★鋤のポーズ(ハラーサナー)について解説
鋤のポーズ(ハラーサナー)は逆転ポーズです。ヨガ初級でも多くの逆転の要素を持つポーズがあります。以下の示したポーズは心臓より頭が下である逆転の要素があると同時に前屈でもあります。その為自重に若干委ねられて頭が下げやすさがあります。それに対して鋤のポーズは足を上げ心臓・頭を超えていくポーズであり、それだけに上に伸びる力が発生します。その為若干強度が高く感じられます。
逆転要素 | 逆転要素有無 | |
ウッターナーサナ (深い前屈のポーズ) |
心臓より頭が下 (土台足裏) |
有 |
プラサリーターパドッタナーサナ (開脚前屈のポーズ) |
心臓より頭が下 (土台足裏) |
有 |
アドムカシュヴァナーサナ (ダウンドック・下向きの犬のポーズ) |
心臓より頭が下 (土台足裏と手) |
有 |
ハラーサナー (鋤のポーズ) |
心臓より足が上 (土台腕・肩) |
有 |
ただ前屈の要素を持つ以上の3ポーズは、日常においてその体勢(頭が心臓より下にくる体勢)はあり得ない事ではありません。それに対して鋤のポーズは通常の日常で意図的に行わない限り、そのような体勢に出くわす事はありません。ヨガでは日常で行わない姿勢をとる事で、身体の眠っている部分に働きをかけ、心身共に良好な状態をつくる事も目的です。
ポーズの効果
逆転ポーズであり、血流が上がる事で以下のような効果が期待出来ます。又、下半身末端の冷えにも効果的と思われます。
①肩こりの改善
②腰痛の緩和
③内臓の働きを高める
④消化機能を高める
ポーズのやり方
①首に負担がかからないようにプロップスを準備します。
ブランケット2枚(ストレートネック及び首が長い方は3枚用意しましょう)
※ブランケットの使用について
頸椎(首の部分)は前に弯曲したカーブを描いています。鋤のポーズを行う際、
マットが平の状態で行った場合、首のカーブが土台となり重力がかかります。
その結果カーブに負荷がかかり首を痛める可能性があります。
首の部分にブランケットやマットで段差をつける事は首の保護に効果的です。
②マットを半分に折り、以下のように中にブランケットを敷きますがマット端にセットします。
③ブランケットと床の境目が首の真下にくるように位置を調節します。
④両手で床を押しながら膝を胸に近づけ、お尻を持ち上げます。
⑤お尻を持ち上げ両膝を頭を超えるように、その際両手は腰にそえサポートします。更に息を吐きながら、おへそに力を入れて両ひざを伸ばします。両手の指を組合せて後ろに伸ばします。
⑥目線はおへそを見ます。この姿勢で3呼吸キープします。
⑦ポーズの解放
手を解放し体側に置き、足はゆっくりと戻しましょう。仰向けの状態で深呼吸をします。
初心者や実践のポイント
初心者の方へ
①足先が床につかない場合はボルスター(無い場合は大き目の枕・クッション等)を頭の上部に置き、それに足を置くようにしましょう。
②膝を曲げる事で軽減になります。その際肩から腰まで垂直にたてる事を意識しましょう。
実践のポイント
①両足のつま先でしっかり床を捉え、踵が床についていませんが踵を床に近づけるように踵を押します。
②二の腕の外側で床を押し、肩甲骨を胸の方へ押します。
以上足と腕で押しあう事で骨盤と床が垂直になり易くなります。
禁忌・注意すべき事
禁忌
①首のトラブル
②高血圧
③緑内障
④網膜剥離
⑤生理中
注意すべき事
首を守る為にプロップスは必要です。スポーズクラブ等でプロップスが完備されていない場所では、マットを数回折るかタオルなどで床と首の間に高さを出す方法でご対応して下さい。
又ポーズに入った時、首は絶対に動かさず目線は真上以外は向けないようにして下さい。首を左右に動かしますと傷める可能性が高いです。
最後に
私は下半身を痛めたり、違和感を感じた時は逆転ポーズを行うようにしています。特に足が上にあるポーズは、足の滞っている血液を促す効果がある為、症状は改善が感じられます。全てそれで解決できるとは限りませんが、日々の中で身体の調子を調える方法として逆転ポーズをポイント的に行っています。鋤のポーズは休みの日にちょっと横になっている時にでもヨガをやるというより、気軽に行い易いポーズです。首を守る事を意識し行ってみて下さい。