現代人のためのゆだねるヨガ「リストラクティブヨガ」とは?その効果や目的・ポーズをご紹介

怪我・療養中、心身共に疲れているからと諦める事はありません。リストラクティブヨガはこのような方をはじめ心身共にアクティブな方まで広い層に対応し、誰もが必要とするリラクゼーション効果が期待出来るヨガです。

リストラクティブヨガとはどんなヨガ?目的は?

リストラクティブヨガは1990年代にアメリカの理学療法士であるジュディス・ラサター氏によって考案されました。プロップス(ヨガボルスター・ヨガブロック・ブランケット・ストラップなど)を使用し、プロップスに補佐されながら・身をゆだねるようにして、ご自身がリラックスしやすい体制をつくっていきます。それによって身体の緊張を解放し身体と心、更に精神を本来のバランスの取れた状態に戻しますリストラクティブヨガは高いセラピー要素が期待出来ます

日々の日常は時間、責務等でご自身が追われることの連続です。忘れていませんか?ご自身を労わる気持ち!また、「妊娠中で行動に制限があるものの穏やかな気持ちで過ごしたい!」「シニア世代で健康の為にヨガ・ピラティス等を始めたいが敷居が高い!」「怪我・療養中・更年期障害で気持ちが内に入ってしまっている!」以上のような方から、日々常にアクティブに行動されている方まで広い層の方におすすめしたいヨガです。 

リストラクティブヨガの特徴

①多くのプロップスを活用

ヨガボルスター・ブランケット2~3枚程度・ヨガブロック2個・ヨガストラップ等を使用します。

ヨガボルスター:身体を仰向けやうつ伏せになった際、身体を預ける時に使用します。直接ヨガマットで行う場合と異なり、身体を委ね易い体性に導いてくれます。又足を若干高くし血流を上げる方法としてボルスターを使用します。

ブランケット:身体が極力緊張に入らないように折りたたんだり、ロール状にして支えの補佐に使用します。又ヨガマット全面にひく事でソフト感覚で暖かみが得られます。更にリストラクティブヨガは身体に熱をつくる大きな動きが殆ど無い為、身体の保温としても活用も出来ます。

ヨガブロック:身体を支えるボルスターに傾斜をつくる台に使用したり、仰向けの合せきのポーズ(スプタバッタコナーサナ)を行う際、膝下の補佐に使用すると膝が楽に保てます。

ヨガストラップ:ボルスターを縦長で両足を腿から乗せる際、ストラップで軽く固定する事でボルスターから足がずれる事なく安定した体制が維持出来ます。又合せきのポーズの膝の補佐にもなります。

それ以外に目をおおうアイピロウ(無ければタオル)を使用する事で、更にリラックス効果が得られます。尚リストラクティヨガを行っているスタジオでは、このようなプロップスは全て完備されている事と思います。
ご自宅で行う場合は以下の代用品をご参考にして下さい。

プロップス 代用品
ヨガボルスター 大き目の枕又はクッション
ヨガブロック 厚めの本(辞典)何冊か重ねて使用可
ヨガストラップ 両足を固定する程度であれば洋服のベルトでもOK
身体と足の支えは3~4cm幅で2.5m以上のストラップ
(固定留め具が必要です)

②ポーズと長いホールド

ポーズは仰向け・うつ伏せ・横寝ポーズが基本です。うつ伏せポーズはボルスターを下に置きますが、妊娠後期の方は横寝ポーズでの対応が良いと思います。ハタヨガのクラスでは、ポーズのアライメント(身体が機能的に働く位置に筋・骨がある状態へ導くこと)が重要ですが、リストラクティブヨガのクラスは、委ねる事に重点をおくため、内容も自由度が高いレッスンとなります。ホールドは1ポーズ10分以上で1クラス5~6ポーズが基本です。
インストラクターのプロップス誘導からポーズに入り、身体の何処かに違和感や緊張があれば修正も出来ます。又ポーズ中インストラクターは生徒さんの身体の状況を確認してくれます。リストラクティブのポーズは心身の緊張から解放され、より高いリラクゼーションを得られる事が重要です。

③呼吸

ハタヨガと異なりインストラクターから呼吸の詳細な誘導は無いかもしれませんが、リラックスには呼吸が重要です。
吸う呼吸→エネルギーを生む・緊張に入る
吐く呼吸→脱力・リラックス感
を得られます。大切な事は呼吸との繋がりをより深める中で、その繋がりの感覚を目覚めさせる事です。

