エネルギーの流れを内側で締め付けて閉じ込めるという方法です。尿を止めたり、お尻を締めたりする時に使用する筋肉を意識し、キュッと締めることを習慣にしてみて下さい。
主に、体の深層筋を鍛え、内臓強化や筋力アップに効果があります。他にも、ストレスや不安からの解放、リラックス効果も期待できます。また、骨盤底筋を鍛える時のヨガポーズでは必ずムーラバンダを締めることを意識して下さい。
1、頻尿や尿漏れ効果もあり「マラーサナ(花輪のポーズ)」
マラーサナのポーズは、足首や股関節を柔軟にする効果があります。骨盤底筋を整える効果もあり、尿漏れを予防する効果も期待できます。股関節を柔軟にする効果もあるので、性行為の時に股の開きが弱くパートナーから叱られやすい女性にもオススメです。
花輪のポーズは、まず両足を外側に向けてしゃがみます。膝の間に上半身を入れるようにして、胸の前で手を合わせます。両肘をひざの内側にセットして支え、息を吸って背筋を伸ばします。
その後、息を吐きながら肘で膝を外側に押して脚を開きます。深呼吸を、ゆっくり3回ほど行います。花輪のポーズを行う時は、猫背にならないように背筋を伸ばすことを意識しましょう。
2、ヒップアップにも効果的「橋のポーズ(セツバンダーサナ)」
まず、床やベッドに横になり膝を立てます。両足の幅は腰幅に開き、かかとはできるだけお尻に近づけます。両方の手の平は、腰の横に置きます。
息を吐きながら、腰を床から持ち上げます。足の裏で体を支えながら、お腹と胸も上げていきます。腰は反りすぎないように注意し、おへそは内側に引き込むように意識しましょう。お尻もギュッと締めて、ムーラバンダを意識しましょう。この状態で5秒ほどキープしたら、ゆっくり腰を床に下ろしてください。1回につき、3セット行ってください。
このポーズは骨盤底筋を鍛えるだけでなく、でん筋にもアプローチするのでヒップアップや下腹部の引き締めに、腰痛改善や生理痛の緩和に効果があります。骨盤底筋だけでなく、周囲を支える筋肉も併せて鍛えられるので相乗効果が期待できます。
3、生殖器の活性化に効果あり「弓のポーズ(ダヌラーサナ)」
弓のポーズは、うつぶせになり両足で足首を掴みます。息を吸いながら、頭と胸を上げたと同時に、両足首を両手で引っ張りましょう。深い呼吸で数呼吸保ったら、息をゆっくり吐きながらポーズを解きます。腹部を鍛え、消化器や生殖器の活性化にも効果があります。
骨盤底筋ヨガまとめ
骨盤底筋ヨガには、骨盤の底から内臓を支える筋肉を整える効果が期待できます。骨盤底筋が弱ると、膣のゆるみや尿漏れだけでなく内臓が下に落ちるなど様々な体の不調を引き起こします。
ヨガには柔軟性が必要なイメージがありますが、身体のコアの部分を鍛えることが大切です。身体のコアを鍛えると、ヨガのポーズを安定させることにも繋がります。骨盤底筋ヨガを行うときは、ムーラバンダを意識しながら行いましょう。とくに産後は骨盤底筋が緩みやすいので、産後ケアとしてもオススメです。
また膣を締める効果も期待できるので、SEXがマンネリ化しているカップルや夫婦にもオススメです。SEX行為中に膣を自分の意志でコントロールできるだけでも、SEXライフの楽しみ方が広がります。
ただ、骨盤底筋ヨガやムーラバンダは子宮を支える筋肉とも繋がっているので生理中に行うのはやめましょう。みなさんも、骨盤底筋ヨガを行ってSEXライフを充実させて下さいね!