もくじ
和食がユネスコ無形文化遺産に登録され、世界的に日本食がブームになるこの頃、日本人が昔から使ってきた鰹や昆布からとる出汁の旨味は大注目されていますね!スープを作るとき、炊き込みご飯、煮物へもだしを使うことで味が深まって一層美味しくなります。最近では、鰹節はじめ動物由来のものを避ける方も増えてきていますので、ヴィーガン対応しただしなども出てきていますよ。
だしを始めから家で用意するのは大変!?
最近のだしブームを見直して、家で手作りする方もいると思います。もちろん煮出したり時間はかかるので、沢山作ってストックしておけば便利ですよね。作り置き料理なども流行っているので、一緒にだしも手作りしているという方もいらっしゃるかもしれませんが、男性も女性も忙しい現代社会では難しい方は大勢います。そこで、最近では粉末や液体ですぐ使える市販のだしが沢山登場してきています。今回はその中でもオーガニック認証が付いたものや、無添加やこだわりのだしを紹介します!
「オーガニック」や「有機」という意味を理解していますか?
日本でもオーガニック野菜や有機野菜など、農薬や化学肥料に頼らないで作られる野菜たちなどを求める人が増えていますね。オーガニックと有機に違いがあるのかと思う方もいるかもしれませんが、同じ意味です!そして日本においてオーガニック(有機)のルール作りをしているのは農林水産省の有機JAS規格です。まずオーガニックかどうかを見分けるにはこのマークを目印にしましょう。自然食品屋さんの青果やその加工品の多くにこのマークを見かけるので知らずに見ている方もいるかもしれませんね!
有機JASを取得している全てオーガニック原料の有機だしはこちら!
白砂糖完全不使用「弓削多醤油 有機だしつゆ」
だしつゆ夏には蕎麦や素麺などに大活躍しますし、年中煮物に使っても便利ですよね。弓削多醤油さんの作るオーガニック(有機)のだしつゆは有機醤油をベースにかつお節や昆布、椎茸、と贅沢にだしが出る食材を使っています。家でこれだけの種類の材料を集めるのは大変ですよね。驚くのは砂糖が使われていないこと!旨味や有機米発酵調味料(みりん)などで代替しているのは素晴らしいです。弓削多醤油さんの蔵に行くと醤油をかけていただくソフトクリームなども名物だそうですよ!
オーガニックママ御用達「味千汐路 有機ベビーだし醤油」
味千汐路のオーガニックベビーフードを愛用しているママもいらっしゃるのでは?有機ベビーだし醤油は赤ちゃんでも安心できるオーガニック素材だけでなく、味も濃くないので優しい味付けにぴったりです!お年寄りの方向けに料理をつくるという方にも最適なオーガニックだしです。
日本唯一!有機JASの白醤油ベース「七福醸造 有機白だし」
有機小麦・有機大豆を原料に仕込んだ、なんと日本唯一という有機JAS認定の白醤油をベースに作った有機白だしです!煮物以外にも、醤油色を付けたくないという料理に使えるオーガニック白だしは価値がありますね。
一般的にだしの材料といえば鰹節やワカメなどの魚介類が多いのですが、日本の有機JAS認証では海産物のルールが定かではないので国産オーガニック海藻は残念ながらありません。しかし、日本人のおなじみの出汁の元になるきのこ類ではありますよ!
レアな有機認証を取得したどんこ!「大野きのこ山 有機乾しいたけ」
椎茸を生産するためと、干し椎茸に加工するための有機認証の二つを取ってようやく実現したどんこです。大野きのこ山は標高600メートルにあり、最も近い人家からは約500メートル離れている平坦な落葉樹林主体の山林です。空気と水が綺麗で、恵まれた環境で育てた肉厚の原木椎茸は貴重ですね!
無添加やマクロビ系のだしもあります!
オーガニック認証がついてなくても素晴らしい無添加だしがあります。
・アリサン ベジタブルブイヨン
化学調味料を使用しないで植物性の原材料だけを使用しているので、ベジタリアンやヴィーガンの方も安心して使えますね。スープだけでなく、リーキやナツメグ、ターメリックなど香味野菜やスパイスのおかげで炒め物に使うなどしてもプロの味に仕上がります。ブイヨンはフランス語でストックは英語なので、英語圏の方のはベジタブルストックという言い方をされますね!
簡単に本格派の中華料理ができる強い味方!
