もくじ
ヨガを追求し極めるにつれて多くのヨギー・ヨギーニが生活に取り入れる「断食」。固形物を食べない・ジュースから栄養を採る・水のみで行うなど断食には様々な方法があります。
ヨガで取り入れる断食はどのような方法で行うのでしょうか。そしてなぜそもそも断食を行うのでしょう。
今回はそのようなヨガと断食の関係について、また断食を行うことのメリットやデメリット、断食を行うことのできる施設など様々なことを解説していきます。
ヨガの断食とはどんなもの?
本来ヨガの修行に断食は含まれていません。したがって「これがヨガの断食!!といった明確な方法などはありません。
また、断食には様々な種類のものがあり、酵素ジュースを飲みながら行う・水しか飲まない・人参りんごジュースを飲む、などの違いがあります。これらの違いは断食を行う機関・施設によっても異なります。
「ヨガ断食」なる言葉もあり、ひとことでいうとヨガを行いながら断食をすることです。瞑想やポーズでより意識を深め、断食することでより意識をクリアにし、さらに体内を浄化するという目的を持っています。
食欲を我慢する、のではなく何かを食べたい、という欲を瞑想によってコントロールし、精神を鍛えるという目的もあります。
しかし必ず「準備期間→本断食→回復期間」というものを設け、たとえば1週間の断食であれば準備期間2日で少しずつ量を減らし、消化の良いものへと変えていき、本断食を3日行い、回復期間2日で少しずつ食事を身体に慣らしていく、という段階があり、これは身体にかける負担を軽減するために、必ず守らなければなりません。
なぜ断食をするの?その効果とはどんなもの?
本来ヨガに断食という修行は特に含まれていません。ではなぜ断食を行う人が多いのか?
これは、ヨガで瞑想やポーズ・深い呼吸を行うことで意識が段々研ぎ澄まされ、心身のリフレッシュ・体内のデトックスをより強く望むようになるからと言われています。
情報が飽和している現代社会に生きる私達は、本来自分に必要なものは何かを見失いがちです。またそれは飲食や嗜好品に関しても同様のことがいえ、身体に不必要なものや過剰摂取が日常化しています。
それをリセットし、本来肉体に必要なものを適量取り入れる生活へと変化させるツールの1つとして断食があります。
効果
ではヨガの断食をすることによって得られる効果がどんなものか、まとめてみました。
肉体的な効果
- 固形物を取らないことで内臓が休まる
- 脂肪燃焼を促す。断食をすることで血中のケトン体が上がり、脂肪をエネルギーへと変換させる。
- 血液が綺麗になり、毒素が排出される
- 腸内の環境が改善される。お腹が空いてグーグー鳴るのは、強収縮と呼ばれる作用によるもの。この強収縮が起きると腸内のカスや細胞の死骸など不要なものが排出される。
- 味覚が鋭くなり、少量の食事でも満足できるようになる
- つまりがなくなり、肌が綺麗になる
- 宿便が取れ、体重が落ち、身体が軽くなる
精神的な効果
- 意識が高まり、身体が何を欲しているかが分かるため無駄食いがなくなる
- 肉体が健康になるとともに、精神バランスも整えられる
- 自制心が強くなり、外の世界と内側の世界のバランスを取りやすくなる
ヨガの断食を行うことのメリットとデメリット
断食のメリットとは
ヨガで断食を行うことのメリットをまとめてみました。
- 知識を得ることは必要だが、自宅でも自分の好きな方法で行うことができる
- 断食とともにヨガを行うことで精神的リラックス&リフレッシュが得られる
- ちょうど良い空腹感でヨガの瞑想もはかどる
- プチ断食といわれる1日または半日の断食でも肉体への効果が得られる
- 身体への効果を実感しやすいため、次へのモチベーションが高まる
- はじめはお腹が空くが、慣れてくると空腹感はそれほどでもなく、意外と初心者でも行うことができる
断食のデメリットとは
逆に断食のデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
- 慣れるまで空腹で辛い
- 数日かけて行う断食の場合、個人で行うと危険が伴う
- 断食中のヨガはハードなものは控えなければならない
- 復食には特に気をつけなければならないが、個人の場合は用意が面倒
- 仕事をしたり外出する場合、空腹によるふらつきやエネルギー不足となりぼーっとする
ヨガの断食はどこで行う?料金は?
ヨガの断食は自宅で行うこともできますが、より安全に行うためには断食を行う施設・道場・お寺などを利用するのも良いでしょう。ヨガスタジオが断食コースを数日にわたって開催していることもあるようです!ここでは自宅・断食を行う施設ごとで解説していきます。
自宅で
自宅で断食を行う場合、まずどのような断食を行うか決める必要があります。
どのくらいの期間断食するのか、ジュース断食を取り入れるのであれば取り寄せたりする必要も出てきます。
半日や1日だけ行うプチ断食の場合、その期間だけは水だけにするのか、なども決めなくてはいけません。
いずれにせよ、本やインターネットから情報を収集し、しっかりと体制を整えて行いましょう。
施設・道場・お寺で
断食施設
断食を行う施設には20代~80代と幅広い年齢層の人々が訪れ、ラグジュアリーな雰囲気もあり、断食を楽しんでいます。
人参りんごジュースを1日3回・生姜紅茶は1日何杯でもなどとプログラムされており、滞在中体操や散歩をしたり、陶芸をしたり温泉に浸かったりとまるで旅行です。
料金もそれなりで、1泊のみのプチ断食で大体2万円前後、3日の本断食を含む1週間コースだと1人9万円~となっているようです。
しかしもちろんケアは充分であり、復食などもきちんとプログラムに沿って用意されています。
道場
断食道場には専門の指導者がつき、プチ断食から2週間までの滞在と様々なプランが用意され、個人にあった方法などを指導してくれる場合もあります。
個室でホテルライフさながらの道場もあれば、もう少しリーズナブルな雰囲気の道場もあります。
料金は、安いところだと相部屋で1週間30,000円で滞在できますが、通常はやはり相部屋でも1泊1万円弱というところが多いようです。
お寺
お寺でも、宗教とは関係なく道場の場を断食を行う人のために提供するというところがあります。
有名なのが「成田山新勝寺」の断食道場。水しか飲まないストイックな断食方法で、慣れるまで本当にお腹が空いて仕方ないようです。
ところが数ヶ月先まで予約はいっぱい。やはり断食で健康状態がものすごく良くなった、などリピーターも多いようです。
料金はこの成田山新勝寺の場合2泊3日で5,000円。1日ごとにプラス1,000円という設定です。
ヨガの断食で気をつけるべきことは?
ヨガの断食で気をつけるべきことをまとめてみました。
- 復食の際、決していきなり普通の食事にしてはならない。
- 脱水症状にならないために、水分はしっかりと補給する
- タバコ・アルコールはやめる
- 持病がある人は行わない・または医師の判断を仰ぐ
- 適度に身体を動かす
- 自己流で行わずそれぞれのメソッドに基づいて行う
ヨガの断食は身体に負担をかけず、無理なく行おう!
ヨガとともに行う断食、興味が出てきたのではないでしょうか。1度断食をすると「意外にできる」「またやりたい!」という声はよくあります。
内臓を休ませ気持ちよく過ごし、デトックスされればまた心身ともにリフレッシュできますね。
断食を行うには様々注意すべき点がありますが、しっかりとそれを守りながら、生活の中にまずは短い期間の断食を設けてみると、身体が思いのほか快適になるかもしれません。
・アーユルヴェーダ食事法に基づくドーシャ(体質)別のおすすめ朝ごはん