ヨガといえば様々なポーズをすることで綺麗なボディラインを作ったり、何だか健康に良い、という認識を持つ人が多いのでないでしょうか。
自分の体調に応じたポーズを生活に取り入れている人もいるかもしれませんね。
しかし美容や健康はもともとヨガの目的ではなく、精神を落ち着かせて宇宙や神という大きなものと一体化するための「瞑想」が本来のヨガでした。
今回は、ヨガが精神にもたらす影響や効果、瞑想や呼吸など「精神に働きかけるヨガ」へ焦点をあてていきます。
ヨガを行うことで精神にどんな良い効果が得られるの?
ヨガを行うことで精神にどのような影響があるのでしょうか。ヨガとは「ポーズ・瞑想・呼吸」という3本柱の要素が必要不可欠なものです。
様々なポーズを一定時間流れに沿って行うことで、身体を動かすために適度なリフレッシュ&リラックスが得られます。運動したあとは気持ちが明るく、適度な肉体の疲れがありながらリフレッシュされますね。
また、ほとんどのヨガは腹式呼吸で行われます。腹式呼吸は身体にとても良い循環を促し、脳にも新鮮な酸素を送り込み、セロトニンを分泌させます。その結果、鬱々とした気持ちを明るくさせる効果があります。
瞑想は次の項で詳しく述べますが、自己を内観し、静かに深い呼吸を繰り返します。一定時間、テレビやスマホなど外部からの情報を遮断しながら静かにすることで深いリラックスやリフレッシュがもたらされます。
- 適度に運動量がありリフレッシュ&リラックスする
- 腹式呼吸を行うことで新鮮な酸素が脳に送られ、セロトニンが増えて気持ちが明るくなる
- 瞑想を行うことで意識が高まり、深い落ち着きが得られる
- 精神の安定が得られる
- 意識が高まり気持ちが明るくなることでうつ状態になりにくく、精神が鍛えられる
好転反応として眠くなったり、メンタル・フィジカルともにだるくなったりすることがありますが、デトックスの証拠として受け止め、ヨガを継続して行ってみましょう。
ヨガの瞑想は行った方が良い?
ヨガのポーズと瞑想は本来別物ではなく、ポーズの流れ(アーサナ)自体が瞑想、というものでした。本来ヨガ=瞑想そのものなのです。
ではかつて瞑想によって何を成し遂げたかったのかというと「自我を手放し、神や宇宙と一体化する」というものだったようです。
そこまでの境地に達することを目的としている人は、現代において全ヨガ人口の中でもグッと割合は減るでしょうが、ポーズと瞑想を切り離して考えた場合においても瞑想をした方が良いのか?という時も答えはイエスとなるでしょう。
一流のアスリートや世界中のエリート達の中にも行う人が多い瞑想は、深い呼吸を意識しながら雑念を取り払います。
始終雑念や思考に振り回される日常生活を一定時間切り離し、静かに瞑想することはリラックス・リフレッシュはもちろん、想像より遥かに意識を高めることができるのです。
30分や1時間、と時間を決めて静かに呼吸へと集中してみましょう。本来の自分に還ることができ、自分にとって必要・不必要なことが判断できるようになり、人生がよりスムーズになることを実感できるでしょう。
ヨガの「深い呼吸」が精神を落ち着かせるの?