・オーサワの中華だし
中華料理は専門の調味料を使うと本場の味に仕上がりますよね!しかし、市販の中華調味料の添加物が木になるという方にオススメなのが無添加かつ植物素材で作られたオーサワの中華だしです。キューブ状のものも多い中で、お湯にさっと溶ける顆粒タイプなので使いやすいですよ!
マクロビ界で有名なオーサワさんではほかにも便利な無添加だしを出しています。
・オーサワの野菜ブイヨン
離乳食などの味付けにも野菜だしは便利ですよね!こちらも顆粒タイプで使い安いです。スープだけでなくピラフやカレーに使うとコクが増して料理の腕が一気に上がりますよ。
穀物の旨みを引き出しただしも登場!
・ベストアメニティ ナチュラルクック
魚醤、焼酎などのほかに、穀物発酵液が旨みのもとになっている商品です!玄米、食塩、はだか麦、もちあわ、もちきび、ひえ、ハト麦、赤米、黒米もの贅沢な穀物が使われています。
世界には美しい海の有機海藻がある!
・アルガラン オーガニック海藻
こちらは私が輸入しているアイルランド北西部の美しい海ドネガル湾で取れるオーガニック海藻もだし、そしてそのまままるごと料理に使えます!ALGARAN(アルガラン)社は2008年にヨーロッパで初の海藻でオーガニック認証を獲得しました。ヨーロッパのレストランでは今やオーガニック海藻は引っ張りだこの食材になっています。ぜひこちらの安全でおいしい海藻をそのまま料理に使ってみてはいかがですか?世界的に話題の紅色の海藻「ダルス」もありますよ!!北欧のベーコン味のする海藻としても有名です。
だしに欠かせない海藻。海のオーガニックとは!?
野菜のように農薬や化学肥料の有無ではない、海にある海藻のオーガニックかそうでないかはどうやって決まっているかご存知ですか?実は放射能汚染や生活排水、大型客船などによる汚染のないオーガニック認証団体によって認められた海であることが一つ。そして海藻が絶滅しないようにサステイナブル(持続可能性)な収穫をすることも条件です。人間のために植物たちが地球から無くなってしまうことは避けたいですね。
また、養殖では綺麗な海藻を作るために酸性物質を海に流したり、海苔などを酸性の液に浸したりすることがあります。環境に良くないことは誰でも分かりますよね。国産でオーガニック海藻はないのですが、「無酸処理」ということが明記された天然の海藻も出ているのでぜひチェックしてみてください!
オーガニック食品業界のこれからの成長に期待!?
来たる2020年にはオリンピックが東京で開催されますね!徐々にインバウンド対策が色んなところで繰り広げられていますが、物品の調達に関してもルールが決まって来ました。( 参考URL 持続可能性に配慮した調達コードについてP20より )
オリンピック選手村などへの食材提供に関しては有機JASや世界的に知名度が上がっているGLOBALG.A.P(Global Good Agricultural Practice )や JGAP(Japan Good Agricultual Practice)などの規定をクリアしている必要があります。近年開催されたオリンピックでは「food vision(フードビジョン)」と題して、2012年のロンドンオリンピック・パラリンピック、そして2016年のリオデジャネイロオリンピックでもオーガニックはじめ安心安全で環境も考えたサスティナブル(持続可能性のある)食材を揃えることが世界的に達成されています。
リオオリンピックでは治安が悪いことなども日本のニュースでは取り上げられていましたが、そんなブラジルではオーガニック肉の生産量は秀でており、見事フードビジョンも成功をおさめました。日本はどうなのかというと、有機農家さんの作るオーガニック野菜などはじめ、オーガニックマヨネーズの回で紹介したようにかなり遅れた農産物以外のオーガニック含め、選手村や関連する食材提供には足りないと想像されています。日本の料理研究家の服部幸應さんなども警鐘を鳴らしていますね。
今まで続けていたフードビジョンが先進国日本では出来なかったなんて情けないところを世界に見せる前に、消費者の意識も高め、オーガニック需要がさらに高まって、オーガニックに関わる生産者も増えて欲しいですね!特に高齢化する農業などでは若い世代の生産者も興味を持つようになって増えてくれるといいです。オーガニック海藻やオーガニックチーズはじめ、日本ではまだまだ認知度が低い世界中のオーガニック概念の広がりを伝えていきたいです。