アーユルヴェーダって何?ドーシャ診断で体質チェック?基礎知識編

アーユルヴェーダの実践は、自分で、お金をかけずに、日常でできることがたくさんあります。食事や、食事の仕方も、その中の一つです。でも、すぐにレシピに飛びつかないで。どんな食事を食べる(作る)か選択する上で、アーユルヴェーダの食事に関する考え方を知ることは、とても重要です。ここでは、アーユルヴェーダが考える「食」についての基礎知識をお伝えしていきます。

キービジュアル:水野香織さん主催「アーユルヴェーダお食事会」にて
        アーユルヴェーダランチプレート

アーユルヴェーダってなに?

アーユルヴェーダの食事法・・・の前に、みなさんはそもそもアーユルヴェーダとは何かご存知でしょうか?

みなさんの中には、アーユルヴェーダと聞くと、おでこにオイルをたらーっと垂らすオイルマッサージをイメージするかもしれません。

アーユルヴェーダのAyurとは「生命(いのち)」Vedaは「科学」。Ayurvedaとは「生命の科学」という意味なのです。

西洋医学が発達するずっと前から、インドで伝えられてきた実経験に基づく東洋医学です。西洋医学は対処療法であるのに対し、アーユルヴェーダは予防、老化防止、治療のみならず、幸福な人生を過ごすための生き方そのものを説くものです。

あなたの体質は?ドーシャでとらえる私たちの体質

アーユルヴェーダでは、この宇宙にあるすべての物質は「空・風・火・水・土」の五大元素(パンチャ・マハブータ)からなると考えます。その元素をもとにした「ドーシャ」という3つの生命エネルギーが、すべての物質の基本組織となっています。私たちが持つドーシャの割合は、受精の瞬間に決まると言われています。

3つのドーシャとは、「ヴァータ」「ピッタ」「カパ」です。それぞれ、どのような特徴をもっているか見ていきましょう。

ヴァータ】

「ヴァータ」は「空・風」の要素を持ちます。「風」と性質が似ているため「動き」のエネルギーを持ちます。

ヴァータ

風は、常にあらゆる方向に動き回っていて、肌に触れると冷たく、ものを乾燥させます。ヴァータの人は、痩せて、背が極端に高いか低く、髪の毛や肌が乾燥して、舌を出すと舌が震えていることがあります。

好奇心旺盛で行動力があり、おしゃべりが大好きです。常に考え事をしたり動き回ったりしているため、落ち着きがなく、飽きっぽい性質があります。ヴァータタイプの人は創造力があるので、芸術家・クリエイティヴなことに向いていますが、乱れると極端に心配性になり、不安になりやすくなります。

【ピッタ】 

 

「ピッタ」は「火・水」の要素を持ちます。「火」は光を放って鋭く、ものを燃やして「変換」するエネルギーです。

ピッタ

 ピッタの人は、中肉中背で目つきがするどくキラキラしています。滑らかで美しい髪ですが、体に熱がこもりやすいため、その熱で白髪や若いうちからハゲる傾向があります。舌は赤。

きらきらした装飾物を身に着けることが好きです。鋭い知性を持っていて、物言いも辛らつなので、少しきつい印象を与えるかもしれません。情熱的で勇気があり、大胆、リーダーシップがあるので、起業家の人にはピッタが多い可能性があります。乱れると怒りっぽくなり、肌の疾患や口内炎を起こします。

【カパ】

「カパ」は「水・土」の要素。「水」はあらゆるものを結合させるので、結合のエネルギーです。冷たく、重く、潤いがあるという特徴もあります。

カパ

 カパの人は、肌が白くしっとりとしていて、がっしりとして骨太な体格です。他のドーシャに比べて脂肪がつきやすいですが、食べることが好きです。舌は大きくて白っぽく、潤いがあります。

ゆっくり、のんびりした気質で、動きも遅く、そんなにたくさんしゃべりません。体力があり健康的で、病気にかかることも少ないです。愛情深く献身的で、決めたことをコツコツとやり遂げる力もあります。カパが乱れると、怠惰になり、体重が増えます。頑固になり、過去の経験を根に持つなど、強い執着心を持ちます。また鼻炎や喘息など呼吸器疾患を起こします。

さて、あなたはどれに当てはまりそうですか?