ヨガの呼吸とはどんなものでしょう。ほとんどのヨガは「腹式呼吸」で行われます。慣れるまではちょっと苦しく感じられるかもしれませんが、練習すれば身につきます。
ヨガの深い呼吸とは、鼻から息を吐き、お腹の中の空気を全部出し切り、出し切ったらお腹の緊張をゆるめ、少しずつ鼻から息を吸うというもの。少しずつお腹に空気を送り込むイメージです。
瞑想時もポーズの際もこの深い呼吸を行うことで身体の先端まで血液が送り込まれ、新鮮な酸素も充分行き渡ります。もちろん脳にも。
その結果、肉体への良い効果はもちろん、精神面にも深いリラックスが得られ、憂鬱な気持ちも軽減されていきます。
肉体と精神は繋がっています。身体の内部へとダイレクトにアプローチすることはできませんが、呼吸は唯一コントロールできる機能。深い腹式呼吸が身体に悪影響を与えることはありません。
精神面に良い効果を及ぼすヨガポーズ
精神に特に良い効果を及ぼすヨガポーズにはどんなものがあるのでしょうか。
山のポーズ
すべての立位ポーズの基本となる「山のポーズ」ですが、左右の平衡バランスを取ることで精神面にリラックスをもたらします。
①両足のくるぶしをくっつける感じで立ち、足裏全体に体重をかけます。重心は踵の方に。背筋を伸ばしてまっすぐ立ち、肩や腕の力を抜きます。
②おへそに力を入れ、目線は真っ直ぐ前を見ます。その姿勢のまま、自然呼吸を数回繰り返します。
太陽礼拝のポーズ
平衡感覚が鍛えられることで精神面を安定させる効果があるポーズです。
①山のポーズから息を吸いながら両手を外側に向けて頭上まで上げ、頭の上で掌を合わせます(親指を揃えて)。目線は天井に向けます。
②息を吐きながら前屈し、両足の横にそれぞれの掌を床に付けます。付かない場合は膝を曲げても良いです。
③息を吸いながら背中をなるべく平ら(床と並行)にするように起こします。目線は前方へ、指先は床に付けたまま。
④息を吐きながら片足を後ろに引き、つま先を立て、もう片足も同様にし、腕立て伏せのような頭から足まで真っ直ぐな状態を作ります。腕は広げすぎず、肩の下あたりに来るように。
⑤腕を曲げ、脇をしっかりしめ、顎と胸と膝を床に付けます。
⑥身体前面を床につけ、うつ伏せになります。両足は少し開き、足の甲を床に付けます。息を吸いながら腕の力で上半身を反らせ目線は前方上に向けます。
⑦息を吐きながらつま先を立て、腰を持ち上げます。足を腰幅ほどに開き、腰を上に上げます。かかとはしっかり付けましょう。
⑧息を吸いながら足を腰下の位置に戻し、上半身を背中が平らになるようにします。(③と同様のポーズ)
⑨息を吐きながら上半身を前に倒し両掌を両足の横に置きます(②と同様のポーズ)。
⑩息を吸いながら身体を起こし、両手を頭上に上げて掌を合わせます。目線は天井に(①と同じポーズ)。息を吐きながら合わせた掌を胸の前におろし、自然呼吸をします。
チャイルドポーズ
しばしばアーサナの間に取られるチャイルドポーズは精神的にリラックスが得られます。
①正座から、息を吐きながら身体を前に倒します。おでこは床に付け、腕は身体のサイドに、掌は天井に向けます。かかととお尻をくっつけ、膝は拳1つ分あけます。
②この姿勢のまま自然呼吸を繰り返します。
そもそも「ヨガの精神」とはどんなもの?おすすめ書籍3選
ヨガのベーシックな精神を学べるおすすめの書籍を3つご紹介します。
ヨーガ 本質と実践
ヨガの歴史や哲学・ポーズや呼吸法など1冊でまるごとヨガが分かりやすく理解できる書籍。
ポーズだけでなくヨガとはどういうものか、を丸ごと理解したい時におすすめです。
成瀬貴良著・いまに生きるインドの叡智 ヨーガの源流から現代の聖者まで
ヨガの発祥・インドの歴史や宗教に沿ってヨガを解説する書籍。ヨガの哲学について学びたい人におすすめです。
向井田みお著・やさしく学ぶYOGA哲学 ヨーガスートラ
現代ヨガの基本経典となっているヨーガスートラを解説してくれる書籍。著者はインド哲学に詳しく、難しそうなヨーガスートラも分かりやすく読み進められる書籍です。
ヨガライフで肉体・精神の深い落ち着きを取り戻そう!
いかがでしたか?今回はヨガが精神に与える影響と効果、そして本来のヨガの目的などについて解説しました。
ぜひこの機会にヨガ本来の目的を認識し、深い呼吸とともに瞑想を取り入れ、肉体だけでなく精神にも深い落ち着きをもたらしましょう。