もくじ
毎日のお料理に良質で安心の料理油を使いたい
オイルがダイエットや健康の敵として扱われる時代は終わり、良質なオイルを選ぶことで美容にも健康にもメリットが沢山あるということが分かり、オイルの知識や使い方を学ぶ人も増えています。
小学館より出版された「そのオリーブオイルは偽物です」によって、日本に入って来るエキストラバージンオリーブオイルはじめオリーブオイルのルールの曖昧さや、本物へたどり着く難しさなどが私たち消費者に衝撃を与えた一冊です。
マガジンハウス出版の人気雑誌「クロワッサン」はじめ、多くの雑誌でもオイル美容や健康の大きなテーマとして注目されて沢山の記事になっていますね。
オイルは種類だけでなく「抽出方法」に注目するべき
オーガニックオイルというと、日本では「有機JASマーク」が付けられているものでそれが判断できます。しかし、オイルはそれだけではなく抽出方法にも着目することをおススメします。植物性の油を作るには主に「圧搾」、「抽出」、「圧抽」の三つが挙げられます。
「圧搾」:原料に圧力をかけることで、物理的に搾油します。圧搾だけでつくった油を「一番搾り」と呼びます。
「抽出」:油分の比較的少ない大豆などに行います。原料に溶剤(食品添加物)を加え、原料中の油分を溶剤に移行させ油をとりだします。
「圧抽」:圧搾では搾りきれなかった原料残油を採油するために、抽出法を併用します。圧搾と抽出とを合わせて圧抽法と呼びます。
「一番搾り」と聞くとビールなどでよく使われるのを聞きますが、油の世界にも圧縮法によって初めに得られる一番搾りの油は一番良質な油であり、写真のように一番搾りとパッケージに表示しているものもあります。油は酸化度が劣化を意味するので、2番搾り、そしてそのかすを絞っていくにつれ鮮度が劣っていくのは明白ですね。
抽出法や圧抽法では、油分が少なくオイルが取り出しにくいものや、一番搾りのかすからオイルを取り出す時に使われる手法で、ヘキサン系の化学溶剤を用いてオイルを取り出します。精製過程でその溶剤は取り除かれますが、やはり気になる点ではありますし、オイル本来の風味も損ないます。
この3つの抽出方法のどれで作られているか、購入する際には是非意識したいものです。
おすすめのオーガニック料理油。ブランドと使い方
沢山の種類のオイルが登場している中で、栄養価に優れていたり、もちろん使いやすさも持ち合わせた「オーガニックオイル」を紹介します。
バターやアーユルヴェーダ界で人気のギーなど動物性のオイルも沢山ありますが、今回は植物性のオイルのなかでおススメのものをピックアップします。
・菜種(なたね)油のおすすめブランド
昔から愛される菜種油は安定の使いやすさ。
黄金油
鹿北製油のなたね油は、国内産の非遺伝子組み換えのなたねを使用し、添加物や化学薬品等(苛性ソーダ・蓚酸など)は使用しない無精製の「圧搾原油」であるため人気があります。黄金油はじめレトロなパッケージも雰囲気があって良いですよね。菜種油は独特なにおいもなく、熱にも強く、料理に幅広く使えます。リノール酸(オメガ6)の油のとりすぎを気にされている方は、菜種油だけでなく、他のオイルも使ってバランスを意識してみてはいかがでしょうか。
・オリーブオイルのおすすめブランド
イタリア料理には欠かせないオイル。
オルチョサンニータ
収穫日にオイルになるため鮮度が高く、アサクラ大阪倉庫に直送されるオルチョサンニータは温度ダメージを極限に抑えています。もちろん「一番搾り」です。
本物のオリーブオイルは何なのかというテーマの本が多く出版されていますが、衝撃的なので一度は参考に読んでみることをおススメします。オイルソムリエでもなければ判断が難しい酸化度なども信頼できるブランドに出会ってクリアになるといいですよね。オリーブオイルは高温(180℃以上)調理には向いていないので、加熱しないでかけたり、簡単な炒め物に使うことをおススメします。
・アボカドオイルのおすすめブランド
ビタミンEやカリウムが豊富な森のバターと呼ばれるアボカドのオイル。
GROVE
加熱に弱い油は実際使う用途が限られていてしまうという難点がありますが、アボカドオイルはその点加熱に強いオイルです。GROVEのアボカドオイルは、丁寧に皮と種をとり、「低温圧縮」で果実から採取されています。アボカドオイルはまだあまり馴染みが無いかもしれませんが、海外では料理やスキンケアなど様々な用途で使用されています。特に熱に強い性質があるので、炒め物や揚げ物、お菓子作りなどに使用するのもおすすめです。バリエーションとしてアボカドオイルエクストラバージンアボカドオイルにライムオイルをプラスしたものもあり、少しくせがありますが、私はその爽やかさが気に入って愛用しています。
・米油のおすすめブランド
酸化しにくい油で使い勝手が良い。
・米ぬか油
こちら米ぬか油を販売する三和油脂は、「COME-YU」はじめナチュラルな「圧搾製法」で米油を取り出していることで人気ブランドです。こめ油にはオレイン酸(オメガ9)とリノール酸(オメガ6)がバランス良く含まれていることや、酸化に強いので揚げ物など高温調理もできる油です。ただ、米油は溶媒抽出のものも多いので、ぜひ一番搾り製法を選ぶことをお勧めします。
話題のオメガ3が入ったオイル
オイルの中でも不飽和脂肪酸に分類されるオメガ3は青魚などに豊富に含まれ、オメガ6は紅花油やサラダ油など市販の植物油に良く含まれます。そのバランスは1:4がベストと言われていますが、現代社会ではオメガ6よりオメガ3が取りにくいので、意識して摂取したいですね。
・亜麻仁油のおすすめブランド
オメガ3を意識される方の救世主。
有機亜麻仁油
紅花食品が販売する有機亜麻仁油は、40度以下で採油される低温機械「圧搾法」による無添加精製ので有機栽培された亜麻仁から作った有機JAS認証付きのオーガニックオイルです。酸化しやすさも考えて光を遮る遮光瓶を採用しているものや、低温圧搾法(コールドプレス法)でゆっくり丁寧に搾油されているものを選ぶことをオススメします。加熱で栄養素が抜けてしまうので、ドレッシングやそのままスプーン一杯をいただくことを習慣にするなどの摂取法が効果的です。
・えごま油のおすすめブランド
認知症予防など将来の脳みそのために選択したい油。
有機えごま油
ハンズトレーディングの販売するオーガニックのえごま油は、無農薬で無添加、無精製、さらに「低温圧搾」で作られます。亜麻仁油同様、熱に弱いのでそのままサラダにかけたり加熱しない使い方をおススメします。人間の脳の60%は脂肪でできていて、オメガ3はじめ良質な油をバランスよく摂取することは脳にも良いので認知症予防にと重宝されていますね。
まとめ
オーガニックオイルだけでなく、 油の抽出方法やそれぞれの酸化の強さなど特徴を抑えてバランスよく良質な油をとれると最高ですね。ぜひ信頼できるメーカーさんに巡り合えるように追及してみてくださいね。