リストラクティブヨガの代表的なポーズ

基本のリラクゼーションポーズ

基本となるリラクゼーションポーズ。胸が開き深い呼吸ができるリラックス効果の高いポーズです。
目の上にアイピローを置いたり、足の裏や腕の下にボルスターを入れてもOK。
リストラクティブヨガは「自身の気持ちよい場所」を探し出すことが大切です。

仰向けの合せきポーズ

基本のリラクゼーションポーズにたいして、こちらは足の裏を合わせて合っせきをします。股関節を開くことでより、解放感が増すのを感じられるはずです。

股関節まわりをベルトで固定させると更に安定度が増します。

脚を上げるポーズ

壁に両脚を上げるポーズです。腰の下に、ボルスターやラグを引いて高さを出してください。
脚の疲労が楽になり、すっきりします。

足の裏を合わせ、合っせきしてもOKです。心地よい方を選んでください。

チャイルドポーズ

定番チャイルドポーズも顔の下やお尻の下にボルスターを入れて高さを出すことで、安心感を感じることができます。頭は下向きでも横向きでも心地よい体制を探してみてください。
胸やお腹が支えられ、赤ちゃんに戻ったような安心感が訪れます。気持ちが疲れているときにおすすめです。 

リストラクティブヨガのメリット

リストラクティブは活力を回復し、元気にするという意味合いがあります。心の落ち着きや自然体での治療力、全身の回復などを促す作用があります。
身体に深い休息を与え、効果的に筋肉の伸縮・圧迫など行う事で筋肉のこりをほぐし、同時に心も和らげ心拍数や血圧・血糖値を低下させ神経系を鎮めます。その結果副交感神経を優位に働き、心身が安らかで完全なリラックス状態へと導いていきます。また、完全なリラックス状態とはいえ、穏やかな意識である事でご自身の内側に意識を向けて行く事に繋がります。更に激しい動きを伴わない為ケガのリスクがなく、高齢者や更年期障害の方、妊娠中の方にも安全で安心して行えるなヨガです。

リストラクティブヨガとハタヨガ(初心者編)の比較

  リストラクティブヨガ ハタヨガ(初心者編)
運動量 ☆☆☆☆☆ ★★☆☆☆
難易度 ☆☆☆☆☆ ★☆☆☆☆
スピリチュアル度 ★★☆☆☆ ★☆☆☆☆
リラックス度 ★★★★★ ★★☆☆☆

リストラクティブヨガはこんな人に向いている

どのような方にも、リラクゼーション効果は必要と考えます。ただ以下の方には特にお勧めします。

①心身と共に疲労を感じている方
②怪我・療養中の方
③高齢者
④更年期障害でお悩みの方
⑤リハビリ中の方
⑥日々頑張り過ぎている方
また、夜の時間帯で動きの激しいヨガを行う事よリラクゼーション効果が高いものの方が良い眠りに繋がる可能性があります。

最後に

身体の負傷や不調、心の疲労、更に頑張り過ぎていませんか?ご自身に対して厳しくする事も必要ですが、優しく向合い事は決して甘やかす事ではありません。いかにご自身らしく前向きな日常を送る為には、身体と心のバランスはとても大切です。リストラクティブヨガは「積極的なリラクゼーション」とも呼ばれています。ご自身を大切にする気持ちをどうか忘れないようにして下さい。

現在ファーストシップでRYT200取得を目指しております。
昨年迄一般企業に在籍しており、仕事と子育てを経験しながら人との関わりの大切さを感じました。
子育ても一段落し、5年間行ってきたヨガを通じ人との繋がりの大切さや今後どのように進んで行く事が良いか、 参考にする事が出来たらと思い昨年末ファーストシップに入校しました。

それから7か月が過ぎ、”アーサナ(ヨガポース)の基礎知識構築は勿論の事、 社会との関わりや進む為の考え方はヨガ哲学から、身体の健康は心の健康である為の健康維持方法をアーユルヴェータから学ぶ事が出来ています。
とても有意義な日常を現 在送る事に繋がっています。
今はインプットの段階ですが、アウト プットの一つとしてヨガに関わる事を多くの方にお伝えする事が出来たら、とても嬉しく思っております。