ネットでドーシャ診断テストなどができるサイトもあるので気になる方はぜひご自身の体質を診断で調べてみてください。 

私たちの本来のドーシャの割合や、その時乱れているドーシャによって、推奨される食べ物が変わってきます。まずは自分の体や体質、マインドに耳を傾けてみてください。それが、アーユルヴェーダ的健康法の第一歩です。

似たものが似たものを引き寄せ、反対のものがバランスを取る

 アーユルヴェーダでは、ドーシャの乱れが積み重なると病気になると考えます。病気には6段階あります。

《病気の6つの段階》

  1. ドーシャが蓄積する
  2. ドーシャが悪化する(症状が現れる)
  3. ドーシャが拡散する(痛みが出てくる)
  4. 診断・病名が付く
  5. 病気の症状が出る
  6. 取り戻せない状態

病院で「○○という病気だ」と診断された時点では、もう4段階目まで来ています。病気の1から3段階目、すなわちドーシャが蓄積し、悪化し(症状が現れる)、拡散する(痛みが出てくる)までの間に、自分で「何か体調が優れないな?」と気づくはずですから、もうそれ以上悪化しないよう自分で病気の芽を摘み取る=ドーシャをコントロールすることが大事です。

 ではどのようにコントロールすればよいのでしょうか?答えは、増えているドーシャを減らすことです。

過剰になったドーシャに合わせて他のドーシャを増やそうとすると、そのドーシャが増えたことによる症状もまた現れてしまいますので、もう一度書きますが、大切なのは「増えているドーシャを減らす」ことです。

「似たものが似たものを引き寄せ、反対のものがバランスを取る」という原理を覚えておきましょう。これは乱れの原因を知り、整える上で重要です。

例えば、ヴァータが過剰になっている時に、もっとたくさんのことをやろうとしたり、風が吹きさらしの所にいたり、軽く乾燥したふわふわした食べ物(ポップコーンやおせんべいなど)を食べると、ヴァータが増えてしまいます。

暖かいお風呂に入ったり、あまり難しくない本を読んだり、暖かいスープやホットミルクなどを飲んでリラックスするのがいいでしょう。

アグニ(消化の火)という考え方

アーユルヴェーダの中で「アグニ」はとても重要な存在です。アグニは、私たちのお腹の中にいる消化を司る神様です。

というと、概念的ですが、要は消化力のことです。食べ物は、もちろん生きる上で欠かせませんし、私たちにエネルギーと喜びをもたらしてくれます。

それと同時に、私たちの病気の素でもあります。消化しきれなかった食べ物が悪さを起こします。そのため、私たちはこの消化の火を強く保つ必要があります。

アグニを弱くする要因を取り除いてあげましょう。短絡的ですが、「火」を思い浮かべるとカンタンです。火に冷水をたくさん注ぐとどうなるでしょう?火にたくさんの土をかけたら?まだ燃えきっていない燃料があるのに、次の槇をくべたら、その槇が燃えるスピードはどうでしょうか?

 

それと同じです。冷たいものを取りすぎたり、たくさん食べすぎたり、前に食べたものが消化しきれていないのに、また食べたりすると、アグニは弱くなってしまいます。

考えてみれば、まったく目新しい情報はなく、お腹を冷やさない、腹八分目、間食はできるだけしない、というような、私たちが今までで一度は必ず心がけるようにしたことをやればよいのです。

え?それは難しいという方。毎回の食事、毎日自分を戒める必要はありません。そうすると長続きしないので、無理なく行ってください。

いかがでしたでしょうか?アーユルヴェーダ料理のレシピを開く前に、自分はなぜそのレシピのものを作りたいのだろう?と考えてみましょう。その時に、上記の知識が役に立つはずです。今後の記事では、ライフスタイルから整えてくれる食事のルールをお伝えしていきますので、そちらもよろしければ、参考にしてみてください。

横浜・石川町にて、アーユルヴェーダ料理教室、ヨガ・顔ヨガのレッスンを開催。
東京・中野坂上にて、毎週日曜限定でアーユルヴェーダカフェを運営。
美腸・健康的な心と体を作る【アーユルヴェーダ料理】、顔痩せ・小顔に効果的な【顔ヨガ】、便秘解消や腰痛緩和・リラックス・デトックス効果のある【ヨガ】。この3つで、毎日をより豊かにするお手伝いをします。

・2017年3月 ファーストシップトータルヨガスクール主催 全米ヨガアライアンス認定(RYT200)取得
・2017年5月 高津文美子式フェイシャルヨガ認定講座終了
・Hale Pule認定アーユルヴェーダヘルスカウンセラー資格取得に向け勉強中
・ヨガ・アーユルヴェーダ料理教室「森の時計」主宰

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