もくじ
ヨガの内臓に対する影響は?
まずヨガがどのように内臓の脂肪に対して影響を与えるのか、という点の解説をします。
ヨガは内臓の脂肪減少に効果あり?
ヨガの呼吸法は、自律神経のバランス調整のほか、さまざまな良い効果を心身に与えますが、実は内臓脂肪の減少にも効果があると考えられています。
何故かというと、ヨガの呼吸法は、通常の呼吸とは違って普段使っていない横隔膜をしっかり動かすからです。横隔膜が動くと、その影響で内臓がストレッチされ、結果、内臓脂肪の燃焼が促進され、脂肪が減少していくのです。
内臓脂肪を落とすポイントはヨガの呼吸法
以上述べたように、内臓脂肪減少のヨガのメゾッドのポイントは、呼吸法にあります。特にヨガの腹式呼吸は内臓脂肪を燃焼させる効果があるのです。
ヨガの腹式呼吸は上でも書いたように横隔膜を大きく動かして内臓をストレッチさせると同時に、身体に普段取り入れている数倍もの酸素を取り込むことができます。
すると心臓にも酸素が十分に供給されるので、血行が改善し、代謝がよくなって脂肪が燃焼します。それによって内臓脂肪も減少するのです。
ヨガの内臓はがしとは?
また呼吸法の1つといってもよい方法に「内臓はがし」というものがあります。
片岡鶴太郎さんがテレビで実践したことで有名に
この内臓はがしはあまり耳慣れない言葉ですが、2017年8月の「ダウンタウンなう」に出演した片岡鶴太郎さんが、現在集中的に取り組んでいるヨガの一環として、内臓はがしを実践して見せて、一躍有名になったものです。
その方法は言葉にするのはやや困難なのですが、手でお腹の中の内臓を柔らかくつまんで、マッサージするように引き上げて内壁に癒着している内臓をまさに「はがして」行くものです。
そもそも内臓は身体の中で骨格に繋がっているほかは自由に動くのが健常の状態です。
それが内壁に癒着していると、さまざまなトラブルの原因になるのです。片岡鶴太郎さんによれば、内臓はがしによって使用していない内臓を鍛え、使用している臓器の代謝を促すことができる、ということです。
これをしっかり行うと、柔らかく内臓を引き上げているにもかかわらず、内臓がはがれるバリバリという音がお腹の中から聞こえてきて、本当に癒着がはがされてることが理解できます。
この内臓はがしは、いわゆるスタジオでするようなヨガの正式なプログラムではありませんので、レッスンを受けることは難しいでしょう。
しかし、呼吸法によって内臓のストレッチをすることを、指先でマッサージすることで同じ効果をもたらす、と理解すれば同じ効果が呼吸法でも得られるはずです。
同じく実践していた「ナウリ」とは
また同じく片岡鶴太郎さんが番組内で実践していたものに、今度は呼吸法としての「ナウリ」があります。
これはヨガの正式なプログラムで、しかしながら非常に高度なのでレッスンは通常上級者にしか行いませんが、お腹の真ん中にある腹直筋を激しく波打つように動かす呼吸法です。内臓を激しく刺激し、その活力を高めることができます。
非常に高度なので実践は難しいですが、しかし機会があり、インストラクターの指導が受けられる環境にあれば、1度チャレンジしてもよいかもしれません。
内臓脂肪ダウンに効果のある3つの呼吸法
そのような上級者向けの高度な呼吸法ではなく、誰でも簡単にでき、そして内臓脂肪減少効果の高い呼吸法を3つご紹介します。
腹式呼吸法
1つめは「腹式呼吸」です。
ヨガの呼吸法の中で最も基本になります。基本とは言え、正しく行うにはなかなか難しい呼吸法でもありますが、何度か練習するうちにできるようになりますので、常に意識をしましょう。
そのコツは、まずは吸う息の長さと、吐く息の長さを同じ時間になるようにすることです。最初のうちは、頭の中で数を数えて、一緒になるようにしましょう。
それができたら、吸う時はお腹を限界まで膨らませ、吐くときは同じく限界まで凹ませることを意識しましょう。その際には手をお腹に添えると、よくわかるのでおすすめです。
呼吸の仕方
この方法は、以下の通りです。
- 身体を安定させるために、床に座り、姿勢を正します
- お腹を膨らませて息を吸います
- お腹の下腹に力を入れて息がもう吐けないという状態になるまで息を吐き出します
- これを10回以上繰り返します
呼吸のポイント
腹式呼吸で気をつける点は以下の通りです。
- 身体をリラックスさせ、脱力した力を状態で行います
- 食事後すぐに行うと、胃痛になる場合があるので避けましょう
- 最も良いのは空腹時に行うことです
腹式呼吸法については以下も参照してみてください。
火の呼吸法
2つめが「火の呼吸法」です。ヨガの火の呼吸法は、短時間で急激に腹式呼吸を繰り返すことを通じて、有酸素運動と同じ効果を獲得し、脂肪を燃やすものです。
短時間でエネルギーを高めるため、神経系に刺激を与え、同時に腹筋が激しく動くためにその周囲の自律神経が刺激されショック療法的に自律神経のバランスが整います。
また、自律神経のバランスがよくなるために免疫力も上がり、同時に基礎代謝量も増えます。
方法は以下の通りです。
呼吸の仕方
- 両足を交差させ、背筋を伸ばして座ります
- 全身をリラックスさせ目を閉じます
- 数回鼻で呼吸をして身体を安静にします
- 肩や胸に力が入らないようにします
- 両鼻から深く息を吸いお腹をふくらませます
- お腹を背骨の方に勢いよく引くように凹ませ、両鼻から息を吐き出します
- 凹ませたお腹をゆるめ、その動きに任せて両鼻から息を吸います
- これを間隔を入れずに繰り返します
- 目標は1秒回に3回から4回、1分間に200回行うことです
- ただし、最初は1分間30回を目指しましょう
呼吸のポイント
火の呼吸法で気を付けることは以下の通りです。
- 必ず空腹時に行うようにしましょう
- 特に食後に行うと、消化不良になり腹痛を起こします
- 食後に行う場合は最低食後数時間経ってからにしましょう
- 可能であれば1日1回行うことがベストですが、負担に感じるようであれば数日に1回から始めましょう
- 慣れてきたら、ヨガのポーズの静止状態の時に行うとさらに効果的です
- 体調がすぐれない場合は行ってはいけません
- 何かしらの痛みやめまいをかんじたら、すぐに中止しましょう
- 初めて行うときは指導者のもとで行いましょう
また以下のような人は行ってはいけません
- 心臓疾患や高血圧の人
- めまい、てんかん、ヘルニア、胃潰瘍の疾患を持っている人
- 妊娠中、生理中の人
- 手術後の人
ウジャイ呼吸法
ウジャイ呼吸法とは「勝利の呼吸法」とも呼ばれ、ヨガの呼吸法としては珍しく腹式ではなく、胸式呼吸で行う呼吸法です。
肺を使って鼻から息を吸って鼻から息を吐くのが基本です。それが上手くできれば、息を吸う時と吐く時に、喉の奥でシューッという摩擦音がするでしょう。
腹式呼吸法は気づいた時に日中のいつの時間でも実践できますが、ウジャイ呼吸法を行うには意識を集中させる必要がありますので、なかなかそうはできません。
ですからは1番よいのは、「朝起きてすぐ」と「夕日が沈む時間」に行うことです。
「朝起きてすぐ」に行うと身体が目覚め、気持ちも上向きます。
一方夕方は、1日に疲れが出てくるタイミングです。その時に「夕日が沈む時間」は、精神的にリラックスしやすい時間帯なので、ウジャイ呼吸法をすることで、1日の疲れをいやすことができるのです。
またヨガを行うt気にアロマを焚く人がいますが、ウジャイ呼吸法をする時だけはそれを避けましょう。何の香りもしないほうがウジャイ呼吸法に集中できるからです。
ウジャイ呼吸法の方法は以下の通りです。
呼吸の方法
- あぐらなど楽な姿勢で座り、背筋を正します
- 喉の奥を軽く締めるように意識して、鼻からゆっくりと息を吸います
- この時「シューッ」という音が出るようにしましょう
- 寒い時に手を温めるような感じで「ハーッ」という音を出し口から息を吐き出します
- これを数回、吸う時と吐く時の長さを同じになるように意識して繰り返します
- 慣れてきたら、息を吐きだすときも口を閉じて鼻から行います
呼吸のポイント
ウジャイ呼吸法を行ううえでは以下のことに気を付けましょう。
- 息を吐くときは、喉や鼻の奥の気管を細くするイメージを持ちます
- 意識して喉の奥でシューッという音を出すと、呼吸音が心地よく感じられ、リラックス状態と集中状態を両立させることできるようになります
まとめ
いかがですか。
腹式呼吸はよく知っていて、ヨガをする時には実践しているかもしれませんが、残りの2つは初めて聞く人も多いでしょう。
しかしこの2つも実践できるようにすると、横隔膜が大きく動いて内臓がしっかりストレッチされ、内臓脂肪が燃焼して減少していきます。
最初はイメージが湧きにくいかもしれませんが、何度も練習して身につければ、1日にたった5分の時間で、生活習慣病のリスクから逃れることができることでしょう。ぜひ実践してみてください。
・ヨガの呼吸法(プラーナヤマ)をマスターしてヨガの効果を高めよう